【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ

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おまけのお話

ヴァデルザ領のお役に立ちたい

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 折角ヴァデルザ領に帰ってきたので、何か貢献したいのです!
 ノィユは頭を振り絞る。

「ヴァデルザ領の特産は何ですか?」

 岩のお城にわざわざ設えたという、暖房を節約できるこぢんまりした居間で、ヴィルとロダが顔を見合わせる。

「魔物、かな?」

「魔物ですね」

 頷きあうふたりが、魔物一択だ。

 いや、魔物って特産なの?

 疑問をいだきつつ、ノィユは頭をひねる。

「魔物の素材って、売ったりしてますか?」

「素材?」

「売る?」

 きょとんとするふたりに、ノィユは拳を握った。

「魔物って、ヴァデルザ領の特産なんですよね? 他には出ない」

 顔を見合わせたヴィルとロダは頷いた。

「ということは、毛皮も革も肉も、珍しいんです! 珍しいものは、売れるんです! 僕たちには解らなくても意外な用途があったりします、売りましょう!」

「……買って、くれる、人、いる、かな?」

 不安そうなヴィルに、ノィユは胸を叩いた。

「バチルタ家にお任せください! 今こそ御恩を返すとき!」

 襲ってくるから仕方なく討伐した魔物の毛皮をまとって、ノィユの両親が「あったかくて、かっこよくて、最高です♡」にっこり笑えば、爆売れ間違いなし!

「討伐した魔物はきれいに捌いて、毛皮とか骨とか肉とかちゃんと保存しましょう。ぜんぶ売ります!」

 拳を握るノィユに、ヴィルもロダもびっくりしつつ頷いてくれた。

「わ、わかった」
「やってみましょう」

 力こぶを盛りあげるロダが、やる気だ。

「ヴァデルザ領の領民の皆さんは、どんな生活を?」

 領民を見たことがないよ!
 素朴な疑問を聞いてみたノィユに、ヴィルとロダは顔を見合わせた。

「えぇと……辺境、部族?」

「独自の文化をお持ちの方々ですね。お互いに不干渉といいますか、敵国が攻めてきたら協力しような関係です」

 ノィユは手を挙げる。

「会ってみたいです!」

「……は?」

 ヴィルもロダも、口を開けた。

「独自の文化をお持ちということは、素晴らしい織物とか毛皮とか染色技術とか服飾とか音楽や舞踏をお持ちで、宝の山ということです!」

「…………え」

「会いにいきましょう!」

 拳をふりあげるノィユだけが、やる気みたいだ。おかしい。



「あまりお勧めしません……殺されないように頑張りましょう……」

 ロダの言葉が不穏だ!

「ノィユは、俺が、守る」

 ヴィルがかっこいー!

「えへへ。ありがとう、ヴィル」

 抱きついたら、ヴィルの頬がふわふわ紅くなる。
 伴侶は今日も、とびきり可愛いです。

「ブルルルン!」

 ツーとホーもやる気だ、ありがとう!

 襲う魔物を蹴散らしながら走ってくれて、やってきました部族の村!

 魔物の森の奥に佇むのは、倒木で組まれた門と、森に隠れるように佇む家々だ。
 不思議な意匠が刻まれた門は見あげるほど高く、威圧するように佇んだ。

 びびってしまいそうなノィユは、お腹の底に力を籠めて、声を張る。

「こんにちはー! ヴァデルザ領主ヴィル・ヴァデルザの伴侶になりました、ノィユ・バチルタと申します、ご挨拶に伺いましたー!」

 笑顔で手を振ってみた!

「なんか来た!」
「天使?」
「天使来た!」

 さわさわ集まってくれる毛皮につつまれた皆さんが、可愛いです。








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