3 / 23
3話
しおりを挟む
結局、一晩秀次から言われた言葉が頭に残り眠れなかった。カーテンの隙間から溢れる朝日がとても眩しくて俺は起き上がった。
ガチャッ
寝室から出ると秀次がちょうど靴を履いていた。ピシッと整えられた髪に、いつもはしない高級そうな腕時計を嵌めてほんのり甘い香水をつけている。
「おはよう、秀次。今日は早いんだね…」
声を掛けると秀次はこちらを振り返らず背中を向けたまま「おはよう」とだけ返事を返した。長く付き合う過程でこんなにもぞんざいな扱いを受けるのかと傷付いた。
「……お弁当間に合わなくてごめんね」
「いいよ、外で食べるから。」
「行ってきます」と言って玄関を出て行った秀次の背中はとても冷たかった。目も合わせようとしない。胸がズキズキと痛む。付き合いたての頃は、酷く甘やかして俺が体調を崩すと直ぐにでも帰ってきてくれてた。休みの日も一緒にいたいと言い一日中隣に居てくれた。付き合って二年記念日を迎えた日を境に秀次は俺から距離を取り、遅く帰ってくることが増えた。そこから浮気を結びつけたのは一瞬だった。
いつも通り、遅く帰ってきた秀次は酔っ払っておりリビングのソファで寝ていた。皺になると思い俺は、秀次のスーツを脱がせていたら女性の名前を寝言で呼んでいた。愛してるとまで言っていた。その言動に俺は深く傷つき問い詰めようにも問いつめれなかった。
━━プルルルルッ
電話がなっていたので俺は寝室に戻り携帯を手に取り番号を確認する。
「病院…?」
ピッ
「……もしもし」
「蓮見尚人さんですか?すいませんが再度詳しい診察を行いたいのでもう一度病院へ来られますか?」
「…分かりました。」
何故か嫌な予感がする。嫌な汗が額から流れる。
「とりあえず………準備…しよう。」
※※※
「こちらの不手際で再度診察を行って頂きありがとうございます。」
「いえ。気にしないでください」
少し不安げに微笑む。最悪な診断は聞きたくない。
「何か詳しいことがわかったんですか?」
「はい。蓮見さんの病気は急性骨髄性白血病というものでした。」
「きゅ…急性……?」
どんな病気かも分からず俺は医者に聞き直した。
「急性骨髄性白血病です。白血病の再発で急性転化期に入られたと思われます。」
「…。余命は…」
「化学治療を行えば長期生存を見込めますが、未治療となれば半年以内です。」
「…症状は悪化するんですよね」
「そうですね…鼻血や吐血、貧血によるだるさ、発熱等があります。」
「そうですか…。一度考えさせてください。」
「わかりました。お薬の方はお出ししておきますね。」
「ありがとうございます。」
ニコリと微笑み診察室を出ると、俺は受付ベンチに力なく座り込んだ。
ガチャッ
寝室から出ると秀次がちょうど靴を履いていた。ピシッと整えられた髪に、いつもはしない高級そうな腕時計を嵌めてほんのり甘い香水をつけている。
「おはよう、秀次。今日は早いんだね…」
声を掛けると秀次はこちらを振り返らず背中を向けたまま「おはよう」とだけ返事を返した。長く付き合う過程でこんなにもぞんざいな扱いを受けるのかと傷付いた。
「……お弁当間に合わなくてごめんね」
「いいよ、外で食べるから。」
「行ってきます」と言って玄関を出て行った秀次の背中はとても冷たかった。目も合わせようとしない。胸がズキズキと痛む。付き合いたての頃は、酷く甘やかして俺が体調を崩すと直ぐにでも帰ってきてくれてた。休みの日も一緒にいたいと言い一日中隣に居てくれた。付き合って二年記念日を迎えた日を境に秀次は俺から距離を取り、遅く帰ってくることが増えた。そこから浮気を結びつけたのは一瞬だった。
いつも通り、遅く帰ってきた秀次は酔っ払っておりリビングのソファで寝ていた。皺になると思い俺は、秀次のスーツを脱がせていたら女性の名前を寝言で呼んでいた。愛してるとまで言っていた。その言動に俺は深く傷つき問い詰めようにも問いつめれなかった。
━━プルルルルッ
電話がなっていたので俺は寝室に戻り携帯を手に取り番号を確認する。
「病院…?」
ピッ
「……もしもし」
「蓮見尚人さんですか?すいませんが再度詳しい診察を行いたいのでもう一度病院へ来られますか?」
「…分かりました。」
何故か嫌な予感がする。嫌な汗が額から流れる。
「とりあえず………準備…しよう。」
※※※
「こちらの不手際で再度診察を行って頂きありがとうございます。」
「いえ。気にしないでください」
少し不安げに微笑む。最悪な診断は聞きたくない。
「何か詳しいことがわかったんですか?」
「はい。蓮見さんの病気は急性骨髄性白血病というものでした。」
「きゅ…急性……?」
どんな病気かも分からず俺は医者に聞き直した。
「急性骨髄性白血病です。白血病の再発で急性転化期に入られたと思われます。」
「…。余命は…」
「化学治療を行えば長期生存を見込めますが、未治療となれば半年以内です。」
「…症状は悪化するんですよね」
「そうですね…鼻血や吐血、貧血によるだるさ、発熱等があります。」
「そうですか…。一度考えさせてください。」
「わかりました。お薬の方はお出ししておきますね。」
「ありがとうございます。」
ニコリと微笑み診察室を出ると、俺は受付ベンチに力なく座り込んだ。
232
あなたにおすすめの小説
夫には好きな相手がいるようです。愛されない僕は針と糸で未来を縫い直します。
伊織
BL
裕福な呉服屋の三男・桐生千尋(きりゅう ちひろ)は、行商人の家の次男・相馬誠一(そうま せいいち)と結婚した。
子どもの頃に憧れていた相手との結婚だったけれど、誠一はほとんど笑わず、冷たい態度ばかり。
ある日、千尋は誠一宛てに届いた女性からの恋文を見つけてしまう。
――自分はただ、家からの援助目当てで選ばれただけなのか?
失望と涙の中で、千尋は気づく。
「誠一に頼らず、自分の力で生きてみたい」
針と糸を手に、幼い頃から得意だった裁縫を活かして、少しずつ自分の居場所を築き始める。
やがて町の人々に必要とされ、笑顔を取り戻していく千尋。
そんな千尋を見て、誠一の心もまた揺れ始めて――。
涙から始まる、すれ違い夫婦の再生と恋の物語。
※本作は明治時代初期~中期をイメージしていますが、BL作品としての物語性を重視し、史実とは異なる設定や表現があります。
※誤字脱字などお気づきの点があるかもしれませんが、温かい目で読んでいただければ嬉しいです。
運命よりも先に、愛してしまった
AzureHaru
BL
幼馴染で番同士の受けと攻め。2人は運命の番ではなかったが、相思相愛だった。そんな時、攻めに運命の番が現れる。それを知った受けは身籠もっていたが、運命の番同士の子供の方が優秀な者が生まれることも知っており、身を引く事を決め姿を消す。
しかし、攻めと運命の番の相手にはそれぞれに別の愛する人がいる事をしり、
2人は運命の番としてではなく、友人として付き合っていけたらと話し合ってわかれた。
その後、攻めは受けが勘違いしていなくなってしまったことを両親達から聞かされるのであった。
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
僕たちの世界は、こんなにも眩しかったんだね
舞々
BL
「お前以外にも番がいるんだ」
Ωである花村蒼汰(はなむらそうた)は、よりにもよって二十歳の誕生日に恋人からそう告げられる。一人になることに強い不安を感じたものの、「αのたった一人の番」になりたいと願う蒼汰は、恋人との別れを決意した。
恋人を失った悲しみから、蒼汰はカーテンを閉め切り、自分の殻へと引き籠ってしまう。そんな彼の前に、ある日突然イケメンのαが押しかけてきた。彼の名前は神木怜音(かみきれお)。
蒼汰と怜音は幼い頃に「お互いが二十歳の誕生日を迎えたら番になろう」と約束をしていたのだった。
そんな怜音に溺愛され、少しずつ失恋から立ち直っていく蒼汰。いつからか、優しくて頼りになる怜音に惹かれていくが、引きこもり生活からはなかなか抜け出せないでいて…。
六年目の恋、もう一度手をつなぐ
高穂もか
BL
幼なじみで恋人のつむぎと渉は互いにオメガ・アルファの親公認のカップルだ。
順調な交際も六年目――最近の渉はデートもしないし、手もつながなくなった。
「もう、おればっかりが好きなんやろか?」
馴ればっかりの関係に、寂しさを覚えるつむぎ。
そのうえ、渉は二人の通う高校にやってきた美貌の転校生・沙也にかまってばかりで。他のオメガには、優しく甘く接する恋人にもやもやしてしまう。
嫉妬をしても、「友達なんやから面倒なこというなって」と笑われ、遂にはお泊りまでしたと聞き……
「そっちがその気なら、もういい!」
堪忍袋の緒が切れたつむぎは、別れを切り出す。すると、渉は意外な反応を……?
倦怠期を乗り越えて、もう一度恋をする。幼なじみオメガバースBLです♡
愛されることを諦めた途端に愛されるのは何のバグですか!
雨霧れいん
BL
期待をしていた”ボク”はもう壊れてしまっていたんだ。
共依存でだっていいじゃない、僕たちはいらないもの同士なんだから。愛されないどうしなんだから。
《キャラ紹介》
メウィル・ディアス
・アルトの婚約者であり、リィルの弟。公爵家の産まれで家族仲は最底辺。エルが好き
リィル・ディアス
・ディアス公爵家の跡取り。メウィルの兄で、剣や魔法など運動が大好き。過去にメウィルを誘ったことも
レイエル・ネジクト
・アルトの弟で第二王子。下にあと1人いて家族は嫌い、特に兄。メウィルが好き
アルト・ネジクト
・メウィルの婚約者で第一王子。次期国王と名高い男で今一番期待されている。
ーーーーー
閲覧ありがとうございます!
この物語には"性的なことをされた"という表現を含みますが、実際のシーンは書かないつもりです。ですが、そういう表現があることを把握しておいてください!
是非、コメント・ハート・お気に入り・エールなどをお願いします!
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
生まれ変わりは嫌われ者
青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。
「ケイラ…っ!!」
王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。
「グレン……。愛してる。」
「あぁ。俺も愛してるケイラ。」
壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。
━━━━━━━━━━━━━━━
あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。
なのにー、
運命というのは時に残酷なものだ。
俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。
一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。
★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる