物理系魔法少女は今日も魔物をステッキでぶん殴る〜会社をクビになった俺、初配信をうっかりライブにしてしまい、有名になったんだが?〜

ネリムZ

文字の大きさ
135 / 179

物理系魔法少女、期待の膨らむ宝箱

しおりを挟む
 落下をしてしまい、思考停止してしまったが、意識を切り替えて足を壁に突っ込んだ。

 下の方には鉄製の棘が少し光って見えた。

 あのまま落ちていたら串刺しだったろう。

 「まさかこんな巧妙な罠があるとは」

 『巧妙ってw』
 『罠探知系のスキルがなくても見分けられる』
 『素人でも色の違いって分かると思うんですが?』

 『お前ら! アカツキちゃんがそんな素人レベルだと思うなよ!』
 『まじで理解しろって。アカツキちゃんがそんな賢い訳ないだろ』
 『義務教育の敗北』

 なんか凄く罵倒されている気がする。いや、普通に罵倒だな。

 とりあえず登らないといけないので、足を埋めながら歩いて行く。

 ツルツルの壁で足を埋めながら歩くのは結構簡単だった。ザラザラして痛くないのはありがたい。

 『本当は滑って登れない仕様なのに』
 『力の前では小細工は無力なんだよ』
 『トラップの意味とは?』

 そこからさっきまでを巻き返すようにトラップが俺に襲いかかった。

 センサーに引っかかり、矢が正面から射出される。

 動体視力で矢を見切り、拳を固めて空気を殴ってできた衝撃波で薙ぎ払う。

 別に躱す必要ないからね。発動してしまったのだからしかたない。

 迷宮型の魅力である迷路だが、地図があてにならずイライラして来た。

 ボーナスエリアを発見するのが目標だし、その場所を目指して真っ直ぐ行くのはアリなのでは無いだろうか?

 魔物とは接敵してないけど、罠の感覚でなんもなく分かる。

 「壁をぶち破る!」

 俺は壁をかなり力を込めて殴って、トンネルを作り出した。

 壊れた壁はすぐさま修復を始めるので、すぐに通る。

 『壁貫通』
 『バグでは無い。ゴリ押しだ』
 『余計に迷子になるやつ』

 早速、魔物と接敵した。

 人型の牛の魔物であるミノタウロス。ファンタジー定番と言える。

 武器は石の斧なので、大した実力はないだろう。

 「ここは頭脳プレーいこうか」

 ミノタウロスの足元に色の変わった地面がある事に気づいた。

 あれは俺がたまたま引っかかってしまった落とし穴の罠である。

 あれをミノタウロスに踏まして、倒すのだ。

 魔石の回収は後からでも問題ない。

 さぁ、真っ直ぐ来い!

 しかし、俺の思惑とは全くの別に進み、ミノタウロスは色の変わった一部分をしっかりと避けて、迫って来る。

 きっと今のは偶然に踏まなかっただけだ。

 なので、背後に移動し、ジャンブでさらに距離を広げる。

 俺に振り返ったミノタウロスは咆哮をあげて、走って向かって来る。

 『トラップに当てようとしている?』
 『そんな事する? 魔物はトラップを回避できるのに?』
 『全く。アカツキちゃんがそんなの知る訳ないだろ』

 『アカツキちゃんを理解しているファンが一番侮辱している気がするw』
 『気のせいだろ』
 『はよ殴れ』

 ミノタウロスにトラップを踏ませようと悪戦苦闘して十分、諦めも肝心だと俺は分かった。

 なので、ミノタウロスと距離を離して、追いかけて来るタイミングを見計らい、地面を殴った。

 ギミックを起動させて落とせないのなら、俺が無理やり穴に落としてやれば良い。

 落とせればなんでも良いのだ。

 しかし、その殴った衝撃は俺の足元にも響き、範囲的に入っていたようで、ミノタウロスと一緒に落ちる。

 「落ちるのは、てめぇだ!」

 俺はミノタウロスを蹴飛ばして、脱出する。

 串刺しになったミノタウロスは魔石へと姿を変えたので、ゆっくりと降りる。

 手や足をめり込ませてゆっくりと降りるのだ。

 棘を軽く破壊しながら、魔石を回収して脱出する。

 『もうむちゃくちゃだよ』
 『これがアカツキクオリティ』
 『勝てば良かろうなのだ!』

 そろそろアイテム類を手に入れたいと思っていると、都合良く宝箱を発見した。

 進むと、宝箱前の天井がスロープのように開いて、中から巨大な球が転がって来る。

 これも典型的な罠だろう。

 大抵は後ろに走って逃げて、横の隙間とかに入ったりする物だ。

 だが、目の前に宝箱がいる今、後退の二文字は俺にない。

 何よりも、トラップが仕掛けられた宝箱は確実に良いのが眠っているはずだ。

 だから、転がって来る球体に向かって足を突き出した。

 『うん。知ってた』
 『まぁ破壊不可能じゃないからね』
 『道は開ける、これは常識』

 一つの球体を破壊すると、真上の天井が開いて重りが降って来る。

 「これはますます期待しちゃうなぁ!」

 拳を突き上げて破壊し、着地すると地面が開閉して落下するので、壁をよじ登って脱出しようとすると、今度は上から水が大量に落ちてくる。

 それらを耐えて前に進む。

 『まじで期待が膨らむな!』
 『いや、まだミミックの線は残ってる』
 『アカツキクオリティはどうなる⋯⋯』

 迫り来る壁、落ちてくる天井を破壊して、ようやく宝箱に手を伸ばせる場所まで来た。

 ゆっくりと手を出して、開けると、中から黒い何かが飛び出して来た。

 そいつは一度叫んでから、俺に牙を向けて迫って来る。

 『ゴーストミミックか!』
 『物理攻撃無効の厄介な奴があんなに厳重に守られていたのか』
 『なんか泣ける』

 頭を掴んで、地面に向かって叩き落とした。

 身体が粉々に粉砕して、ミミックは倒れた。ドロップアイテムは宝箱と魔石だ。

 空っぽの宝箱を持ち上げて、落とし穴に向かって本気でぶん投げた。

 『お、光った』
 『マジカルパワーや』
 『水しぶきが』

 少し濡れた身体で、壁を破壊して次に進もうと思う。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕 タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】 3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。 おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。 ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。 落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。 機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。 覚悟を決めてボスに挑む無二。 通販能力でからくも勝利する。 そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。 アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。 霧のモンスターには掃除機が大活躍。 異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。 カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。

この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~

仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。 祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。 試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。 拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。 さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが…… 暫くするとこの世界には異変が起きていた。 謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。 謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。 そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。 その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。 その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。 様々な登場人物が織りなす群像劇です。 主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。 その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。 ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。 タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。 その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった

椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。 底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。 ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。 だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。 翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...