254 / 266
第28章 春合宿は……
第245話 休み中の呼び出し
しおりを挟む
残念ながら今回の合宿では特に目新しいものの発明発見は無い。タカモさんの鉱石関係もミナミさんの植物関係も収穫は無いそうだ。
俺達も新型電気自動車とアクアラング一式、ゴムボートの他は特に何も新製品は作らなかった。
それより遊ぶ方に夢中だったというのもある。
干潟遊び、電動ゴムボートによる散策、海中散歩、ボディボード。こんなのをやっているうちに1日があっという間に過ぎていく。
そしてこの辺はこの季節、とっても天気がいい。つまり毎日遊べる状態だ。
海鮮に飽きたら肉なんてのもいい。元々この辺はちょっと行けば高原地帯で放牧が盛んなのだ。そのおかげで肉や乳製品も安い。
なので以前コイでやった串焼き式パーティなんてのもやったりする。元々こっちが本場なのだけれど。
そんな感じで毎日遊ぶ生活にどっぷり浸っていたところで。
俺達を現実に引き戻すお便りがやってきた。厳密にはお便りではなく伝達魔法なのだけれども。
「ニ・ホの飛行場併設の工廠で新技術のお試しをやるから来いだそうですわ」
朝食の時、アキナ先輩からその話が伝えられた。
「私の方にも来ました。副院長からも全員参加してほしいとのことです」
「仕方ないよね」
「スポンサーの意向」
「僕は楽しみだな」
人によって温度差はあるけれどとりあえず食事後、全員でニ・ホの飛行場へ。
今では移動魔法で移動できる場所というか部屋が決められている。そこに移動して受付へ行き、そして工場の中へ。
ここは元々飛行機を開発した時に使った場所だ。今でも飛行機の組み立てや整備はここで行われている。そして飛行機の他にも大物でかつ最先端な代物の制作および実験場としても稼働しているようだ。
おかげでただでさえ巨大だった工場部分がとんでもなく拡大されている。
そこに並んでいるのは……ロボットとドローン! 少なくとも俺にはそう見えるものだ。
ロボットとドローンと言っても人型とかヘリコプター型ではない。4本足型と模型飛行機型。しかしそれぞれこの世界には今までなかったメカメカしい雰囲気を漂わせている。
「すみません。急にお呼びだてして」
これはジゴゼンさんだ。
他にいるのは飛行機制作時代から顔見知りの皆さん。殿下とかターカノさん達は見えない。
「いえ、こちらも学校は休みですから」
「今回お呼びしたのはこれらの機械について意見を伺いたいと思ったからです。うまくいけば畑を耕したり探し物をしたりするのに役立つかと思いまして。ただまだ完成にはあと一歩という状態です。特に四足歩行型はもう少し洗練が必要ですね。
まずは飛行機型です。今のこれは主に遭難者捜索や魔獣退治に使うことを予定しています」
大きさは俺がかつて作ったターボプロップ実験模型とほぼ同じだ。だが形は大分簡略化され、翼の面積も大きくなっている。
「これは見た通り、あの模型を更に簡単にして、魔法電池と記述式万能魔道具を組み込んだものです。あらかじめ捜索対象、中心捜索場所までの方向と距離を記述して中に入れて発進させます。あとはこの飛行機が中心捜索場所から半径3離程度を周回しながら捜索対象を探し、発見した際は光魔法を照射してこちらに知らせる仕組みです。連続飛行時間は2時間程度、残り半時間を切った時点で発進地点に戻るようになっています。なお捜索方法は熱感知、魔力感知、視覚等光感知、更に空間歪率感知も出来るようになっています」
なるほど偵察機か。空間歪率感知を併用するなら隠蔽魔法を使っても発見できる。
「この翼が広いのも、エンジンの出力が低めなのも長時間運用を考えてですね」
「ええ。燃料の容量と連続飛行時間、あと可搬性とのバランスを考えて、結局この大きさになりました。この大きさならあの軍用蒸気自動車に3機まで載せられます」
国境等での警戒に使えばかなり便利そうだ。
「ただこの飛行機型は迅速かつ広範囲の探索には向いていますが、継続的な長期探索には向いていません。ですのでこの4脚型を考えたのですが、歩行がどうもうまくいかないのです」
4脚型は大体6段の跳び箱位の大きさで全体が金属で出来ている。
4本の脚部分はかなりメカニカルな構造。歯車やリンク棒で動かす仕組みになっている模様だ。
「動物の脚を見本に記述魔法で動かしてみたのですけれど、魔力缶ではせいぜい半時間程度しか動きません。速度も遅く行き来出来るのは距離にして1離程度です。かといって車輪では森とか林の中を入っていけませんし、段差等を乗り越える事も出来ません。タービンや蒸気機関で動かすと大きくなりますし動力の制御も難しくなります」
「どれくらいの場所を移動することを前提にしているのでしょうか」
「想定しているのは北部山岳地帯の森林地帯、出来れば3離程度を巡回するようにしたいと考えています。斜度は人が四つん這いにならないと通れないようなところは無理でも、せめて階段程度なら上り下りできる程度。木々の間は大体あの辺の実情を考えて短くても1腕半程度。下草はせいぜい膝ぐらいという想定です」
よし、それなら4本足よりいい方法がある。
俺達も新型電気自動車とアクアラング一式、ゴムボートの他は特に何も新製品は作らなかった。
それより遊ぶ方に夢中だったというのもある。
干潟遊び、電動ゴムボートによる散策、海中散歩、ボディボード。こんなのをやっているうちに1日があっという間に過ぎていく。
そしてこの辺はこの季節、とっても天気がいい。つまり毎日遊べる状態だ。
海鮮に飽きたら肉なんてのもいい。元々この辺はちょっと行けば高原地帯で放牧が盛んなのだ。そのおかげで肉や乳製品も安い。
なので以前コイでやった串焼き式パーティなんてのもやったりする。元々こっちが本場なのだけれど。
そんな感じで毎日遊ぶ生活にどっぷり浸っていたところで。
俺達を現実に引き戻すお便りがやってきた。厳密にはお便りではなく伝達魔法なのだけれども。
「ニ・ホの飛行場併設の工廠で新技術のお試しをやるから来いだそうですわ」
朝食の時、アキナ先輩からその話が伝えられた。
「私の方にも来ました。副院長からも全員参加してほしいとのことです」
「仕方ないよね」
「スポンサーの意向」
「僕は楽しみだな」
人によって温度差はあるけれどとりあえず食事後、全員でニ・ホの飛行場へ。
今では移動魔法で移動できる場所というか部屋が決められている。そこに移動して受付へ行き、そして工場の中へ。
ここは元々飛行機を開発した時に使った場所だ。今でも飛行機の組み立てや整備はここで行われている。そして飛行機の他にも大物でかつ最先端な代物の制作および実験場としても稼働しているようだ。
おかげでただでさえ巨大だった工場部分がとんでもなく拡大されている。
そこに並んでいるのは……ロボットとドローン! 少なくとも俺にはそう見えるものだ。
ロボットとドローンと言っても人型とかヘリコプター型ではない。4本足型と模型飛行機型。しかしそれぞれこの世界には今までなかったメカメカしい雰囲気を漂わせている。
「すみません。急にお呼びだてして」
これはジゴゼンさんだ。
他にいるのは飛行機制作時代から顔見知りの皆さん。殿下とかターカノさん達は見えない。
「いえ、こちらも学校は休みですから」
「今回お呼びしたのはこれらの機械について意見を伺いたいと思ったからです。うまくいけば畑を耕したり探し物をしたりするのに役立つかと思いまして。ただまだ完成にはあと一歩という状態です。特に四足歩行型はもう少し洗練が必要ですね。
まずは飛行機型です。今のこれは主に遭難者捜索や魔獣退治に使うことを予定しています」
大きさは俺がかつて作ったターボプロップ実験模型とほぼ同じだ。だが形は大分簡略化され、翼の面積も大きくなっている。
「これは見た通り、あの模型を更に簡単にして、魔法電池と記述式万能魔道具を組み込んだものです。あらかじめ捜索対象、中心捜索場所までの方向と距離を記述して中に入れて発進させます。あとはこの飛行機が中心捜索場所から半径3離程度を周回しながら捜索対象を探し、発見した際は光魔法を照射してこちらに知らせる仕組みです。連続飛行時間は2時間程度、残り半時間を切った時点で発進地点に戻るようになっています。なお捜索方法は熱感知、魔力感知、視覚等光感知、更に空間歪率感知も出来るようになっています」
なるほど偵察機か。空間歪率感知を併用するなら隠蔽魔法を使っても発見できる。
「この翼が広いのも、エンジンの出力が低めなのも長時間運用を考えてですね」
「ええ。燃料の容量と連続飛行時間、あと可搬性とのバランスを考えて、結局この大きさになりました。この大きさならあの軍用蒸気自動車に3機まで載せられます」
国境等での警戒に使えばかなり便利そうだ。
「ただこの飛行機型は迅速かつ広範囲の探索には向いていますが、継続的な長期探索には向いていません。ですのでこの4脚型を考えたのですが、歩行がどうもうまくいかないのです」
4脚型は大体6段の跳び箱位の大きさで全体が金属で出来ている。
4本の脚部分はかなりメカニカルな構造。歯車やリンク棒で動かす仕組みになっている模様だ。
「動物の脚を見本に記述魔法で動かしてみたのですけれど、魔力缶ではせいぜい半時間程度しか動きません。速度も遅く行き来出来るのは距離にして1離程度です。かといって車輪では森とか林の中を入っていけませんし、段差等を乗り越える事も出来ません。タービンや蒸気機関で動かすと大きくなりますし動力の制御も難しくなります」
「どれくらいの場所を移動することを前提にしているのでしょうか」
「想定しているのは北部山岳地帯の森林地帯、出来れば3離程度を巡回するようにしたいと考えています。斜度は人が四つん這いにならないと通れないようなところは無理でも、せめて階段程度なら上り下りできる程度。木々の間は大体あの辺の実情を考えて短くても1腕半程度。下草はせいぜい膝ぐらいという想定です」
よし、それなら4本足よりいい方法がある。
80
あなたにおすすめの小説
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆1/19〜1/27まで、予約投稿を1話ずつ行います。
農家の四男に転生したルイ。
そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。
農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。
十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。
家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。
ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる!
見切り発車。不定期更新。
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる