おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる

シンギョウ ガク

文字の大きさ
185 / 232
日常編 キマイラ討伐へ

4

しおりを挟む
「毎度ありがとうございます。グレイズさん、メリーさん。これで冒険者ギルドの本部にも顔が立ちます。王様直営の冒険者ギルドとはいえ、本部からのお達しには逆らえませんからね。グレイズさんたちが持ち込んでくれたレアドロップ中心に本部に送ってご機嫌を取っておきますね」

 キマイラ探索を終えた俺たちは地上に帰還すると、ダンジョン販売店で買い取ったドロップ品や自分たちが探索中に倒した魔物のドロップ品をアルマに卸していた。

「そういえば、ギルドマスターになって一度も王都にある冒険者ギルドの本店に顔を出したことがないが、顔は出さなくても大丈夫なものなのか?」

 俺はふと、アルマの前のギルドマスターであるジェイミーが度々、領主のところや王都に出張していたことを思い出し、自分も顔を出した方がいいのか、冒険者ギルドを任せているアルマに聞いてみた。

「グレイズさんは他のギルドマスターと違って特殊ですからねー。本部もジェネシス王が直接任命したギルドマスターを王都にまで呼びつける勇気はないんじゃないでしょうか。本部への報告は治安部門の担当者に返り咲いたジェイミーさんにお任せしてます」

「それでたまにジェイミーの顔が見えなくなることがあったのか……」

「ですねー。私が行くより強面のジェイミーさんの方が無理を通せますので。グレイズさんの施策を通すには色々と本部との調整もありますからね」

 領主の方の許認可は、メラニアから全て委託されている俺がいるため問題ないが、冒険者ギルドとしての認可は本部から受けなければならないらしく、色々と面倒をかけている様子であった。

「すまんな。迷惑をかける」

「いいですよ。エンシェントドラゴンの逆鱗一つ頂ければ。全然、迷惑じゃないですから」

 アルマよ。

 それは幻のレアドロップ品で今までに数個しか出回ってないやつだろ。

 オークションにかければ一個で百億ウェルとかする、超一級品のレアドロップだと知って言っているだろ。

「わふう(今のあたしたちなら、エンシェントドラゴンもよゆーですよ。よゆー)」

 足元にまとわりついていたハクが、危険なお誘いをしてきていた。

 ブラックミルズの第三〇階層のボスモンスターでかなりの強さを誇る魔物に挑めと唆されてもなぁ。

 ムエルたちとの時は、状態異常にさせる毒矢やポーション、それに回復ポーションも魔力回復ポーションも山のように俺が持ち込んで、ギリギリの勝ちを拾った相手だ。

 腕輪の力を外して、魔法もフルパワーで使えば、ソロでも勝てると思うが、それはそれで冒険者としての枠を外れた存在になりそうな気がするぞ。

「無理。俺の力はレアドロップ出すのと、街を守る以外にあてにしたらダメだぞ」

「ですよねー。グレイズさんはそういう人だって知ってますから、冗談ですよ」

「オレもいつかエンシェントドラゴンをソロ狩りしてみたいっすね。古龍種狩り達成したソロ冒険者は未だにいないっすからねー。やってみたいわー」

 ジェネシスがまた無謀なことを企んでいた。

 エンシェントドラゴンとタイマン勝負するには、経験を重ね、色々と装備も戦略も立てて万全の状態を作り出してから挑まないと、高熱の炎により一瞬でこの世とオサラバしてしまう。

「んんっ! 実力をつけてから挑んだ方がいいぞ。エンシェントドラゴンの炎は耐熱の付与がかかった防具しか防げないからな。普通の装備で受けたら一瞬で身体ごと溶かされる」

「強い相手、装備大事。やっぱり、お金必要」

「対エンシェントドラゴン装備かー。結構なお値段しそうね。いっぱい稼がないと」

「ファーマも頑張るー。ハクちゃん、エンシェントドラゴンって強そうだねー。たのしみー」

「皆さん、あ、あのエンシェントドラゴンは深層階三〇階層のボスですよ。今回戦ったキマイラの強さとは段違いなはず。ダンジョン内で近寄るなって言われるノーライフキングと同程度の強さだと聞いてますけど!?」

 やる気が漲り過ぎるうちのメンバーの中で、ただ一人アウリースだけが、エンシェントドラゴンの強さを理解してくれ、みんなに説明をしてくれていた。

 いずれ挑むとは思うが、今はまだ早い。

「みんなのやる気はありがたいが、俺たちはまだBランクだからな。今度は深層階への扉を守るゴブリンキングを倒し、深層階に挑めるようにならないと」

「おおぉ、深層階に潜れるようになれば、妾の寝所に帰れる時もくるのぅ。今はメラニアの召喚獣だが里帰りは一度しておきたいところじゃ」

 俺たちがBランクに昇格し、深層階に近づいたことでクィーンが実家である不死王の宮殿ノーライフキングパレスに帰れることを喜んでいる。

 そういえば、忘れていたがクィーンは実家から魂集めにふらっと上に階層にまできたところ、俺にぶっ倒されて力を失い帰れなくなったところをメラニアに召喚されたんだったな。

 ボスモンスターは倒されない限り、再配置されないはずなんで、不死王の宮殿ノーライフキングパレスはボス不在が続いているのだろうか。

 それはちょっと覗いてみたいな。

「メラニアちゃんのお家はずっと留守にしてましたからね。お掃除した方がいいのかしら?」

「再配置された妾の部下たちが庭園管理とお掃除はしてくれておると思うが……。半分生身にされたことで地上の方が妾としては住みやすい環境になっておる。ここなら、メラニアのご飯や街のみんながお菓子をくれるし、ダンジョンで魔物から魂を補充できて満足しておる。あっちは別宅じゃな」

 ボス魔物としてそれでいいのかクィーンよ。

 完全に街のアイドルと化して、餌付けされているぞ。

 そのうちメリーあたりが『ノーライフキングに餌付けできる街、ブラックミルズ』とか観光看板を立てそうな気がしてならないんだが。

「クィーン、街の人から色々ともらうのはいいが、あまり目立っちゃダメだからな。召喚主のメラニアに迷惑がかかることもあるし」

「わかっておるのじゃ。だから、こうやって名札をつけておる」

 クィーンがメラニアに買ってもらった服につけられた名札を誇らしげに見せてきた。

 名札には『クィーンがご迷惑をおかけしましたら、メラニア・ブラックミルズまでご連絡頂ければ幸いです』と書かれている。

 これを見せられて領主の館に怒鳴り込む人はほとんどいないだろうが。

「なら、いいが」

「それよりも、ダンジョンから帰ってきたのじゃからご飯にしよう。妾はお腹空いたのじゃー」

「ファーマもお腹すいたー」

「わふう(あたしもご飯欲しいですー)」

「わかった。わかった。清算もそろそろ終わるから、飯にすっかー。アルマも仕事あがったらこいよー。セーラにも伝えてあるし」

「あ、はーい。メリーさんと細かい打ち合わせ終わったらあとでお伺いしますね。場所はいつもの酒場ですね」

「おう、ダンジョンから帰還した日はメラニアも疲れてるだろうし、外食ですませることにしてるからな。いつもの酒場で食ってるぞ。じゃあ、先に行ってるからな」

「ちぇー今日は姉上の飯が食えないのかー」

「なら、ジェネシスは自分の屋敷でぼっち飯決定だな」

「ぜってー嫌っす。グレイズさんが嫌がっても一緒に飯食いますから!」

 我がパーティーの欠食児童たちが、空腹を訴え始めたので、俺たちはメリーに清算を任せ、先に商店街の酒場に行くことにした。
しおりを挟む
感想 1,071

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。

さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。 だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。 行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。 ――だが、誰も知らなかった。 ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。 襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。 「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。 俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。 無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!? のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。