物理系魔法少女は今日も魔物をステッキでぶん殴る〜会社をクビになった俺、初配信をうっかりライブにしてしまい、有名になったんだが?〜

ネリムZ

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人気受付嬢、アメリカ出張その1

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 アメリカの政治家達と代表として会話する本部長の秘書をやっている、友を見守る。

 現在はそのダンジョンに対して、どのようなメンバーで行くか言い争っていた。

 「アメリカには一瞬で着いたけど、そこからが長いな~」

 眠くなって来るよ。早く帰りたいのに、こんなところで時間を無駄にしたくない。

 アメリカ政治に詳しくないが、かなり偉い人なんだろうな。

 近くに立っているボディガードの人は多分レベル9だろう。

 態度の悪い私をさっきから睨んでいる。

 「私達二人で最初に特攻する、その後に来て欲しい」

 「そんな無謀な事はさせられないって言っているだろ! 相手は過去に見ない災害なんだぞ!」

 正直、この不毛な言い争うはこちらが不利だ。

 そもそも助っ人は私含めて三人しかアメリカに来てないし、どっかに行ってしまった。

 だからもう、私達で特攻する予定だ。残りの一人は途中で拾えるだろうしね。

 だからさっさと移動したいのだが、ダンジョンの場所が分からない。

 分からないと当然行けない。

 アメリカは安全のためにダンジョンにワープゲートを設置してないので、そのダンジョンに直接行かないとダメなのだ。

 だから早く終わってくれ~。

 「ねぇ、もう行かない?」

 「闇雲に探してお目当てのダンジョンは見つからないよ。勝手に行くのは良くないの。だからこうして私が説得を試みてるんだよ?」

 「でもそんな化け物に何人も行く必要ないよね? 屍を増やすだけだよ」

 言ってしまった。

 それが相手の怒りに触れたのが、首を掴まれそうになった。煽りは上々。

 正当防衛がちゃんと機能するか分からないけど、一度受けておこかな?

 反撃なら許してくれるよね?

 「あ、星夜さん以外の男に触って欲しくないや」

 そう考えた瞬間、身体が勝手に動いていた。

 蹴飛ばしてしまった⋯⋯相手のポディガードを。

 「何してんの!」

 「ごめん。つい反射的に」

 でもそこまでダメージはないでしょ。

 周囲にいるアメリカの人達が驚愕を露わにする。

 ちなみに彼女が代表として話しているが、一応日本政府関係者も当然居る。

 本部長の息がかかった人だけど。

 「兵器などを運ぶ。そのために数日欲しい」

 「大きいのは私の転移じゃ運べないよ」

 「大丈夫。大量の物資を運ぶのにちょうど良いのがあるから」

 兵器を集めさせた。

 私が蹴飛ばしてしまった男が近づてきた。

 「さっきは悪かった。ついカッとなって」

 「いえ。こちらも蹴飛ばしてすみません」

 「それは俺の未熟さ故だ。⋯⋯その、連絡先交換は可能か?」

 なんか日本語が流暢だな。日本人なのかな?

 連絡先か⋯⋯要らないかな?

 「ごめんなさい」

 「⋯⋯そうか」

 とぼとぼと帰っていく。

 兵器などが集められたので、私は『青龍』を呼び出した。

 青い鱗を身に纏う細長い龍は龍雲を生み出し掴んで空に浮かぶ。

 本来はダンジョンの外で契約した魔物を呼び出す事はできないのだが、一部例外は存在する。

 一応言っておいたが、それでもこの場の一人を除いて全員が驚愕する。

 「我の出番だな」

 「うん。この荷物一気に運ぶから、地面に降りてくれない?」

 「⋯⋯度々思うのだが、毎回雑用に呼び出すのはやめてくれないか? これでも我は神獣だぞ」

 「えーだって私よりも弱いじゃんか」

 「ぐっ」

 弱い相手と契約して体内に住まわせてあげているのだ。雑用以外に頼む事がまず無い。

 彼の出番が必要なタイミングは基本無いのだ。

 私が勝てない相手に青龍が出ても意味が無い。

 「もっと強ければな⋯⋯」

 「四神獣の中で我が最強なんだぞ!」

 兵器を背中に乗せながらそんな事言われてもね?

 目的地は海中にあるらしい。

 青龍のスピードなら数十分かからずに到着するだろう。

 今は市民に魔物が飛ぶことを宣言しているらしい。

 「深い理由は言えない⋯⋯だからてきとーな憶測が飛び交うだろうなぁ」

 彼女はアメリカ観察を頼んしでいたであろうもう一人を連れて、帰って来た。

 彼の役目は私達にバフを与える事だ。後は秘密兵器。

 この中で一番火力を出せるのは私、その次に彼女だ。

 アメリカのレベル9がかなりの人数集まりだした。

 「七人か⋯⋯かなり多いね」

 「それでも、そこまで強い気配は感じないね~」

 「紗奈は化け物だからね」

 「お前が言うなっ!」

 乙女に向かって化け物は失礼だ。

 世界最高到達点であるレベル9に対して、私が言った言葉も失礼だけど。

 だからだろう。さっきの一言で全員が私に敵意を向け出した。

 これで作戦とか崩れて、確約させたドロップアイテムの一部を受け取る計画もパーになりそうだ。

 支部長に怒られそうなので、それだけは避けたい。

 「しかたない。少し脅かすだけなら⋯⋯」

 「止めとけ。問題が大きくなるだけだ」

 「ごめんね。私が悪くしちゃって」

 「ほんとだよ。もっと発言には気をつけてね。いくら『自分ら』よりも弱いからってさ。どんなに小さく言っても、五感強化されてるから聞かれちゃうしさ」

 ってのを言いやがった。

 一人の大きな男が絡んで来た。

 「ジャパニーズのガール達、ずいぶん口が達者だな」

 「そちらこそ、日本がお上手ですね」

 「ちょ」

 慌ててみる。

 相手は大剣を既に装備している。きちんと武器防具も運ばれているらしい。

 男は目を見開き、大剣を抜いて振り下ろす。

 寸止め⋯⋯してくれるかな?

 「剣を抜いちゃダメだよ?」

 「なっ!」

 彼女は一瞬で背後に移動して、振り下ろそうとした腕を止めた。

 何が起こったのか、誰も理解してないだろう。できない、その方が正しいか。

 転移の兆候が見られないだから。なぜなら、転移じゃないから。

 彼女の力は自覚しようとしてもできない、とても難しいのだ。

 「お前の強さは分かった。だが、そっちの女はどうだぁ?」

 ニヤニヤと。

 準備が終わるまでの準備運動とでもしようかな?

 頼まれた事にも繋がるし。

 「手加減してね」

 耳打ちされたその一言が火に油を注いだ。
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