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第6章 変化の予感 (2)
40 情報交換
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「あとは交友というか、情報交換出来ている相手はいません。本来なら食堂が一番そういった事を話せそうな場所です。しかし要注意という感じの生徒が常駐していて、交流できる状況にありません。エトとも連絡をとっていませんし、最近見かけていません。
あと何か、ここで聞きたいことはありますか」
アキトはそういって私達をさっと見る。
けれどニナもカタリナも何も言わない。
微妙に牽制しているというか、用心しているというか、言っていいか考えている感じだ。
それなら私から聞いてみよう。
「あとは言える範囲で大体でいいから、どれくらい各科目を進めているかも教えてくれると嬉しい。自分の学習の参考に出来るから」
ニナとは情報交換しているけれど、私の方が1日に進める科目数が多い。
私が異常なペースなのか、これでも問題ないのか、もっと早いペースの人もいるのか、聞きたかったのだ。
あともう1件あるので、続けて聞いておこう。
「あとは掲示板を見て書き込む魔法も、参考までに教えてくれるとありがたいかな。それぞれ違う気がするから。私の場合は偵察魔法で掲示板を見た後、独自魔法で蝋石の成分を黒板に張り付ける方法を使った。けれど他にも違う方法があると思う。もちろん言える範囲でいいけれど」
「なるほど、確かにそうですね」
この誰もが同じ感じで話しているように翻訳される言葉も、お互い標準語を自分で話せるようになれば変わるのだろう。
オーフ標準語には敬語は無いけれど、口調だの言い回しだのでそういった違いが出せるような気がするから。
ナラハ指導員とエノフ指導員は、明らかに違う調子で翻訳されたし。
「僕の場合は『言語Ⅱ』が14単位時間、『魔法Ⅱ』2単位時間、『数学Ⅱ』が2単位時間、『独自魔法作成Ⅱ』が1単位時間。『自然科学Ⅰ』と『地理歴史Ⅰ』が10単位時間くらいだと思います。『運動』は3日おきに行っています」
それって、私以上に多い。
「あと掲示板については、専用の独自魔法を組みました。新たな書き込みがあったら知らせるとか、端から順に内容を確認するとか、位置を選んで書き込む等の機能をつけて、常時内容を確認出来るようにしています。ただ施設から離れると確認出来なくなる様です」
「そんな複雑な独自魔法を作ったのですか」
カタリナが驚いたような表情で尋ねる。
「地球時代、趣味でフリーウェア開発をしていました。独自魔法はコンピュータのプログラムを組むのと似ています。ですから半ば趣味的に統合環境を作ってしまったのです」
私がスクラッチと似ていると感じたのは、気のせいではなかったという事のようだ。
もちろんアキトが使っていたのは、スクラッチよりずっと本格的なコンピュータ言語だろうけれど。
それはそうとして勉強時間が気になるので、聞いてみる。
「これだけ進めると、1日辺り相当な時間を使っている気がするけれど、大丈夫?」
「1日6時間と決めて、語学は1日2単位時間、魔法は2日で3単位時間になるようなペースで進めました。ただ数学はいずれ難しくなるだろうから、簡単なうちに出来る限り進めようとしています。また『独自魔法作成Ⅰ』は、勉強時間以外にも趣味的に進めていました。結果、このような進度になっています」
アキトにとっては、『独自魔法作成』は趣味の領域だった様だ。
だからか私以上に学習を進めていても特に問題はないと。
それ以外は1日6時間で、ほぼ私と同じ形のようだ。
という事で、質問はこれ以上無さそうなので、次は私が話すとしよう。
「教えてくれてありがとう。それじゃ次は私が話すね。出てきた科目と知っている科目はアキトがさっき話したのと同じ。10日間隔というのは気付かなかったけれど……」
◇◇◇
ひととおり全員の状況を聞いた結果は、だいたいこんな内容だった。
○ 1日の基本的な勉強時間は5時間から6時間くらい
○ 皆、語学と魔法を優先的に進めているけれど、他は微妙に違う。ニナとカタリナが地理歴史や自然科学多めで、私とアキトが数学多め
○ 『魔法Ⅰ』、『魔法Ⅱ』と関係なく覚えた魔法は、偵察魔法、隠蔽魔法、秘話魔法、変装魔法の4種類
○ 掲示板を見たり書いたりする魔法は、それぞれ方法論が異なるけれど、アキトのを除けば説明を聞いて作成可能なレベル。
「あとは明日の自然観察、どんな人が来るのでしょうか」
アキトの言葉に、確かにそれは心配だなと思う。
またエトみたいに問題を起こしたら大変だし。
「5人しか増えていないという事は、それなりの条件があるような気がします。『自然科学Ⅰ』を8単位学習して確認試験を受けるだけでは、もっと多くなる気ように思うのです」
これはカタリナだ。
しかし私はニナに自然観察の特別実習があると教わるまで、『自然科学Ⅰ』は4コマしか進めていなかった。
だから一概にそうは言えない気がする。
「ある程度『言語Ⅰ』を進めていて、その上で『自然科学Ⅰ』を8単位時間以上進めている。そして確認試験でそれなりの点数を取る。そのようなところだろうと思います。それなら40人中10人というのは妥当な人数です。内容をきちんと理解して、それなりの進度で進めるのは、実はそれなりの努力か能力が必要な気がしますから」
このアキトの意見が妥当だろう。
「あとは明日、行き帰りをどうするのか聞いていいですか。僕はそこから走路を走って行くつもりですけれど……」
情報交換は、更に続く……
あと何か、ここで聞きたいことはありますか」
アキトはそういって私達をさっと見る。
けれどニナもカタリナも何も言わない。
微妙に牽制しているというか、用心しているというか、言っていいか考えている感じだ。
それなら私から聞いてみよう。
「あとは言える範囲で大体でいいから、どれくらい各科目を進めているかも教えてくれると嬉しい。自分の学習の参考に出来るから」
ニナとは情報交換しているけれど、私の方が1日に進める科目数が多い。
私が異常なペースなのか、これでも問題ないのか、もっと早いペースの人もいるのか、聞きたかったのだ。
あともう1件あるので、続けて聞いておこう。
「あとは掲示板を見て書き込む魔法も、参考までに教えてくれるとありがたいかな。それぞれ違う気がするから。私の場合は偵察魔法で掲示板を見た後、独自魔法で蝋石の成分を黒板に張り付ける方法を使った。けれど他にも違う方法があると思う。もちろん言える範囲でいいけれど」
「なるほど、確かにそうですね」
この誰もが同じ感じで話しているように翻訳される言葉も、お互い標準語を自分で話せるようになれば変わるのだろう。
オーフ標準語には敬語は無いけれど、口調だの言い回しだのでそういった違いが出せるような気がするから。
ナラハ指導員とエノフ指導員は、明らかに違う調子で翻訳されたし。
「僕の場合は『言語Ⅱ』が14単位時間、『魔法Ⅱ』2単位時間、『数学Ⅱ』が2単位時間、『独自魔法作成Ⅱ』が1単位時間。『自然科学Ⅰ』と『地理歴史Ⅰ』が10単位時間くらいだと思います。『運動』は3日おきに行っています」
それって、私以上に多い。
「あと掲示板については、専用の独自魔法を組みました。新たな書き込みがあったら知らせるとか、端から順に内容を確認するとか、位置を選んで書き込む等の機能をつけて、常時内容を確認出来るようにしています。ただ施設から離れると確認出来なくなる様です」
「そんな複雑な独自魔法を作ったのですか」
カタリナが驚いたような表情で尋ねる。
「地球時代、趣味でフリーウェア開発をしていました。独自魔法はコンピュータのプログラムを組むのと似ています。ですから半ば趣味的に統合環境を作ってしまったのです」
私がスクラッチと似ていると感じたのは、気のせいではなかったという事のようだ。
もちろんアキトが使っていたのは、スクラッチよりずっと本格的なコンピュータ言語だろうけれど。
それはそうとして勉強時間が気になるので、聞いてみる。
「これだけ進めると、1日辺り相当な時間を使っている気がするけれど、大丈夫?」
「1日6時間と決めて、語学は1日2単位時間、魔法は2日で3単位時間になるようなペースで進めました。ただ数学はいずれ難しくなるだろうから、簡単なうちに出来る限り進めようとしています。また『独自魔法作成Ⅰ』は、勉強時間以外にも趣味的に進めていました。結果、このような進度になっています」
アキトにとっては、『独自魔法作成』は趣味の領域だった様だ。
だからか私以上に学習を進めていても特に問題はないと。
それ以外は1日6時間で、ほぼ私と同じ形のようだ。
という事で、質問はこれ以上無さそうなので、次は私が話すとしよう。
「教えてくれてありがとう。それじゃ次は私が話すね。出てきた科目と知っている科目はアキトがさっき話したのと同じ。10日間隔というのは気付かなかったけれど……」
◇◇◇
ひととおり全員の状況を聞いた結果は、だいたいこんな内容だった。
○ 1日の基本的な勉強時間は5時間から6時間くらい
○ 皆、語学と魔法を優先的に進めているけれど、他は微妙に違う。ニナとカタリナが地理歴史や自然科学多めで、私とアキトが数学多め
○ 『魔法Ⅰ』、『魔法Ⅱ』と関係なく覚えた魔法は、偵察魔法、隠蔽魔法、秘話魔法、変装魔法の4種類
○ 掲示板を見たり書いたりする魔法は、それぞれ方法論が異なるけれど、アキトのを除けば説明を聞いて作成可能なレベル。
「あとは明日の自然観察、どんな人が来るのでしょうか」
アキトの言葉に、確かにそれは心配だなと思う。
またエトみたいに問題を起こしたら大変だし。
「5人しか増えていないという事は、それなりの条件があるような気がします。『自然科学Ⅰ』を8単位学習して確認試験を受けるだけでは、もっと多くなる気ように思うのです」
これはカタリナだ。
しかし私はニナに自然観察の特別実習があると教わるまで、『自然科学Ⅰ』は4コマしか進めていなかった。
だから一概にそうは言えない気がする。
「ある程度『言語Ⅰ』を進めていて、その上で『自然科学Ⅰ』を8単位時間以上進めている。そして確認試験でそれなりの点数を取る。そのようなところだろうと思います。それなら40人中10人というのは妥当な人数です。内容をきちんと理解して、それなりの進度で進めるのは、実はそれなりの努力か能力が必要な気がしますから」
このアキトの意見が妥当だろう。
「あとは明日、行き帰りをどうするのか聞いていいですか。僕はそこから走路を走って行くつもりですけれど……」
情報交換は、更に続く……
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