【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ

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おまけのお話

しゅっしゅっぽっぽ

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 ポ──!

 到着の笛がバチルタ駅に鳴り響く。

「エヴィ、迎えに来たよ──!」

 ぶんぶん手を振るトートが、魔導列車から降りてくる。

 側近としての王宮でのお勤めが終わったら、トートはいつもエヴィを迎えにきてくれる。
 王都からバチルタ家領まで半刻、1時間くらいで来れるようになったんだよ!

 12年経ってもトートはずうっとエヴィ愛だ。
 微笑ましく見守るノィユとヴィルの隣で、エヴィのまなじりが紅くなる。

「……ひとりで、帰れる」

 ふいと横を向くエヴィを、駆け寄ったトートの腕が抱きしめた。

「一緒に温泉入って、泊まっていこ?」

 ちゅ

 頬に口づけられたエヴィが跳びあがる。

「お、お兄さまの前だから!」

 わたわたするエヴィに、ヴィルはやわらかに目を細める。

「ずっと、しあわせで、よかった」

 ぽそぽそ呟いて微笑むヴィルが、12年経っても、めちゃくちゃかわいーです!



「おー、魔導列車の調子はよいようじゃの」

 ほっほっほ
 笑うゾホは12年経っても、真っ暗なフードを被ると邪悪な魔法使いっぽいおじいちゃんに見える。
 隣で茶色いフードを被って瓶底眼鏡をかけたメィファもうれしそうに頷いた。

 せっかくフードも眼鏡もなくてもよくなったのに、ゾホとメィファと小人さんたちの尽力で魔導列車がバチルタ家領から王都まで走るようになり、観光地として大爆発! 観光客が押し寄せるようになったら、外出時はフード+眼鏡生活に戻ってしまった。

 残念だし申し訳なくてたまらないノィユの頭を、ゾホもメィファもなでなでしてくれる。

「こうしてたら、誰も寄ってこんでの。メィファとゆっくり外出できてよいのじゃ」

 にこにこしてくれるゾホと、こくこく頷いてくれるメィファが天使だ。

「トートさまと陛下のご要望を受けて、他国の王族の方ももてなせる宿を造ったんです。奢侈なのは趣味じゃないので、落ち着いてしっぽり温泉に入って、たっぷりえちえちできるお宿になってます!」

 拳を握るノィユに、トートが親指を立てて、エヴィとヴィルが真っ赤になった。

「の、ノィユはまだ18歳じゃないだろ! わかってるのか!」

「わかっています! 僕はぴゅあぴゅあなヴィルを犯罪者にすることなど、決していたしません!」

 拳を握るノィユに

「当たり前だ!」

 エヴィも拳を握って、トートがノィユの肩をぽんぽんしてくれる。

「12年我慢してるんだ。あと3年なんてあっという間だよ」

「一日千秋の思いで18歳になる日をお待ちしています……」

 ヴィルの衣の裾をぎゅうっと握って呟くノィユに、真っ赤なヴィルがしゅーしゅーしてる。

 はぁあ! 伴侶が今日も世界最高にかわいーです!




 バチルタ家領の産物を乗せて王都までゆき、観光客を乗せてバチルタ家領まで来てもらうように、と魔導列車を計画したら、陛下は仰け反った。

「なんだそれ! 天才か!」

「おっきくなったらただの人です」

 拳を握ったノィユも15歳になったので、ただの人に近づいてきました!

 陛下の認可はあっさり降りて、バチルタ家領と王都の間の領主の皆さんも
「何それ! 面白い!」
「うちの荷物も載せてよ、お金払うから!」
「一番乗りしたいー!」
 もだもだ喜んでくれて、上得意のお客様になってくれました!




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