【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ

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おまけのお話

皆で

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 ヴィルとロダとヴァイ族の皆さんと一緒に、ヴァデルザ領のたくさんの部族の皆さんにご挨拶にゆきました!

「ノィユ・バチルタです! バチルタ領から来ました。ヴィルの伴侶です!」

 ちっちゃな胸を張るノィユに、隣のヴィルがほんのり赤くなってる。

 はー♡
 今日も伴侶が、とびきりかわいー♡ です!

「天使きた」
「ちっちゃい天使!」
「でっかいのも来た」
「はんりょ?」
「天使のはんりょ!」

 ちっちゃい部族の人も、おっきい部族の人も、毛皮の人も、え、寒くないですか! 心配になる裸族の人も、温泉饅頭を持っていったら

「うまー!」
「よく来た!」
「よく来た!」

 歓迎してくれたよ!

「な、なるほど、天使とおまんじゅうが大切なのですね……!」

 ロダがうむうむしてる。

「ノィユが、天使、だから」

 抱っこして、はにかむように笑ってくれるヴィルが、天使だから──!



 部族の代表の人たちとヴィルとロダとノィユでお話を聞いてみると、皆さん、現状に満足しているらしい。
 敵国を刺激しないためにも、現状維持が望ましいみたいだ。

 バチルタ領みたいに、食べるものもなくて、借金で死にそうで、領民流出が止まらない! っていう場合には発展させなきゃ! ってなるけれど。

 皆がご飯を食べられて、楽しくしあわせに生きてゆけるなら、これ以上なんて、いらないよね。

「じゃあ僕とヴィルとロダさんがヴァデルザ領に通うためだけに、魔導列車だけ通してもいいですか」

「天使の里、行きたい!」
「まんじゅう!」
「まんじゅー!」
「おどる!」
「おどる!」

「勿論です、皆さんご招待します──!」

 皆でほいほい踊ってたら、重大任務を思いだした!

「倒した魔物、いらないのあったら、買い取りさせてくださいー!」

「まんじゅーと交換!」
「交換!」
「交換!」

「ありがとうございますー!」

 ヴァデルザ領での通貨、温泉饅頭でいいんじゃないかな?




 というわけで、バチルタ領からヴァデルザ領に魔導列車が通りました!

 これでいつでもヴァデルザ領に帰って来られるよ。
 ヴァデルザ領の皆さんも、バチルタ領に行きたい放題!

「おんせん!」
「おんせん!」
「ぬっくぬく!」

 裸族の人たちも喜んでくれたみたいです。うれしい。

 ヴァデルザ領の人が外に出てくるようになって、魔物が運ばれるようになったら、皆、どれだけ過酷なところで暮らしているのか、理解してくれたみたいです。

『貧乏辺境領』みたいな蔑みから『多様な種族が暮らす過酷で不思議な北の地』として、ちょっと尊敬されるようになりました!
 観光したいと希望してくれる人もでてきたよ!

「ノィユとお兄さまのおかげだよ。ありがとう」

 エヴィも喜んでくれたよ!


 魔導列車のおかげで、温泉饅頭も、バチルタ領のおいしいお芋や鳥や砂糖も運び放題!

「うまー!」
「うまー!」
「天使の里、さいこー!」

 大評判みたいです。
 やた!

 物々交換で、襲ってきた魔物をくれるので、魔法使いなゾホと研究したいメィファがとても喜んでくれました。


 バチルタ領に行くのに一緒に魔導列車に乗ったりするし、バチルタ領で一緒に温泉につかったりするので、今まで全く繋がりのなかった部族の人たちが仲良くなったり、交流したりが始まったみたいです!

 もし喧嘩したら仲裁したりして、皆の文化を守ってゆきながら、暮らしやすくなるよう、お手伝いできたらいいな!


「ありがとうございます、ノィユさま! ヴァデルザ領に活気が……!」

 ロダの目に涙が滲んでる。

「ありがとう、ノィユ。……こんなに、仲良く、なれる、なんて、思ったこと、なかった」

 ヴィルが手を握ってくれる。


「皆で、がんばったんだよ! 僕はいつだって、ヴィルがいてくれるから、がんばれるんだ」

 ごつごつのおっきな手と、手をつないで、笑う。


「皆で、もっと、しあわせになろうね!」

 ちっちゃな手で、ロダを、ヴィルを、抱きしめる。

 この手でできることがあるなら、それが皆の、ヴィルのためになるなら、なんだってしたいんだ。


「皆の、天使、でも、あるけど。
 ノィユは、俺の、天使、だから」

 紅い頬で、ヴィルが笑ってくれる。


「僕の天使は、ヴィルだから──!」


 最愛の伴侶を、抱きしめる。


 ぎゅうぎゅう抱きしめ返して、笑ってくれた。






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