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美味しい食事と甘いデザート1
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チェンバロとバイオリンと金管楽器などによる協奏曲が俺の耳を優しくなぞり、パーティー会場には見るからに高そうな花、装飾品、骨董品などが展示してある。
3人は、余裕ある態度と笑みでもって俺を真ん中のテーブルに案内してくれた。周りにはお仕着せのメイドたちが優雅な足取りで歩いている。とてもゴージャスな空間だな。
王族が住みそうな豪華な家を我が家だと思って寛ぐとかできるわけがない。
俺が案内された椅子に座ると、ドレス姿の3人は薄い桜色に染まった頬を誤魔化すように妖艶な笑みを漏らし、俺の向こう側に腰を下ろした。
目の前の四角いテーブルにはフォーク、ナイフ、スプーンと白い皿が置かれていている。やがてメイドが数人来て、料理を俺たちのテーブルに運んでくれた。しなやかで無駄のない動き。おそらく、相当修行を重ねたのだろう。
「ありがとうございます」
「い、いいえ!ハルト様のご尊顔を拝することができて、嬉しい限りです」
「ご尊顔って……」
「メディチ家に仕える私たち全員にとってハルト様はいわば命の恩人です。ですので、誠心誠意尽くさせていただきます」
「気にしなくても良いです。使用人の方々もご無事で何よりですね」
俺の言葉を聞いた数人のメイドは、急に咳払いをして無言のまま料理を置く。
「「失礼いたします」」
作業が終わったメイド数人はワゴンを押しながら歩き去った。すると、突然、露出多めの青いドレスを身に纏ったアリスが俺の名前を呼ぶ。
「ハルト」
「うん?」
「メイドにも優しいね」
「ん……普通だと思うけどね」
この国の礼儀作法なんか知るはずがない俺は後ろ髪を掻きながら返事した。すると、アリスは、二重の大きな目を細めて、手を口の端に当てて艶やかなピンク色の唇を動かす。
「ハルトは良いご主人様になれそうだわ」
「ご、ご主人様?」
「ええ。メイドにも奴隷にも優しいご主人様」
「ど、奴隷!?」
な、なんでいきなり奴隷の話が出てくるんだ?俺がかっと目を見開いてアリスを見つめるが、鼻で甘い吐息を吐いて、その巨大なマシュマロを少し揺らすだけだった。
しばしの沈黙が流れる。
だが、この静寂はカロルによって裂かれた。
「あの……ハルト様は兄弟とかいますの?」
「俺は一人っ子だ」
「そ、そうですか……」
カロルは口をキリリと引き結んで俺を見つめてくる。まんまるなお目々と幼さが残る顔立ち。しかし、女性の魅力を引き立てる鎖骨と巨大な二つの膨らみ。
前にも思ったが、カロルの頑是ない仕草を見ていると、妹というキーワードが真っ先に思い浮かぶ。姉のアリスも妹に体をくっつけて俺を見つめてくる。
「それにしても、アリスとカロルはとても仲良しだね。俺はずっと一人だったからな。二人を見ていると、俺にも妹みたいな存在が居ればなと思う時がある」
「っ!」
「どうした?」
「い、いいえ!なんでもありませんわ!ハルト様はきっと素敵なお兄様兼王子様になれると思いますの!」
「お、王子様?」
聞き慣れない言葉を聞いたもので、カロルの顔を見て聞き返したが、彼女はまた口をキリリと引き結び、ルビーのような赤い瞳で俺を凝視する。
とてもかわいいが、ずっと見ていると、どうにかなってしまいそうだ。
個性だと思うが、アリスとカロルの視線には、えもいわれぬ迫力がある。もちろんアニエスさんも。
俺は頭を左右に振り、目の前にある料理を食べる。すると、3人は温かな笑みを浮かべて俺を観察するように見つめた。
時には軽い冗談を飛ばしあったり、時にはアンデットモンスターについて話すなど、食べたり話したりを繰り返していくと、お腹がくちくなった。3人はとても上品な食べ方をしていたので、上流階級の教養をあまり知らない俺と一緒に食事をすれば気分を害するのではないかと危惧していたが、案外、3人は俺にとても優しく接してくれた。
こんなに美しい上に、優しいなんて……
本当にこの人たちと時間を共にしても良いのかと、うちなる自分が問うてくる気がしてならない。
料理は最高に美味しかった。正直、たこ焼きやお好み焼きや焼きそばといった大衆的な料理を好む俺はこんな贅沢の限りを尽くした料理とは縁が遠い。けれど、この料理はとても高級で、最良の材料をふんだんに使ったことは食べた瞬間分かった。
「料理、本当に美味しかったです」
俺がアニエスさんに向かって礼を言った。
すると、アニエスさんは
「ふふっ……ティータイムがまだ残っていますわよ」
目を細めて色っぽい声で俺に返事した。
やがてメイドたちが来て皿を全部片付けて、ケーキがいっぱいのっている三段のケーキスタンドと紅茶一式を慎重に置く。そして、立ち去った。
ブルーベリーケーキ、いちごケーキ、そしてチーズケーキなどなど。
俺はテーブルにあるフォークを見てみた。
心なしか、このフォークは鋭いように映る。
3人は、余裕ある態度と笑みでもって俺を真ん中のテーブルに案内してくれた。周りにはお仕着せのメイドたちが優雅な足取りで歩いている。とてもゴージャスな空間だな。
王族が住みそうな豪華な家を我が家だと思って寛ぐとかできるわけがない。
俺が案内された椅子に座ると、ドレス姿の3人は薄い桜色に染まった頬を誤魔化すように妖艶な笑みを漏らし、俺の向こう側に腰を下ろした。
目の前の四角いテーブルにはフォーク、ナイフ、スプーンと白い皿が置かれていている。やがてメイドが数人来て、料理を俺たちのテーブルに運んでくれた。しなやかで無駄のない動き。おそらく、相当修行を重ねたのだろう。
「ありがとうございます」
「い、いいえ!ハルト様のご尊顔を拝することができて、嬉しい限りです」
「ご尊顔って……」
「メディチ家に仕える私たち全員にとってハルト様はいわば命の恩人です。ですので、誠心誠意尽くさせていただきます」
「気にしなくても良いです。使用人の方々もご無事で何よりですね」
俺の言葉を聞いた数人のメイドは、急に咳払いをして無言のまま料理を置く。
「「失礼いたします」」
作業が終わったメイド数人はワゴンを押しながら歩き去った。すると、突然、露出多めの青いドレスを身に纏ったアリスが俺の名前を呼ぶ。
「ハルト」
「うん?」
「メイドにも優しいね」
「ん……普通だと思うけどね」
この国の礼儀作法なんか知るはずがない俺は後ろ髪を掻きながら返事した。すると、アリスは、二重の大きな目を細めて、手を口の端に当てて艶やかなピンク色の唇を動かす。
「ハルトは良いご主人様になれそうだわ」
「ご、ご主人様?」
「ええ。メイドにも奴隷にも優しいご主人様」
「ど、奴隷!?」
な、なんでいきなり奴隷の話が出てくるんだ?俺がかっと目を見開いてアリスを見つめるが、鼻で甘い吐息を吐いて、その巨大なマシュマロを少し揺らすだけだった。
しばしの沈黙が流れる。
だが、この静寂はカロルによって裂かれた。
「あの……ハルト様は兄弟とかいますの?」
「俺は一人っ子だ」
「そ、そうですか……」
カロルは口をキリリと引き結んで俺を見つめてくる。まんまるなお目々と幼さが残る顔立ち。しかし、女性の魅力を引き立てる鎖骨と巨大な二つの膨らみ。
前にも思ったが、カロルの頑是ない仕草を見ていると、妹というキーワードが真っ先に思い浮かぶ。姉のアリスも妹に体をくっつけて俺を見つめてくる。
「それにしても、アリスとカロルはとても仲良しだね。俺はずっと一人だったからな。二人を見ていると、俺にも妹みたいな存在が居ればなと思う時がある」
「っ!」
「どうした?」
「い、いいえ!なんでもありませんわ!ハルト様はきっと素敵なお兄様兼王子様になれると思いますの!」
「お、王子様?」
聞き慣れない言葉を聞いたもので、カロルの顔を見て聞き返したが、彼女はまた口をキリリと引き結び、ルビーのような赤い瞳で俺を凝視する。
とてもかわいいが、ずっと見ていると、どうにかなってしまいそうだ。
個性だと思うが、アリスとカロルの視線には、えもいわれぬ迫力がある。もちろんアニエスさんも。
俺は頭を左右に振り、目の前にある料理を食べる。すると、3人は温かな笑みを浮かべて俺を観察するように見つめた。
時には軽い冗談を飛ばしあったり、時にはアンデットモンスターについて話すなど、食べたり話したりを繰り返していくと、お腹がくちくなった。3人はとても上品な食べ方をしていたので、上流階級の教養をあまり知らない俺と一緒に食事をすれば気分を害するのではないかと危惧していたが、案外、3人は俺にとても優しく接してくれた。
こんなに美しい上に、優しいなんて……
本当にこの人たちと時間を共にしても良いのかと、うちなる自分が問うてくる気がしてならない。
料理は最高に美味しかった。正直、たこ焼きやお好み焼きや焼きそばといった大衆的な料理を好む俺はこんな贅沢の限りを尽くした料理とは縁が遠い。けれど、この料理はとても高級で、最良の材料をふんだんに使ったことは食べた瞬間分かった。
「料理、本当に美味しかったです」
俺がアニエスさんに向かって礼を言った。
すると、アニエスさんは
「ふふっ……ティータイムがまだ残っていますわよ」
目を細めて色っぽい声で俺に返事した。
やがてメイドたちが来て皿を全部片付けて、ケーキがいっぱいのっている三段のケーキスタンドと紅茶一式を慎重に置く。そして、立ち去った。
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心なしか、このフォークは鋭いように映る。
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