2 / 61
美奈子の失踪
しおりを挟む
翌朝、蒼介が目を覚ましたとき、家は静まり返っていた。
いつもなら聞こえるはずの台所の物音がない。
コーヒーの香りも、パンが焼ける香りもしない。
25年間、毎朝欠かさず繰り返された「おはよう」と笑う彼女の笑顔もそこには無かった。
「美奈子?」
蒼介は寝室を出て、一階へ降りた。リビングも、台所にも、美奈子はいない。彼女が趣味のハンドメイドアクセサリーを作るために使っていた書斎のドアをノックする。
「美奈子、入るぞ」
ドアを開けると、部屋はがらんとしていた。
机は綺麗に整えられ、クローゼットは空。
彼女の私物は、すべて消えていた。
あるのは、テーブルの上に置かれた、一通の手紙だけ。
蒼介は震える手でそれを取り、封を開けた。
_______________
蒼介さんへ
突然いなくなる事をお許しください。
これ以上、あなたの前にいることができませんでした。
もう、日下部美奈子として生きることはできません。
せめて、納得していただけるよう、全てをここに記します。
あの日、私は会社のトラックを運転していました。
眠気と戦いながら、必死にハンドルを握っていた。
あと少しで目的の駐車場に着くと思ったその時、何かが飛び出してきて、避けるために車線をはみ出した。
ハンドルを切ったその瞬間、美奈子さんの姿が見えました。
ブレーキを踏んだけど間に合わなかった。衝撃が走って——。
そこで、私の記憶は途切れています。
次に気づいたとき、私は病院のベッドにいました。
でも、体は私のものじゃなかった。
鏡を見て、初めて理解したんです。
私が跳ねた女性——美奈子さんの体に、私がいることを。
医者は記憶障害だと言いました。
蒼介さんは優しく、「ゆっくり思い出せばいい」と言ってくれました。
でも、思い出せるはずがなかった。
なぜなら、私は美奈子さんじゃないから。
美奈子さんの記憶なんて、最初から私にはなかったから。
退院して一週間後、新聞で見つけました。
「運送会社勤務の阿部千紘さん、自損事故で死亡」
私は、死んでいた。そして、美奈子さんの体に、私の魂が入っていた。
どうしてこんなことになったのか、今でも分かりません。
ただ、事実として——阿部千紘は死に、美奈子さんも死んだ。
そして美奈子さんの体で、阿部千紘が生きている。
事故を起こし、美奈子さんをひいてしまった私が、あなたの妻として25年間も隣にいた。
あなたを騙し続けて、美奈子さんのふりをして。
娘のことは、本当に愛していました。
美咲は、私の娘です。たとえ、美咲と私に本当の意味で血縁関係がないとしても。
それだけは、信じてください。
でも、嘘をつくのはもう限界。
これ以上、あなたと一緒にいることは、あなたへの裏切りだと思ったんです。
だから、消えます。
阿部千紘として生きていきます。
離婚届は、私の分だけ記入してテーブルに置いておきました。
後はあなたがサインをして、提出してください。
美咲には、適当な理由を話してください。
「お母さんは一人になりたいんだ」とでも言えば、あの子なら分かってくれると思います。
本当に、本当にごめんなさい。
そして、ありがとうございました。
25年間、本当に幸せでした。
さようなら、蒼介さん。
どうか、お元気で。
阿部千紘
_______________
手紙を読み終えた蒼介は、その場に座り込んだ。
部屋の中を見回して呆然とする。
彼女の痕跡は、何も残っていない。まるで、前からずっと準備していたように。
「美奈子……」
蒼介の脳裏に、あの日の記憶が鮮明に蘇ってきた。
美奈子が入院して三日目、医者から「奥さんは峠を越えました」と告げられた。
美奈子の病室に入ると、彼女は眠っていた。
「もうすぐ、目を覚ますでしょう」
医者はそう言った。
事故の知らせを受けてからずっと、生きた心地がしなかった蒼介は、力が抜けたように病院のソファに腰を下ろした。
そして、その翌日。美奈子は目を開けた。
「……誰?」
蒼介は泣いた。妻が生きて帰ってきた。それだけで、十分だった。
「ああ、俺だ。蒼介だよ美奈子、よかった……本当に、よかった……」
美奈子——いや、千紘——は、困惑したような顔で蒼介を見つめていた。
(あの時、本当に何も分からず、混乱していたのか。)
蒼介は手紙を握りしめ、立ち上がってリビングへ向かった。
手紙に書いてある通り。離婚届を開くと、美奈子が記入する欄は埋められていた。
蒼介は、ニッチに置かれた写真立てを手に取った。
銀婚式の記念に、先月撮った写真。
笑顔の美奈子——いや、千紘——が写っている。
「25年間……お前は、独りで苦しんでいたっていうのか。ずっと……我慢していたと……」
蒼介は呟いた。
妻を殺した罪。その体を奪った罪。夫を騙し続けた罪。
すべてを背負いながら、25年間笑顔で隣にいたなんて……。
「こんな話、誰が信じるって言うんだ。バカげている。……でも」
蒼介は写真立てを乱暴に裏返して机に伏せ、自棄酒をしようと冷蔵庫を開けた。
目に入ったのは、昨日手を付けなかった料理。
タッパに詰められ、温め時間、賞味期限、料理名がきれいな文字で書かれた付箋が張り付けられている。
冷蔵庫の扉には、ごみの日や自治会の連絡先。それに、通帳や印鑑の保管場所が書かれたメモが張ってある。
それを見た瞬間、”美奈子は本当に出て行った”のだと悟り、蒼介は慌ててスマートフォンを手に取った。
もう一度話し合いたくて、通話ボタンをタップしようとした瞬間、着信音が鳴り響いた。
娘の美咲からだ。
「お父さん、昨日はごめんね。銀婚式、一緒にお祝いできなくて。」
明るい声が響く。
「仕事が立て込んじゃって。来週の週末、お祝いに行くから。お母さんにも伝えておいてくれる?」
蒼介は口を開きかけて、言葉に詰まらせた。
何を言えばいいのか。
母親が失踪したと?
母親は母親じゃないと?
「……お父さん?」
「ああ、大丈夫だ。母さんは……」
蒼介は深く息を吸った。
「母さん、喜ぶと思うよ」
「よかった。じゃあ、来週ね!」
電話が切れた。
蒼介は携帯電話を握りしめたまま、ソファに沈み込んだ。
娘に何を話せばいいのか。
真実を話すべきなのか。
それとも、適当な理由をつけるべきなのか。
手紙には「適当な理由を」と書いてあった。
でも、それでいいのか。
蒼介は顔を掩った。
愛した妻の笑顔が、脳裏に浮かぶ。
あの笑顔は、美奈子のものではないなんて……
でも——
「美咲は、私の本当の娘です」
千紘の言葉が、蘇る。
25年間、千紘は美咲を愛し、育ててくれた。
その事実は、誰にも否定できない。
蒼介は窓の外を見た。
どこかで、彼女は独りで泣いているだろうか……
25年分の罪を背負って。
いつもなら聞こえるはずの台所の物音がない。
コーヒーの香りも、パンが焼ける香りもしない。
25年間、毎朝欠かさず繰り返された「おはよう」と笑う彼女の笑顔もそこには無かった。
「美奈子?」
蒼介は寝室を出て、一階へ降りた。リビングも、台所にも、美奈子はいない。彼女が趣味のハンドメイドアクセサリーを作るために使っていた書斎のドアをノックする。
「美奈子、入るぞ」
ドアを開けると、部屋はがらんとしていた。
机は綺麗に整えられ、クローゼットは空。
彼女の私物は、すべて消えていた。
あるのは、テーブルの上に置かれた、一通の手紙だけ。
蒼介は震える手でそれを取り、封を開けた。
_______________
蒼介さんへ
突然いなくなる事をお許しください。
これ以上、あなたの前にいることができませんでした。
もう、日下部美奈子として生きることはできません。
せめて、納得していただけるよう、全てをここに記します。
あの日、私は会社のトラックを運転していました。
眠気と戦いながら、必死にハンドルを握っていた。
あと少しで目的の駐車場に着くと思ったその時、何かが飛び出してきて、避けるために車線をはみ出した。
ハンドルを切ったその瞬間、美奈子さんの姿が見えました。
ブレーキを踏んだけど間に合わなかった。衝撃が走って——。
そこで、私の記憶は途切れています。
次に気づいたとき、私は病院のベッドにいました。
でも、体は私のものじゃなかった。
鏡を見て、初めて理解したんです。
私が跳ねた女性——美奈子さんの体に、私がいることを。
医者は記憶障害だと言いました。
蒼介さんは優しく、「ゆっくり思い出せばいい」と言ってくれました。
でも、思い出せるはずがなかった。
なぜなら、私は美奈子さんじゃないから。
美奈子さんの記憶なんて、最初から私にはなかったから。
退院して一週間後、新聞で見つけました。
「運送会社勤務の阿部千紘さん、自損事故で死亡」
私は、死んでいた。そして、美奈子さんの体に、私の魂が入っていた。
どうしてこんなことになったのか、今でも分かりません。
ただ、事実として——阿部千紘は死に、美奈子さんも死んだ。
そして美奈子さんの体で、阿部千紘が生きている。
事故を起こし、美奈子さんをひいてしまった私が、あなたの妻として25年間も隣にいた。
あなたを騙し続けて、美奈子さんのふりをして。
娘のことは、本当に愛していました。
美咲は、私の娘です。たとえ、美咲と私に本当の意味で血縁関係がないとしても。
それだけは、信じてください。
でも、嘘をつくのはもう限界。
これ以上、あなたと一緒にいることは、あなたへの裏切りだと思ったんです。
だから、消えます。
阿部千紘として生きていきます。
離婚届は、私の分だけ記入してテーブルに置いておきました。
後はあなたがサインをして、提出してください。
美咲には、適当な理由を話してください。
「お母さんは一人になりたいんだ」とでも言えば、あの子なら分かってくれると思います。
本当に、本当にごめんなさい。
そして、ありがとうございました。
25年間、本当に幸せでした。
さようなら、蒼介さん。
どうか、お元気で。
阿部千紘
_______________
手紙を読み終えた蒼介は、その場に座り込んだ。
部屋の中を見回して呆然とする。
彼女の痕跡は、何も残っていない。まるで、前からずっと準備していたように。
「美奈子……」
蒼介の脳裏に、あの日の記憶が鮮明に蘇ってきた。
美奈子が入院して三日目、医者から「奥さんは峠を越えました」と告げられた。
美奈子の病室に入ると、彼女は眠っていた。
「もうすぐ、目を覚ますでしょう」
医者はそう言った。
事故の知らせを受けてからずっと、生きた心地がしなかった蒼介は、力が抜けたように病院のソファに腰を下ろした。
そして、その翌日。美奈子は目を開けた。
「……誰?」
蒼介は泣いた。妻が生きて帰ってきた。それだけで、十分だった。
「ああ、俺だ。蒼介だよ美奈子、よかった……本当に、よかった……」
美奈子——いや、千紘——は、困惑したような顔で蒼介を見つめていた。
(あの時、本当に何も分からず、混乱していたのか。)
蒼介は手紙を握りしめ、立ち上がってリビングへ向かった。
手紙に書いてある通り。離婚届を開くと、美奈子が記入する欄は埋められていた。
蒼介は、ニッチに置かれた写真立てを手に取った。
銀婚式の記念に、先月撮った写真。
笑顔の美奈子——いや、千紘——が写っている。
「25年間……お前は、独りで苦しんでいたっていうのか。ずっと……我慢していたと……」
蒼介は呟いた。
妻を殺した罪。その体を奪った罪。夫を騙し続けた罪。
すべてを背負いながら、25年間笑顔で隣にいたなんて……。
「こんな話、誰が信じるって言うんだ。バカげている。……でも」
蒼介は写真立てを乱暴に裏返して机に伏せ、自棄酒をしようと冷蔵庫を開けた。
目に入ったのは、昨日手を付けなかった料理。
タッパに詰められ、温め時間、賞味期限、料理名がきれいな文字で書かれた付箋が張り付けられている。
冷蔵庫の扉には、ごみの日や自治会の連絡先。それに、通帳や印鑑の保管場所が書かれたメモが張ってある。
それを見た瞬間、”美奈子は本当に出て行った”のだと悟り、蒼介は慌ててスマートフォンを手に取った。
もう一度話し合いたくて、通話ボタンをタップしようとした瞬間、着信音が鳴り響いた。
娘の美咲からだ。
「お父さん、昨日はごめんね。銀婚式、一緒にお祝いできなくて。」
明るい声が響く。
「仕事が立て込んじゃって。来週の週末、お祝いに行くから。お母さんにも伝えておいてくれる?」
蒼介は口を開きかけて、言葉に詰まらせた。
何を言えばいいのか。
母親が失踪したと?
母親は母親じゃないと?
「……お父さん?」
「ああ、大丈夫だ。母さんは……」
蒼介は深く息を吸った。
「母さん、喜ぶと思うよ」
「よかった。じゃあ、来週ね!」
電話が切れた。
蒼介は携帯電話を握りしめたまま、ソファに沈み込んだ。
娘に何を話せばいいのか。
真実を話すべきなのか。
それとも、適当な理由をつけるべきなのか。
手紙には「適当な理由を」と書いてあった。
でも、それでいいのか。
蒼介は顔を掩った。
愛した妻の笑顔が、脳裏に浮かぶ。
あの笑顔は、美奈子のものではないなんて……
でも——
「美咲は、私の本当の娘です」
千紘の言葉が、蘇る。
25年間、千紘は美咲を愛し、育ててくれた。
その事実は、誰にも否定できない。
蒼介は窓の外を見た。
どこかで、彼女は独りで泣いているだろうか……
25年分の罪を背負って。
54
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
愛を騙るな
篠月珪霞
恋愛
「王妃よ、そなた一体何が不満だというのだ」
「………」
「贅を尽くした食事、ドレス、宝石、アクセサリー、部屋の調度も最高品質のもの。王妃という地位も用意した。およそ世の女性が望むものすべてを手に入れているというのに、何が不満だというのだ!」
王妃は表情を変えない。何を言っても宥めてもすかしても脅しても変わらない王妃に、苛立った王は声を荒げる。
「何とか言わぬか! 不敬だぞ!」
「……でしたら、牢に入れるなり、処罰するなりお好きに」
「い、いや、それはできぬ」
「何故? 陛下の望むままなさればよろしい」
「余は、そなたを愛しているのだ。愛するものにそのような仕打ち、到底考えられぬ」
途端、王妃の嘲る笑い声が響く。
「畜生にも劣る陛下が、愛を騙るなどおこがましいですわね」
【短編】ちゃんと好きになる前に、終わっただけ
月下花音
恋愛
曖昧な関係を続けていたユウトとの恋は、彼のインスタ投稿によって一方的に終わりを告げた。
泣くのも違う。怒るのも違う。
ただ静かに消えよう。
そう決意してトーク履歴を消そうとした瞬間、指が滑った。
画面に表示されたのは、間の抜けたクマのスタンプ。
相手に気付かれた? 見られた?
「未練ある」って思われる!?
恐怖でブロックボタンを連打した夜。
カモメのフンより、失恋より、最後の誤爆が一番のトラウマになった女子大生の叫び。
愛する夫にもう一つの家庭があったことを知ったのは、結婚して10年目のことでした
ましゅぺちーの
恋愛
王国の伯爵令嬢だったエミリアは長年の想い人である公爵令息オリバーと結婚した。
しかし、夫となったオリバーとの仲は冷え切っていた。
オリバーはエミリアを愛していない。
それでもエミリアは一途に夫を想い続けた。
子供も出来ないまま十年の年月が過ぎ、エミリアはオリバーにもう一つの家庭が存在していることを知ってしまう。
それをきっかけとして、エミリアはついにオリバーとの離婚を決意する。
オリバーと離婚したエミリアは第二の人生を歩み始める。
一方、最愛の愛人とその子供を公爵家に迎え入れたオリバーは後悔に苛まれていた……。
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
2026.1.4 73話見直した際、瑛士の台詞《本音/懺悔》を加筆しました。😇
☘ 累計ポイント/ 200万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
初恋にケリをつけたい
志熊みゅう
恋愛
「初恋にケリをつけたかっただけなんだ」
そう言って、夫・クライブは、初恋だという未亡人と不倫した。そして彼女はクライブの子を身ごもったという。私グレースとクライブの結婚は確かに政略結婚だった。そこに燃えるような恋や愛はなくとも、20年の信頼と情はあると信じていた。だがそれは一瞬で崩れ去った。
「分かりました。私たち離婚しましょう、クライブ」
初恋とケリをつけたい男女の話。
☆小説家になろうの日間異世界(恋愛)ランキング (すべて)で1位獲得しました。(2025/9/18)
☆小説家になろうの日間総合ランキング (すべて)で1位獲得しました。(2025/9/18)
☆小説家になろうの週間総合ランキング (すべて)で1位獲得しました。(2025/9/22)
愛してしまって、ごめんなさい
oro
恋愛
「貴様とは白い結婚を貫く。必要が無い限り、私の前に姿を現すな。」
初夜に言われたその言葉を、私は忠実に守っていました。
けれど私は赦されない人間です。
最期に貴方の視界に写ってしまうなんて。
※全9話。
毎朝7時に更新致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる