【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ

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わちゃわちゃ

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 えー、激おこになってしまったレォとルゥイのごきげんをとるため、3分の1の距離をルゥイと、3分の1の距離をレォと、3分の1の距離をネィトと帰ることになりました……

 うそでしょ。

 ぽかんとするキーアの手を、ルゥイが引いてくれる。

「最初は僕ね」

「う、うん?」

 首を傾げつつ、ルゥイの馬車に乗りこんだら

「キーアが馬車の揺れで気分がわるくならないか心配だから、おひざ抱っこね」

 ルゥイのおひざに、乗せられてしまいました!

「いやいやいや、重いから!」

 燃える頬で、あわあわ降りようとするのに

「羽のように軽いよ、キーア」

 とろけるように笑って抱っこしてくれる。

 後ろからきゅっと抱きしめられたら、背中がルゥイだよ。
 あったかい。
 めちゃくちゃ、いー匂いする!

「きゃー!」

『きゃー♡ きゃー♡』しちゃうよ、ごめん、ネィト!

 あわあわしてる間に

「次は俺」

 ルゥイの馬車を止めたレォが迎えにきてくれる。

「……あの、忙しい……」

 体調を心配して送ってくれるんじゃなかったの?
 運動量が増えてるんですけど?
 あれ?

 切ないキーアに、トマが楽しそうに肩を揺らしてる。

「キーアおぼっちゃま、たくさんご学友ができられて、よかったですね」

「うん!!!」

 めちゃくちゃ、うなずきました。

 悪役令息なネィトと、攻略対象の2人が、おともだち──いやひとりは伴侶(予定)だけど、うれしいな!

 前世はあんまり友達いない……いや、見栄を張りました、友達いませんでした! さみしくないもん! ……まあ、休憩時間とか、放課後とか、BLゲームしまくって、スチル延々見て、によによしかしてないクラスメイトとか、声をかけるのもためらうよね、わかる!

 誰かとあわせるのとか苦手で、あんまり友達を求めるタイプじゃなくて、ひとりが楽しかったし、スマホを開いたらいつでもきらきらのルゥイやレォが『きーちゃん♡』笑ってくれたから、めちゃくちゃしあわせだったよ!

 ちゃんと愛称で呼んでくれるんだよ。
 ボイスまで出るんだよ!
 最高だったー♡

 わが青春に一片の悔いなし!!

 だったのに、今、3次元のルゥイやレォが

「キーア」

 ものすごくいい声で呼んでくれたり、抱っこしてくれたり、とろけそうな香りで包んでくれたりするんだよ!

 なんかちょっと頭のねじがおかしくなるよね。

 頭、ぱーんして、ふつうだよね。

「いー匂いする! きゃー!」

 抱っこしてくれるレォの胸に顔をうずめたら、迎えに来てくれたネィトが

「うわあん! 僕の伴侶が、浮気してるー!」

 泣きました。
 ごめんよ!

 でも(予定)だからね。
 ネィトも、攻略対象の皆に『きゃー♡ きゃー♡』していいんだよー!




 わちゃわちゃしながら、トリアーデ家の大邸宅に到着しました。

「じゃあネィト、明日もまた迎えに来るからね」

 手を振って、トマの馬車に乗りこむキーアと一緒に、レォとルゥイも乗りこんでくる。

「え?」

 定員オーバーですよ。うちの馬さんも馬車も、そんなに強くないですよ!

「心配だから」

「付き添い。おひざ抱っこ、してあげる」

 とろけるはちみつみたいに笑わないでください!
 まるで定位置みたいに、ひょいと抱きあげて、おひざに座らせないでくださいー!

 きゃー♡


「ぼ、僕も心配だから送ってく!」

 ネィトも参戦してきたよ!

「いやいやいや、それ送りあって延々帰れないあれだから」

「家の馬車を出してもらうから!」

 トリアーデ家の馬車まで出てきたよ。

「……えぇえ……?」

「じゃあ今日は皆でキーアの家まで送っていくよ。お茶を淹れて、ゆっくりお話しようよ」

 ルゥイが仕切ってるよ!

「いい案だ」

 レォもうむうむしてる。

「僕、きーちゃんとお茶するー!」

 ネィトもやる気だ!

「……あ、あの、お誘いはすごくうれしいけど、今日は精霊さまたちとお茶会が……」

 申し訳なく告げたら、目を見開いた皆が跳びあがる。

「……そ、それは……お邪魔すると逆鱗にふれるのか、な……」

 かんぺきなはちみつ王子ポジなルゥイが、引きつってる。

「……さすがキーア、すごいな」

 レォがぽふぽふ頭をなでてくれた。

「……そっかあ、精霊さまたち、きーちゃんと、ゆっくりなさりたいよね。じゃあ僕、今日は我慢する。きーちゃん、また今度、ふたりっきりで僕とお茶してね!」

 きゅう

 抱きついてくるネィトを抱きとめた。

「うん」

「キーア、僕も」

「俺も!」

 4人でぎゅむぎゅむすることになったよ!

 あったかくて、めちゃくちゃいー匂いがしました。
 悪役令息なネィトも、あまくて、やさしい、いー匂いするんだよ!

 きらっきらの皆に抱っこされて、よだれがあふれそうだったよ、ごめんなさい!



 心配だからと、また3分の1ずつ交代で、3人でキピア邸まで送ってくれました。

「ふたりきりで馬車に乗りたかったけど、ほんの少しの時間になってしまうし、キーアも大変だから、皆で乗れる馬車と馬を連れてくるよ。明日からは皆で行こうか」

 微笑むルゥイが仕切ってくれてる!

「え、いや、俺、トマが──!」

「キーアおぼっちゃま!」

 かたくトマと抱きあったら、眉をさげたルゥイは、うなずいた。

「馬車と馬を提供するので、御者はトマで。皆で登下校、でどうかな?」

「で、でも、それはあまりに申し訳なく──!」

「僕がキーアと一緒に登下校したいだけだから。馬も馬車も持ってきて持って帰るから、問題ないでしょう?」

 馬と馬車とレンタル?
 ルゥイも一緒に乗ってるし、貸してもらうだけなら、そんなに問題じゃないのかな??

「……そ、そうかな……?」

 訳がわからなくなってきたよ!

「俺も賛成」

「僕も! あ、あの、僕も乗せて、くれますか……」

 そうっと見あげるネィトの紫の目をまっすぐ見つめたルゥイが微笑んだ。

「もちろん」

「隔日で、俺も馬車と馬を出す。キーアとネィトを迎えに行くから」

 紫の目をのぞいたレォも、微笑む。


「あ、ありがとうございます! よろしくお願いします!」

 赤い頬で笑うネィトの紫の瞳に涙がにじんだ。


「よかったな、ネィト」

「きーちゃん、だいすき!」

 抱きついてくるネィトを抱きとめたら


「それはちょっと違うんじゃないかな?」

「ちがうな」

 ルゥイとレォがビキビキしてる。






「ありがとうございましたー! また明日ー!」

 手を振って、馬車の窓から手を振ってくれる皆を見送ったら

 ぽむ!

 かわいい音がして、闇さまの登場です!


『きー、どーなつ!』

「はーい! トマ、どーなつ揚げてー! あつあつ、さくふあ、じゅわじゅわの! いっぱい!」

「今からですか?」

 きょとんとするトマに、キーアは胸を叩く。


「精霊さまたちと、お茶会だよ!」







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