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第15章 便利なゴーレム
第118話 まもなくのイベント
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ゴーレム関係は再びサラとフィオナが出張し、何とか話をつけてきた。
結論として、
○ 俺達が貰ってきた超小型ゴーレムを基本にして、オッタ―ビオさんが通話ゴーレムと魔法補助用ゴーレムのハードを制作
○ 通話ゴーレムを接続すればファクシミリ機能も追加可能になるように描画用ゴーレムのハードを同様にオッタ―ビオさんが制作
○ ソフトウェア側はフィオナがハード完成後にハードにあわせて制作の上、工房で複写
○ いずれも利益はこっちとオッタービオさんの工房で半分ずつ
という事になったそうだ。
どっちにしろ実物を作り始めるのは満足できる試作品が出来てから。だから販売されるのは冬以降になるだろう。
なおうちのメンバーにはそれぞれ小型ゴーレムを配布した。もちろん通話・移動魔法兼用で使えるフル機能の仕様。ただし俺はなしだ。
「アシュはどうせ自分の魔法で同じ事が出来るよね」
確かにフィオナの言う通りなのだが何か悲しい。
さて、もうひとつのイベントも迫ってきている。サラやジュリアが通っている学校の学園祭だ。
「明日の休養日は学校に行って麺やスープを作る予定です。ですのでまた製麺機をお借りしたいと思います。あと寸胴鍋をひとつ。一般家庭にはちょうどいい寸胴鍋が無いのでお借りしたいです」
確かに普通の家には寸胴鍋なんて無いよな。うちは人数多いし皆さん大食いだから使うけれど。
「問題ないだろう。寸胴はうちにあと2つあるしさ」
「だね。それより学園祭のお店、どの辺で営業しているのかな」
「ちょっと皆さんに来ていただくのは恥ずかしいので……」
「パンフレットこれ」
ジュリアが学園祭の地図入りパンフレット、しかもその地図にサラ達の売店がある場所に赤丸がつけてあるものを渡してくれる。
「あ、ジュリアってば」
「客が多いほど助かる」
恥ずかしいからあまり来て欲しくなさそうなサラと違い、ジュリアは積極的に来て欲しいようだ。
「いい場所じゃないか。校舎の中に入ってすぐの場所か」
「教室では一番人気。くじ運が良かった」
なるほど。
「行くならいつくらいがお勧めかな」
「最後の6の曜日は混むようです。ですからそれ以外がいいかなと思います」
「出来れば初日1の曜日の朝10時。ここで売れると士気が上がる」
この辺の台詞にも2人のスタンスの違いが出ている。
「ジュリアは売り上げ確保に熱心な感じだね」
「当然。やるからには全力」
「ポスターや立て看板等もジュリアが描いてくれたんです。更には個別配り用の割引券付きフライヤーまでジュリアの発案で作っています」
「でもそんなの配ったら割引券が無い人から不満が出ないかな」
「割引券は店の前でも配りますし、各テーブルにも置いておく予定です。それでも気づかないお客様には会計時にお渡しして使って貰います」
つまり実質割引値段で全員に販売する訳か。もちろん定価はあらかじめその分上げてあるのだろう。
「攻めるな、ジュリア」
「これくらいは当然」
フィオナが笑っている。
「ミランダみたいな事を考えるよね」
「確かに私もやりそうだな。絵は描けないけれど」
「いずれにせよ楽しみですわ」
確かにそうだな。
こういう機会に同世代の友人と今しか出来ない活動をして欲しいなと思う。そうでなくとも2人にはここで平日もお仕事して貰っているのだ。
もちろん本人達がそう望んでいるから。しかしこの期間くらいは仕事の事を考えないで思い切りやってほしい。
「そう言えば今年もそろそろ節税対策を考えないとね。計算してみたけれどこのままだとまずいよ」
「仕方ないから明日考えるか」
その辺はフィオナとミランダ、あとナディアさんに任せることにしよう。
俺も明日は用事がある。毎週休養日午前中はカーモリへ買い出しなのだ。俺の数少ない外出の楽しみだから中止するわけにはいかない。
◇◇◇
翌日の夕食。
本日から来週の6の曜日までの間、サラは料理当番から抜ける。だからとりあえず本日は俺が夕食当番だ。
メニューは例によって午前中にカーモリで爆買いしてきた魚介類尽くし。本日はカジキ、シイラ、サバ、アジ、イワシ、カキといったあたりがメインだ。
揃った魚の性質上、刺身より揚げ物や焼き物、煮物が多め。
まずはシイラのフライとカキフライを取り皿にとってたっぷりのタルタルソースをのせる。バルサミコ酢をかけるのも悪くはないのだが、俺自身はタルタルソース派だ。
「明日の準備はどうでしょうか?」
テディがサラ達に尋ねる。
「とりあえず明日と明後日分のスープと麺は仕込んでおきました。店の飾り付け等も出来ましたし、大丈夫だと思います」
「仕込みも万全」
どうもジュリアの台詞の仕込みというのは料理の仕込みとは違う意味に聞こえる。俺の気のせいだろうか。
「メニューはラーメンとつけ麺だっけ」
「ええそうです。出汁は鶏肉と豚肉、干し魚からそれぞれとってあわせています」
「ラーメンは白黒赤3種類、つけ麺は黒赤2種類。白が塩味、黒は魚醤と水飴の甘辛、赤は中間の味付けでトマト入り。トッピングは味玉、ほうれん草、ねぎ、焼き豚。追加可能なのは味玉、豚肉、ねぎだく、ニンニク。
全てサラ監修で味は保証済み。個人的お勧めはつけ麺の黒に味玉豚肉増し。でもラーメンの白ねぎだくニンニク増し豚肉増しも捨てがたい」
なるほど。なかなか美味しそう。いずれにせよ楽しみだ。
「明日は私がまず行きますわ」
「僕も行く予定だよ。研究室を回ってから行くから午後になるけれどね」
つまり明日は俺とナディアさんがお留守番という訳か。
学園祭中の昼食はそれぞれで勝手に食べることとなっている。何処かに食べに行ってもいいし、家の共用自在袋にも今までに作りためた料理が結構入っている。
無論学園祭で食べるというのもありだ。というかそれが目的というかメインなのだけれども。
結論として、
○ 俺達が貰ってきた超小型ゴーレムを基本にして、オッタ―ビオさんが通話ゴーレムと魔法補助用ゴーレムのハードを制作
○ 通話ゴーレムを接続すればファクシミリ機能も追加可能になるように描画用ゴーレムのハードを同様にオッタ―ビオさんが制作
○ ソフトウェア側はフィオナがハード完成後にハードにあわせて制作の上、工房で複写
○ いずれも利益はこっちとオッタービオさんの工房で半分ずつ
という事になったそうだ。
どっちにしろ実物を作り始めるのは満足できる試作品が出来てから。だから販売されるのは冬以降になるだろう。
なおうちのメンバーにはそれぞれ小型ゴーレムを配布した。もちろん通話・移動魔法兼用で使えるフル機能の仕様。ただし俺はなしだ。
「アシュはどうせ自分の魔法で同じ事が出来るよね」
確かにフィオナの言う通りなのだが何か悲しい。
さて、もうひとつのイベントも迫ってきている。サラやジュリアが通っている学校の学園祭だ。
「明日の休養日は学校に行って麺やスープを作る予定です。ですのでまた製麺機をお借りしたいと思います。あと寸胴鍋をひとつ。一般家庭にはちょうどいい寸胴鍋が無いのでお借りしたいです」
確かに普通の家には寸胴鍋なんて無いよな。うちは人数多いし皆さん大食いだから使うけれど。
「問題ないだろう。寸胴はうちにあと2つあるしさ」
「だね。それより学園祭のお店、どの辺で営業しているのかな」
「ちょっと皆さんに来ていただくのは恥ずかしいので……」
「パンフレットこれ」
ジュリアが学園祭の地図入りパンフレット、しかもその地図にサラ達の売店がある場所に赤丸がつけてあるものを渡してくれる。
「あ、ジュリアってば」
「客が多いほど助かる」
恥ずかしいからあまり来て欲しくなさそうなサラと違い、ジュリアは積極的に来て欲しいようだ。
「いい場所じゃないか。校舎の中に入ってすぐの場所か」
「教室では一番人気。くじ運が良かった」
なるほど。
「行くならいつくらいがお勧めかな」
「最後の6の曜日は混むようです。ですからそれ以外がいいかなと思います」
「出来れば初日1の曜日の朝10時。ここで売れると士気が上がる」
この辺の台詞にも2人のスタンスの違いが出ている。
「ジュリアは売り上げ確保に熱心な感じだね」
「当然。やるからには全力」
「ポスターや立て看板等もジュリアが描いてくれたんです。更には個別配り用の割引券付きフライヤーまでジュリアの発案で作っています」
「でもそんなの配ったら割引券が無い人から不満が出ないかな」
「割引券は店の前でも配りますし、各テーブルにも置いておく予定です。それでも気づかないお客様には会計時にお渡しして使って貰います」
つまり実質割引値段で全員に販売する訳か。もちろん定価はあらかじめその分上げてあるのだろう。
「攻めるな、ジュリア」
「これくらいは当然」
フィオナが笑っている。
「ミランダみたいな事を考えるよね」
「確かに私もやりそうだな。絵は描けないけれど」
「いずれにせよ楽しみですわ」
確かにそうだな。
こういう機会に同世代の友人と今しか出来ない活動をして欲しいなと思う。そうでなくとも2人にはここで平日もお仕事して貰っているのだ。
もちろん本人達がそう望んでいるから。しかしこの期間くらいは仕事の事を考えないで思い切りやってほしい。
「そう言えば今年もそろそろ節税対策を考えないとね。計算してみたけれどこのままだとまずいよ」
「仕方ないから明日考えるか」
その辺はフィオナとミランダ、あとナディアさんに任せることにしよう。
俺も明日は用事がある。毎週休養日午前中はカーモリへ買い出しなのだ。俺の数少ない外出の楽しみだから中止するわけにはいかない。
◇◇◇
翌日の夕食。
本日から来週の6の曜日までの間、サラは料理当番から抜ける。だからとりあえず本日は俺が夕食当番だ。
メニューは例によって午前中にカーモリで爆買いしてきた魚介類尽くし。本日はカジキ、シイラ、サバ、アジ、イワシ、カキといったあたりがメインだ。
揃った魚の性質上、刺身より揚げ物や焼き物、煮物が多め。
まずはシイラのフライとカキフライを取り皿にとってたっぷりのタルタルソースをのせる。バルサミコ酢をかけるのも悪くはないのだが、俺自身はタルタルソース派だ。
「明日の準備はどうでしょうか?」
テディがサラ達に尋ねる。
「とりあえず明日と明後日分のスープと麺は仕込んでおきました。店の飾り付け等も出来ましたし、大丈夫だと思います」
「仕込みも万全」
どうもジュリアの台詞の仕込みというのは料理の仕込みとは違う意味に聞こえる。俺の気のせいだろうか。
「メニューはラーメンとつけ麺だっけ」
「ええそうです。出汁は鶏肉と豚肉、干し魚からそれぞれとってあわせています」
「ラーメンは白黒赤3種類、つけ麺は黒赤2種類。白が塩味、黒は魚醤と水飴の甘辛、赤は中間の味付けでトマト入り。トッピングは味玉、ほうれん草、ねぎ、焼き豚。追加可能なのは味玉、豚肉、ねぎだく、ニンニク。
全てサラ監修で味は保証済み。個人的お勧めはつけ麺の黒に味玉豚肉増し。でもラーメンの白ねぎだくニンニク増し豚肉増しも捨てがたい」
なるほど。なかなか美味しそう。いずれにせよ楽しみだ。
「明日は私がまず行きますわ」
「僕も行く予定だよ。研究室を回ってから行くから午後になるけれどね」
つまり明日は俺とナディアさんがお留守番という訳か。
学園祭中の昼食はそれぞれで勝手に食べることとなっている。何処かに食べに行ってもいいし、家の共用自在袋にも今までに作りためた料理が結構入っている。
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