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第一章
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店に戻ってきたオーガは、おかえりなさい、と言う子供たちに出迎えられた。
庭の世界樹がくねくねと踊り、勝手に念話を使ってお帰りーと言っている。
うるさいので切ると、また酷いと言われたがどうでもいい。
そうして帰ってきて、ハッとする。
「そういえば魔石は!?」
おい如何したコラ!とリカルドとアレンに詰め寄るオーガ。
「魔石なら、すべてギルドと王国預かりになってるぞ」
「嘘だろ……?マジかよ、え、うそ……」
「いや、驚きたいのはこっちだ。お前、そんなに魔石が欲しかったのか?」
当たり前だろ!!とオーガは興奮したように叫ぶ。
「魔石はな、このスタンピードの時にしか手に入らない貴重な魔石もあるんだよ!!それを、全部……全部国とギルドに持ってかれた……」
ショックだ、と言わんばかりに落ち込むオーガに、リカルドとアレンは顔を見合わせてはぁ、とため息を吐いた。
「そんな事より、オーガさん座ってください」
ジルがオーガに着席を促す。
とぼとぼと歩いて食卓の椅子に座ると、みんなもそろって席に座った。
「オーガの快気祝い……頑張ったから」
そう、しっぽを振って話すゲートに癒される。
オーガの前に、頑張ったというゲートの力作たちが姿を現した。
湯気を立て、おいしそうな料理に、現金な腹は音を立てる。それが、オーガの腹なのか、みんなの腹なのかは分からない。
が、笑い、そしていただきますと手を合わせた。
「そういえば、レティたちを見ていないな。スライムたちも何処に行った?」
起きてから、今まで見ていないなと思いつつ。
あぁ、そうだった、とリカルドが思い出したように告げる。
「スライムたちなら、今貸し出しされているぞ」
「主に無断で貸し出すなよ……」
「一時間大銅貨一枚で、確実に報酬貰ってこいって言ってあるからな」
「何でお前の言葉に従ってるんだ、リカルド……」
どういうことだ?と息を吐いた。
まぁ、金を稼いでくれていたならまぁ、いいか?いいのか?と納得できないような、するような……?と自分の中の疑問を打ち消す様に首を振る。
「紫電とレティは?」
「さぁ~?れてぃちゃんとしでんくん、いつもおいかけっこしてるよ?」
サーシャが口にモノを頬張りながら言う。
レティと紫電がおいかけっこ?と首を傾げ、あぁ、とオーガは思い当たる。
「紫電はレティが好きだからな。毎回追いかけているな」
「ちがうよ?」
「そうだよ、れてぃちゃんが、しでんくんおいかけてるもん」
違う違うと子供たちから否定され、えぇ?とオーガは少し困惑する。
どうしたらそんな状況になるのか、と少しどころではなく疑問に思うのだが……。
らちが明かない、とオーガは少し声に魔力を載せて呼ぶ。
「紫電」
ふわり、と風が吹いたかと思えば、ばちばちと雷を纏わせて紫電が現れた。
「……呼ばない方が良かったか?」
思わずそう言ってしまったのは、紫電の服があまりに乱れているからだ。まるで必死で逃げたような……。
「お、オーガっ!!そ、そうか!回復したのか!じゃあ、さっさと俺を虫籠に戻せ!!」
お、おいと戸惑うほど、嘗てないくらい紫電に迫られ、えぇ、と引くオーガ。
ふわり、とその圧が消えた、と思ったら後ろから羽交い絞めにして、紫電をレティが抑えていた。
「逃がさないわよぉ?あ、オーガちゃんおかえりなさい。どう?体調は。あのオージサマとかいう人間に、無理とかさせられてないでしょうね?」
「何の話をしているんだお前は。それより、何でこんなお前に怯えてるんだ、紫電は」
「あら、ちょっとした感情の行き違いよ。それに、怯えてるわけじゃないわ」
ねぇ、とレティが紫電の首筋を撫でれば、ひっ、と紫電から小さく悲鳴が上がった。
「教育によろしくねぇ奴らだな」
ぱちん、と指を鳴らせばレティたちが虫籠の中に吸い込まれていく。
スライムたちが居ないので、後でまた戻さなければいけないのだが。
はぁ、とため息を吐いたオーガたち。
子供たちはわかっていないのか、興味がなかったのか、あまり反応はしていないようだ。
ジル達大きい子たちは顔を赤くしたり、顔をそらしたり、呆れた顔をしながら見ていたけれど。
病み上がりという事で、店番をしながら子供たちはリカルドたちに任せることにした。
リカルドとアレンは、スタンピードが終わってからイイ感じの仲になっている。何があったんだか、まぁオーガはあまり興味なさそうだけど。
そのうち子供でもできるんじゃねぇかな、とも考えながら、店の開かない扉を見ながらぼんやりとしていた。
子供たちの中には、回復薬をちゃんと作れるようになってきたのも多くいるし、庭の食料や薬草園の世話なんかも任せて大丈夫なようになってきた。
それに、冒険者として活動できるようにもなってきたみたいだ。アレンやリカルドの指導のたまものだ。
「何を灌漑にふけっておるのだ、オーガよ」
「っっっ!!?突然現れるんじゃねぇ!!俺の心臓を止める気か!!!!」
「そんな軟な心臓なぞしてないくせに何を言うか」
そう、突然後ろから声をかけてきたラジュールが笑う。
何故、こんな簡素な雑貨屋に王太子がしかも裏の裏から来店するのか。
「帰れ冷やかしが!!」
「冷やかしもいない店も寂しいものはないだろう?」
「暇で結構だ!!!!」
そんなやり取りも、恒例化してくれば、またやってるよと生暖かい視線を貰うだけである。
そういう生暖かい視線をくれるのは、隣でジルの診察を受けている近所のご高齢な方々ばっかりだがな!!!
「そんな寂しいことを言ってくれるな。まぁ、私は暇な方がお前に会いに来ることを躊躇わなくて済む分助かるがの」
「……営業妨害だ」
はぁ、と長い、それは長いため息を吐いたオーガ。
しかし、この光景は千年先の未来でもたいして変わらなかったりする……。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
side:紫電
「シデン、ゲンキカ?」
「ゲンキ、ナイナ?」
「ゲンキ、シテヤルカ?」
なぜかスライムたちがあれから俺の周りを彷徨う様になった。
何を慰めようとしているのかさっぱり分からないが、ぽよんぽよんとした彼らはどことなく落ち着く。
まぁ、虫かごの中、スライムたちに攻撃もできないが。
「シデン、ゲンキ、ダセ」
「ソウダ、レティ、オニ」
「オニ、レティ」
「レティ、コワい」
「コワい、オニ」
「ダカラ、シデン」
「ゲンキ、ダセ」
「だぁれが鬼よ?失礼しちゃうわ!」
まったく、とスライムたちの後ろに腕を組みながら立つレティにさぁーっと顔が青ざめるのを感じた。
「レティ、オニ」
「レティ、アクマ、ヒドイ」
「オニ、アクマ!」
「うるさいわよ、スライムがいつまでも引きずってるんじゃないわ!」
しっしっとレティは、スライムを風魔法で吹き飛ばしてしまう。まぁ、この虫かごの中じゃダメージを受けないから大丈夫だろう。
茫然とその光景を見ていた俺は、ハッとして逃げようと踵を返す。
が、レティが俺を逃がしてくれるはずがない。
「あーら、何処に行くのかしら、し・で・ん?」
びっくぅと体が跳ねた。
「れ、レティ……」
「アンタとは色々と話すことが多そうね」
オーガとの契約は死ぬまで残る。
オーガは千年生きるという。自分たちの方が早く死ぬだろう。
どう考えても、レティから逃げ切れる自信はない。
「アンタの腹の中についてもねぇ?」
三つの魔力が別々に動いている。
レティにもそれは紫電にもわかっていた。
だから、スライムたちも来るのかもしれない。
「……そうだな、話を、しよう」
諦めたように俺はため息を吐いて、まっすぐにレティを見つめた。
レティは満足げに笑っていた。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
side:???
さて、そう呟いた彼はガラス玉に映し出された地上を愛しげに見つめた。
「レスティア、君はそれでいいのかい?」
彼らが死を迎えるとき、レスティアは真実、意思を失い、死を迎えるのだろう。
それでいいのか、と彼は問う。
レスティアは、静かに光り、そして人の姿を取った。
「そう、ですね……この先の未来に何があるのか、私には見えません。それは絶望ではないのです。希望です」
そっと、レスティアは笑う。幸福そうに、嬉しそうに。
誰でもあって誰でもない存在。それは過去も未来も見渡せる。
しかし、レスティアはそれが見えないという。だが、それは悪いことではない。
「私はきっと、この先沢山の人や物に生まれ変わり姿を無くし、消えるでしょう。ですが、それで良いのです。たくさんの中の一人になって、そして私は幸福も不幸もそのまっさらな命で知るのでしょう」
「この世界を支えてきたのは君なのに、それでいいの?」
「良いのです。あなたも、きっとこの幸福を知る日が来るでしょう。悲しみの――――。われらの外にいる者たちにもきっと、わかるでしょう」
ふふっ、と笑うとまた球体の姿に戻ってしまったレスティア。
ふわりふわりと浮いているが、休眠に入ったのだろう。
覇気はない。
そんなレスティアの姿に、はぁ、と彼はため息を吐いた。
「いつかわかる、ね……君たち世界はいつもそうだ。幸福そうで、羨ましいよ……」
そっと、ため息を吐いた彼は目を閉じた。
庭の世界樹がくねくねと踊り、勝手に念話を使ってお帰りーと言っている。
うるさいので切ると、また酷いと言われたがどうでもいい。
そうして帰ってきて、ハッとする。
「そういえば魔石は!?」
おい如何したコラ!とリカルドとアレンに詰め寄るオーガ。
「魔石なら、すべてギルドと王国預かりになってるぞ」
「嘘だろ……?マジかよ、え、うそ……」
「いや、驚きたいのはこっちだ。お前、そんなに魔石が欲しかったのか?」
当たり前だろ!!とオーガは興奮したように叫ぶ。
「魔石はな、このスタンピードの時にしか手に入らない貴重な魔石もあるんだよ!!それを、全部……全部国とギルドに持ってかれた……」
ショックだ、と言わんばかりに落ち込むオーガに、リカルドとアレンは顔を見合わせてはぁ、とため息を吐いた。
「そんな事より、オーガさん座ってください」
ジルがオーガに着席を促す。
とぼとぼと歩いて食卓の椅子に座ると、みんなもそろって席に座った。
「オーガの快気祝い……頑張ったから」
そう、しっぽを振って話すゲートに癒される。
オーガの前に、頑張ったというゲートの力作たちが姿を現した。
湯気を立て、おいしそうな料理に、現金な腹は音を立てる。それが、オーガの腹なのか、みんなの腹なのかは分からない。
が、笑い、そしていただきますと手を合わせた。
「そういえば、レティたちを見ていないな。スライムたちも何処に行った?」
起きてから、今まで見ていないなと思いつつ。
あぁ、そうだった、とリカルドが思い出したように告げる。
「スライムたちなら、今貸し出しされているぞ」
「主に無断で貸し出すなよ……」
「一時間大銅貨一枚で、確実に報酬貰ってこいって言ってあるからな」
「何でお前の言葉に従ってるんだ、リカルド……」
どういうことだ?と息を吐いた。
まぁ、金を稼いでくれていたならまぁ、いいか?いいのか?と納得できないような、するような……?と自分の中の疑問を打ち消す様に首を振る。
「紫電とレティは?」
「さぁ~?れてぃちゃんとしでんくん、いつもおいかけっこしてるよ?」
サーシャが口にモノを頬張りながら言う。
レティと紫電がおいかけっこ?と首を傾げ、あぁ、とオーガは思い当たる。
「紫電はレティが好きだからな。毎回追いかけているな」
「ちがうよ?」
「そうだよ、れてぃちゃんが、しでんくんおいかけてるもん」
違う違うと子供たちから否定され、えぇ?とオーガは少し困惑する。
どうしたらそんな状況になるのか、と少しどころではなく疑問に思うのだが……。
らちが明かない、とオーガは少し声に魔力を載せて呼ぶ。
「紫電」
ふわり、と風が吹いたかと思えば、ばちばちと雷を纏わせて紫電が現れた。
「……呼ばない方が良かったか?」
思わずそう言ってしまったのは、紫電の服があまりに乱れているからだ。まるで必死で逃げたような……。
「お、オーガっ!!そ、そうか!回復したのか!じゃあ、さっさと俺を虫籠に戻せ!!」
お、おいと戸惑うほど、嘗てないくらい紫電に迫られ、えぇ、と引くオーガ。
ふわり、とその圧が消えた、と思ったら後ろから羽交い絞めにして、紫電をレティが抑えていた。
「逃がさないわよぉ?あ、オーガちゃんおかえりなさい。どう?体調は。あのオージサマとかいう人間に、無理とかさせられてないでしょうね?」
「何の話をしているんだお前は。それより、何でこんなお前に怯えてるんだ、紫電は」
「あら、ちょっとした感情の行き違いよ。それに、怯えてるわけじゃないわ」
ねぇ、とレティが紫電の首筋を撫でれば、ひっ、と紫電から小さく悲鳴が上がった。
「教育によろしくねぇ奴らだな」
ぱちん、と指を鳴らせばレティたちが虫籠の中に吸い込まれていく。
スライムたちが居ないので、後でまた戻さなければいけないのだが。
はぁ、とため息を吐いたオーガたち。
子供たちはわかっていないのか、興味がなかったのか、あまり反応はしていないようだ。
ジル達大きい子たちは顔を赤くしたり、顔をそらしたり、呆れた顔をしながら見ていたけれど。
病み上がりという事で、店番をしながら子供たちはリカルドたちに任せることにした。
リカルドとアレンは、スタンピードが終わってからイイ感じの仲になっている。何があったんだか、まぁオーガはあまり興味なさそうだけど。
そのうち子供でもできるんじゃねぇかな、とも考えながら、店の開かない扉を見ながらぼんやりとしていた。
子供たちの中には、回復薬をちゃんと作れるようになってきたのも多くいるし、庭の食料や薬草園の世話なんかも任せて大丈夫なようになってきた。
それに、冒険者として活動できるようにもなってきたみたいだ。アレンやリカルドの指導のたまものだ。
「何を灌漑にふけっておるのだ、オーガよ」
「っっっ!!?突然現れるんじゃねぇ!!俺の心臓を止める気か!!!!」
「そんな軟な心臓なぞしてないくせに何を言うか」
そう、突然後ろから声をかけてきたラジュールが笑う。
何故、こんな簡素な雑貨屋に王太子がしかも裏の裏から来店するのか。
「帰れ冷やかしが!!」
「冷やかしもいない店も寂しいものはないだろう?」
「暇で結構だ!!!!」
そんなやり取りも、恒例化してくれば、またやってるよと生暖かい視線を貰うだけである。
そういう生暖かい視線をくれるのは、隣でジルの診察を受けている近所のご高齢な方々ばっかりだがな!!!
「そんな寂しいことを言ってくれるな。まぁ、私は暇な方がお前に会いに来ることを躊躇わなくて済む分助かるがの」
「……営業妨害だ」
はぁ、と長い、それは長いため息を吐いたオーガ。
しかし、この光景は千年先の未来でもたいして変わらなかったりする……。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
side:紫電
「シデン、ゲンキカ?」
「ゲンキ、ナイナ?」
「ゲンキ、シテヤルカ?」
なぜかスライムたちがあれから俺の周りを彷徨う様になった。
何を慰めようとしているのかさっぱり分からないが、ぽよんぽよんとした彼らはどことなく落ち着く。
まぁ、虫かごの中、スライムたちに攻撃もできないが。
「シデン、ゲンキ、ダセ」
「ソウダ、レティ、オニ」
「オニ、レティ」
「レティ、コワい」
「コワい、オニ」
「ダカラ、シデン」
「ゲンキ、ダセ」
「だぁれが鬼よ?失礼しちゃうわ!」
まったく、とスライムたちの後ろに腕を組みながら立つレティにさぁーっと顔が青ざめるのを感じた。
「レティ、オニ」
「レティ、アクマ、ヒドイ」
「オニ、アクマ!」
「うるさいわよ、スライムがいつまでも引きずってるんじゃないわ!」
しっしっとレティは、スライムを風魔法で吹き飛ばしてしまう。まぁ、この虫かごの中じゃダメージを受けないから大丈夫だろう。
茫然とその光景を見ていた俺は、ハッとして逃げようと踵を返す。
が、レティが俺を逃がしてくれるはずがない。
「あーら、何処に行くのかしら、し・で・ん?」
びっくぅと体が跳ねた。
「れ、レティ……」
「アンタとは色々と話すことが多そうね」
オーガとの契約は死ぬまで残る。
オーガは千年生きるという。自分たちの方が早く死ぬだろう。
どう考えても、レティから逃げ切れる自信はない。
「アンタの腹の中についてもねぇ?」
三つの魔力が別々に動いている。
レティにもそれは紫電にもわかっていた。
だから、スライムたちも来るのかもしれない。
「……そうだな、話を、しよう」
諦めたように俺はため息を吐いて、まっすぐにレティを見つめた。
レティは満足げに笑っていた。
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side:???
さて、そう呟いた彼はガラス玉に映し出された地上を愛しげに見つめた。
「レスティア、君はそれでいいのかい?」
彼らが死を迎えるとき、レスティアは真実、意思を失い、死を迎えるのだろう。
それでいいのか、と彼は問う。
レスティアは、静かに光り、そして人の姿を取った。
「そう、ですね……この先の未来に何があるのか、私には見えません。それは絶望ではないのです。希望です」
そっと、レスティアは笑う。幸福そうに、嬉しそうに。
誰でもあって誰でもない存在。それは過去も未来も見渡せる。
しかし、レスティアはそれが見えないという。だが、それは悪いことではない。
「私はきっと、この先沢山の人や物に生まれ変わり姿を無くし、消えるでしょう。ですが、それで良いのです。たくさんの中の一人になって、そして私は幸福も不幸もそのまっさらな命で知るのでしょう」
「この世界を支えてきたのは君なのに、それでいいの?」
「良いのです。あなたも、きっとこの幸福を知る日が来るでしょう。悲しみの――――。われらの外にいる者たちにもきっと、わかるでしょう」
ふふっ、と笑うとまた球体の姿に戻ってしまったレスティア。
ふわりふわりと浮いているが、休眠に入ったのだろう。
覇気はない。
そんなレスティアの姿に、はぁ、と彼はため息を吐いた。
「いつかわかる、ね……君たち世界はいつもそうだ。幸福そうで、羨ましいよ……」
そっと、ため息を吐いた彼は目を閉じた。
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