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第14章 2年目夏のバカンス
第95話 海の遊び道具
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今回製作した特製遊び道具は4種類。
〇 1~2人乗りゴーレム式水上バイク 1台
〇 バナナボート風3人乗り木製ボート 1艘
〇 ボディボード 6個
〇 自立型サンシェード 1組
これに前回も使用した市販の水中眼鏡とシュノーケル人数分。それに市販品の救命胴衣人数分とサンシェードの下に敷く麻製のシートだ。
水上バイクの駆動部と操作部を兼ねるゴーレムはフィオナの研究用ゴーレムの1機を借りて使用。要は人が乗っている後ろで小型ゴーレムが足で漕ぐという仕組みだ。
水上バイク本体はフィオナが設計、細工屋や鍛冶屋に注文して作った部品を組み立てて作成。後方の安全のためにウォータージェット推進だ。
このうち動翼や静翼等は日本から中古の水上バイクを取り寄せてフィオナに分解して貰って使用している。図面を取り寄せて作らせなかったのは準備期間が短い事もあるが、主な目的はスティヴァレに余分な知識を広めないためだ。
なにせスティヴァレの船はジェット推進どころかスクリューさえまだ存在しない。それどころか外輪船さえ未登場。動力船はどれもゴーレムがオールを漕ぐ仕組みになっている。
大型船ですら中世の奴隷船方式でゴーレム10機前後が櫂を漕いでいる状態だ。
バナナボートやボディボードは軽い木材で作ったもの。無論これらも実際の制作はフィオナが木工所に外注して作った。
本当は足につけるフィンとかボンベ付きアクアラングとかも作りたかったのだ。だが時間が無くて材料を吟味できず残念ながら断念。
そんな訳で今回はこんなラインナップになった。
まずは麻製のシートを出し、その上に装備を全部自宅から取寄魔法で持ち込む。柳製のサンシェードのポールの脚4か所に添付のロープを引っ掛ければクロス式のドームテントと同じ要領でサンシェードが自立。
後はロープの端についたペグを土魔法併用で深く砂浜に押し込んでおけばいい。これで海辺の拠点完成だ。
「さて、それじゃ早速行ってくるか」
「交代で行こうよ。このボート引っ張って」
「私も行きます」
「参戦」
ミランダ、フィオナ、ナディアさん、ジュリアの4人が水上バイクとバナナボートを海へと引っ張っていく。
俺はボディボードでも試してみようかな。
「テディやサラはどうする?」
「私は最初は普通に泳いでみますわ」
「私もそうします」
そんな訳で俺はひとりボディボードを抱えて海へ。
うむ、この辺の海は波が小さいな。前世の日本での記憶と比べるとかなり。
そう言えばボリアスコの海も波はそれほどなかった。これで波に乗れるだろうか。
遠浅の海をひたすら沖へ向かう。遠浅すぎてなかなか深くなってくれない。かなり歩いてやっと腰程度。
あとはボードに腹ばいになってバタ足で進む。フィンが無いから速度は出ない。でも波が強くなく間隔も空いているので何とか進む。
もういいだろうと思った辺りで反転。沖側遠くに見える波に合わせるつもりで前を押さえるイメージしつつ少し待つ。波が近づいたところでバタ足開始。
失敗、あっさりと波が俺を追い抜かしていった。今の波が小さすぎたのかもしれない。再挑戦だ。
◇◇◇
何度も挑戦して、やっとそこそこ波に乗った感じがつかめてきた頃。沖からミランダ達が戻ってくるのが見えた。
俺も一度戻るかな。ボードに乗ったままバタバタと戻る。
気がつくともうボードの底が砂に着いていた。仕方なく立って、そこからは歩いて皆の方へ。
「どうだった、ボートの方は?」
「面白い位速いぞ、このゴーレム艇」
「引っ張っている時は後ろのボートの方が面白いかな。ゴーレム艇の方は急カーブしても何とかなるけれど、後ろの方は落とされそうになるから」
「速く走っても面白いですけれど、ゆっくり走って海の中を見てみるのも面白いです。沖までいくと魚が泳いでいたりしますから」
「ゴーレム艇だけにすると最高。ただ急ターン失敗して2回落ちた」
「ジュリアは何気にハードな運転するよな」
皆さん楽しかったらしい。
「この後どうする?」
「今何時くらいだろうね」
「ここですと鐘の音も聞こえませんわ」
何も目安がないからよくわからない。腕時計なんて無いしな。
「アシュ、魔法でどこかの時計を見ることは出来ないか?」
ミランダに言われて気づく。その方法があったと。しかし家の時計は朝ネジを巻いてこなかったから動いていない。
となると俺が思いつくのはラツィオの中央教会の水時計くらいだ。空間操作魔法で見ると……
「午後1時だ」
「思ったより時間が経っているね」
「ゴーレム車を買いに行ってから遊んでいるのでそんなものですわ」
「とりあえず昼食ですね」
一応食事入り自在袋は持ってきてある。
「ここで食べますか?」
「砂が入りそうだな。家の中の方がいいんじゃないか」
「そうですね。ゴーレム艇などはどうしますか?」
「アシュに別荘の庭にでも置いておいて貰おう。一応ここもプライベートビーチだけれど念のため。この拠点とボードはそのままでいいだろ」」
「はいはい」
それくらいは空間操作魔法でどうにでもなる。ゴーレム艇を見て認識して、ちょいと空間を曲げ重力で移動させるだけだ。
「この自在袋も部屋に入れておくぞ」
これで手荷物は無しだ。
「少しだけプールで泳いで入ればべたつきも気にならないよね」
「そうですね」
どっちにしろ通路なのでプールへ。龍2頭がふよふよと泳いでいるところへドボンと飛び込む。
水が海より冷たくて気持ちいい。深さもそこそこあって泳ぐならこっちの方がいい感じだ。
「こっちの方が水は気持ちいいですわ」
「確かにそうだよね」
海水のべたつきを落とすだけなのに、ミランダの奴は端まで泳いだりしている。
「これもいいな、気持ちいい」
「でもとりあえず昼食を食べてからにしませんか」
「そうだね」
プールから上がってさっと水魔法で乾かして別荘内へ。なお室内で水着というのはなかなか……なのだが誰も気にしない様子だ。
サラとジュリアが自在袋から昼食を出して並べ始める。
「お昼のメニューは冷たいトマトバジルパスタとジャガイモスープ、プリンです」
暑いしちょうどいいメニューだ。
〇 1~2人乗りゴーレム式水上バイク 1台
〇 バナナボート風3人乗り木製ボート 1艘
〇 ボディボード 6個
〇 自立型サンシェード 1組
これに前回も使用した市販の水中眼鏡とシュノーケル人数分。それに市販品の救命胴衣人数分とサンシェードの下に敷く麻製のシートだ。
水上バイクの駆動部と操作部を兼ねるゴーレムはフィオナの研究用ゴーレムの1機を借りて使用。要は人が乗っている後ろで小型ゴーレムが足で漕ぐという仕組みだ。
水上バイク本体はフィオナが設計、細工屋や鍛冶屋に注文して作った部品を組み立てて作成。後方の安全のためにウォータージェット推進だ。
このうち動翼や静翼等は日本から中古の水上バイクを取り寄せてフィオナに分解して貰って使用している。図面を取り寄せて作らせなかったのは準備期間が短い事もあるが、主な目的はスティヴァレに余分な知識を広めないためだ。
なにせスティヴァレの船はジェット推進どころかスクリューさえまだ存在しない。それどころか外輪船さえ未登場。動力船はどれもゴーレムがオールを漕ぐ仕組みになっている。
大型船ですら中世の奴隷船方式でゴーレム10機前後が櫂を漕いでいる状態だ。
バナナボートやボディボードは軽い木材で作ったもの。無論これらも実際の制作はフィオナが木工所に外注して作った。
本当は足につけるフィンとかボンベ付きアクアラングとかも作りたかったのだ。だが時間が無くて材料を吟味できず残念ながら断念。
そんな訳で今回はこんなラインナップになった。
まずは麻製のシートを出し、その上に装備を全部自宅から取寄魔法で持ち込む。柳製のサンシェードのポールの脚4か所に添付のロープを引っ掛ければクロス式のドームテントと同じ要領でサンシェードが自立。
後はロープの端についたペグを土魔法併用で深く砂浜に押し込んでおけばいい。これで海辺の拠点完成だ。
「さて、それじゃ早速行ってくるか」
「交代で行こうよ。このボート引っ張って」
「私も行きます」
「参戦」
ミランダ、フィオナ、ナディアさん、ジュリアの4人が水上バイクとバナナボートを海へと引っ張っていく。
俺はボディボードでも試してみようかな。
「テディやサラはどうする?」
「私は最初は普通に泳いでみますわ」
「私もそうします」
そんな訳で俺はひとりボディボードを抱えて海へ。
うむ、この辺の海は波が小さいな。前世の日本での記憶と比べるとかなり。
そう言えばボリアスコの海も波はそれほどなかった。これで波に乗れるだろうか。
遠浅の海をひたすら沖へ向かう。遠浅すぎてなかなか深くなってくれない。かなり歩いてやっと腰程度。
あとはボードに腹ばいになってバタ足で進む。フィンが無いから速度は出ない。でも波が強くなく間隔も空いているので何とか進む。
もういいだろうと思った辺りで反転。沖側遠くに見える波に合わせるつもりで前を押さえるイメージしつつ少し待つ。波が近づいたところでバタ足開始。
失敗、あっさりと波が俺を追い抜かしていった。今の波が小さすぎたのかもしれない。再挑戦だ。
◇◇◇
何度も挑戦して、やっとそこそこ波に乗った感じがつかめてきた頃。沖からミランダ達が戻ってくるのが見えた。
俺も一度戻るかな。ボードに乗ったままバタバタと戻る。
気がつくともうボードの底が砂に着いていた。仕方なく立って、そこからは歩いて皆の方へ。
「どうだった、ボートの方は?」
「面白い位速いぞ、このゴーレム艇」
「引っ張っている時は後ろのボートの方が面白いかな。ゴーレム艇の方は急カーブしても何とかなるけれど、後ろの方は落とされそうになるから」
「速く走っても面白いですけれど、ゆっくり走って海の中を見てみるのも面白いです。沖までいくと魚が泳いでいたりしますから」
「ゴーレム艇だけにすると最高。ただ急ターン失敗して2回落ちた」
「ジュリアは何気にハードな運転するよな」
皆さん楽しかったらしい。
「この後どうする?」
「今何時くらいだろうね」
「ここですと鐘の音も聞こえませんわ」
何も目安がないからよくわからない。腕時計なんて無いしな。
「アシュ、魔法でどこかの時計を見ることは出来ないか?」
ミランダに言われて気づく。その方法があったと。しかし家の時計は朝ネジを巻いてこなかったから動いていない。
となると俺が思いつくのはラツィオの中央教会の水時計くらいだ。空間操作魔法で見ると……
「午後1時だ」
「思ったより時間が経っているね」
「ゴーレム車を買いに行ってから遊んでいるのでそんなものですわ」
「とりあえず昼食ですね」
一応食事入り自在袋は持ってきてある。
「ここで食べますか?」
「砂が入りそうだな。家の中の方がいいんじゃないか」
「そうですね。ゴーレム艇などはどうしますか?」
「アシュに別荘の庭にでも置いておいて貰おう。一応ここもプライベートビーチだけれど念のため。この拠点とボードはそのままでいいだろ」」
「はいはい」
それくらいは空間操作魔法でどうにでもなる。ゴーレム艇を見て認識して、ちょいと空間を曲げ重力で移動させるだけだ。
「この自在袋も部屋に入れておくぞ」
これで手荷物は無しだ。
「少しだけプールで泳いで入ればべたつきも気にならないよね」
「そうですね」
どっちにしろ通路なのでプールへ。龍2頭がふよふよと泳いでいるところへドボンと飛び込む。
水が海より冷たくて気持ちいい。深さもそこそこあって泳ぐならこっちの方がいい感じだ。
「こっちの方が水は気持ちいいですわ」
「確かにそうだよね」
海水のべたつきを落とすだけなのに、ミランダの奴は端まで泳いだりしている。
「これもいいな、気持ちいい」
「でもとりあえず昼食を食べてからにしませんか」
「そうだね」
プールから上がってさっと水魔法で乾かして別荘内へ。なお室内で水着というのはなかなか……なのだが誰も気にしない様子だ。
サラとジュリアが自在袋から昼食を出して並べ始める。
「お昼のメニューは冷たいトマトバジルパスタとジャガイモスープ、プリンです」
暑いしちょうどいいメニューだ。
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