物理系魔法少女は今日も魔物をステッキでぶん殴る〜会社をクビになった俺、初配信をうっかりライブにしてしまい、有名になったんだが?〜

ネリムZ

文字の大きさ
25 / 179

物理系魔法少女、仲間認定を受ける

しおりを挟む
 「魔法を見せてくれなかったのは悔しいけど、いずれ信頼されて、見せて貰うわ」

 使えないので一生見せる事は無いだろう⋯⋯それに最初に攻撃して来た相手を信頼する事はできんぞ?

 「なんでいきなり攻撃して来たんですか?」

 「話し合いの通じない前例があってね。それだったら、最初から武力で落ち着かせて、話し合いに持ち込んだ方が早いのよ」

 野蛮な。

 落ち着いて会話をすると、アオイさんは【蒼炎の魔法少女】と言うユニークスキルを持っているらしい。

 俺を攻撃して来たくせに、信用して欲しいと言われる。仲間だと言われる。

 他にも魔法少女と呼ばれる人達は居るらしく、アオイさんは魔法少女の中では一番の年長者らしい。

 「手加減した自分を魔法も使わずに追い込んだもの。君の強さは信じなさい」

 「⋯⋯そうですか」

 「アナタは既に我々の仲間。今度皆と会合する予定があるわ。最初だから無理にとは言わないけど、良ければ来て」

 時間と場所をメモった紙を渡される。

 「いきなり攻撃した事は謝ります。非常識だった事も理解している。本当にごめんなさい」

 「いやまぁ、良いんだけどさ。そんな風に謝ってくれるならさ」

 魔法少女⋯⋯会いに行っておくべきだうな。

 中身がバレないように変身する必要はあるだろうが、きっと他の人も変身しているだろうし、浮きはしないだろう。

 問題は⋯⋯紗奈ちゃんだな。

 どうやって説明したモノか。

 「魔法少女と会って来るね」とか素直に言える訳無い。

 「あ、参考までに聞くけどさ。もしかして他のみんなも女子高生?」

 「当たり前じゃない。正確には十五歳から十八歳が魔法少女の対象となるのよ」

 「そうですか⋯⋯」

 あぁ、どうしよう本当に。

 中身がおっさんよ? そんなの犯罪じゃん?

 でも、魔法少女の情報を細かく確認するにはこの人達に接近しないといけない。

 アオイさんは結構素直そだし、大人しめだ。

 信用はできないけど、敵になる事は無いだろう。

 「行けたら行きます」

 「分かったわ」

 さーて、戦闘を二回終えた相手とは思えない程に親しくなった気がしなくもないが、そろそろ三時になるので帰らないといけない。

 定時帰りは基本だ。

 「それじゃ」

 「帰るんですか?」

 「あぁ、はい」

 「じゃあ一緒に帰るわ。ゲートの位置は同じ、自分はこの低ランクダンジョンで活動する気は無いし」

 「そうですか。俺の場所はどうやって分かったんですか?」

 ライブとかしてないし。

 「それも含めて、来たらゆっくりと話すわ。急いでいる様子だしね」

 良く分かったな。帰る。

 同じギルドのゲートから入っている訳では無いようで、同じ場所に出る事は無かった。良かった。

 リュックを手に持ち替えた事を少しだけ疑問に持たれたが、別に質問はされなかった。

 「ただいま」

 「三時三十四分十二秒⋯⋯妥当かな?」

 「刻むね」

 「ビーストモンキーの魔石⋯⋯」

 今日の成果は4万円であり、かなり良かった。

 今は金を貯めて、生活や撮影環境を上げようと思っている。

 「む?」

 俺が紗奈ちゃんの終わりをロビーの椅子で待とうと思い、踵を返した瞬間に腕を引っ張られた。

 「な、なに?」

 顔近い! まつ毛が細かく見えるくらいには近い!

 すごく整頓されたまつ毛だ。

 「スンスン」

 匂いを嗅いでらっしゃる。やめて。他の受付の人がガン見して来る。

 恥ずかしい。

 紗奈ちゃんの方をチラッと確認すると、⋯⋯目のハイライトが消えていた。

 「女の臭いがする」

 「っ!」

 俺でも驚く程に素早く、身体強化の魔法を利用して速攻で上着を脱ぎ捨て、ジャンプして距離を取る。

 刹那、紗奈ちゃんの捕まえていた俺の上着が巨大な氷に包まれる。

 瞬間に広がる、空間を凍結させる冷気。

 「星夜さん。後でじっくり、話しましょうか」

 「⋯⋯さ、紗奈ちゃんの柔らかくも暖かい、優しい笑顔が見たいな~なんて」

 ダメっすか。暖房がちょうど背中に当たり、暖かった。

 家まで無言だった。無言って辛いわ。

 晩御飯を手早く作る紗奈ちゃん。腕前はそのままだった。

 だけど、俺の苦手な辛い物で統一されている事に悪意を感じる。スーパーに寄った理由はこれである。

 もちろん、世話になっている俺が払ってはいる。

 「それで、どうして星夜さんから女の臭いがしたの?」

 どうして魔法少女の時に着いたであろう臭いを嗅ぎ取るができたの? なんで引き継ぐの?

 そんな俺の考えなんて口にできる訳もなく、その辺も別々にしてくれよと怒りをスキルに向けておく。

 「その、たまたま出会って⋯⋯戦闘して、それでかな?」

 間違っては⋯⋯無いよね?

 「ふーん。他のパーティに合流して一緒に狩りをして、お胸の大きなお姉さん魔法士と休憩中に会話して仲良くなった訳ではなく?」

 「想像力が豊かだね。小説家になれるよ」

 机が凍る。

 うん。今は冗談とか、そんなのは言っている時じゃないよね。知ってた。

 しゃーない。傷つくから使いたくなかった、必殺技を使うか。

 必殺マジカルシリーズ、本気マジカル自虐。

 「こんなおっさんに紗奈ちゃん以外の女性が話しかけてくれると思うか?」

 「確かにそうだね。星夜さんには私しか居ないよね。頭から抜け落ちてたよ」

 「うん。勘違いが解消されて良かったよ。⋯⋯なので甘い物を一品、所望したく⋯⋯」

 「ダメです♥」

 「⋯⋯あい」

 うぅ、辛いけど美味いのは紗奈ちゃんの腕前が高いからである。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕 タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】 3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~

仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。 祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。 試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。 拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。 さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが…… 暫くするとこの世界には異変が起きていた。 謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。 謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。 そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。 その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。 その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。 様々な登場人物が織りなす群像劇です。 主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。 その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。 ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。 タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。 その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...