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物理系魔法少女、音の使徒と戦う
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「おっと。いきなりの攻撃は酷くないか?」
初撃が躱された? 相手の方がレベルは上か。
いや、何故か居るアオイさんとミズノの二人がコイツに敗れたと考えたら⋯⋯レベル6はあるだろうな。
「なんでお前のような実力者がこの二人を狙う」
「察しが悪いなぁ。音の使徒⋯⋯と言えば分かるかな?」
「音の使徒?」
音⋯⋯使徒?
厨二病か!
あ、いや違う。
確かアオイさん達が真剣に話していたような⋯⋯えーと。
「ああ、天使に味方する」
「全然違うわ! 敵だわ!」
「知ってる」
懐に飛び込んで、シュッとまっすぐ拳を突き出す。ギリギリで避けられたが。
「おいおい。いきなり嘘をぶち込むか。君も魔法少女なの?」
「見ての通りだ」
「魔法を使ってないから魔法少女じゃない訳だ」
「そうそう」
って、なる訳もなく俺は攻撃を繰り返す。だけど当たる気配がしない。
でも、なんか、一発は殴らないと気が済まない。
「魔法少女にしては肉弾戦を好むね~」
「どうでも良いだろ」
「そうですね。それでは⋯⋯無音」
何かをしたようだが、特に変化は見られないので攻撃を繰り返す。
「あれ? 違和感に気づかないのですか?」
「何口パクで⋯⋯あれ? 俺、喋ってるよな?」
音が聞こえないのか。
「五感の一つが機能しなくなる⋯⋯それは計り知れない恐怖が⋯⋯って普通に攻撃して来るね!」
何言ってるか全く分からんが、関係ない。殴る。
ただ聞こえなくなっただけで支障が出るとは思わないからな。
「⋯⋯ふむ。わたしおしゃべり大好きなんですが、この力を使うと会話が成立しなくて、独り言が多くなるんですよね」
ちぃ。なんで当たらないんだよ。
レベル4以上の差があると、ここまで力量が違うのか。
「そろそろ攻撃させてもらいますね」
相手のパンチを横にステップして避ける。
刹那、俺の腹に衝撃が強く加わり、後ろに吹き飛ばされる。
「かはっ!」
唾液が逆流した。
腹の中で何かが破裂したかのような、そんなダメージを受けた。
「発勁?」
「わたしにそんな武術はありませんよ。音とは振動、強い振動を使えば衝撃となる。聞こえないと思いますが」
「長文口パク⋯⋯何言ってるか分からない。俺もか」
自分で何を言ってるか分からない。頭の中で言葉を考えて出している訳じゃない。
どんな攻撃をされたか全く分からない。
発勁だとしても、きちんと攻撃は避けた。正面からズレていた。
なのにあそこまでの強い衝撃を受けたのか?
分からない。ただ、敵は強い。
「らっ!」
ステッキを剣にする。
それを横薙ぎで振るう。
「おっと」
軽く後ろにステップして避けたなら、踏み込み相手に迫る。
「あらま」
元々剣には頼らない。二手目の攻撃を当てる。
「らっ!」
突き出す拳も簡単に避けられる。
「風切り音か⋯⋯君パワーならわたしに勝てるんじゃない?」
相手の手がこちらに向けられる。
またあの爆発したようなダメージを受ける攻撃か。
防御!
「ぐっ」
「ほう。耐えるのか」
腕を間に入れたら耐えられる。あれは内部から破裂するような攻撃を与えるモノじゃない。
何らかの衝撃波を放つ攻撃だ。
それが分かれば⋯⋯分かったところで対策のしようがない。
音の使徒⋯⋯どんな手札を持ってやがるんだ。
「音は振動、振動は衝撃、君にはこれが分かるかな」
何を言ってるか分からないのに、口を開く回数がやたら多い。
何かの詠唱か?
口パクで何を言ってるのか俺には分からない。だから詠唱の定型文が分からない。
どんな魔法だ。どんなスキルだ。
俺が考えても答えは一切出てこない。
「そろそろ圧倒的な力の差を理解してもらおうかな」
「ぐっ。な、んだこれ」
重い。
音の使徒と自称しておきながら、重力を操るのか。
身体が重い。骨が軋む。
倒れ込む。
「音を圧縮したらこんな事もできるんだよ。理解できないだろうけどね」
「⋯⋯がああああああああ!」
身体が重いからなんだ。骨が軋むからなんだ。
一緒に配信した、一緒に戦った人が倒れてるのに⋯⋯何もできずに負ける訳にはいかない。
動けよ。戦えよ。
「無理無理⋯⋯この世には理不尽がたくさんあるんだよ。そのためのレベルだろ? 理不尽に足掻きたければ、しっかりとレベルを上げ、精神を鍛え⋯⋯なんで立てるの?」
立った。一歩でも多く動け。
アイツを⋯⋯殴る。
一発とは言わない。二発とも言わない。
倒すまで何発でもだ。
殴る。
「強くやりすぎると鼓膜に影響するからやりたくないんだけど、強くするね」
「うぐっ」
重いのが増加した。
⋯⋯だからどうした。
ただ、重くなった事実だけしかない。
重くなったなら、それを打ち破る力で身体を押し上げれば良い。
「あああああああ!」
バットにステッキを変える。
「君レベルなんなの? 正直怖いよ」
手のひらを向けられる。
「そろそろ倒れてくれない? 手加減ができないよ」
後ろに押されているような強い衝撃。身体の節々が痛む。
肉が微かに切れる。
だけど、俺の歩みは止まらない。止めてはならない。
「なんなのさ、君」
「お前⋯⋯同時に二種類の攻撃はできないんだな?」
重力の攻撃が無くなったぞ?
「ふんっ!」
地面を殴り、土煙を撒き散らす。
大地を抉り飛ばし、攻撃をしかける。
俺は何も聞こえない。デバフ的な何かかもしれない。
自分の心音も、足音も。
相手には聞こえている可能性がある。
だから、僅かな音でも相手には気づかれるし、それに俺は気づけない。
視界を潰したのは間違いなのかもしれない。
だが、この場合相手が選ぶ選択は限られる。
相手も視界が潰れている。そして優位性は音だ。
相手から攻めて来るだろう。
「⋯⋯反撃の一手だ」
「嘘⋯⋯」
感覚を研ぎ澄まして、攻撃しに来た相手を瞬時に発見する。
拳を振るうスピードなら、俺の方が上だ。
「吹き飛べ」
今出せる全力のパンチに捻りを加えた⋯⋯だけど当たった感触は無かった。
「どこかに行った⋯⋯か。逃げたとは考えにくいな。あ、声が聞こえる」
使徒⋯⋯敵なのかな。
アオイさん達に近寄る。
「⋯⋯なんでこんな所に。って、息してる!」
急いで自衛隊の所まで二人を担いで運んだ。
骨が数本折れているらしいが、命は全然大丈夫らしい。むしろ再生系のスキルで治り始めているとか。
「はぁ。もう四時だよ」
初撃が躱された? 相手の方がレベルは上か。
いや、何故か居るアオイさんとミズノの二人がコイツに敗れたと考えたら⋯⋯レベル6はあるだろうな。
「なんでお前のような実力者がこの二人を狙う」
「察しが悪いなぁ。音の使徒⋯⋯と言えば分かるかな?」
「音の使徒?」
音⋯⋯使徒?
厨二病か!
あ、いや違う。
確かアオイさん達が真剣に話していたような⋯⋯えーと。
「ああ、天使に味方する」
「全然違うわ! 敵だわ!」
「知ってる」
懐に飛び込んで、シュッとまっすぐ拳を突き出す。ギリギリで避けられたが。
「おいおい。いきなり嘘をぶち込むか。君も魔法少女なの?」
「見ての通りだ」
「魔法を使ってないから魔法少女じゃない訳だ」
「そうそう」
って、なる訳もなく俺は攻撃を繰り返す。だけど当たる気配がしない。
でも、なんか、一発は殴らないと気が済まない。
「魔法少女にしては肉弾戦を好むね~」
「どうでも良いだろ」
「そうですね。それでは⋯⋯無音」
何かをしたようだが、特に変化は見られないので攻撃を繰り返す。
「あれ? 違和感に気づかないのですか?」
「何口パクで⋯⋯あれ? 俺、喋ってるよな?」
音が聞こえないのか。
「五感の一つが機能しなくなる⋯⋯それは計り知れない恐怖が⋯⋯って普通に攻撃して来るね!」
何言ってるか全く分からんが、関係ない。殴る。
ただ聞こえなくなっただけで支障が出るとは思わないからな。
「⋯⋯ふむ。わたしおしゃべり大好きなんですが、この力を使うと会話が成立しなくて、独り言が多くなるんですよね」
ちぃ。なんで当たらないんだよ。
レベル4以上の差があると、ここまで力量が違うのか。
「そろそろ攻撃させてもらいますね」
相手のパンチを横にステップして避ける。
刹那、俺の腹に衝撃が強く加わり、後ろに吹き飛ばされる。
「かはっ!」
唾液が逆流した。
腹の中で何かが破裂したかのような、そんなダメージを受けた。
「発勁?」
「わたしにそんな武術はありませんよ。音とは振動、強い振動を使えば衝撃となる。聞こえないと思いますが」
「長文口パク⋯⋯何言ってるか分からない。俺もか」
自分で何を言ってるか分からない。頭の中で言葉を考えて出している訳じゃない。
どんな攻撃をされたか全く分からない。
発勁だとしても、きちんと攻撃は避けた。正面からズレていた。
なのにあそこまでの強い衝撃を受けたのか?
分からない。ただ、敵は強い。
「らっ!」
ステッキを剣にする。
それを横薙ぎで振るう。
「おっと」
軽く後ろにステップして避けたなら、踏み込み相手に迫る。
「あらま」
元々剣には頼らない。二手目の攻撃を当てる。
「らっ!」
突き出す拳も簡単に避けられる。
「風切り音か⋯⋯君パワーならわたしに勝てるんじゃない?」
相手の手がこちらに向けられる。
またあの爆発したようなダメージを受ける攻撃か。
防御!
「ぐっ」
「ほう。耐えるのか」
腕を間に入れたら耐えられる。あれは内部から破裂するような攻撃を与えるモノじゃない。
何らかの衝撃波を放つ攻撃だ。
それが分かれば⋯⋯分かったところで対策のしようがない。
音の使徒⋯⋯どんな手札を持ってやがるんだ。
「音は振動、振動は衝撃、君にはこれが分かるかな」
何を言ってるか分からないのに、口を開く回数がやたら多い。
何かの詠唱か?
口パクで何を言ってるのか俺には分からない。だから詠唱の定型文が分からない。
どんな魔法だ。どんなスキルだ。
俺が考えても答えは一切出てこない。
「そろそろ圧倒的な力の差を理解してもらおうかな」
「ぐっ。な、んだこれ」
重い。
音の使徒と自称しておきながら、重力を操るのか。
身体が重い。骨が軋む。
倒れ込む。
「音を圧縮したらこんな事もできるんだよ。理解できないだろうけどね」
「⋯⋯がああああああああ!」
身体が重いからなんだ。骨が軋むからなんだ。
一緒に配信した、一緒に戦った人が倒れてるのに⋯⋯何もできずに負ける訳にはいかない。
動けよ。戦えよ。
「無理無理⋯⋯この世には理不尽がたくさんあるんだよ。そのためのレベルだろ? 理不尽に足掻きたければ、しっかりとレベルを上げ、精神を鍛え⋯⋯なんで立てるの?」
立った。一歩でも多く動け。
アイツを⋯⋯殴る。
一発とは言わない。二発とも言わない。
倒すまで何発でもだ。
殴る。
「強くやりすぎると鼓膜に影響するからやりたくないんだけど、強くするね」
「うぐっ」
重いのが増加した。
⋯⋯だからどうした。
ただ、重くなった事実だけしかない。
重くなったなら、それを打ち破る力で身体を押し上げれば良い。
「あああああああ!」
バットにステッキを変える。
「君レベルなんなの? 正直怖いよ」
手のひらを向けられる。
「そろそろ倒れてくれない? 手加減ができないよ」
後ろに押されているような強い衝撃。身体の節々が痛む。
肉が微かに切れる。
だけど、俺の歩みは止まらない。止めてはならない。
「なんなのさ、君」
「お前⋯⋯同時に二種類の攻撃はできないんだな?」
重力の攻撃が無くなったぞ?
「ふんっ!」
地面を殴り、土煙を撒き散らす。
大地を抉り飛ばし、攻撃をしかける。
俺は何も聞こえない。デバフ的な何かかもしれない。
自分の心音も、足音も。
相手には聞こえている可能性がある。
だから、僅かな音でも相手には気づかれるし、それに俺は気づけない。
視界を潰したのは間違いなのかもしれない。
だが、この場合相手が選ぶ選択は限られる。
相手も視界が潰れている。そして優位性は音だ。
相手から攻めて来るだろう。
「⋯⋯反撃の一手だ」
「嘘⋯⋯」
感覚を研ぎ澄まして、攻撃しに来た相手を瞬時に発見する。
拳を振るうスピードなら、俺の方が上だ。
「吹き飛べ」
今出せる全力のパンチに捻りを加えた⋯⋯だけど当たった感触は無かった。
「どこかに行った⋯⋯か。逃げたとは考えにくいな。あ、声が聞こえる」
使徒⋯⋯敵なのかな。
アオイさん達に近寄る。
「⋯⋯なんでこんな所に。って、息してる!」
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