おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる

シンギョウ ガク

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第二部 第一章 商売と探索

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 蜥蜴人リザードマンたちとの戦闘は一瞬だけ、危ない場面があったものの、大した怪我も無く、魔物の集団を撃退できていた。

 魔物の残骸からドロップ品を集めていると、同じ第一一階層に潜っていると思われる別パーティーが、魔物と戦闘を行っている声が聞こえてきていた。

 激しい水音も聞こえてきていることから、きっと魚人マーマンたちの襲撃を受けているようだ。

「グレイズさん、結構な数の魔物の気配がするよ。どうする、お手伝いした方がいいかな?」

 気配察知が得意になりつつあるファーマが、俺と同時に戦闘の気配に気が付いたようである。

 そのファーマの問いは、魚人マーマンに襲われていると思われるパーティーを助けるべきかどうかであった。

 この階層に潜っている者はすでに中堅認定されているはずDランクパーティー以上であるため、下手に手助けすると後で難癖を付けられかねない。

 だが、こちらが援護しなかったことで、全滅をされたら、それはそれで寝覚めも悪くなるため、怒られるのを覚悟でお手伝いをして方が、まだマシな選択だと思われる。

 幸いうちは、水中呼吸アクアブレスを使えるカーラがいるため、水中に落ちて魚人マーマンに引っ張りこまれても窒息死する危険性は少ないのだ。

「とりあえず、ドロップ収集も粗方終わったから、援護に行こう。カーラ、誰かが水中に落ちてる様子だから、いつでも水中呼吸アクアブレスを撃てるようにしておいてくれ」

「承知、準備しておく」

 カーラに援護の準備をさせると、俺たちは明かりを手に、激しい水音がしている方へ向けて狭い道を進んでいった。

 しばらく進むと、崖のように切り立った場所にへばりつくように作られた細長い道だったところから、一気に視界がひらけた。

 開けた視界の先は、地底湖に住む魔物である魚人マーマンたちの集落になっているようで、広くなった窪地にポツポツと明かりが見えている。

 ここで出てくる魚人マーマン蜥蜴人リザードマンは、魔物であるものの、自我らしきものを持ち、ゴブリンと同様に集落を形成しており、しかも、互いに生存領域を巡って争っているのだ。

 つまり、地底湖エリアは魚人マーマンVS蜥蜴人リザードマン戦争の中を冒険者たちが通るということで、魔物たちの攻撃性もかなり高くなっている。

「見えました。魚人マーマンの集落で冒険者が二人……。いえ、三人目は水中に引き摺り込まれてるかも」

 魔法の灯りを飛ばしたアウリースから、戦闘状況の報告が伝えられる。

 俺も目視で確認しているが、冒険者たちは明らかに数の多い魚人マーマンたちに襲われて、全滅しかねない状況に陥っている様子だ。

 緊急性が高いと判断した俺は、目線でカーラに溺れている冒険者へ水中呼吸アクアブレスを飛ばすように指示を出す。

「承知した」

 言葉は無くとも、やることを理解しているカーラから水中呼吸アクアブレスの魔法が飛び、溺れている冒険者の全身を青い魔法の光が覆いつくしていった。

「ファーマ、ハクは冒険者たちをサイドから支援。あくまで牽制でいいからな。怪我をするなよ。トドメはあいつらに任せておけ」

「はーい! 行ってきまーす」

「わふぅうう!(はぁああ、血が滾るぅうう。お魚ぁああああ!!)」

 ファーマとハクを地上で戦っている冒険者たちの支援に回す。戦っているのは中堅冒険者であるから、二人は牽制するだけで劣勢押し返せるだろう。

「私は、前衛に出て、冒険者たちに応急処置ファーストエイドをした方が良さそうね。戦闘は任せて回復支援に回ります」

 状況判断の早いメリーは、習得した回復魔法を使って、前衛の回復支援を行う判断を下したようだ。

 メインの戦闘に手を出すと、後でいちゃもんを付けられかねないため、回復支援の選択は最善の選択肢であると思う。

「任せる。魔力は余力を持つようにな。魔力回復ポーションは周囲の安全を確かめて飲むように」

「分かっているわ。じゃあ、行ってきます」

 ドスドスと重い足音を立てて、メリーが冒険者たちの元へ向かっていく。

「私は後方警戒ですかね。範囲魔法は混戦だと危ないですし」

 メリーを見送る俺の背後でアウリースが出番無さげにしていた。

「カーラ、アウリースは俺と一緒に水中に落ちた奴の救援を支援してくれると助かる。溺れることはなくなったが、まだ、水中にもたくさん敵の気配がするからな」

「分かりました。水中の敵に有効な魔法は持ち合わせていませんが、水面に顔を出した魔物を狙います」

「私、ファーマたちとグレイズ両方援護できる位置に付く。視野は広いはず、完璧に支援する」

 カーラは地上戦闘と水中戦闘の両方を支援できる位置に付くと申し出てきた。最近のカーラは最初の頃の自己中心的な視野の狭さはなくなり、常に周囲に視線を配り、痒い所に手が届く支援を行ってくれているので、本人の申し出通りに任せることにしておいた。

「了解。任せるよ。孤立だけはしないように、何かあったらメリーか、俺の方へ駆け込めるようにしておくように」

「承知、けどそんなヘマはしない。私、優秀」

 カーラがニッコリと笑うと、両方を支援できる位置へと移動していった。

「ファーマちゃんもカーラさんもメリーさんもベテラン顔負けの冒険者になりつつありますね。私も負けてられないです」

 となりにいたアウリースが、三人の様子を見て気合を入れ直していた。

 だが、貴方も大概な魔術師ですけどね。初期魔法で蜥蜴人リザードマンクラスをぶっ殺せるとか、規格外過ぎていますけども。キル数でいえば、アウリースが断然のトップであることは本人に自覚して欲しいところである。

「気合が入ったところで、俺たちも救援に向かおう」

 俺とアウリースは溺れている冒険者に向けて駆け出していった。
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