【完結】非モテアラサーですが、あやかしには溺愛されるようです

  *  ゆるゆ

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おまけのお話 りべんじ?

変わってみました

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 よくあるよね、聞き難いことを、一番かっこいー人に聞きに行かせるの。

 図星なんだろう。
 あからさまだなあ!

 おかしくなって、鼻で笑ってしまう。
 なるほど、鼻で笑うってこういう感じか。
 納得してたら、野中は不思議そうに私を見つめた。


「……日崎さん、だいぶ感じ変わったね」

 ……そうかな?
 そうかもしれない。

 今までは会社を辞めさせられないように、控えめに、大人しく、出しゃばらないようにしてきたから。

 なるべくきらわれないように、と思っても、思いきりきらわれたけど。
 なるべく出る杭にならないように、とは思ってた。

 辞めるとなったら、どうでもいいよね。


 今までの私の目標は

 ①言われたことは真面目に実行する

 ②どんなに厭でも会社に行く

 ③どんなに厭なことを言われても辞めない

 この3つだった。

 しんどかった。
 泣きたかった。

 でも歯を食い縛って辞めなかった自分を褒めてあげたいと思う。
 働いている人は、皆ほんとうにすごいよ!
 事情があって働けない人も、生きてるだけで頑張ってると思うよ!



 今の私の目標は

 ①できる限り、陵の隣に並べる人になること!
 ……果てしなく難しいけど、できるかぎり、がんばろー!

 ②イケメン旅館繁盛のために、色んな宿をリサーチして、サイトを研究しよう!

 ③来てくれたおひめさまも、あやかしの皆も癒されて、しあわせになる、最高のイケメン村に向けてがんばろー!

 この3つだ。

 わくわくする!

 思うだけで、顔がほころぶ。


「…………え、あの……日崎さんて、もしかして……か、わいかっ……た?」

 野中の言葉に、目が冷える。


「休憩室で『日崎はないわー、やべーだろ、あれ』って言ってましたね」

 野中の顔から、色が消えた。


「失礼します」

 ふんと鼻を鳴らして、胸を張った。


 陵のおかげで、私、胸を張れるようになったよ。

 陵が手を繋いでくれたら、きっと、どこまでも行ける。


 陵のことも、白銀の皆も、心から信じているけど。
 皆は、あやかしだから。
 夢のように消えてしまうかもしれない。

 夢のような日々は、ほんとうに夢だったのかもしれない。


 でも私のことを蔑んで、嘲笑う会社を辞める勇気を持たせてくれたのは、皆だから。

 歯を食い縛って頑張るのも、大切だよ。
 どこに行っても厭なことはあるから、少しは我慢できないとやっていけないかもしれない。

 でも、それで身体と心が壊れてしまうなら。
 お給料が低くなろうと、今までの地位が崩れ去ろうと、絶対、辞めていい。


 あやかしの皆が、夢のように消えてしまっても。

 やさしいぬくもりを胸に、きっと私は歩いてゆける。



 顔をあげて、胸を張る。

 それだけで、違う大気を吸う気がした。


 



 全く!!
 全然!!
 微塵も!!!

 お洒落とか髪型とか興味ありませんでしたが(だって色々すると目をつけられていじめられる)とりあえず一番人気の美容院を予約して、私に一番似合う髪型にしてもらった。

 なんか、くるくるしてる。
 髪の色が、明るくなった。

 ふ、不良みたいじゃない……?

 いにしえの感覚で、あわあわした私に、美容師のお兄さんが笑う。


「めちゃくちゃ可愛くなりましたよ!」

 ぽかんとしかけて、ああ、そうだお世辞だと納得する。


「お世辞でもうれしいです、ありがとう!」

 ちょっと泣いて頭をさげた。





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