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一章 新たな出会い
1‐10 なんでお前が
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(そういや返信、まだなのかな)
雅玖に送ったついでに椰一とのメッセージ欄を開くと、まだ既読が付いていなかった。
思い返せば椰一から最後にメッセージをもらったのは、丁度が永睦から三年の噂話を聞く数分前だったと思う。
その日から一週間近くが経過しており、付き合ってからも返信頻度が遅いため、元々筆無精なのか志望校の試験対策で忙しいのかと思った。
けれど少しでも相手に猜疑心があると、どうしても今何をしているのか気になってしまうのが人間というものなのだろう。
今は期末の試験期間のため勉強しているとは思うが、それが一人であるのか友人とであるのか──これはあまり考えたくないが、誰かとホテルなどで戯れているのではないか。
そんな想像ばかりが頭に浮かび、龍冴はぎゅうと目を閉じて考えを打ち消す。
(違うって言えないのがなんか……めちゃくちゃ嫌だ!)
一概に否定できないのは、それだけ椰一の行動に疑問を持っているからだ。
それでも最後の最後まで信じたいという自分がおり、この気持ちが矛盾していることも分かっている。
「……ほんと、いつの間に好きになったんだろ」
誰にともなく小さく呟くとすぐに聞こえなくなり、変わって心地良い本の匂いとかすかな本を捲る音が響く。
せっかく書店へ来たのだから、雅玖が居る文房具屋へ行かなくても書籍類を立ち読みして気を紛らわせるくらいは出来る。
そう自分に思い込ませ、ややあって書店員お勧めの棚に着いた。
昨今の文学賞の受賞作や、出版社の主催する第何回目のコンテストで賞を獲ったという帯やポップが目立つ。
中にはアニメ化やドラマ化された小説もあるようで、少しずつ心が浮き立っていくのが分かる。
中学までは時間さえあれば読書をするくらい本の虫だったが、高校に進学してからはあまり手に取っていないように思う。
だからか、たった一つの考え事さえなければ龍冴にとって書店とは、正しく宝の山も同然なのだ。
「あ、これ」
するとある表紙が目に留まり、龍冴はそれを手に取った。
他の作品とは違っては表紙は黒一色、その中央辺りに白抜きのタイトルがある。
「罪……?」
たった一文字、しかも他には作者の名前があるだけのシンプルなものだ。
帯には『最後の結末に涙する』とあり、ミステリー要素か何かに関するものだと予想した。
裏表紙は打って変わって白地で文字色は黒、というあまりないもの。
あらすじが書かれていたが、次第に好奇心が沸き起こりよく読まなかった。
「──ははっ、それほんと?」
いそいそと他の本も見ようとすると、不意に聞き馴染みのある声が聞こえたと思えば、かすかな制汗剤の臭いが鼻を掠めた。
「っ……?」
龍冴は声のした方を振り返ると、椰一が居た。
なんでここに、ということよりもその隣りには女子らしき後ろ姿が視界に入った。
雅玖に送ったついでに椰一とのメッセージ欄を開くと、まだ既読が付いていなかった。
思い返せば椰一から最後にメッセージをもらったのは、丁度が永睦から三年の噂話を聞く数分前だったと思う。
その日から一週間近くが経過しており、付き合ってからも返信頻度が遅いため、元々筆無精なのか志望校の試験対策で忙しいのかと思った。
けれど少しでも相手に猜疑心があると、どうしても今何をしているのか気になってしまうのが人間というものなのだろう。
今は期末の試験期間のため勉強しているとは思うが、それが一人であるのか友人とであるのか──これはあまり考えたくないが、誰かとホテルなどで戯れているのではないか。
そんな想像ばかりが頭に浮かび、龍冴はぎゅうと目を閉じて考えを打ち消す。
(違うって言えないのがなんか……めちゃくちゃ嫌だ!)
一概に否定できないのは、それだけ椰一の行動に疑問を持っているからだ。
それでも最後の最後まで信じたいという自分がおり、この気持ちが矛盾していることも分かっている。
「……ほんと、いつの間に好きになったんだろ」
誰にともなく小さく呟くとすぐに聞こえなくなり、変わって心地良い本の匂いとかすかな本を捲る音が響く。
せっかく書店へ来たのだから、雅玖が居る文房具屋へ行かなくても書籍類を立ち読みして気を紛らわせるくらいは出来る。
そう自分に思い込ませ、ややあって書店員お勧めの棚に着いた。
昨今の文学賞の受賞作や、出版社の主催する第何回目のコンテストで賞を獲ったという帯やポップが目立つ。
中にはアニメ化やドラマ化された小説もあるようで、少しずつ心が浮き立っていくのが分かる。
中学までは時間さえあれば読書をするくらい本の虫だったが、高校に進学してからはあまり手に取っていないように思う。
だからか、たった一つの考え事さえなければ龍冴にとって書店とは、正しく宝の山も同然なのだ。
「あ、これ」
するとある表紙が目に留まり、龍冴はそれを手に取った。
他の作品とは違っては表紙は黒一色、その中央辺りに白抜きのタイトルがある。
「罪……?」
たった一文字、しかも他には作者の名前があるだけのシンプルなものだ。
帯には『最後の結末に涙する』とあり、ミステリー要素か何かに関するものだと予想した。
裏表紙は打って変わって白地で文字色は黒、というあまりないもの。
あらすじが書かれていたが、次第に好奇心が沸き起こりよく読まなかった。
「──ははっ、それほんと?」
いそいそと他の本も見ようとすると、不意に聞き馴染みのある声が聞こえたと思えば、かすかな制汗剤の臭いが鼻を掠めた。
「っ……?」
龍冴は声のした方を振り返ると、椰一が居た。
なんでここに、ということよりもその隣りには女子らしき後ろ姿が視界に入った。
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