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「俺の全てを愛する」と言ったあなたは、この診断書を見てどんな反応をするのかなー。
プルルルルルー
お願い。
プルルルルルー
どんなに忙しくても電話には出て欲しい。
プルルルルルー
もう…これ以上、迷惑かけないから………
ブツッ
ただいま留守にしておりますーー
ツーツーツーツーッ
「はは…やっぱり……出てくれないか…」病院から貰った診断書をグシャリと握りつぶす。こんな紙切れをあの人に見せたところで現実は何も変わらない。どうして、俺が好きになった人はみんな…俺から離れていくんだろう。もう何回裏切られれば済むのだろう。寒さからなのか、悲しみからなのか分からない涙が頬を伝う。
ーあの人がいる家に、帰りたくないな。ー
※※※
「蓮見 尚人さん。御家族の方はいらっしゃいますか?」身体の異常が最近続き、病院を受診した際医者にそう言われた。
「家族は……いません。」
「そうですか。…ではご結婚されているお相手の方は?」医者は俺の左の薬指を見て既婚者だと悟り、質問した。
「これは……ただの飾りです。」薬指を天井の照明に当てる。左手の隙間から漏れる光が眩しくて目を細めた。
「…はい……?」医者は豆鉄砲を食らった鳩のような顔でこちらを見ている。その表情に少し可笑しくクスリと笑ってしまう。
「結婚はまだ…ですが、付き合っている相手はいるんです。……ですが、その人は最近俺に飽きてしまったのか距離を置かれているんです。」
「……。」
「身体が生まれつき弱いので、その所為で罰が当たってしまったんですかね…。」
「………。」診察室に重苦しい雰囲気が流れた。俺は明るく振舞おうと最近の身体の不調について医者に尋ねた。
「こんな話されてもつまらないですよね…。話を戻しましょうか。……俺の身体の不調の原因は何だか分かりましたか?」笑顔で不安を悟られないよう強気に振る舞う。
「あ……あぁ、はい。そうですね……。」医者は本来の業務に戻ると少し気まずそうに診断結果の紙と俺を交互に見る。
「蓮見さんの不調の原因は…白血病という病気です。」
「…。そうですか……。」
「以前、大学病院で白血病の手術をされていますよね?」
「…はい…。」
「手術を終えた際に、まだ白血病の細胞が体内に残っておりそれが増殖したのだと思われます。」
「……。」
「治療法としてー」
「いえ。治療は大丈夫です。」医者の言葉を遮り、俺はキッパリと治療を断った。
「…えっと…それは、……」堂々としている俺に医者は動揺を隠せず理由を聞いてこようとする。
「何年ほど生きられますか?」
「あ、はい。余命は4~5年ですかね。」
「わかりました。それじゃぁ、お薬を処方してくだされば大丈夫です。」
診察ありがとうございました。とお礼を言い診察室を出ると、受付の椅子で名前が呼ばれるのを待つ。
ここでようやく自分の置かれた状況が分かった。俺は白血病が再発し、余命が4~5年だという事。不安を隠してきたが、今になって命の短さに絶望する。病気が分かればあの人にまた、迷惑をかけてしまう。あの人に捨てられる未来が容易に想像出来てしまい、震えがとまらない。付き合って近々3年目の記念日が近づいてくる。今年は一緒に祝い合えたらいいな。でもこんなことを思ってるのは俺だけなんだろうな…。病院からでたら一か八か電話をしてみよう。もしかしたら心配してくれるかもしれない。そんな淡い期待を抱きながら受付椅子で待つ。
プルルルルルー
お願い。
プルルルルルー
どんなに忙しくても電話には出て欲しい。
プルルルルルー
もう…これ以上、迷惑かけないから………
ブツッ
ただいま留守にしておりますーー
ツーツーツーツーッ
「はは…やっぱり……出てくれないか…」病院から貰った診断書をグシャリと握りつぶす。こんな紙切れをあの人に見せたところで現実は何も変わらない。どうして、俺が好きになった人はみんな…俺から離れていくんだろう。もう何回裏切られれば済むのだろう。寒さからなのか、悲しみからなのか分からない涙が頬を伝う。
ーあの人がいる家に、帰りたくないな。ー
※※※
「蓮見 尚人さん。御家族の方はいらっしゃいますか?」身体の異常が最近続き、病院を受診した際医者にそう言われた。
「家族は……いません。」
「そうですか。…ではご結婚されているお相手の方は?」医者は俺の左の薬指を見て既婚者だと悟り、質問した。
「これは……ただの飾りです。」薬指を天井の照明に当てる。左手の隙間から漏れる光が眩しくて目を細めた。
「…はい……?」医者は豆鉄砲を食らった鳩のような顔でこちらを見ている。その表情に少し可笑しくクスリと笑ってしまう。
「結婚はまだ…ですが、付き合っている相手はいるんです。……ですが、その人は最近俺に飽きてしまったのか距離を置かれているんです。」
「……。」
「身体が生まれつき弱いので、その所為で罰が当たってしまったんですかね…。」
「………。」診察室に重苦しい雰囲気が流れた。俺は明るく振舞おうと最近の身体の不調について医者に尋ねた。
「こんな話されてもつまらないですよね…。話を戻しましょうか。……俺の身体の不調の原因は何だか分かりましたか?」笑顔で不安を悟られないよう強気に振る舞う。
「あ……あぁ、はい。そうですね……。」医者は本来の業務に戻ると少し気まずそうに診断結果の紙と俺を交互に見る。
「蓮見さんの不調の原因は…白血病という病気です。」
「…。そうですか……。」
「以前、大学病院で白血病の手術をされていますよね?」
「…はい…。」
「手術を終えた際に、まだ白血病の細胞が体内に残っておりそれが増殖したのだと思われます。」
「……。」
「治療法としてー」
「いえ。治療は大丈夫です。」医者の言葉を遮り、俺はキッパリと治療を断った。
「…えっと…それは、……」堂々としている俺に医者は動揺を隠せず理由を聞いてこようとする。
「何年ほど生きられますか?」
「あ、はい。余命は4~5年ですかね。」
「わかりました。それじゃぁ、お薬を処方してくだされば大丈夫です。」
診察ありがとうございました。とお礼を言い診察室を出ると、受付の椅子で名前が呼ばれるのを待つ。
ここでようやく自分の置かれた状況が分かった。俺は白血病が再発し、余命が4~5年だという事。不安を隠してきたが、今になって命の短さに絶望する。病気が分かればあの人にまた、迷惑をかけてしまう。あの人に捨てられる未来が容易に想像出来てしまい、震えがとまらない。付き合って近々3年目の記念日が近づいてくる。今年は一緒に祝い合えたらいいな。でもこんなことを思ってるのは俺だけなんだろうな…。病院からでたら一か八か電話をしてみよう。もしかしたら心配してくれるかもしれない。そんな淡い期待を抱きながら受付椅子で待つ。
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