DTガール!

Kasyta

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DT in ガール!?

?話「とある物語のプロローグ」

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 異世界の大陸にある人里離れた僻地の更に僻地、そのまた僻地。
 そこには転生者達が隠れるように住まう居住地がある。

 僻地とは言っても、転生者達が自分達のために作った場所だ。
 この異世界のどこよりも技術は進んでいる。

 今、俺が訪れている3LDKの部屋にも、テレビに冷蔵庫に洗濯機、システムキッチンにユニットバスにウォシュレットトイレ。
 他にも思いつく物は何でも揃っている。
 ここが異世界だということを忘れてしまいそうなほどに。

 しかし、これら家電っぽい道具の動力は全て魔力。
 この世界では【魔道具】と呼ばれる物だ。

 部屋の主である少女は牛乳パックをラッパ飲みしている。

『ぷはーっ! 徹夜明けの牛乳は染みるわー!』

 空になったパックを放り投げ、ゴミ箱へシュートを決めた。
 そのまま俺の向かいのソファへ座る。

 髪はボサボサで、Tシャツにパンツだけの姿。
 到底客を迎えられるような恰好ではない。
 まぁ、この場所には転生者しかいないのだ。
 どんな恰好で外に出ようが、今さら誰も気にしないだろう。

 彼女は俺に向き合って口を開いた。

『で、どうだった?』

 俺は手に持っていた原稿を彼女に返し、声を絞り出す。

『・・・・・・何で俺を題材にしたし。』

 その原稿に描かれた漫画は紛れもなく俺を題材にした物だった。

 彼女の名はマンガセンセー。
 この異世界で一番長く漫画を描いている転生者であるため、そう呼ばれている。
 本名は知らない。

『ん~、触手とか描きたかったから。』
『だからって何で俺を漫画にするんだよ! しかも冒頭の話! これこの間一緒に仕事した時のじゃねーか!』

『おっ、良く分かってるじゃん。中々良い取材になったよー。』
『何で俺一人で行った事になってんだ! 何かワルっぽいし!』

『いやぁ、でもあんな感じだったじゃん。格好良かったよ、特に山賊達が一斉にボキボキッてなるところ!』

 グッ! とマンガセンセーが親指を立てる。

『うるせー! マンガセンセーが何もしなかったからだろーが!』
『だから、僕は居ないものとして扱ってって言ったじゃん。』

『だったら何でワイン一人で飲みやがった! 不味そうだった。じゃねー! あれ良いヤツだったじゃねぇか!』
『中身は不味かったヨ・・・・・・?』

『嘘つけぇ!』

 ハァハァと肩で息を整える。

『・・・・・・まぁ、一万歩譲って冒頭はフィクションで良いとしよう。後は全部ノンフィクションじゃねーか! どこで調べやがった!』
『サーバーに”記憶”残ってたよ。』

『消す! 今すぐ消す!!』
『バックアップしてるから大丈夫!』

 グッ! とマンガセンセーが親指を立てる。

『やめろおおお! そっちも消せえええ!!』
『まぁまぁ、僕の”記憶”見ても良いからさ。女風呂潜入映像もあるよ!』

『自分で普通に入れるわ!!』

 そんなやり取りをしていると俺の身体から蛍のような光が一つ、二つと湧き出てきた。
 マンガセンセーが楽しそうに瞳を輝かせる。

『おっ、また”呼び出し”? アリスもモテモテで大変だね。』
『くそぉ!! 何でこんな時に!?』

 四つ、八つ、十六、三十二・・・光は爆発的に増えていく。

『まぁ、戻ったらまた話聞かせてよ。その時には続きも出来てると思うからさ。』
『そんな物はボツだ! ボツ!』

 光の粒子は既に数え切れなくなり、俺を取り囲んでいる。

『それじゃあ、次章【がっこうにいこう!】も、よろしくね!』

 グッ! とマンガセンセーが親指を立てる。

『やめろおぉぉぉ―――――――!!』

 光は最後の言葉ごと俺を飲み込み、また何処かへと連れ去った。
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