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うま!
しおりを挟むぐーぐー寝た。
めちゃくちゃ寝た。
起きたら、すんごく身体がかるい!
魔力全回復!
キーア・キピア、完全復活です!
「おあよー、トマー、どーなつー」
朝から、どーなつ。
開口一番どーなつです!
「キーアおぼっちゃま、お目覚めになられましたか……!」
「よかった……!」
駆けつけたトマとヨニが涙ぐむのに、キーアは瞬く。
「え?」
「もうひと月、眠っておられたのですよ!」
ヨニが泣いてる。
「医士が診てくださいましたが、魔力回復中だから起こさないようにと。重篤な魔力枯渇だと言われて……!」
トマも泣いてる。
「ご、ごめん、心配かけて……!」
なつかしい、なつかしい前世の夢を見た気がする。
もうおぼろげにしか思いだせない家族も、元気で、しあわせにやっていてくれたらいいな。
『きー、おきたー! ねむねむ、おわりー?』
ふあふあのみーが、抱きついてくれるのに、顔がとける。
「みー! よかった、ごめん、ひと月も寝てたって」
みーのしっぽが、ぽふぽふ揺れる。
『ザィハのしゅくふく、うけたー。にんげん、きついー。あたりまえー』
みーの鼻と、キーアの鼻がくっついた。
『げんき、なたー?』
「なった! ありがとうー!」
ぎゅむぎゅむ抱きしめるみーが、ほあほあです!
「みーのお世話してくれてた? ごめんなさい、ひと月も寝ちゃうなんて」
頭をさげるキーアに、ヨニもトマも首を振る。
「みーは、とてもよい子にしていましたよ」
微笑むヨニに、トマもこくこくしてる。
「ご飯、どれだけ食べるんだろうってヨニと真っ青になってたんですが、キーアおぼっちゃまと一緒に眠るだけでいいみたいで」
主に食費が心配だったんだね……!
ごめんよ、キピア家、びんぼーで!
「一緒にひと月お眠りでした」
「心配でしたが、かわいかったです」
にこにこしてくれるヨニとトマと、ご飯代のかからないエコな、みーに感動した。
「みー、すごい! ご飯いらないの?」
きらきらになったと思う期待の目で見つめたら、みーがぴょこんと跳ねる。
『たべるー!』
な、なるほど、食べることもできるそうです。
では、せっかくなので!
「トマ、どーなつ! みーと食べるー!」
ちっちゃな拳をにぎるキーアに、トマが眉をさげる。
「ひと月召しあがっていないので、まずはやわらかなお粥にしましょう」
一か月も寝た後の第一食目を、どーなつにする気でした……
しょんぼり肩を落とすキーアの頭を、トマがなでなでしてくれる。
「お腹が消化に慣れてきたら、どーなつを作りますからね」
「うん。ありがとう、トマ」
トマのお腹に抱きついたら、ふわふわ笑ってくれた。やさしい。
栄養があって、消化もよいようにと、くたくたにパンを牛乳? みたいなの? で煮た、パン粥を作ってくれました!
「うま!」
トマが作ってくれるご飯は、ぜんぶ絶品です。
「みーも、食べる?」
『たべるー!』
んん? ちょっと待って! ……たしか犬は、味がついてるとだめって聞いたことある!
……魔物だから、だいじょぶなのかな……?
「みー、人間のご飯、食べられる? 身体はだいじょうぶ?」
ちょこっと首を傾げたみーは、魔界の誰かと交信してるのか、しばらく止まった。
『へーきみたいー。しんどくなったら、やめなさいってー、ザィハが!』
「おお、魔王さまがおっしゃるなら大丈夫だね! ちょこっとずつ食べてみよっか」
おさじにすくって、ふーふー冷ましたパン粥がのったスプーンを、みーの口元に持ってゆく。
「はい、あーん♡」
『あーんー♡』
もぐもぐしてるみーが、もふもふしてる。
『うま──!』
ぴょんぴょん飛び跳ねるみーの3つの目がきらきらで、とびきりかわいーです!
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