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安住の地を求める勇者とぬいぐるみ
勇者仲間 ②
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家族の甘言に乗って、自分で作った編みぐるみに名前を付けたら眩しくて目が開けられない状況になりました? ちょっと、ちょっと待って!
「桜? 菊華? 小次郎? そこにいるのか?」
兄の大声が向かい側から聞こえる。姉と小次郎の返答も聞こえ、みんな光に包まれる前の位置と変わりないようだ。
「はいはい! 菊華います!」
危ない。ちゃんと返事をしておかないと心配されてしまうわ。
私が返事するのと同時くらいに光が収まってきて、視界がクリアになった。そして、テーブルの上には動く編みぐるみのブランがびっくりしたように尻もちをついている。
「何か変なところとか、痛いところとかないか?」
兄は小次郎の体をペタペタと触り確認しているが、かわいいもの好きな小次郎はテーブルの上のブランを凝視している。あ……まさか、鑑定しているのかな? 期待に私と姉の喉がゴクリと鳴った。
「葵さん、僕は大丈夫。それより菊華ちゃん、この子を鑑定したら名前の欄にブランって。それで……能力も上がったみたい」
「え? マジで」
姉が言っていたことなんて信じてなかったけど、名前を付けたら強化されるなんてこと、あるの? あと、やっぱりこの子、オオカミだった?
名前 ブラン
レベル 3
HP 30/30
MP 15/15
水魔法 ←NEW
身体強化 ←NEW
お座り お手 伏せ ちょーだい
「魔法を覚えたってこと?」
私たちは小次郎が書いてくれたブランの鑑定結果を見て首を傾げた。確かにオークと戦っていたときは、物理で勝負していたから魔法は名付けで得た能力かもしれない。あと……レベルが低い。これってレベルが上がったら他の能力も上がるのかな?
こういうことに詳しいはずの姉は、ブランに「お手」「お座り」「ちょーだい」と芸をやらせて楽しんでいる。もうちょっと、緊張感を持って!
「菊華のレベルが上がれば、繋がっているこいつの能力も上がるかもしれないぞ。うちの攻撃は小次郎だけだったから、ブランが強くなったら心強いぞ!」
「お兄ちゃん……」
だから、ブランは私の魔力で動くので……ブランの稼働時間が長ければ長いほど、私が魔力切れで倒れる危険性が増すのよ?
「……僕ももっと鍛えるね」
私を気遣った小次郎がムンッと気合いの入った顔をするが、それよりも私たちは今の能力を知っておくべきでは?
「小次郎、私たちの鑑定もしてレベルとかわかる?」
「うん。前はわからなかったけど……今は見えるみたい」
もしかして、あの初心者ダンジョンでボスモンスターを倒したからか、小次郎の能力も上がっているのかも。以前では、名前と年齢、種族と大まかな項目しか鑑定できなかったのに、レベルやHP、MPの数値がわかるようになったとか。
「では、お願いします」
兄と一緒に小次郎へ頭を下げて、鑑定してもらいました。
名前 アオイ(橘 葵)
年齢 二九歳
レベル 3
HP 18/20
MP 25/30
生活魔法全般 レベル 5
長男
オカン
名前 サクラ(橘 桜)
年齢 二五歳
レベル 2
HP 12/15
MP 35/40
治癒魔法 レベル 3
長女
オタク
名前 キッカ(橘 菊華)
年齢 二一歳
レベル 4
HP 23/25
MP 30/50
手芸創作
次女
ブランの主
名前 コジロー
年齢 七歳
レベル 6
HP 32/50
MP 40/50
全属性魔法(封印中)
物理耐性・魔力耐性・精神耐性 レベル 2
勇者
聖剣所持者
小次郎に関してはまだまだ能力の項目があるらしいが、今は割愛する。ほとんどがまだ使えないらしいし、魔法も封印されていて、あるレベルに達すると解放される……あのアホ神の話では。小次郎の場合はレベルを上げることも大事だが、一番重要なのは成長すること。子どもに勇者のスキルは負担が重すぎるということだ。
「ずいぶん、HPとMPというのは個人差があるのね?」
一緒に異世界に来たのに、兄と姉とは能力の数値が微妙に違う。私のレベルが高いのは、初心者ダンジョンのボスモンスターに攻撃した分かも…攻撃したのはブランだけど、主人の私にも割り振られたんだ。ラッキー!
あと、能力の下に一言があるんだけど、長男長女はいいけどさ……。
「オカン……」
約一名、ダメージを受けている人がいます。オタクと表示された姉はノーダメージどころか、どこか得意げだ。
「ねえねえ、菊華ちゃん。やっぱりもう一個ぐらい編みぐるみを作ってみない?」
「う~ん、そうねぇ。でも毛糸買わないと」
小次郎だけが攻撃つーのは、確かに心もとない。ブランは水魔法が使えるし、身体強化ができればもっと強い物理攻撃も可能らしい。ここで、もう一体編みぐるみの戦力を増やすのは、とってもいい案だと思う。
「問題の魔力も、私はちょっと多いみたいだし」
橘家比較になるけれど、勇者の小次郎と同じってことは、レベルが上がればもっと増えるし、魔力が多い人ってこと確定よね? だったら、もう一個作ってみてもいいかも。
「じゃあ、毛糸を買いに行くか?」
「うん。……で、次は何を作ればいいの?」
流石にドラゴンとかは遠慮したいけど、移動を考えて馬とか、攻撃力を上げるために強そうな編みぐるみを創るのもいいよね?
「それはもちろん、白虎に青龍、朱雀に玄武で~」
姉の妄想は聞かなかったことにして、私たちは外出の準備をすることにした。
「桜? 菊華? 小次郎? そこにいるのか?」
兄の大声が向かい側から聞こえる。姉と小次郎の返答も聞こえ、みんな光に包まれる前の位置と変わりないようだ。
「はいはい! 菊華います!」
危ない。ちゃんと返事をしておかないと心配されてしまうわ。
私が返事するのと同時くらいに光が収まってきて、視界がクリアになった。そして、テーブルの上には動く編みぐるみのブランがびっくりしたように尻もちをついている。
「何か変なところとか、痛いところとかないか?」
兄は小次郎の体をペタペタと触り確認しているが、かわいいもの好きな小次郎はテーブルの上のブランを凝視している。あ……まさか、鑑定しているのかな? 期待に私と姉の喉がゴクリと鳴った。
「葵さん、僕は大丈夫。それより菊華ちゃん、この子を鑑定したら名前の欄にブランって。それで……能力も上がったみたい」
「え? マジで」
姉が言っていたことなんて信じてなかったけど、名前を付けたら強化されるなんてこと、あるの? あと、やっぱりこの子、オオカミだった?
名前 ブラン
レベル 3
HP 30/30
MP 15/15
水魔法 ←NEW
身体強化 ←NEW
お座り お手 伏せ ちょーだい
「魔法を覚えたってこと?」
私たちは小次郎が書いてくれたブランの鑑定結果を見て首を傾げた。確かにオークと戦っていたときは、物理で勝負していたから魔法は名付けで得た能力かもしれない。あと……レベルが低い。これってレベルが上がったら他の能力も上がるのかな?
こういうことに詳しいはずの姉は、ブランに「お手」「お座り」「ちょーだい」と芸をやらせて楽しんでいる。もうちょっと、緊張感を持って!
「菊華のレベルが上がれば、繋がっているこいつの能力も上がるかもしれないぞ。うちの攻撃は小次郎だけだったから、ブランが強くなったら心強いぞ!」
「お兄ちゃん……」
だから、ブランは私の魔力で動くので……ブランの稼働時間が長ければ長いほど、私が魔力切れで倒れる危険性が増すのよ?
「……僕ももっと鍛えるね」
私を気遣った小次郎がムンッと気合いの入った顔をするが、それよりも私たちは今の能力を知っておくべきでは?
「小次郎、私たちの鑑定もしてレベルとかわかる?」
「うん。前はわからなかったけど……今は見えるみたい」
もしかして、あの初心者ダンジョンでボスモンスターを倒したからか、小次郎の能力も上がっているのかも。以前では、名前と年齢、種族と大まかな項目しか鑑定できなかったのに、レベルやHP、MPの数値がわかるようになったとか。
「では、お願いします」
兄と一緒に小次郎へ頭を下げて、鑑定してもらいました。
名前 アオイ(橘 葵)
年齢 二九歳
レベル 3
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生活魔法全般 レベル 5
長男
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名前 サクラ(橘 桜)
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年齢 二一歳
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手芸創作
次女
ブランの主
名前 コジロー
年齢 七歳
レベル 6
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全属性魔法(封印中)
物理耐性・魔力耐性・精神耐性 レベル 2
勇者
聖剣所持者
小次郎に関してはまだまだ能力の項目があるらしいが、今は割愛する。ほとんどがまだ使えないらしいし、魔法も封印されていて、あるレベルに達すると解放される……あのアホ神の話では。小次郎の場合はレベルを上げることも大事だが、一番重要なのは成長すること。子どもに勇者のスキルは負担が重すぎるということだ。
「ずいぶん、HPとMPというのは個人差があるのね?」
一緒に異世界に来たのに、兄と姉とは能力の数値が微妙に違う。私のレベルが高いのは、初心者ダンジョンのボスモンスターに攻撃した分かも…攻撃したのはブランだけど、主人の私にも割り振られたんだ。ラッキー!
あと、能力の下に一言があるんだけど、長男長女はいいけどさ……。
「オカン……」
約一名、ダメージを受けている人がいます。オタクと表示された姉はノーダメージどころか、どこか得意げだ。
「ねえねえ、菊華ちゃん。やっぱりもう一個ぐらい編みぐるみを作ってみない?」
「う~ん、そうねぇ。でも毛糸買わないと」
小次郎だけが攻撃つーのは、確かに心もとない。ブランは水魔法が使えるし、身体強化ができればもっと強い物理攻撃も可能らしい。ここで、もう一体編みぐるみの戦力を増やすのは、とってもいい案だと思う。
「問題の魔力も、私はちょっと多いみたいだし」
橘家比較になるけれど、勇者の小次郎と同じってことは、レベルが上がればもっと増えるし、魔力が多い人ってこと確定よね? だったら、もう一個作ってみてもいいかも。
「じゃあ、毛糸を買いに行くか?」
「うん。……で、次は何を作ればいいの?」
流石にドラゴンとかは遠慮したいけど、移動を考えて馬とか、攻撃力を上げるために強そうな編みぐるみを創るのもいいよね?
「それはもちろん、白虎に青龍、朱雀に玄武で~」
姉の妄想は聞かなかったことにして、私たちは外出の準備をすることにした。
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