特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし

文字の大きさ
7 / 66

獲物を狙う鷹よりドス黒い何か1

しおりを挟む
X X X

王室主催のパーティ会場にて

 煌びやかなシャンデリアが最上級絨毯を照らしている。その上には象牙と最上級のレバノン杉で作ったテーブルの数々があり、銀で作った食器やら金で作った盃やら王宮御用達の一流料理人が作った山海珍味やらがずらりと並んでいる。あたかも満漢全席を彷彿とさせるビジュアル。

 そして、贅沢の限りを尽くしたパーティを楽しむ上流階級の人たち。その中でも異彩を放つ二人が二人用のテーブルの椅子に鎮座していた。

「みてみて、アリス様とカロル様だよ!お美しい」
「ここラオデキヤ王国における最も美しい姉妹だよね」
「ああ!顔もさることながらお体まで完璧……この世の人とは思えないな」
「俺みたいな伯爵の長男なんかがアピールしても相手にすらされないんだよね……」
「王族からの求婚も一発で断ったからそりゃそうだろうよ」
「本当に住む次元が違うね」
「まるで二つの薔薇が咲いているみたい……」
「この前、謎の集団が敷地を襲ったと聞いたけど、無事に解決したみたいね」
「ああ、噂だと、あの集団は魔法無効化手錠を持っていたらしくて、今王宮管轄の監獄で拷問を受けているらしいよ」
「物騒な世の中になったもんだな」

 伯爵やお金持ちの子爵の御子息、御子女と思しき男女が、大人しくお茶を飲んでいるドレス姿の美人姉妹に視線を向けながら話し合っている。

 すると、ある若い男一人が美人姉妹の方へと近づいていく。

「アリスお嬢様、カロルお嬢様、お久しぶりでございます」

 金髪の男性は会釈をして、笑顔を浮かべた。

 その瞬間、美人姉妹は一瞬、冷め切った視線を互いに送って、作り笑いして目の前の男に返事する。

「(カロル)久しぶりですわ」
「(アリス)久しぶりです」
「この前は、謎の集団から屋敷が襲撃されたと聞いてだいぶ驚きました。もし、僕があの場にいたら……3人を安全に守れたはずなのに……悔しい限りです」

 この若い金髪の男が握り拳を作り悔しがっていると、妹のカロルが口を開く。

「大丈夫ですよ!私たちは無事なので!ねえ?お姉様?」
「ええ、私たちは全員無事です。お気遣いありがとう」
「もし、何かあればいつでも呼んでください。マンチェスター伯爵家の次男である僕・アランがいつでも駆けつけます」

 と言ってから、アランという男は片膝を絨毯にくっつけ頭を下げる。
 
 その彼を見たアリスは、顔を引き攣らせて言葉を発した。

「ええ、気が向いたら呼びましょう」
「僕はアリスお嬢様のためならいつでも命を捨てる覚悟ができております」
「そう?」
「はい」
「じゃ、下がってくれないかしら?私、カロルとお茶が飲みたいの」
「……」

 アランという男は、頭を下げたまま顔を歪ませた。

「わかりました。もし、ダンスが踊りたくなったらいつでも僕をお呼びください」

 と言って、アランという男は下がった。

 そしてその光景を遠いところから見ていた貴族たちが口々にいう。

「あいつも玉砕だな」
「マンチェスター伯爵家の次男か……アリス様と結婚したら、リンスター公爵と名乗ることができるから下心丸見えだけどな。顔はイケメンだけど、あのお二方とは釣り合わない」


X X X

 パーティが終わって、姉のアリスと妹のカロルは高級そうな馬車に乗り、帰路についている。

 だけど、二人とも表情が暗い。

「気持ち悪い……」

 と、アリスが小声で呟くと、カロルが姉の手を掴んで、心配そうに言う。

「お姉様……やっぱりパーティには参加しない方がよかったんですわ」
「……お母様と王族の方々の面子を潰すわけにはいかないんだもの」
「それは……そうなんですけど」

 このパーティは前々から参加が決まったことで、事故にあったとしても、王族側からの頼み事を反故にするわけにはいかないという大人の事情をアリスはよく知っている。

 だけど、いくら事情を理解しているアリスだと言えども、燃え盛る怒りを抑えることはできずにいる。妹のカロルも同じだ。

 パーティ会場でアランという男が見せたあの表情。この姉妹はアランの表情の奥底に隠れている秘密を知っている。

 自分を犯そうとしていた男たちが見せていた表情と同じだった。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。

昼寝部
キャラ文芸
 俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。  その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。  とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。  まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。  これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

処理中です...