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第30章 冬はつとめて(2) ~修4年冬編・後半~
155 悪魔のゲーム
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「それではゲームの説明は私から」
ソフィーが説明を始めたことで、ちょっと俺は警戒モードになる。
「まずゲームに使う道具を配りますね」
配られたのはふせんくらいの大きさの小さな機械。
全体はプラスチック製で、長方形の片側1cm位だけが金属製だ。
俺のには金属製部分の反対側に7と記載されている。
そしてソフィーはノートパソコンを液晶テレビに接続し、画面を出した。
画面には1から14までの番号が3列に並び、それぞれに何かを示す2桁の数値が緑色で表示されている。
「この機械は持っている人の脈拍、血流、魔力変化を測定する装置です。試作品の簡易型なので実用化はまだ少し先ですけれども。とりあえず皆さん、この銀色の部分を左手の親指と人差指で挟むように持ってみて下さい」
この機械の原理や機構やデータ取得方法等ついて、実は俺も良く知っている。
俺の知っていた時点より、遙かにスマートな形にはなっているけれど。
それにこんな風に自分に影響が降りかかってくるとは、思ってもみなかったけれど。
皆、指示通り左手で装置をつまむようにして持つ。
途端に画面上の数値が動き始める。
色は緑のままだ。
「お持ちの装置に記載してある番号が、画面上の番号になっています。今はまだ皆さん緑色で数値が低いので、平常心に近い状況だと判断できます。ただ……
9番の装置をお持ちの方は誰ですか」
ひくっと9番の表示が一瞬黄色になった後、愛希ちゃんが手を上げる。
「若干愛希さんが緊張気味と出ていますが、本番は今の状態を元に補正をかけるので心配はいりません」
凄くいやな予感がする。
これって要は嘘発見器だしな。
「ゲームの説明に移ります。ゲームそのものは簡単です。これから1人ずつ発言をして頂きます。その中で動揺して表示が赤くなったら負け。負けた人は装置をテーブルの上に置いて下さい。負けた人はそのゲームでの発言権も無くなります。そうやってゲームを続けていき、残った人が半分になればゲーム終了です。
次のゲームは、前のゲームで負けた人が装置を持ちます。前のゲームで勝っている人は発言権はありますが判定はありません。これも同様に進めていって半分になればゲーム終了です。
ここにいるのは14人ですから、最初は7人負け。次は負けた7人が始めて4人負け。次は4人で始めて2人負け、最後は2人の勝負にしましょう。
要はいかに平静を保てるか、相手の動揺を誘う発言が出来るかというゲームです。なお発言者がゲーム参加者の場合、自分も測定されている点には充分留意して下さい」
これって、かなりえぐいゲームだ。
確かにバレンタインデーに相応しいゲームかもしれないけれど。
「このチャンスに、疑問に思っていることを根堀葉掘り聞くのも手だよね」
早速理奈ちゃんが煽っている。
「ではゲーム開始です。まずは誰から発言するかですが、最高学年と最若手という事で、由香里先輩と理奈さんがじゃんけんをして下さい。勝った方から左へ回しましょう」
ケーキの順番よりこのゲームのほうが危険だ、きっと。
そう思いつつ、2人のじゃんけんを見守る。
勝負はグーとパーで理奈ちゃんの勝ちだ。
「それではゲームモードに移行しますね」
ソフィーがパソコンの方へ歩いていき、何かキーを押す。
緑色の範囲内で揺れ動いていた数値が0にリセットされた。
「それでは不肖私から始めさせていただきます。まずは軽ーい問いかけからです。
皆さん、皆さんには彼氏なり彼女なり相思相愛の相手がいらっしゃいますか」
理奈ちゃん、いきなり全体攻撃に出た。
何人もの数値が変化し黄色になったりするも、赤くなる者はいない。
「残念!」
そう言って理奈ちゃんはにやりと笑う。
「では次は私ね。修先輩には実はもう特定の恋人がいる!さあどうかな」
おいおい愛希ちゃん、いきなり俺に個人攻撃かい。
だが俺の数値は緑から黄色に一瞬変化したものの、危険範囲から程遠い。
なにせ自分でもわかっていないからな、当然の結果だ。
「次は私ですよ。『私のプリン専用保管庫、最近減りが激しいんだけど何故かなあ』」
お、お、見事に反応した。
奈津希さんと月見野先輩、それにロビーが早々と脱落だ。
やるな詩織ちゃん。でも奈津季さん以外は結構意外な面子だ。
次はルイスか。
「前から思っているんだけれど、攻撃魔法科って大学終了後の就職口ってどうなんだろう」
お、半ば自爆攻撃。
だが最大でも黄色までで赤色は出ない。
そして次はジェニーだ。
「特区には男の子が少なくて悲しいのれすよ。カプが出来ないれす」
反応したのはジェニー自身とソフィーで黄色まで。
そして風遊美さん。
「皆さん、期末試験どうですか?」
おお、これは赤が出たぞ!
ジェニーと何故か鈴懸台先輩がここでアウト。
そして俺の番だ。
特に思いつかないので由香里姉ごめん。
「大学編入は単位が厳しいと聞いていますけれど大丈夫でしょうか」
残念、かろうじて黄色に変化した程度。
流石優等生。
そして由香里姉の番だ。
由香里姐はにやっと笑って俺の方を見る。
「そろそろ税金の申告の時期だよね。香緒里、修、今年はどれくらい取られるのかな」
あああっ、それは!
俺と香緒里ちゃんが一気にアウトしてしまった。
やられた、まさかそっち方面で仕掛けてくるとは。
確かにここ最近、パソコンで帳簿付けながら2人で悩んでいたのだ。
「第1ゲーム終了です。勝ち残りの方お疲れ様でした」
結局負けたのは鈴懸台先輩、月見野先輩、奈津季さん、俺、香緒里ちゃん、ジェニー、ロビーの7人。
この7人で第2ゲームを戦うことになる。
ソフィーが説明を始めたことで、ちょっと俺は警戒モードになる。
「まずゲームに使う道具を配りますね」
配られたのはふせんくらいの大きさの小さな機械。
全体はプラスチック製で、長方形の片側1cm位だけが金属製だ。
俺のには金属製部分の反対側に7と記載されている。
そしてソフィーはノートパソコンを液晶テレビに接続し、画面を出した。
画面には1から14までの番号が3列に並び、それぞれに何かを示す2桁の数値が緑色で表示されている。
「この機械は持っている人の脈拍、血流、魔力変化を測定する装置です。試作品の簡易型なので実用化はまだ少し先ですけれども。とりあえず皆さん、この銀色の部分を左手の親指と人差指で挟むように持ってみて下さい」
この機械の原理や機構やデータ取得方法等ついて、実は俺も良く知っている。
俺の知っていた時点より、遙かにスマートな形にはなっているけれど。
それにこんな風に自分に影響が降りかかってくるとは、思ってもみなかったけれど。
皆、指示通り左手で装置をつまむようにして持つ。
途端に画面上の数値が動き始める。
色は緑のままだ。
「お持ちの装置に記載してある番号が、画面上の番号になっています。今はまだ皆さん緑色で数値が低いので、平常心に近い状況だと判断できます。ただ……
9番の装置をお持ちの方は誰ですか」
ひくっと9番の表示が一瞬黄色になった後、愛希ちゃんが手を上げる。
「若干愛希さんが緊張気味と出ていますが、本番は今の状態を元に補正をかけるので心配はいりません」
凄くいやな予感がする。
これって要は嘘発見器だしな。
「ゲームの説明に移ります。ゲームそのものは簡単です。これから1人ずつ発言をして頂きます。その中で動揺して表示が赤くなったら負け。負けた人は装置をテーブルの上に置いて下さい。負けた人はそのゲームでの発言権も無くなります。そうやってゲームを続けていき、残った人が半分になればゲーム終了です。
次のゲームは、前のゲームで負けた人が装置を持ちます。前のゲームで勝っている人は発言権はありますが判定はありません。これも同様に進めていって半分になればゲーム終了です。
ここにいるのは14人ですから、最初は7人負け。次は負けた7人が始めて4人負け。次は4人で始めて2人負け、最後は2人の勝負にしましょう。
要はいかに平静を保てるか、相手の動揺を誘う発言が出来るかというゲームです。なお発言者がゲーム参加者の場合、自分も測定されている点には充分留意して下さい」
これって、かなりえぐいゲームだ。
確かにバレンタインデーに相応しいゲームかもしれないけれど。
「このチャンスに、疑問に思っていることを根堀葉掘り聞くのも手だよね」
早速理奈ちゃんが煽っている。
「ではゲーム開始です。まずは誰から発言するかですが、最高学年と最若手という事で、由香里先輩と理奈さんがじゃんけんをして下さい。勝った方から左へ回しましょう」
ケーキの順番よりこのゲームのほうが危険だ、きっと。
そう思いつつ、2人のじゃんけんを見守る。
勝負はグーとパーで理奈ちゃんの勝ちだ。
「それではゲームモードに移行しますね」
ソフィーがパソコンの方へ歩いていき、何かキーを押す。
緑色の範囲内で揺れ動いていた数値が0にリセットされた。
「それでは不肖私から始めさせていただきます。まずは軽ーい問いかけからです。
皆さん、皆さんには彼氏なり彼女なり相思相愛の相手がいらっしゃいますか」
理奈ちゃん、いきなり全体攻撃に出た。
何人もの数値が変化し黄色になったりするも、赤くなる者はいない。
「残念!」
そう言って理奈ちゃんはにやりと笑う。
「では次は私ね。修先輩には実はもう特定の恋人がいる!さあどうかな」
おいおい愛希ちゃん、いきなり俺に個人攻撃かい。
だが俺の数値は緑から黄色に一瞬変化したものの、危険範囲から程遠い。
なにせ自分でもわかっていないからな、当然の結果だ。
「次は私ですよ。『私のプリン専用保管庫、最近減りが激しいんだけど何故かなあ』」
お、お、見事に反応した。
奈津希さんと月見野先輩、それにロビーが早々と脱落だ。
やるな詩織ちゃん。でも奈津季さん以外は結構意外な面子だ。
次はルイスか。
「前から思っているんだけれど、攻撃魔法科って大学終了後の就職口ってどうなんだろう」
お、半ば自爆攻撃。
だが最大でも黄色までで赤色は出ない。
そして次はジェニーだ。
「特区には男の子が少なくて悲しいのれすよ。カプが出来ないれす」
反応したのはジェニー自身とソフィーで黄色まで。
そして風遊美さん。
「皆さん、期末試験どうですか?」
おお、これは赤が出たぞ!
ジェニーと何故か鈴懸台先輩がここでアウト。
そして俺の番だ。
特に思いつかないので由香里姉ごめん。
「大学編入は単位が厳しいと聞いていますけれど大丈夫でしょうか」
残念、かろうじて黄色に変化した程度。
流石優等生。
そして由香里姉の番だ。
由香里姐はにやっと笑って俺の方を見る。
「そろそろ税金の申告の時期だよね。香緒里、修、今年はどれくらい取られるのかな」
あああっ、それは!
俺と香緒里ちゃんが一気にアウトしてしまった。
やられた、まさかそっち方面で仕掛けてくるとは。
確かにここ最近、パソコンで帳簿付けながら2人で悩んでいたのだ。
「第1ゲーム終了です。勝ち残りの方お疲れ様でした」
結局負けたのは鈴懸台先輩、月見野先輩、奈津季さん、俺、香緒里ちゃん、ジェニー、ロビーの7人。
この7人で第2ゲームを戦うことになる。
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