特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし

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全てを捧げないと狩れない獲物に狩人は悶絶する

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アリスside

 アリスは目が覚めた。

 それと同時に、頭の中で昨日の出来事が浮かんでくる。

 まるで夢のような出来事。

 自分を絶体絶命の危機から救ってくれた男が、圧倒的強さでアンデットネフィリムを倒した。

 黒い髪にブラウン色の瞳、異国風の顔立ち。そして、

 逞しい体とクラス5に相応しい戦闘能力。いや、あの戦い方を見るに半端な王族のクラス5とは比べ物にならないほど強い。

 そして、彼女は驚く。自分がモンスターを退治するために魔法を使ったという事実に。

 アリスは氷の魔法が使えるクラス5の魔法使いだ。厳しい訓練や鍛錬によって成し遂げた訳ではなく、優秀な血統によるもの。だけど、彼女は魔法を使うことを好まない。

 幼い頃、アリスは自分の妹を救うために、公爵家の長男に強い攻撃魔法を仕掛け、致命傷を負わせた。その公爵家の長男は、いまだに寝たきり状態である。

 つまり、自分が魔法を使えば誰かが傷つく。その強迫観念に駆られて、あの事件以来、人の前で魔法を使ったことは一度もない。魔法鍛錬はいつも一人でしてきた。

 だけど、彼は

『俺を助けてくれてありがとう。素晴らしい魔法だった』

 晴翔がかけてくれた言葉は、自分の全てを肯定してくれているような気がした。晴翔を助けられたことへの達成感。自分の魔法が憧れの男のために使われるなんて……それだけでニヤニヤが止まらないアリスであった。

 乱れた寝巻き姿のアリスは、その青い瞳を色っぽく潤ませてベッドで横向きになる。すると、弾力の良い自分の巨大なマシュマロも重力によって形を変える。

 今、彼女の頭の中は晴翔のことでいっぱいだ。起き抜けの気だるさは、身体中を駆け巡る弱い電気みたいなものによって徐々になくなっていくのを感じる。

「ハルト……」

 昨日の出来事を浮かべで切なく彼の名前を呼んでみる。

 アリスは氷の魔法を使い、アンデットネフィリムを閉じ込めた。その氷はとてつもなく強力で、カロルのような火属性の魔法使いじゃないと、壊すことは難儀だ。
  
 だけど、晴翔はとっても逞しく火を放つ巨大な武器を召喚し、自分の固い氷の壁を

 遠慮なく貫いた

「っ!」

 体をびくつかせるアリス。

 頬はすっかり桜色に染まり、美しい青い目は切なく揺れている。そして、

「ハルトの背中……」

 足を挫いたため、晴翔は自分を背中に乗せてくれた。

 鍛えられた広い背の固い筋肉。それをアリスは自分の大事な二つのマシュマロで思う存分感じだ。いや、足りない。だから言ったのだ。


『ずっとこのままでお願いするわ……』

 
 彼の発するフェロモンに酔いしれながら、彼の逞しい体と自分の一度も汚れたことのない体が触れた。

 彼が自分の太ももの後ろを鷲掴みにした時は、下半身が麻痺するほどの痺れを感じた。

 晴翔……
 晴翔……
 
 その力が溢れる逞しい体で私の純潔を……

「っ!いけないわ!」

 迸る思い。それをコントロールする術をアリスは持ち合わせていない。

 晴翔と結ばれたい。

 自分と結婚したら、晴翔はリンスター公爵を名乗れるようになる。そしてメディチ家が持つ莫大な資産と権威は彼のものになる。そして自分も……

 もちろん他の男なら、徹底的なビジネス関係になるのだろう。

 だが、晴翔は別格だ。

 彼はそれらを全て享受できるだけの資格のある男だ。これは否定しようのない事実であることをアリスはよく知っている。

 これまでアリスは数え切れないほどの男から求婚を受けてきた。王族、公爵、資産家などなど。けれど、彼らは例外なく自分の体を犯そうとしていた男たちと同じ顔をしていた。しかしアリスは必ず結婚して男を産まないといけない使命を帯びている。

 いつか好きでもない男と無理やり結婚し、無理やり求められ、無理やり子供を産まされる羽目になるのだと悲観していた。

 だけど、今は

 メディチ家の長女という立場のアリスと女としてのアリスの体は同じ事を求めている。

 

 晴翔の女になりたい。

 妊娠したい。

 晴翔の子を産みたい。

 お願い……あなたに全てを捧げるから……身も心も権威も財産も愛も……

  だから……

「っ!!!」

 その瞬間、ベッドの上で悶絶しているアリスの心の中にある糸が切れた。

 息を弾ませるアリス。

 いそいそとベットから降りて、鏡の前に立つ。

 そこには一度も見たことのないメスがいた。

 そのメスは、自分の母が晴翔を思い浮かべて時折見せるあの目をしていた。ブラックホールのように何かを吸い込むような青い瞳にはいつもの冷たい雰囲気はなく、フェロモンが溢れかえるような色っぽさがあった。



「ハルトご主人シャマ……私はあなたの奴隷です……」

 そう呟いたアリスは、化粧台の上に置いてある晴翔がくれた5000メソに視線を送った。

 1週間後に彼のためのパーティが行われる。

 つまり、また彼に会える。そのことを考えると、また体に電気が走った。

「ちょっとお花を摘みに行こうかしら……」

 甘美なる息をを吐いてから、アリスは自分の部屋から出る。朝ご飯を食べるにはまだ早い時間帯だが、使用人たちが忙しなく動いていた。朝の掃除のためである。
 
「ねえ!リンゼ!仕事終わったら、ハルト様がやっている屋台に行かない?タコあき食べたい!」
「エリゼ、アンデットモンスターが現れたばかりだから、もっと気をつけないといけないの。アニエス様とお嬢様方にもし何かがあれば大変だから」
「うう……食べたい……食べたいの……」

 昨日アリスを守ってくれたリンゼとエリゼ。年齢的にはアリスと同い年だが、非常に優秀なメイドである(エリゼはちょっと子供っぽいが)。

 そんな二人が最上級絨毯の掃除をしながら会話をしていると、アリスが通る。

「アリスお嬢様、おはようございます」
「足は大丈夫ですか?」


「ごきげんよう。心配してくれてありがとう。昨日魔法で冷やしておいたから良くなったの。だから私は……大丈夫よ」
 
「っ!」
「っ!」

 リンゼとエリゼはゾッとした。

 幼い頃からずっと彼女に仕えてきた二人だからこそわかるのだ。アリスの表情が持つ意味を。

 メスがオスを求める原初的欲求をむき出しにした表情。

 氷の女王とも呼ばれるアリスをあんなふうにさせた男の存在をこの二人はよく知っている。

 彼のような力強さ、聡明さ、優しさ、謙虚さを兼ね備えた貴族はこの王国に存在しない。世界中を駆け巡っても現れるかどうかわからない。

 陰でアリスに近づく数えきれないほどの男たちを見てきた彼女だからこそ導き出せる答え。

 晴翔様がメディチ家の人間になる。

 そして、晴翔様を軸とした新しい体制を作り上げる。

 昨日の夜、アニエスとメイド長であるシエスタと彼女らが参加した会議で出てきた案の一つである。

 確かにこれは案の一つにすぎないが、ここメディチ家の歴史を知るものは皆気づいている。

 鷹取晴翔、この男は絶対逃してはならないと。

 アリスは少しよろよろしながらお手洗いへと向かう。

 だけど、メイド二人は彼女を支えない。

 理由を知っているから。




 
 あれは、足の痛みによるよろめきではない。

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