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ネィト(受)
伴侶(予定)
しおりを挟むほんとうなら、こんなに可愛くて、ロデア大公国で一番の家格のネィトに、キーアが近づけるはずがない。
紫の目、ただそれだけでキーアに降ってきた、ネィトの伴侶(予定)の地位に、胸が、いびつな音をたてる。
「……ネィトが、いやじゃ、なかったら」
火照る頬で、ささやいた。
「きーちゃんが伴侶(予定)になってくれたら、僕、うれしい」
透きとおる瞳で、笑ってくれた。
両親に頼み、キピア家次期当主として指名してもらったキーアは、さっそくネィトの伴侶になりたいとトリアーデ家に正式に申し込んだ。成人となり伴侶になれるまでは、伴侶(予定)として振る舞いたいと。
分不相応と糾弾されるかと思ったが、トリアーデ家当主から、歓迎すると返事が来た。
『あの子をもらってくれて、ありがとう。まだ未成年なため同居は認められないが、伴侶となる日まで養育することを約束する』
「もらうってなんだよ。伴侶だろ。対等だろ!」
ぷりぷりするくせに、認められたキーアの口元からは笑みがこぼれた。
トリアーデ家でのネィトの待遇が向上したらしい。
ネィトの命は、守られた。
自分がすこしでも貢献できたなら、たまらなく誇らしかった。
「ネィトは、世界一かわいい」
「きれいだよ」
「自信を持って」
繰り返していたら、ネィトに自信がついたらしい。
キーアとしか親しく話さなかったのに、他の凛々しい男の子たちと楽しげに笑うようになった。
「ルゥイ、すごくやさしいんだ。勉強もすごくよくできるんだって」
「レォさま、かっこいー! もう剣の練習してるんだって」
うれしそうに話してくれるたび、キーアの胸は苦しくなった。
トマとヨニと一緒に公都のキピア邸で暮らすことになったキーアがトマどーなつに夢中になったのは、自分から離れていってしまうネィトを追いかける勇気がなくて、逃避したかったのかもしれない。
ぶくぶくしてゆくたびネィトはどんどん離れて、キーアの頭はぼんやりした。
ネィトのおかげで頭をごちんと打って紀太の記憶がよみがえったのは、キーアにとってはさいわいだった。
紀太の記憶に圧倒されたキーアは、最愛の推しゼァルによろめいたり、きらきらな攻略対象に『きゃー♡ きゃー♡』したりしちゃったけれど。
紀太とキーアが重なりあって、ぼんやりするキーアのなかで輝くネィトの記憶にふれたら。
ネィトへの気もちが、あふれた。
「……やっぱり俺、ネィトがすきだ。はじめて逢ったときから、ずっと」
世界でいちばんきれいな、紫の瞳に告げる。
「ネィトが、すき」
どうしてだろう。
キーアが想いを口にするたび、ネィトは泣いてしまう。
幼いころは、自分に言われるのが、いやなのかと思って、しょんぼりしていたけれど。
「きーちゃん……!」
ネィトが、抱きついてくれるから。
ぎゅうぎゅう抱きしめて
「だいすき……!」
涙のこぼれる瞳で、笑ってくれるから。
ああ、これは、拒絶の涙じゃなくて
しあわせの涙なのかもしれない。
思うだけで、とろけてしまう。
キーアは、とても、とてもうれしく、誇らしいことに、世界一かわいい可愛いネィトの、伴侶(予定)なのです。
────────────────
ずっと読んでくださって、心からありがとうございます!
キーア×ネィトを書くなら、どうしてもお書きしたかった、ちっちゃいキーアとネィトのお話が終わったので、お待たせしました、次回からおっきくなりますー!
昨日申しあげるのを忘れていました(笑)新しいお話をはじめてみました!
はじめての短編なので、お気軽に読んでいただけるかと!
もしよかったら、きーちゃんとネィトと一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
とりあえず2位のネィトは毎日更新できるようにがんばります……!
その次はネィト×キーアです!
キーア「ど、どきどきなんだけど……!」
ネィト「ぼ、僕も……!」
書いてる人もです(笑)
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