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第9章 冬休みはリゾートへ
第67話プラス ミランダの時間
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あれっ? と思う。
そろそろ寝ようかという話になって寝室に入ると、一緒に入って来たのはミランダだけだった。気配と音から判断するとテディとフィオナは隣の寝室に入ったようだ。
「リゾート中は全員この部屋じゃなかったっけ」
「ちょっと今日は2人に頼んだんだ。アシュと話をしたかったからさ」
何だろう。
「でもその前にさ」
ミランダが身体をくっつけてくる。
はいはい。俺も露天風呂で色々危険だったところだ。だからそのままミランダを抱きしめる。
「このままベッドへ……」
はいはい。俺はミランダを横抱きに抱きかかえて、そして……
◇◇◇
「私って了見が狭いよな」
色々やってやっと一息ついた後、ミランダがぼそっと言った。
「そう感じた事はないけれどな。なんでそう思うんだ?」
「言葉をごまかさずに正直に言うとさ、私って嫉妬深いよな。そう思ったんだ」
彼女は小さくため息をついて続ける。
「アシュは私が今まで出会えた男の中じゃピカ1だし、多分これからも変わらないと思うんだ」
「それは買いかぶりだな」
「アシュはそう言うけれどさ」
ミランダは俺の右手を握って、そして続ける。
「テディもフィオナもそう思っていると思うな。だいたいスティヴァレ随一の魔法を持っていてより進んだ世界の知識も物もその気になれば持ち込み放題。更には今年の魔法武闘会で事実上の優勝、スティヴァレ最強の男だ。そんな表面的で形式的な処だけでも並び立つ男なんていないだろ」
おいそれは違うな。だから俺は言い返す。
「どれも俺自身の力じゃない。たまたま俺が知っていた世界が色々進んでいただけだし、武闘会の方は陛下が俺に魔法を教えてくれたからだ。教えてくれた理由もミランダ達のおかげで殿下に近い立場にいるからだろ」
「理由はどうであれアシュが使える力はアシュのものさ。まあそんな謙虚なところもたまらなく愛おしいんだけれど」
すごく恥ずかしい事をさらっと言ってぎゅっと握った手に力を入れて、ミランダは続ける。
「ただそんなアシュだからさ。私以外の女の子が惚れるのも仕方ない。それはわかっているんだけれどさ。でもテディやフィオナ以外の女の子がアシュを気にしているとつい気になってしまう。アシュを取られないだろうかと警戒しちまう。我ながら了見狭いなと思うよ」
それがさっきの台詞の説明って事か。
「でも俺もミランダが誰か男といたら気になるな、間違いなく。ミランダもテディもフィオナも俺にはふさわしくない程だと思っているのにさ」
「でも態度には出さないだろ。私が外へ出る時も普通に送り出してくれるだろ。私はどうも駄目なんだ。あのロッサーナ殿下でさえ来た時は後にアシュがどう思っているか気になった位だ。殿下は知っての通りブラコンで問題ないとわかっているのに。
多分私は自信が無いんだ。テディやフィオナと違ってさ。女の子らしいなんてのと違う場所にいるだろ。だから不安なんだ。いつかアシュが私を好きでなくなるんじゃないかって」
はいはい。
「そんな日は来ないからさ、まず間違いなく。
ミランダが大好きで離れられないというのもある。それにミランダがいなければこんな生活を楽しめなかっただろ、きっと。そして何よりミランダがいてテディがいてフィオナがいる。俺はその場が好きで好きで仕方ないんだ。俺には似合わない贅沢かもしれないけれどさ。多分もう離れられないし失いたくない。失うという事態を想像したくもない」
ぎゅっとミランダに抱きつかれる。
「ありがとう。なら少しは私も努力しようと思うんだ。アシュが好かれるのは当たり前なんだ。だからせめて一緒に暮らしている範囲くらいはまあ、努力しようかなと」
ちょっと待てミランダ。それはどういう意味だ。思い当たるのは昨日のサラ飲酒事件くらいしかない。
「サラはまだこれからだろ。これから高級学校に通うんだしさ」
「女の子の恋にこれからってのは無い。小さい頃から女の子は恋に恋して相手を夢見るんだ。どんな相手に出会えるか、出会ったらどうしようかなんていつも何処かで考えている。10歳超えればもう恋のベテランさ。男の子と違って。
それにサラだけじゃない。ナディアさんもあの時大分キョドっていたしさ。だからその辺まではまあ勘弁しようかって」
おい待て。危険な発言をするんじゃない。あの2人をそういう目で見ないように努力をしてきたんだぞ俺は。
「ただ私も負ける訳にはいかないからさ。もう少しここで自己主張しておこうかな。ところでアシュ、今テルメ館に誰かいないか魔法でわかるか?」
何故テルメ館が出てくるのだろう。しかし一応言われた通り魔法で確認する。
「テルメ館も露天風呂も誰もいない。近くの部屋をさっと確認したけれど、皆寝ているようだ」
「なら魔法で移動してくれないかな。アシュと私、2人でさ」
「なら服を着るか」
「2人だけならいいだろ。どうせ今だってこんな感じだしさ」
それはそれ、これはこれ。そう言えない自分が悲しい。言えないのは気が弱いからでは無くエロな期待があるからだったりもする。
「なら移動するな」
ボッチャーン!
テルメ館のぬるめの浴槽に2人横になった姿のままダイビングだ。
思い切り顔までお湯をかぶった。ついでに気管にお湯を吸い込んで思わずゴホゴホ咳をしてしまう。格好悪いな、俺。
「あーあ、せっかく髪を乾かしたのにまた濡らしてしまったな」
その台詞でミランダの方を見る。
今は灯火の魔法を使っていない。しかしあかり取りの大きなガラス窓から外の光が中まで入ってきている。
外が一面の雪で光を反射するからかそこそこ見える程度には明るい。そしてそんな明るさの中で見えるミランダの濡れた髪とか白い身体がまたエロい訳で……
「まあいいや、この方が思い切り遊べる」
ミランダに捕まった。そのまま抱きしめられて、キスをして……
そろそろ寝ようかという話になって寝室に入ると、一緒に入って来たのはミランダだけだった。気配と音から判断するとテディとフィオナは隣の寝室に入ったようだ。
「リゾート中は全員この部屋じゃなかったっけ」
「ちょっと今日は2人に頼んだんだ。アシュと話をしたかったからさ」
何だろう。
「でもその前にさ」
ミランダが身体をくっつけてくる。
はいはい。俺も露天風呂で色々危険だったところだ。だからそのままミランダを抱きしめる。
「このままベッドへ……」
はいはい。俺はミランダを横抱きに抱きかかえて、そして……
◇◇◇
「私って了見が狭いよな」
色々やってやっと一息ついた後、ミランダがぼそっと言った。
「そう感じた事はないけれどな。なんでそう思うんだ?」
「言葉をごまかさずに正直に言うとさ、私って嫉妬深いよな。そう思ったんだ」
彼女は小さくため息をついて続ける。
「アシュは私が今まで出会えた男の中じゃピカ1だし、多分これからも変わらないと思うんだ」
「それは買いかぶりだな」
「アシュはそう言うけれどさ」
ミランダは俺の右手を握って、そして続ける。
「テディもフィオナもそう思っていると思うな。だいたいスティヴァレ随一の魔法を持っていてより進んだ世界の知識も物もその気になれば持ち込み放題。更には今年の魔法武闘会で事実上の優勝、スティヴァレ最強の男だ。そんな表面的で形式的な処だけでも並び立つ男なんていないだろ」
おいそれは違うな。だから俺は言い返す。
「どれも俺自身の力じゃない。たまたま俺が知っていた世界が色々進んでいただけだし、武闘会の方は陛下が俺に魔法を教えてくれたからだ。教えてくれた理由もミランダ達のおかげで殿下に近い立場にいるからだろ」
「理由はどうであれアシュが使える力はアシュのものさ。まあそんな謙虚なところもたまらなく愛おしいんだけれど」
すごく恥ずかしい事をさらっと言ってぎゅっと握った手に力を入れて、ミランダは続ける。
「ただそんなアシュだからさ。私以外の女の子が惚れるのも仕方ない。それはわかっているんだけれどさ。でもテディやフィオナ以外の女の子がアシュを気にしているとつい気になってしまう。アシュを取られないだろうかと警戒しちまう。我ながら了見狭いなと思うよ」
それがさっきの台詞の説明って事か。
「でも俺もミランダが誰か男といたら気になるな、間違いなく。ミランダもテディもフィオナも俺にはふさわしくない程だと思っているのにさ」
「でも態度には出さないだろ。私が外へ出る時も普通に送り出してくれるだろ。私はどうも駄目なんだ。あのロッサーナ殿下でさえ来た時は後にアシュがどう思っているか気になった位だ。殿下は知っての通りブラコンで問題ないとわかっているのに。
多分私は自信が無いんだ。テディやフィオナと違ってさ。女の子らしいなんてのと違う場所にいるだろ。だから不安なんだ。いつかアシュが私を好きでなくなるんじゃないかって」
はいはい。
「そんな日は来ないからさ、まず間違いなく。
ミランダが大好きで離れられないというのもある。それにミランダがいなければこんな生活を楽しめなかっただろ、きっと。そして何よりミランダがいてテディがいてフィオナがいる。俺はその場が好きで好きで仕方ないんだ。俺には似合わない贅沢かもしれないけれどさ。多分もう離れられないし失いたくない。失うという事態を想像したくもない」
ぎゅっとミランダに抱きつかれる。
「ありがとう。なら少しは私も努力しようと思うんだ。アシュが好かれるのは当たり前なんだ。だからせめて一緒に暮らしている範囲くらいはまあ、努力しようかなと」
ちょっと待てミランダ。それはどういう意味だ。思い当たるのは昨日のサラ飲酒事件くらいしかない。
「サラはまだこれからだろ。これから高級学校に通うんだしさ」
「女の子の恋にこれからってのは無い。小さい頃から女の子は恋に恋して相手を夢見るんだ。どんな相手に出会えるか、出会ったらどうしようかなんていつも何処かで考えている。10歳超えればもう恋のベテランさ。男の子と違って。
それにサラだけじゃない。ナディアさんもあの時大分キョドっていたしさ。だからその辺まではまあ勘弁しようかって」
おい待て。危険な発言をするんじゃない。あの2人をそういう目で見ないように努力をしてきたんだぞ俺は。
「ただ私も負ける訳にはいかないからさ。もう少しここで自己主張しておこうかな。ところでアシュ、今テルメ館に誰かいないか魔法でわかるか?」
何故テルメ館が出てくるのだろう。しかし一応言われた通り魔法で確認する。
「テルメ館も露天風呂も誰もいない。近くの部屋をさっと確認したけれど、皆寝ているようだ」
「なら魔法で移動してくれないかな。アシュと私、2人でさ」
「なら服を着るか」
「2人だけならいいだろ。どうせ今だってこんな感じだしさ」
それはそれ、これはこれ。そう言えない自分が悲しい。言えないのは気が弱いからでは無くエロな期待があるからだったりもする。
「なら移動するな」
ボッチャーン!
テルメ館のぬるめの浴槽に2人横になった姿のままダイビングだ。
思い切り顔までお湯をかぶった。ついでに気管にお湯を吸い込んで思わずゴホゴホ咳をしてしまう。格好悪いな、俺。
「あーあ、せっかく髪を乾かしたのにまた濡らしてしまったな」
その台詞でミランダの方を見る。
今は灯火の魔法を使っていない。しかしあかり取りの大きなガラス窓から外の光が中まで入ってきている。
外が一面の雪で光を反射するからかそこそこ見える程度には明るい。そしてそんな明るさの中で見えるミランダの濡れた髪とか白い身体がまたエロい訳で……
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ミランダに捕まった。そのまま抱きしめられて、キスをして……
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