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第八章【東方大地】
8-19 アサシンの秘密
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テイル「間違うはずない…!」
魔剣士「い、いや…ちょっと待て……」
テイル「……兄さん、兄さんなんでしょ!?」
魔剣士「お、落ち着け!こんな場所にいるはずないだろ!」
テイル「ううん、すっかり痩せて…髭も酷いけど……!絶対に、兄さんよ!」
白姫「本当に…!?」
牢の中にいた痩せ細った薄汚い男。それはテイルの兄、クローツだった。
地下牢のカビ毒にやられたのか、アサシンの言葉に気負いしたのか。その風貌はすっかり衰えた様子で、あの頃のような美しい容姿はどこにもなく、簡単に言えば"落ち人"という言葉に当てはまるような姿をしていた。
白姫「この人が、テイルのお兄さん…なの……?」
テイル「そうよ!……ねぇ、兄さんでしょ!どうしてこんな所に、なんで……!」
国が落された後、久方ぶりに訪れた王城。しかし、あの王室にいなかったことから留守にしているだけだと考えていたテイルは、地下牢でやつれた姿の兄を見て驚愕し、取り乱した。
テイル「兄さん、何で…!アサシンにやられたの!?」
あれほど"兄ではない。敵なんだ"と言っていたクローツに対し、自然と"兄"と呼んでいたのは、心の奥底、本心では彼が唯一の家族だったから、敵だと認めたくないからだった。
それを分かっていた魔剣士と白姫は、何も言わずただそれを見守った。
テイル「兄さん、返事をしてよ!どうしたの、や、やっぱり全てアサシンに……!」
白姫(テイルさん……)
魔剣士(テイル……)
ガシャガシャと牢の金属を鳴らし、必死に訴えかける。
テイル「兄さん、兄さんッ!!」
何度も何度も"兄さん"と呼ぶテイル。だが、それでも無視を続けるクローツ。魔剣士もイラつき始め、いい加減にしろと叫ぼうとした瞬間、ようやく彼は咳き込みながら反応を見せた。
しかし、彼の言葉はテイルにとって痛みを覚えるものだった。
「……しぶとい女だな」と。
テイル「えっ?」
魔剣士「何…?」
白姫「今、何て……」
クローツ「……どうやって戻ってきたかは知らないが、アサシンの団員たちには遊ばれたのか?」
テイル「クローツ…兄さん……?」
クローツ「昨晩からルヴァに捕まっていたようだったが、アサシンには勝てなかったようだな…クク……!」
テイル「……!」
クローツ「さっきまで俺に対して、アサシンに騙されたんじゃないかと連呼していたが……」
クローツ「牢は考える場所が欲しかっただけのこと。この俺はアサシンに国の行く末を任されている身だぞ?」
テイル「兄…さん……」
クローツ「兄と呼ぶな!」
テイル「!」
クローツ「お前は一人の女で俺の敵。二度目に会った時も、敵であると言ったはずだ!」
テイル「…ッ!」
クローツ「良い恰好だな。女として、俺の傍に来たいのか……」
テイル「そんなわけ…ないでしょう……!そんなに、私に殺されたいの……?」
クローツ「ククッ、強がりはよせ!お前に俺が殺せるか!」
テイル「強がってなんかいない!」
クローツ「ハハハハッ!」
テイル「もしかしてアサシンに騙されてて…!まだ、家族なんだって…思ったのに……!助けようって……」
つい、言いたくなかった本音が漏れた。
クローツ「俺はあの日から一度たりとも思っていない!」
テイル「……ッ!」
クローツ「クソ女が…、お前は邪魔な存在なんだよ……!」
愛する家族に呼びかけた優しい声は、彼の耳に届くことはなかったのか。
そこにいるのは、かつて兄と呼んでいた"男"。最早、ただの敵だった。
クローツ「それで、どうする…。この檻を破り、俺の首を刎ねるか?」
テイル「それが…望みなのね……」
クローツ「そこの剣士クンなら、俺の檻も破れるんだろう?さぁ、やってみろ……」
テイル「やってやるわよ…!やって……!」
クローツ「……ククッ、勢いは良し。さすが俺の殺した英雄キングの娘だよ…!」
テイル「……ッ!!」
あくまでも挑発的なクローツ。テイルは興奮のあまりに魔剣士の剣を奪う。
魔剣士「あ、おいっ!」
テイル「ビショップ…!よくもお父様を、よくもみんなをぉぉっ!!」
何度も剣を振り下ろし、その度に火花と金属片が飛び散るが、刃を立てることが出来ないテイルの剣術では牢を破ることが出来なかった。
テイル「くそっ、くそぉっ!くそぉぉっ………!」
クローツ「ハハハッ!この牢も切れぬ剣術、見ていて面白いな!あの慌てふためいた民のように、情けない姿だ!」
テイル「お父様を、国民を、愚弄するなぁぁっ!!」
クローツ「クククッ、ハハハハハッ!!」
テイル「く…!あ…ぅぅ……!」
テイルはついに剣を落とし、その場で力なく膝をつく。
クローツ「良い眺めだ。あのキングの娘が、俺にひれ伏す。その程度で国民を率いる事が出来ると思うのか?」
テイル「うる…さい……!」
クローツ「まるであの時の再現だな。また、煩いという言葉ばかりで俺に負けるんだろう?」
テイル「……何だと…!」
クローツ「ククク、お前も親父も、所詮は俺に負けるんだよ!」
テイル「負けや…しない……!負けない……!」
クローツ「無理だ。お前には、俺に勝てることなど出来ない!」
テイル「勝つ…!絶対に勝つ…!勝たないといけない!!」
クローツの言葉に憤慨し、再び、勢いづいて立ち上がる。
クローツ「ククク、ならばやってみろ…!国を蘇らせる事が出来るのなら、俺に、その未来を見せてみるがいい!」
魔剣士(!)
白姫(…!)
遠まわしに放った兄としての言葉。興奮するテイルには気づかぬことだったが、魔剣士と白姫の二人は即座に理解する。
"その未来を見せてみろ……!"その、真意が。声が。
テイル「……見せてやる。ビショップ、アンタに、私が勝つところを、絶対に!」
テイル「アサシンなんかに負けない!この国は、生き返るんだからっ!!」
テイルは駆け出し、アサシンのいるであろう王室に向かって走って行った。
魔剣士と白姫は急いで追いかけようとしたが、クローツは「待て……」とそれを止めた。
魔剣士「……あ?」
白姫「私たち…?」
クローツ「……そうだ。話がある」
魔剣士「…俺らにか?」
二人は立ち止まり、牢越しにクローツに近づく。
魔剣士「……何だよ」
クローツ「お前たちは、テイルを助けてくれた仲間…なのか……?」
魔剣士「成り行き上、そうなっちまったよ」
クローツ「そうか……、アイツは…怪我もしていなかったようだが……」
魔剣士「何もされてねーはずだ。素っ裸にはされてたがな」
クローツ「そうか…、そうか…………」
胸糞悪い相手に違いはなかったが、クローツの本音を垣間見て、その言葉に耳を傾け、改めてクローツに"それ"を尋ねた。
魔剣士「……なァ、アンタ。本当は悪者になりきれてないんだろ?」
クローツ「…何?」
魔剣士「そんなクソみてぇな風貌で、アホみてぇな悪い口調言ってたらテイルのように勘違いされちまうかもしれねぇけどさ」
魔剣士「さっき言った、"未来を見せろ"って言葉は、テイルに対しての応援だろ?」
クローツ「……さぁな」
魔剣士「シラを切っても無駄だぜ。お前、今は国を裏切ったことを悔やんでるんだろ?」
クローツ「…」
魔剣士「やっちまったもんはしゃあねぇだろうが、過ちは認めたってことで良いんだな?」
クローツ「……フフ、例えそうだとしても俺は既に大罪人。過ちを認めても、何も変わらない」
魔剣士「分かってるだけマシだろうがよ」
クローツ「俺は国を裏切り、父を殺し、テイルの幸せと心を壊したに等しい。光のひと筋すら、入る余地はない」
魔剣士「…」
クローツ「……赦されるわけがない」
それは当然のことで、誰が見ても赦される問題ではない。国一つを敵に売り、親を殺し、家族を捨て、多くの人々の悲しみはこの男一人のせいで生まれたのだ。アサシンという闇の存在があったとしても、この男がいなければ、それは起きなかったのだから。
白姫「……で、ですけど!クローツさんは今、彼女を家族だと思ってるんですよね?」
クローツ「それに答えるつもりはない。お前たちが思うように思えば良い」
白姫「……はぐらかさないでください!」
クローツ「おっと……?」
白姫「どんな思いでテイルさんが過ごしてきたか知ってますか?さっき、敵だって言ってたあなたに対して"兄"と呼んだ気持ちが分からないんですか…?」
クローツ「……知るものか」
白姫「クローツさん、テイルさんは……!」
クローツ「……知りたくもない!……だが、しかしだ…!」
白姫「!」
クローツ「しかし…、この死んだ国を蘇らせるのに生半可な気持ちで立ち向かうのは無理だと知っている!」
クローツ「今さらアイツの気持ちに気づいたのなら、最後まで仇と思ったほうが、この国の力になれるんじゃないかと…思ったまでだ……!」
白姫「……自分が最期まで敵役になるって…ことですか……?」
クローツ「そうだ」
魔剣士「自分が敵になってテイルを立ち上がらせるのか。それが、最善だと思っているのか……?」
クローツ「他の道があろうとも、俺にはもうその選択肢しかないんだよ」
魔剣士「ふざけんな!お前が殺した国だろうが…、過ちに気づいた今こそまたテイルと一緒に……!!」
クローツ「ゲホッ…!ゲホッ……!ゴホッ!ゲホゲホゲホッ!!」
魔剣士「んあ……?」
突然、長く咳き込むクローツ。
暗がりで見えにくかったが、どうやら、血を吐いたようにも見える。
魔剣士「お、おい……」
クローツ「ゴホッ…!お、俺ももう長くはない…!最深部には魔カビという2日とも持たない…蝕む毒が…あるからな……」
魔剣士「お前、アサシンにここに入れられたのか……?」
クローツ「それは違うと言ったはずだ。ココへは、自分で望み、自分で入った。死ねば…この世界を見なくて済む……」
魔剣士「じ、自分だけ死んで逃げるのか!?」
クローツ「ククッ……!俺は悪党だぞ…?最期まで逃げて、幸せな夢を見て…終わるさ……!」
魔剣士「ふっざけんな!お前にはまだやることだって……!」
牢を壊そうと剣を構えるが、「やめろ!」とクローツの言葉が飛ぶ。
クローツ「さっきのテイルの剣撃と魔力で、この中は反応した魔カビで充満している…。もう、俺は助からないし、お前らも中へ入れば……」
魔剣士「……くっ!?テ、テメェはそうやって逃げて終わりでいいのかよ!?」
魔剣士はテイルに代わってクローツを説得するが、彼が長い命でないことは明らかだった。だから、魔剣士は最期の最後に、せめて、彼女に対しての"家族の愛"があったことを聞きだそうと必死になった。
クローツ「……ハハハ、どうしてお前がそこまで肩入れする?テイルに惚れたのか?」
魔剣士「そんなんじゃねぇよ!そうじゃなくて、男として、お前は卑怯だっつってんだよ!」
クローツ「卑怯だから悪者なんだ。卑怯じゃない悪者がどこにいる?」
魔剣士「……そ、そう言ったらそうなんだろうけど、そうじゃねぇ!!」
クローツ「何を言ったところで、結果は変わらない!俺は自ら命を断って逃げ、テイルはこの国の未来の為に戦ってくれるだけだ……!」
魔剣士「!」
白姫「!」
クローツ「……もう、疲れた。最期まで悪役らしく、いさせてくれ…」
クローツ「何がどうして…こうなったのか…。死んでから、ゆっくり……考えさせて…くれ……」
急に呼吸が浅くなり始めるクローツ。どうやら、その時間は目の前まで迫っているらしい。
魔剣士「クローツ、お前は……!」
クローツ「……自分で殺した国の復興を願うなんて、とんでもないバカがいたもんだな」
魔剣士「!」
クローツ「あっちで親父や民に謝ったら、許してくれっかなぁ……」
魔剣士「…」
クローツ「……ゲホッ、ゴホゴホッ!!」
魔剣士「…」
クローツ「そ、そうだ…。お前の、名前は……?」
魔剣士「……魔剣士だ」
クローツ「そうか、魔剣士というのか……。魔剣士、なら…最期に…伝えることが…ある……」
魔剣士「テイルのことか」
クローツ「結果的には…助けることになるかも…しれん……」
魔剣士「どういう意味だ?」
クローツ「どうしても…、あのアサシンには……勝てない…。普通の人間では…勝てないんだ……」
魔剣士「普通の人間では…勝てない……?」
クローツ「あぁ、あいつは…化け物だよ……。俺は、歴戦の記録を調べる…うち……一つ…分かったことがある……」
魔剣士(確かにアイツの強さは化け物じみていたが…秘密があったのか……?)
魔剣士「……何だ、クローツ!その秘密を教えてくれ!」
幾度も魔法をぶつけても動じず、眼に追えぬ速度の瞬間移動とも呼ぶべき縮地。圧倒的な強さと殺戮の気を持つ、アサシンの秘密。
クローツ「……アイツは」
魔剣士「アサシンは!?」
クローツ「アイツは、人にあらざる…力……」
魔剣士「何だ、それは!」
クローツ「それ…は…………」
魔剣士「何だよ!」
クローツ「闇……」
魔剣士「闇…?」
クローツ「"闇魔法"…だ……!」
魔剣士「……何?」
白姫「えっ…?」
―――何もかも、想定外。
考えられるはずのない、驚愕過ぎる事実。
魔剣士「……や、闇魔法だって!?」
白姫「闇魔法って、アサシンがですか!?」
クローツ「そうだ……。恐らく…いや、確実に…アイツは……闇魔法の習得者だろう……」
地下牢、王室、それぞれの場所で魔剣士、白姫、猛竜騎士はアサシンが"闇魔法"の使い手であることを知らされる。
信じたくない秘密だったが、彼の強さや猛竜騎士が目の前で見せられた魔法の感覚は、確かにそれを信じざるを得ない、最悪な現実だった。
魔剣士「アイツが闇魔法の習得法について知ってたのか!?」
クローツ「それは…分からない……。だが、おかしいと思わないか……?」
魔剣士「何がだ!」
クローツ「十字軍の戦いより、数十年…。あの若さと、強さ、微かに感じる人にない魔力は、表だって見せてないが確実に闇魔法の気配だ……」
魔剣士「……若さ、そういえば確かに…」
白姫「あっ、魔剣士!」
魔剣士「どうした?」
白姫「それについて話をした時、アサシンは急に態度を変えて、私たちを地下牢に閉じ込めたんだよね……」
魔剣士「……じゃあ、知られたくない秘密ってことで本当なのか…!」
クローツ「闇魔法の知識は浅く、対処法までは分からない…。しかし、アサシンがその使い手であることを…知っておいて損はないだろう……」
魔剣士「……最高の情報だぜ。アンタのおかげで、何か活路が見えてきそうだ!」
クローツ「そうか、それは……何…より……」
魔剣士「あっ、おい!?」
"グラリ"と身体が揺れ、クローツは地面に倒れる。もう、座っていることもままならないらしい。
クローツ「ゲホッ…!ゴホッ!!」
魔剣士「……クローツ」
クローツ「どうやら…ここまで……か…」
魔剣士「最後に、お前の気持ちは理解した!しっかり受け取ったぞ!」
クローツ「あぁ……。テイルが…あんな風に……お前たちを…信頼していただろうから……。"兄"である俺が…信じさせて…もら…う…」
魔剣士「…っ」
その声は聞き取れない程に細く、弱々しくなっていく。いよいよその時が、訪れる。
クローツ「良い…仲間を持った……。俺も、俺を……もっと…見て……る…たら……」
クローツ「い…いや……。俺が…、弱くて……」
クローツ「だから……」
魔剣士「クローツ、クローツッ!!」
クローツ「…」
魔剣士「クローツ…!」
クローツ「…」
魔剣士「…」
白姫「…っ」
王城の地下牢、光も届かぬ最深部。
国を裏切り、大勢の恨みをかった男は、誰に殺されるわけでもなく、その生涯を冷たい牢の中でひっそりと終えた。一生をかけて学んだ勤勉は母国を裏切った為、だけに。これが英雄と呼ばれた男の息子、最期の姿だった。
…………
……
…
テイル「間違うはずない…!」
魔剣士「い、いや…ちょっと待て……」
テイル「……兄さん、兄さんなんでしょ!?」
魔剣士「お、落ち着け!こんな場所にいるはずないだろ!」
テイル「ううん、すっかり痩せて…髭も酷いけど……!絶対に、兄さんよ!」
白姫「本当に…!?」
牢の中にいた痩せ細った薄汚い男。それはテイルの兄、クローツだった。
地下牢のカビ毒にやられたのか、アサシンの言葉に気負いしたのか。その風貌はすっかり衰えた様子で、あの頃のような美しい容姿はどこにもなく、簡単に言えば"落ち人"という言葉に当てはまるような姿をしていた。
白姫「この人が、テイルのお兄さん…なの……?」
テイル「そうよ!……ねぇ、兄さんでしょ!どうしてこんな所に、なんで……!」
国が落された後、久方ぶりに訪れた王城。しかし、あの王室にいなかったことから留守にしているだけだと考えていたテイルは、地下牢でやつれた姿の兄を見て驚愕し、取り乱した。
テイル「兄さん、何で…!アサシンにやられたの!?」
あれほど"兄ではない。敵なんだ"と言っていたクローツに対し、自然と"兄"と呼んでいたのは、心の奥底、本心では彼が唯一の家族だったから、敵だと認めたくないからだった。
それを分かっていた魔剣士と白姫は、何も言わずただそれを見守った。
テイル「兄さん、返事をしてよ!どうしたの、や、やっぱり全てアサシンに……!」
白姫(テイルさん……)
魔剣士(テイル……)
ガシャガシャと牢の金属を鳴らし、必死に訴えかける。
テイル「兄さん、兄さんッ!!」
何度も何度も"兄さん"と呼ぶテイル。だが、それでも無視を続けるクローツ。魔剣士もイラつき始め、いい加減にしろと叫ぼうとした瞬間、ようやく彼は咳き込みながら反応を見せた。
しかし、彼の言葉はテイルにとって痛みを覚えるものだった。
「……しぶとい女だな」と。
テイル「えっ?」
魔剣士「何…?」
白姫「今、何て……」
クローツ「……どうやって戻ってきたかは知らないが、アサシンの団員たちには遊ばれたのか?」
テイル「クローツ…兄さん……?」
クローツ「昨晩からルヴァに捕まっていたようだったが、アサシンには勝てなかったようだな…クク……!」
テイル「……!」
クローツ「さっきまで俺に対して、アサシンに騙されたんじゃないかと連呼していたが……」
クローツ「牢は考える場所が欲しかっただけのこと。この俺はアサシンに国の行く末を任されている身だぞ?」
テイル「兄…さん……」
クローツ「兄と呼ぶな!」
テイル「!」
クローツ「お前は一人の女で俺の敵。二度目に会った時も、敵であると言ったはずだ!」
テイル「…ッ!」
クローツ「良い恰好だな。女として、俺の傍に来たいのか……」
テイル「そんなわけ…ないでしょう……!そんなに、私に殺されたいの……?」
クローツ「ククッ、強がりはよせ!お前に俺が殺せるか!」
テイル「強がってなんかいない!」
クローツ「ハハハハッ!」
テイル「もしかしてアサシンに騙されてて…!まだ、家族なんだって…思ったのに……!助けようって……」
つい、言いたくなかった本音が漏れた。
クローツ「俺はあの日から一度たりとも思っていない!」
テイル「……ッ!」
クローツ「クソ女が…、お前は邪魔な存在なんだよ……!」
愛する家族に呼びかけた優しい声は、彼の耳に届くことはなかったのか。
そこにいるのは、かつて兄と呼んでいた"男"。最早、ただの敵だった。
クローツ「それで、どうする…。この檻を破り、俺の首を刎ねるか?」
テイル「それが…望みなのね……」
クローツ「そこの剣士クンなら、俺の檻も破れるんだろう?さぁ、やってみろ……」
テイル「やってやるわよ…!やって……!」
クローツ「……ククッ、勢いは良し。さすが俺の殺した英雄キングの娘だよ…!」
テイル「……ッ!!」
あくまでも挑発的なクローツ。テイルは興奮のあまりに魔剣士の剣を奪う。
魔剣士「あ、おいっ!」
テイル「ビショップ…!よくもお父様を、よくもみんなをぉぉっ!!」
何度も剣を振り下ろし、その度に火花と金属片が飛び散るが、刃を立てることが出来ないテイルの剣術では牢を破ることが出来なかった。
テイル「くそっ、くそぉっ!くそぉぉっ………!」
クローツ「ハハハッ!この牢も切れぬ剣術、見ていて面白いな!あの慌てふためいた民のように、情けない姿だ!」
テイル「お父様を、国民を、愚弄するなぁぁっ!!」
クローツ「クククッ、ハハハハハッ!!」
テイル「く…!あ…ぅぅ……!」
テイルはついに剣を落とし、その場で力なく膝をつく。
クローツ「良い眺めだ。あのキングの娘が、俺にひれ伏す。その程度で国民を率いる事が出来ると思うのか?」
テイル「うる…さい……!」
クローツ「まるであの時の再現だな。また、煩いという言葉ばかりで俺に負けるんだろう?」
テイル「……何だと…!」
クローツ「ククク、お前も親父も、所詮は俺に負けるんだよ!」
テイル「負けや…しない……!負けない……!」
クローツ「無理だ。お前には、俺に勝てることなど出来ない!」
テイル「勝つ…!絶対に勝つ…!勝たないといけない!!」
クローツの言葉に憤慨し、再び、勢いづいて立ち上がる。
クローツ「ククク、ならばやってみろ…!国を蘇らせる事が出来るのなら、俺に、その未来を見せてみるがいい!」
魔剣士(!)
白姫(…!)
遠まわしに放った兄としての言葉。興奮するテイルには気づかぬことだったが、魔剣士と白姫の二人は即座に理解する。
"その未来を見せてみろ……!"その、真意が。声が。
テイル「……見せてやる。ビショップ、アンタに、私が勝つところを、絶対に!」
テイル「アサシンなんかに負けない!この国は、生き返るんだからっ!!」
テイルは駆け出し、アサシンのいるであろう王室に向かって走って行った。
魔剣士と白姫は急いで追いかけようとしたが、クローツは「待て……」とそれを止めた。
魔剣士「……あ?」
白姫「私たち…?」
クローツ「……そうだ。話がある」
魔剣士「…俺らにか?」
二人は立ち止まり、牢越しにクローツに近づく。
魔剣士「……何だよ」
クローツ「お前たちは、テイルを助けてくれた仲間…なのか……?」
魔剣士「成り行き上、そうなっちまったよ」
クローツ「そうか……、アイツは…怪我もしていなかったようだが……」
魔剣士「何もされてねーはずだ。素っ裸にはされてたがな」
クローツ「そうか…、そうか…………」
胸糞悪い相手に違いはなかったが、クローツの本音を垣間見て、その言葉に耳を傾け、改めてクローツに"それ"を尋ねた。
魔剣士「……なァ、アンタ。本当は悪者になりきれてないんだろ?」
クローツ「…何?」
魔剣士「そんなクソみてぇな風貌で、アホみてぇな悪い口調言ってたらテイルのように勘違いされちまうかもしれねぇけどさ」
魔剣士「さっき言った、"未来を見せろ"って言葉は、テイルに対しての応援だろ?」
クローツ「……さぁな」
魔剣士「シラを切っても無駄だぜ。お前、今は国を裏切ったことを悔やんでるんだろ?」
クローツ「…」
魔剣士「やっちまったもんはしゃあねぇだろうが、過ちは認めたってことで良いんだな?」
クローツ「……フフ、例えそうだとしても俺は既に大罪人。過ちを認めても、何も変わらない」
魔剣士「分かってるだけマシだろうがよ」
クローツ「俺は国を裏切り、父を殺し、テイルの幸せと心を壊したに等しい。光のひと筋すら、入る余地はない」
魔剣士「…」
クローツ「……赦されるわけがない」
それは当然のことで、誰が見ても赦される問題ではない。国一つを敵に売り、親を殺し、家族を捨て、多くの人々の悲しみはこの男一人のせいで生まれたのだ。アサシンという闇の存在があったとしても、この男がいなければ、それは起きなかったのだから。
白姫「……で、ですけど!クローツさんは今、彼女を家族だと思ってるんですよね?」
クローツ「それに答えるつもりはない。お前たちが思うように思えば良い」
白姫「……はぐらかさないでください!」
クローツ「おっと……?」
白姫「どんな思いでテイルさんが過ごしてきたか知ってますか?さっき、敵だって言ってたあなたに対して"兄"と呼んだ気持ちが分からないんですか…?」
クローツ「……知るものか」
白姫「クローツさん、テイルさんは……!」
クローツ「……知りたくもない!……だが、しかしだ…!」
白姫「!」
クローツ「しかし…、この死んだ国を蘇らせるのに生半可な気持ちで立ち向かうのは無理だと知っている!」
クローツ「今さらアイツの気持ちに気づいたのなら、最後まで仇と思ったほうが、この国の力になれるんじゃないかと…思ったまでだ……!」
白姫「……自分が最期まで敵役になるって…ことですか……?」
クローツ「そうだ」
魔剣士「自分が敵になってテイルを立ち上がらせるのか。それが、最善だと思っているのか……?」
クローツ「他の道があろうとも、俺にはもうその選択肢しかないんだよ」
魔剣士「ふざけんな!お前が殺した国だろうが…、過ちに気づいた今こそまたテイルと一緒に……!!」
クローツ「ゲホッ…!ゲホッ……!ゴホッ!ゲホゲホゲホッ!!」
魔剣士「んあ……?」
突然、長く咳き込むクローツ。
暗がりで見えにくかったが、どうやら、血を吐いたようにも見える。
魔剣士「お、おい……」
クローツ「ゴホッ…!お、俺ももう長くはない…!最深部には魔カビという2日とも持たない…蝕む毒が…あるからな……」
魔剣士「お前、アサシンにここに入れられたのか……?」
クローツ「それは違うと言ったはずだ。ココへは、自分で望み、自分で入った。死ねば…この世界を見なくて済む……」
魔剣士「じ、自分だけ死んで逃げるのか!?」
クローツ「ククッ……!俺は悪党だぞ…?最期まで逃げて、幸せな夢を見て…終わるさ……!」
魔剣士「ふっざけんな!お前にはまだやることだって……!」
牢を壊そうと剣を構えるが、「やめろ!」とクローツの言葉が飛ぶ。
クローツ「さっきのテイルの剣撃と魔力で、この中は反応した魔カビで充満している…。もう、俺は助からないし、お前らも中へ入れば……」
魔剣士「……くっ!?テ、テメェはそうやって逃げて終わりでいいのかよ!?」
魔剣士はテイルに代わってクローツを説得するが、彼が長い命でないことは明らかだった。だから、魔剣士は最期の最後に、せめて、彼女に対しての"家族の愛"があったことを聞きだそうと必死になった。
クローツ「……ハハハ、どうしてお前がそこまで肩入れする?テイルに惚れたのか?」
魔剣士「そんなんじゃねぇよ!そうじゃなくて、男として、お前は卑怯だっつってんだよ!」
クローツ「卑怯だから悪者なんだ。卑怯じゃない悪者がどこにいる?」
魔剣士「……そ、そう言ったらそうなんだろうけど、そうじゃねぇ!!」
クローツ「何を言ったところで、結果は変わらない!俺は自ら命を断って逃げ、テイルはこの国の未来の為に戦ってくれるだけだ……!」
魔剣士「!」
白姫「!」
クローツ「……もう、疲れた。最期まで悪役らしく、いさせてくれ…」
クローツ「何がどうして…こうなったのか…。死んでから、ゆっくり……考えさせて…くれ……」
急に呼吸が浅くなり始めるクローツ。どうやら、その時間は目の前まで迫っているらしい。
魔剣士「クローツ、お前は……!」
クローツ「……自分で殺した国の復興を願うなんて、とんでもないバカがいたもんだな」
魔剣士「!」
クローツ「あっちで親父や民に謝ったら、許してくれっかなぁ……」
魔剣士「…」
クローツ「……ゲホッ、ゴホゴホッ!!」
魔剣士「…」
クローツ「そ、そうだ…。お前の、名前は……?」
魔剣士「……魔剣士だ」
クローツ「そうか、魔剣士というのか……。魔剣士、なら…最期に…伝えることが…ある……」
魔剣士「テイルのことか」
クローツ「結果的には…助けることになるかも…しれん……」
魔剣士「どういう意味だ?」
クローツ「どうしても…、あのアサシンには……勝てない…。普通の人間では…勝てないんだ……」
魔剣士「普通の人間では…勝てない……?」
クローツ「あぁ、あいつは…化け物だよ……。俺は、歴戦の記録を調べる…うち……一つ…分かったことがある……」
魔剣士(確かにアイツの強さは化け物じみていたが…秘密があったのか……?)
魔剣士「……何だ、クローツ!その秘密を教えてくれ!」
幾度も魔法をぶつけても動じず、眼に追えぬ速度の瞬間移動とも呼ぶべき縮地。圧倒的な強さと殺戮の気を持つ、アサシンの秘密。
クローツ「……アイツは」
魔剣士「アサシンは!?」
クローツ「アイツは、人にあらざる…力……」
魔剣士「何だ、それは!」
クローツ「それ…は…………」
魔剣士「何だよ!」
クローツ「闇……」
魔剣士「闇…?」
クローツ「"闇魔法"…だ……!」
魔剣士「……何?」
白姫「えっ…?」
―――何もかも、想定外。
考えられるはずのない、驚愕過ぎる事実。
魔剣士「……や、闇魔法だって!?」
白姫「闇魔法って、アサシンがですか!?」
クローツ「そうだ……。恐らく…いや、確実に…アイツは……闇魔法の習得者だろう……」
地下牢、王室、それぞれの場所で魔剣士、白姫、猛竜騎士はアサシンが"闇魔法"の使い手であることを知らされる。
信じたくない秘密だったが、彼の強さや猛竜騎士が目の前で見せられた魔法の感覚は、確かにそれを信じざるを得ない、最悪な現実だった。
魔剣士「アイツが闇魔法の習得法について知ってたのか!?」
クローツ「それは…分からない……。だが、おかしいと思わないか……?」
魔剣士「何がだ!」
クローツ「十字軍の戦いより、数十年…。あの若さと、強さ、微かに感じる人にない魔力は、表だって見せてないが確実に闇魔法の気配だ……」
魔剣士「……若さ、そういえば確かに…」
白姫「あっ、魔剣士!」
魔剣士「どうした?」
白姫「それについて話をした時、アサシンは急に態度を変えて、私たちを地下牢に閉じ込めたんだよね……」
魔剣士「……じゃあ、知られたくない秘密ってことで本当なのか…!」
クローツ「闇魔法の知識は浅く、対処法までは分からない…。しかし、アサシンがその使い手であることを…知っておいて損はないだろう……」
魔剣士「……最高の情報だぜ。アンタのおかげで、何か活路が見えてきそうだ!」
クローツ「そうか、それは……何…より……」
魔剣士「あっ、おい!?」
"グラリ"と身体が揺れ、クローツは地面に倒れる。もう、座っていることもままならないらしい。
クローツ「ゲホッ…!ゴホッ!!」
魔剣士「……クローツ」
クローツ「どうやら…ここまで……か…」
魔剣士「最後に、お前の気持ちは理解した!しっかり受け取ったぞ!」
クローツ「あぁ……。テイルが…あんな風に……お前たちを…信頼していただろうから……。"兄"である俺が…信じさせて…もら…う…」
魔剣士「…っ」
その声は聞き取れない程に細く、弱々しくなっていく。いよいよその時が、訪れる。
クローツ「良い…仲間を持った……。俺も、俺を……もっと…見て……る…たら……」
クローツ「い…いや……。俺が…、弱くて……」
クローツ「だから……」
魔剣士「クローツ、クローツッ!!」
クローツ「…」
魔剣士「クローツ…!」
クローツ「…」
魔剣士「…」
白姫「…っ」
王城の地下牢、光も届かぬ最深部。
国を裏切り、大勢の恨みをかった男は、誰に殺されるわけでもなく、その生涯を冷たい牢の中でひっそりと終えた。一生をかけて学んだ勤勉は母国を裏切った為、だけに。これが英雄と呼ばれた男の息子、最期の姿だった。
…………
……
…
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