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きらきら
しおりを挟む心配してくれた涼真が大魔人になってくれたので、ぽわぽわした遥斗はしあわせになった。
いつもの帰り道まで、きらきらだ。
無口な涼真が遥斗を心配して叫んでくれるだなんて、とびきりの贈り物みたいだ。
「えへへ。りょーくん、ありがとー」
「ハル、大丈夫? 何にもされてない?」
心配そうにのぞきこんでくれる涼真の髪がさらさら近くて、とくとく駆ける胸で遥斗はうなずく。
思いだすだけで、目の前が赤く染まる気がするけれど。
遥斗の胸のやさしい光は、りょーくんへと向かう想いは、揺らいだりなんてしない。
今までだって、色々言われてきた。
それでも、ずっと、遥斗はりょーくんが、だいすきだ。
「僕が傷ついて泣いただけ。達也に悪気はないんだよ。びっくりしてた。差別とか偏見とか蔑みの言葉って、そういうものなのかもしれないね。嫌 奴 怒 妄 嫉妬 妨 媚 嬌 姦 嬲 奸佞 姑息 萎 女々しい 雌雄を決する 雌伏、酷い言葉に女が入ってるみたいに。障害者、害を使うのをやめてほしいって言う人がたくさんいるのに、使っちゃう人がたくさんいるみたいに」
ますます涼真の凛々しい眉がひそめられる。
「……なにか、言われた?」
心配してくれる涼真がやさしくて、うれしくて、遥斗はちいさく笑った。
「応援してくれるって」
「……は?」
きょとんとする涼真の指に、遥斗は手をのばす。
『りょーくん、だいすき』
何を言われたって、遥斗の気もちは真っすぐ、りょーくんだけに、向かってく。
……でも、りょーくんには、言えない。
手は、つながるのに。
瞳は、かさなるのに。
だいすきだから、失くしたくないから、言えなくて。
遥斗は、涼真の手をにぎる。
涼真が遥斗の手をにぎりかえしてくれる。
こうして、手を繋いで歩くだけで、充分だから。
ずっと、ずっと、きみの傍にいさせてください。
翌日登校した遥斗を、今度は人のいない屋上に引っ張ってきた達也が、頭を直角にさげて謝ってくれた。
「ごめん!」
遥斗は首をふる。
花粉がいっぱい含まれていそうな春の風に、遥斗の髪がふわふわ揺れた。
「僕も叫んじゃって、ごめん」
泣いてないよ。
「遥斗は何にもわるくない!」
今日も泣きそうな達也に、微笑んだ。
「達也に悪気がちっともなかったのも、わかってる。叫んで、ごめんね」
ぶんぶん達也は首をふった。
「はー、ほんとごめん。オンラインでBL小説読みすぎて、頭がぱーん! ってしてたみたい。ほら、一条くんって、顔も身体も声まで、すごいじゃん。遥斗もアイドルかよってくらい、かわいーし。なんかこう理想の2次元が3次元に出現! みたいでテンションあがっちゃって」
照れたように頭をかく達也に、遥斗は首をかしげる。
「オンラインで小説? ゲームじゃなくて?」
達也の眼鏡が輝いた。
「あれ? 知らない? すごく人気があるんだよ。ブラウザでも見られるけど、アプリを入れると動画を見て応援できたりチケットがもらえたりするんだ。こんな感じ」
ポケットから取りだしたスマートフォンを達也が見せてくれる。
可愛いアイコンをタップしてアプリを機動すると、表紙みたいなものとタイトルみたいな文字が並んでいた。
「これが最近投稿された新着小説のランキングなんだよ」
登校?
らんきんぐ??
小説の??
???でいっぱいの遥斗に、楽しそうに達也が笑った。
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