物理系魔法少女は今日も魔物をステッキでぶん殴る〜会社をクビになった俺、初配信をうっかりライブにしてしまい、有名になったんだが?〜

ネリムZ

文字の大きさ
61 / 179

物理系魔法少女、レベルアップを目指してライブする

しおりを挟む
 紗奈ちゃんがあそこまでオラオラ系になる友達がいた事を今日知った。

 昔の紗奈ちゃんぽくて嬉しい気持ちになりながら、俺は受付に紗奈ちゃんが来るのを待っていた。

 「今日は生配信? それともうっかり生配信?」

 「どっちもライブな事に疑問を持ちますが、普通にライブです⋯⋯てか、なぜ知っている?」

 「うっかり撮影か~凄いっしょ?」

 「それはもううっかりじゃないでしょ」

 ロリ職員と慣れ親しんだ会話をしている。この人とは、紗奈ちゃんを待っている間に話している。

 イタズラっぽく笑う彼女に気になる事は一つ、いや二つ。

 一つは毎回いきなり出現するのと、二つ目は年齢だ。どっちも聞きづらいので呑み込んでる。

 適切な距離を保っているからか、ギルド職員だからか、紗奈ちゃんが反応する事は無い。

 受付に来たので向かい、今日の予定を話しながらステータスカードを貰う。

 「アニマル庭⋯⋯推奨レベル3だけど、星夜さん少し天狗になってない? へし折るよ?」

 「怖いな。安全は意識してるよ。ただ、一レベルで難易度もそこまで高くないなら問題ないと思ったんだ。レベルアップも早いだろうし、それより報酬の方」

 「うん。今やるね」

 紗奈ちゃんが慣れた手つきでタブレットを操作している。

 「成功報酬に適正レベルが足りない、イレギュラー、さらに推奨レベル4の魔物との遭遇の危険手当などを付け足して、500万円」

 えっぐ!

 卵じゃないからな!

 嘘だろ? 普通に社会人時代の年収を超えたんだけど!

 一ヶ月だから、月収で年収超えたんだけど! ま、安定している訳じゃないから、なんとも言えないけど。

 それでも、凄いだろ。

 やばー! 興奮が止まらん。

 「⋯⋯から、本部への移動に使用した転移魔法二回分の総額百万円を差し引いた四百万⋯⋯そこから諸々の税金が引かれる」

 「⋯⋯あの拒否権なかった招き入れで差し引かれるの?」

 紗奈ちゃんが拳を握って、少しだけ震わせている。

 「報酬は自分の懐から出したんでしょうね」

 怒りか悔しさか、はたまた違う感情か。

 「お世話になった一人だから悪く言いたくないけど、セコい。しかも一時的にパーティを組んだ事も把握されてたし⋯⋯それがバレなければもっと取れた」

 「搾り取ろうとしてたの?」

 お世話になった人に?

 俺は紗奈ちゃんの探索者時代を全然知らないな。

 「とりあえず振り込んでおくね」

 「うん。よろしく」

 「転移魔法がもっとメジャーだったらなぁ」

 そしたら車とか新幹線とか、必要なくなっちゃうよ。

 企業は困るが、事故が減るので良い事かもしれい。

 ダンジョンに入る。

 一面に広がる草原、遮蔽物として木や岩がある、量産型ダンジョンだ。

 俺はこう言うタイプが一番好き。

 なぜなら、自由に走り回れるからだ。

 「ライブを始めてっと。今日はエルダーワーウルフの討伐を目標だ」

 群れのボスクラスを倒していけば、レベルアップするだろ。

 ライブを始めて、早速走り出す。

 コメントを見る余裕なんてのは無いので、無言で進む。

 「いや、独り言は俺の代名詞だし、無言なのは退屈だな」

 すれ違った魔物は捕まえながら倒して、魔石をしっかりと回収する。

 『誘拐犯の手口やん』
 『魔石を逃さず倒す方法を確立』
 『なんか危険性が上がってない? アカツキちゃん』

 適当に走っているけど、これでちゃんと見つかるよね?

 そう考えながら昼飯を食べる。

 走り回って探していたらいつの間にか空腹になってた。

 今のうちにコメント見るか。

 『お姉ちゃんの作った弁当は美味い?』
 『俺はカップラーメン食べてる』
 『休憩時間』

 『食事の時間』
 『賢者タイム導入の前時間』
 『上のコメが意味不』

 お姉ちゃんの作った弁当?

 あ、ルミナスさんのアレか。

 結局忘れて調べてなかったけど、この様子ならかなり広がってるかもしれんな。

 SNSとかで告知とかはしてるけど、エゴサとかしてないしな。

 まぁ、良いか。

 「この弁当はどんなに腕の良い料理人でも作れんよ」

 本音である。

 『羨ましいな!』
 『家族仲が良い』
 『近親相○の百合を期待しても?』

 『最近変態が増えたな』
 『変態は消えてくれ~』
 『次に行かね?』

 もう少し休憩したい⋯⋯でも弁当は食べ終わったな。

 リュックに片付ける。

 「ん?」

 遠くから走って来る、群れの狼を発見した。

 口に火が溜まって、放たれる。

 ブレスじゃなくて球体だ。

 「動きは細かく、それでいて正確に、そしてスピーディーに」

 習った事を意識しながら蹴る。

 ぐにゃりと曲がり、ゴムのように跳ねて返って行く。これがサッカー。

 流石は推奨レベル3の魔物から放たれる魔法だ。蹴りでも砕けない。

 「これならいちいち掴んで、熱い思いをしなくて良いな」

 『嬉しそう』
 『俺も見れて嬉しい』
 『久しぶりに見た気がする』

 『誰にもできない芸当』
 『風の魔法を全力で使って押し返せばできる芸当ではある』
 『それむちゃくちゃ調整難しいし、検証動画の撮影時間もやばかったろ』

 『やっぱり本家が一番安心して見れる』
 『事務所とかには所属しないんですか?』
 『アカツキちゃんはソロだから良いんだよ』

 『数多くね?』
 『そろそろ魔法ぶん投げて倒しそう』
 『それな』

 一体一体倒すのが面倒になった。

 火球を手に掴む。うーむ、熱い。

 高くジャンプして、群れの集団の中心目掛けて、回転を乗せてぶん投げる。

 サッカーボールくらいのサイズの火球とは思えない程の火力で爆ぜ、周囲の狼にダメージを与える。

 「踵、落とし!」

 さらに大地を砕く攻撃をして、ダメージを加速させる。

 これであらかた片付いた。

 「⋯⋯あれ? 襲って来た数と魔石の数が二つほど合わないな。これだから範囲攻撃は」

 『注意、普通に戦ってたら魔石は壊れずに回収できます』
 『範囲攻撃、攻撃自体は単体攻撃だが、衝撃波が異常』
 『雨時々、脳筋魔法少女の踵』
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕 タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】 3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~

仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。 祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。 試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。 拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。 さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが…… 暫くするとこの世界には異変が起きていた。 謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。 謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。 そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。 その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。 その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。 様々な登場人物が織りなす群像劇です。 主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。 その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。 ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。 タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。 その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

処理中です...