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第22章 外出予定が続く週
117 朝の会議?
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翌日の4月16日第3曜日、朝7時すぐ。
今日は私もいつもより早く、開始時間に食事配給の列に並ぶ。
昨日ケイトに状況を聞いたところ、皆さん連絡しやすいように、朝食の配給時間は、概ね開始直後に来ているらしい。
「ごめん。朝はゆっくりだから気付かなかった」
「別に決めたわけじゃないし、マジ気にしなくてオッケ~よ。なんか打ち合わせたとかじゃなくて、自然にそーなっただけだし~。話したいことあったら伝達魔法で連絡とばせばいいし、何なら朝ごはん食べながらの方が話しやすいしさ~」
「女子では他に、7時30分くらいに集合する6人のグループもあります。ただあちらは何というか、雰囲気的にちょっと好きになれません」
ヒナリの追加説明が、ちょっと気になる。
と思ったら、ケイトが更なる追加説明をしてくれた。
「あっちのグループね、ウチも誘われたんだけどさ、なんか縛り多くて無理だったわ。毎日どこまで勉強進んだか毎日報告しなきゃだし、外出も全員で行動とか、ガチ重いんよ~」
なるほど。何となくもう一つのグループの状況がわかった。
「確かにそれは、私も無理かな」
◇◇◇
とまあそんな感じで、今日は風呂の時間を短縮して、さっさとやってきたわけだ。
並んでいる最中、ケイトから伝達魔法が飛んできた。
『水着を買いに行く話をしたいから、今日は朝食を食べながら話そうって。チアキはOK?』
『大丈夫です』
なるほど、連絡体制としてよく出来ているな。
そう重いつつ並んで、そして食事の配給を受け取り、昨日分を返却して、テーブル席の方へ。
カタリナがすでにテーブルにいるので、そちらへ向かう。
すぐにニナ、ヒナリ、ケイト、フインもやってきた。
皆と同様、テーブル上に朝食一式を広げて、食事開始だ。
朝食の内容は、いつもと同じ代わり映えしないメニュー。
薄切りハム3枚、卵焼き、サラダ、クリームスープ、パン2枚、バター代わりの塩・ハーブ入り脂。
物は悪くないのだけれど、毎日これでは飽きるな。
そう思ったら、フインが別皿で揚げ肉にタレをたっぷりかけたものを出して食べていた。
なるほど、いまひとつだと感じたなら、自力で追加するのもありか。
でもその肉、朝食には少し重すぎる気が……
そんなことを思いつつ、とりあえずクリームスープをスプーンですくったところで。
ヒナリが話を切り出した。
「昨日ケイトとチアキがヌローラ商業施設に行って、水着がバーゲン当初と比べて2割引になっているのを確認しました。2割引以上なら、お金を貯めていれば水着と服、ぎりぎりで買えると思います。だから皆で、水着を買いに行きませんか」
「今すぐ買わなくても、見に行くだけでも全然アリ。ウチもまだ迷ってるし。どんなのにするか、まだ気持ち決まってないんよ~ あと、行くなら来週の第1曜日がいいっしょ。奨学金入るし~」
ケイトはどの水着にしようか、迷っている最中のようだ。
自分の好みにするか、似合う方にするかで。
「いいですね。でも私が買うとしたら、まずは水着だけの予定です。もしくはまだ買わずに、もう少し待とうかと思います。ちょっとお金を使いすぎました」
フインは何にお金を使ったのだろう。
想像はできるけれど、一応は聞いてみる。
「何か買ったの?」
「香辛料と調味料と、調理用の大皿です。毎週、肉を買っているせいもあります。チアキはどうですか?」
やっぱりそうか。
そう思いつつ返答を組み立てる。
「気に入ったものがあるかどうか。というか、買う気になるかどうかかな。まだどんなのを買うか決めていないし。ニナは?」
「私は一応貯めてありますけれど、この前少し使ってしまったのでぎりぎりです。少し気になる本があったので、つい。ですので気に入ったものがあれば購入ですけれど、値段によってはしばらく待つかもしれません」
本か。今の語学力なら、私も読むのに不自由しないだろう。
ニナなら問題なく読めるに違いない。
どんな本を買ったのだろう。
今は話題が違うから聞けないけれど、後で聞いてみようか。
「私も気に入ったものがあれば。まだ海開きまで時間がある」
カタリナも、まだ買うとは決めていない様子。
つまりヒナリ以外は、まだ買うかどうかは決めていない。
それでも見に行く方針のようだ。
私もそれでいいだろう。
取りあえず欲しい水着の形と、適当な夏服については、少し考えておいた方がいいかもしれない。
あと皆で行くのなら、日時はここで決めた方がいいだろう。
来週は第2曜日にアキトとの予定を入れたから、かち合わないようにしないと。
ということで、先に日時を提案してしまおう。
「それじゃ買うかどうかはわからないけれど、来週の第1曜日に皆で行ってみるということでいい? 時間は何時くらいがいいだろう?」
「出来れば早い方がいい。ヌローラ商業施設が開くのが9時だから、出来ればその直後くらいで」
カタリナは早い方が希望のようだ。
そういえば毎週第1曜日、ふれあい動物園でニフラちゃんを撫でるのがルーティンになっているって聞いた覚えがある。
その関係かもしれない。
「確かに早い方がその後の予定が立てやすいですね。なら9時集合でいいでしょうか?」
ニナの言葉に、皆が頷いた。
「いいと思います」
「いいじゃん、それで決まりっしょ~!」
私も同意しておこう。
「私も大丈夫です」
カタリナは元々9時と言い出した張本人だし、頷いている。
ならこれで決定だろう。
今日は私もいつもより早く、開始時間に食事配給の列に並ぶ。
昨日ケイトに状況を聞いたところ、皆さん連絡しやすいように、朝食の配給時間は、概ね開始直後に来ているらしい。
「ごめん。朝はゆっくりだから気付かなかった」
「別に決めたわけじゃないし、マジ気にしなくてオッケ~よ。なんか打ち合わせたとかじゃなくて、自然にそーなっただけだし~。話したいことあったら伝達魔法で連絡とばせばいいし、何なら朝ごはん食べながらの方が話しやすいしさ~」
「女子では他に、7時30分くらいに集合する6人のグループもあります。ただあちらは何というか、雰囲気的にちょっと好きになれません」
ヒナリの追加説明が、ちょっと気になる。
と思ったら、ケイトが更なる追加説明をしてくれた。
「あっちのグループね、ウチも誘われたんだけどさ、なんか縛り多くて無理だったわ。毎日どこまで勉強進んだか毎日報告しなきゃだし、外出も全員で行動とか、ガチ重いんよ~」
なるほど。何となくもう一つのグループの状況がわかった。
「確かにそれは、私も無理かな」
◇◇◇
とまあそんな感じで、今日は風呂の時間を短縮して、さっさとやってきたわけだ。
並んでいる最中、ケイトから伝達魔法が飛んできた。
『水着を買いに行く話をしたいから、今日は朝食を食べながら話そうって。チアキはOK?』
『大丈夫です』
なるほど、連絡体制としてよく出来ているな。
そう重いつつ並んで、そして食事の配給を受け取り、昨日分を返却して、テーブル席の方へ。
カタリナがすでにテーブルにいるので、そちらへ向かう。
すぐにニナ、ヒナリ、ケイト、フインもやってきた。
皆と同様、テーブル上に朝食一式を広げて、食事開始だ。
朝食の内容は、いつもと同じ代わり映えしないメニュー。
薄切りハム3枚、卵焼き、サラダ、クリームスープ、パン2枚、バター代わりの塩・ハーブ入り脂。
物は悪くないのだけれど、毎日これでは飽きるな。
そう思ったら、フインが別皿で揚げ肉にタレをたっぷりかけたものを出して食べていた。
なるほど、いまひとつだと感じたなら、自力で追加するのもありか。
でもその肉、朝食には少し重すぎる気が……
そんなことを思いつつ、とりあえずクリームスープをスプーンですくったところで。
ヒナリが話を切り出した。
「昨日ケイトとチアキがヌローラ商業施設に行って、水着がバーゲン当初と比べて2割引になっているのを確認しました。2割引以上なら、お金を貯めていれば水着と服、ぎりぎりで買えると思います。だから皆で、水着を買いに行きませんか」
「今すぐ買わなくても、見に行くだけでも全然アリ。ウチもまだ迷ってるし。どんなのにするか、まだ気持ち決まってないんよ~ あと、行くなら来週の第1曜日がいいっしょ。奨学金入るし~」
ケイトはどの水着にしようか、迷っている最中のようだ。
自分の好みにするか、似合う方にするかで。
「いいですね。でも私が買うとしたら、まずは水着だけの予定です。もしくはまだ買わずに、もう少し待とうかと思います。ちょっとお金を使いすぎました」
フインは何にお金を使ったのだろう。
想像はできるけれど、一応は聞いてみる。
「何か買ったの?」
「香辛料と調味料と、調理用の大皿です。毎週、肉を買っているせいもあります。チアキはどうですか?」
やっぱりそうか。
そう思いつつ返答を組み立てる。
「気に入ったものがあるかどうか。というか、買う気になるかどうかかな。まだどんなのを買うか決めていないし。ニナは?」
「私は一応貯めてありますけれど、この前少し使ってしまったのでぎりぎりです。少し気になる本があったので、つい。ですので気に入ったものがあれば購入ですけれど、値段によってはしばらく待つかもしれません」
本か。今の語学力なら、私も読むのに不自由しないだろう。
ニナなら問題なく読めるに違いない。
どんな本を買ったのだろう。
今は話題が違うから聞けないけれど、後で聞いてみようか。
「私も気に入ったものがあれば。まだ海開きまで時間がある」
カタリナも、まだ買うとは決めていない様子。
つまりヒナリ以外は、まだ買うかどうかは決めていない。
それでも見に行く方針のようだ。
私もそれでいいだろう。
取りあえず欲しい水着の形と、適当な夏服については、少し考えておいた方がいいかもしれない。
あと皆で行くのなら、日時はここで決めた方がいいだろう。
来週は第2曜日にアキトとの予定を入れたから、かち合わないようにしないと。
ということで、先に日時を提案してしまおう。
「それじゃ買うかどうかはわからないけれど、来週の第1曜日に皆で行ってみるということでいい? 時間は何時くらいがいいだろう?」
「出来れば早い方がいい。ヌローラ商業施設が開くのが9時だから、出来ればその直後くらいで」
カタリナは早い方が希望のようだ。
そういえば毎週第1曜日、ふれあい動物園でニフラちゃんを撫でるのがルーティンになっているって聞いた覚えがある。
その関係かもしれない。
「確かに早い方がその後の予定が立てやすいですね。なら9時集合でいいでしょうか?」
ニナの言葉に、皆が頷いた。
「いいと思います」
「いいじゃん、それで決まりっしょ~!」
私も同意しておこう。
「私も大丈夫です」
カタリナは元々9時と言い出した張本人だし、頷いている。
ならこれで決定だろう。
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