恋してみよう愛してみよう

大波小波

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 真さんが、キャンドルを辞める。
 でも、そしたら……。
「詩央さんや、他のスタッフさんは、そのことを知ってるんですか?」
「うん。詩央くんに、ちょっと言ってみた。そうしたら」
 そうしたら。

『北條さんがキャンドルを辞めるなら、僕も辞めます!』

「こんな言葉が、返ってきてね」
 他のスタッフも同じ意見だ、と鼻息の荒い詩央だ。
「私が辞めれば、遠田の息のかかった人間が次期店長に収まるだろう」
 そうすれば、また彼がわがまま放題にキャンドルに通うことになる。
「それを気にして、決心がつかなかったんだけどね」
「でも、真さん。どうして急に、お店を辞めるだなんて」
「それは、今後の人生設計のためなんだ」
 そこで真は、杏の肩を抱いた。
「杏と結婚するんだ。もう半グレはやめて、堅気になりたいんだよ」
「真さん……」
 それは嬉しいことだけど。
 でも、詩央さんたちは犠牲にしたくない。
 そんな杏の、思いだった。

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