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第33章 詩織ちゃんの新魔法と裏切りの黒魔女
176 裏切りの黒魔女⑴
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プレ・プログレスの設計をCADでちまちまやっていると、大広間の方の気配が動いた。
夕食の時間のようだ。
部屋を出ると、卓球台を折り畳んで座卓にする作業中だった。
元々の巨大座卓と併せれば18人は座れる。
ただし既に、最大で17人の状態だ。
また近いうちに、次の手段なりテーブルなりを考える必要があるだろう。
皆でキッチンから大量の皿を運んでくる。
ただでさえ種類が多いのに、全員に行き届くように4セット作ってあるから、無茶苦茶に皿数が多い。
俺も重い重い炊飯器をおっちらせと運ぶ。
見ると今回は、今までの中でも屈指の豪華さだ。
刺身も元になる魚の種類が多い分、多種でかつ多量。他にあらや内臓の煮物もある。
キッチンの都合で焼き物や揚げ物は作れなかったみたいだけれど、これはまあ後日のお楽しみか。
刺身系だけでも刺身、漬け、カルパッチョ等あるのは奈津季さん時代と同じだ。
「食べ過ぎると酷い目にあうので気をつけるれすよ」
一番暴食の罠にかかった回数が多い誰かさんが、自戒を込めてかそう注意。
いただきますの唱和とともに、戦闘に突入。
間もなく炊飯器でおかわりをし始める人が続出し、割とあっさり3升の御飯が空になる。
おいおい。
仕方ないから、俺は重い炊飯器をキッチンに持っていき、代わりに冷凍庫から冷凍していた御飯を出して釜に投入。
再びよいしょと運んで、とりあえず一番キッチンから近くの席にいた愛希ちゃんに以来。
「ごめん、解凍お願い」
「はいはい」
さすが優等生だけあって、きっちりほかほかに解凍してくれた。
炊飯器を元の場所に設置した処に、再びおかわりの列が発生する。
刺身もかなり大量に盛り付けてある筈なのだが、残りは少ない。
ルイスがキッチンへ向かって冷蔵庫から刺身のサクを出し、切り始める。
人数が多いので、本当に戦場状態だ。
ちなみに今の時点で、俺はまだ刺身7切れと煮物少々しか食べていない。
御飯もまだ1杯目だ。
早すぎるだろう、いつもながら。
◇◇◇
当然の結果として、無事全員がごちそうさまを認めた後は、トドが出現する。
今は露天風呂は混浴ではないので、状態の確認は出来ないが。
これが初回の1年生は全員暴食の罠にはまったらしい。
鈴懸台先輩、ジェニー、ソフィー、愛希ちゃんといった懲りない面々も、まあいつも通りだ。
そして世田谷もかなり危険な状態の模様で、妙な動きで露天風呂方面に向かった。大丈夫だろうか。
一通り片付いた大広間は俺、ルイス、ロビーの男性陣のみ。
俺とルイスは体調を、悪くする程暴食はしないし、ロビーはガタイそのものが大きいので常人より余裕がある。
なので男性陣3人は今回も暴食の罠にははまらず無事だ。
だからニュース番組を見ながら、3人でまったりしている。
「それにしても、なあ」
ルイスがつぶやいた。
「何だ」
「世田谷先輩が来たのは、想定外だった」
ルイスはそう言って、ため息をついた。
「何で?」
「攻撃魔法研究会の事実上の主戦力だから。学生会とも結構やりあっているし。別に仲が悪い訳では無い。でも立場として対立している」
そんな感じなのか。
「創造製作研究会は、別に学生会と対立してはいなかったけどな」
「攻撃魔法科だけの特殊事情だ。親学生会側と親攻撃魔法研とは攻撃魔法科の2大派閥のようなもので、合同トレーニングもわざと2大派閥別で開催したりする」
魔法工学科の俺は、全然そういう話は知らなかった。
「攻撃魔法科ってそんな恐ろしい世界だったのか」
「わざとだけど。抗争形式にした方が張り合いがあるし、模擬戦なんかでも熱が入るから。
本当は攻撃魔法研究会の対立軸は学生会じゃなくて魔法分析研究会や魔法格闘クラブの筈だ。ただ奈津季先輩の頃からは、学生会のほうが戦力的に強くなってしまった。だから今は攻撃魔法研究会中心の一派対、学生会中心の一派という形になっている」
「要はプロレスの団体同士の物語みたいなものか」
「そうだ。そして世田谷先輩は向こう側の事実上の中心人物だ」
俺にもやっと図式が見えてきた。
「それって、物語的にはまずいんじゃないか」
「僕もどう整理するか苦慮している。名目だの学年を無視すれば、世田谷先輩は既に去年から攻撃魔法研究会の中心人物だった。異常に発動が早い闇魔法使い。しかも闇魔法を味方支援だの陽動だのに使うタイプだ。
実際はきっと強すぎるから、直接攻撃に魔法を使わなかっただけなのだろう。その辺はきっと由香里先輩や奈津季先輩と同じだ」
確かに俺も、由香里姉が全力の攻撃魔法を出したのを、見たり聞いたりした事はない。
知っている限りでは由香里姉の最強の呪文は『氷の城』。氷の壁による絶対防御魔法だ。
奈津希さんも、詩織ちゃん相手に使った話を聞くまで、予知魔法併用技などを出したりしなかった。
しかも詩織ちゃんの話を聞くに、その魔法技でさえ全力ではなかったらしい
きっとルイスも、ある程度自制している部分があるのだろう。
ただ奈津季さんには由香里姉も風遊美さんもいるし、ルイスには更に詩織ちゃんもいる。
そういう相手が世田谷にいなかったとしたら……
夕食の時間のようだ。
部屋を出ると、卓球台を折り畳んで座卓にする作業中だった。
元々の巨大座卓と併せれば18人は座れる。
ただし既に、最大で17人の状態だ。
また近いうちに、次の手段なりテーブルなりを考える必要があるだろう。
皆でキッチンから大量の皿を運んでくる。
ただでさえ種類が多いのに、全員に行き届くように4セット作ってあるから、無茶苦茶に皿数が多い。
俺も重い重い炊飯器をおっちらせと運ぶ。
見ると今回は、今までの中でも屈指の豪華さだ。
刺身も元になる魚の種類が多い分、多種でかつ多量。他にあらや内臓の煮物もある。
キッチンの都合で焼き物や揚げ物は作れなかったみたいだけれど、これはまあ後日のお楽しみか。
刺身系だけでも刺身、漬け、カルパッチョ等あるのは奈津季さん時代と同じだ。
「食べ過ぎると酷い目にあうので気をつけるれすよ」
一番暴食の罠にかかった回数が多い誰かさんが、自戒を込めてかそう注意。
いただきますの唱和とともに、戦闘に突入。
間もなく炊飯器でおかわりをし始める人が続出し、割とあっさり3升の御飯が空になる。
おいおい。
仕方ないから、俺は重い炊飯器をキッチンに持っていき、代わりに冷凍庫から冷凍していた御飯を出して釜に投入。
再びよいしょと運んで、とりあえず一番キッチンから近くの席にいた愛希ちゃんに以来。
「ごめん、解凍お願い」
「はいはい」
さすが優等生だけあって、きっちりほかほかに解凍してくれた。
炊飯器を元の場所に設置した処に、再びおかわりの列が発生する。
刺身もかなり大量に盛り付けてある筈なのだが、残りは少ない。
ルイスがキッチンへ向かって冷蔵庫から刺身のサクを出し、切り始める。
人数が多いので、本当に戦場状態だ。
ちなみに今の時点で、俺はまだ刺身7切れと煮物少々しか食べていない。
御飯もまだ1杯目だ。
早すぎるだろう、いつもながら。
◇◇◇
当然の結果として、無事全員がごちそうさまを認めた後は、トドが出現する。
今は露天風呂は混浴ではないので、状態の確認は出来ないが。
これが初回の1年生は全員暴食の罠にはまったらしい。
鈴懸台先輩、ジェニー、ソフィー、愛希ちゃんといった懲りない面々も、まあいつも通りだ。
そして世田谷もかなり危険な状態の模様で、妙な動きで露天風呂方面に向かった。大丈夫だろうか。
一通り片付いた大広間は俺、ルイス、ロビーの男性陣のみ。
俺とルイスは体調を、悪くする程暴食はしないし、ロビーはガタイそのものが大きいので常人より余裕がある。
なので男性陣3人は今回も暴食の罠にははまらず無事だ。
だからニュース番組を見ながら、3人でまったりしている。
「それにしても、なあ」
ルイスがつぶやいた。
「何だ」
「世田谷先輩が来たのは、想定外だった」
ルイスはそう言って、ため息をついた。
「何で?」
「攻撃魔法研究会の事実上の主戦力だから。学生会とも結構やりあっているし。別に仲が悪い訳では無い。でも立場として対立している」
そんな感じなのか。
「創造製作研究会は、別に学生会と対立してはいなかったけどな」
「攻撃魔法科だけの特殊事情だ。親学生会側と親攻撃魔法研とは攻撃魔法科の2大派閥のようなもので、合同トレーニングもわざと2大派閥別で開催したりする」
魔法工学科の俺は、全然そういう話は知らなかった。
「攻撃魔法科ってそんな恐ろしい世界だったのか」
「わざとだけど。抗争形式にした方が張り合いがあるし、模擬戦なんかでも熱が入るから。
本当は攻撃魔法研究会の対立軸は学生会じゃなくて魔法分析研究会や魔法格闘クラブの筈だ。ただ奈津季先輩の頃からは、学生会のほうが戦力的に強くなってしまった。だから今は攻撃魔法研究会中心の一派対、学生会中心の一派という形になっている」
「要はプロレスの団体同士の物語みたいなものか」
「そうだ。そして世田谷先輩は向こう側の事実上の中心人物だ」
俺にもやっと図式が見えてきた。
「それって、物語的にはまずいんじゃないか」
「僕もどう整理するか苦慮している。名目だの学年を無視すれば、世田谷先輩は既に去年から攻撃魔法研究会の中心人物だった。異常に発動が早い闇魔法使い。しかも闇魔法を味方支援だの陽動だのに使うタイプだ。
実際はきっと強すぎるから、直接攻撃に魔法を使わなかっただけなのだろう。その辺はきっと由香里先輩や奈津季先輩と同じだ」
確かに俺も、由香里姉が全力の攻撃魔法を出したのを、見たり聞いたりした事はない。
知っている限りでは由香里姉の最強の呪文は『氷の城』。氷の壁による絶対防御魔法だ。
奈津希さんも、詩織ちゃん相手に使った話を聞くまで、予知魔法併用技などを出したりしなかった。
しかも詩織ちゃんの話を聞くに、その魔法技でさえ全力ではなかったらしい
きっとルイスも、ある程度自制している部分があるのだろう。
ただ奈津季さんには由香里姉も風遊美さんもいるし、ルイスには更に詩織ちゃんもいる。
そういう相手が世田谷にいなかったとしたら……
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