2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~

青ムギ

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11話

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ゴホッゴホッ

昨日に引き続き熱は上がったり下がったりを繰り返している。朝早くに会社に電話をし、休む事を伝えた。


「それじゃ、行ってきます」

「うん!行ってらっしゃい」
玄関で秀次を見送る。秀次は欠伸をしながらもピシッとスーツを着こなしている。仄かに香る甘い香水の匂いをつけて。


ひとりの時間になると途端に激しくなる咳に少し乾いた笑いが漏れる。治療するのかどうかさえまだ決め兼ねていない。リビングのソファに移動し静かに腰を下ろす。


プルルルルッ

ポケットに入っていた携帯が音を立てて振動する。パカッと開き名前を確認すると、通話ボタンを押した。

「…はい。」

「もしもし、蓮見~。風邪大丈夫か?」伊崎の間延びした声が聞こえる。

「ん、まだ上がり下がりを繰り返してるよ。」

「そっか~。今日お見舞い行きたいんだけど大丈夫そうか?」

「うん、大丈夫だよ。」今日はひとりで過ごす気分ではなかったので考えること無く了承した。秀次は香水をつけて会社へ行ったので夜は帰ってこないだろう。

「俺…伊崎にさ今日話したい事が…「伊崎さん、この資料なんですが……」」電話の向こうから女性の声がした。今は仕事中だということを忘れていた俺は、伊崎に謝った。

「ごめん、伊崎!…仕事中なのに」

「大丈夫だよ。俺が元々蓮見と話したくて電話したんだし…」女性社員と会話を終えると、伊崎は笑いながら言った。

「又、会社が終わったら電話するから住所メールに送っておいてくれないか?」

「う、うん。」伊崎の優しさに俺は自然と口元が緩む。

伊崎と電話を終えると俺は、部屋の掃除をしようと立ち上がる。咳は相変わらずだが、体のだるさや苦しさは軽くなっていた。





━━━━━━━━━━ピンポーン

家の掃除や家事等を行っていたらいつの間にか夕方になっていた。

「誰だろう。」
時計を見ると六時を示していた。もうそんな時間なのかと一瞬思考が停止してしまった。

ガチャッ

玄関の扉を開けると、伊崎ともう一人隣に立っていた。俺はその人物に驚きが隠せず、何度も瞬きをした。

「よっ!蓮見」伊崎が片手を上げながらビニール袋をあげる。

「こんばんは。」ぎこちない挨拶をする人物に俺は少しだけ笑ってしまった。

「部長…こんばんは。お見舞いに来てくれたんですか?」

「蓮見さんが、熱を出して苦しそうにしていると伊崎さんが仰っていたので…」

伊崎はずいぶんと話を盛ったな…と思いながら、俺は部長に「お見舞いありがとうございます」とお礼を言った。
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