2 / 3
魔導士の覚悟と甘いひと時
しおりを挟む
短編
ゆらゆらと揺れるランタンと、暖かな暖炉の火。私はソファに腰掛けて、4人の夫と今後の作戦を立てていた。
「次のクエストはS級モンスターの討伐。状態異常が効く筋力タイプだから、エドの出番かな」
エドは私の膝に乗せた頭をぴくりと揺らす。
「えっと……アリシアがそういうなら、僕、頑張るね」
「ん、いい子だね」
私がすっと顎を撫でると、エドは嬉しそうに目を細める。
「頑張ったら……ご褒美に、たくさん撫でて欲しいな」
「……エド、お前甘えすぎじゃねぇ?」
背後から聞こえる不機嫌そうな声。そちらを向くとレオンがむすっとした顔でエドを見ている。
「えー、いいと思うけど。ご褒美あった方がやる気出るでしょ?」
「ふぅん……その理論でいくと、俺も頑張ったらご褒美がもらえるのかな?」
窓際でワイングラスを傾けるアレク。どこか茶化すような言い方をしているが、こちらに向けられた瞳はどこまでも熱っぽい。
「なら、誰がご褒美を貰えるか競争、と言ったところだね」
右側に腰掛けたギルは、面白そうにくすくすと笑う。
「どうやらレオンは褒美が欲しくないみたいだが……俺は面白そうだから参加したいな」
ギルは揶揄うように背後のレオンを見る。レオンはピクピクとこめかみを動かして、キッとギルをにらみつけた。
「べ、別に? 俺はご褒美なんていらねぇけど? そんなもんのために戦ってるわけじゃねえし?」
「じゃあ、レオンはご褒美いらないの?」
私の声に、レオンはぐっと息を呑む。
「お前がくれるっていうなら……まあ、もらってやらないことも、ないけど」
相変わらず、素直じゃないんだから。
でもそれが可愛くて、私は思わずふっと笑う。
「じゃあ明日は誰が一番活躍するか、競争だね」
私の一言で、部屋の空気がピンと張り詰めた。
「へぇ……まあ、一番になるのは俺だけどな?」
レオンの自身ありげな声が響く。
「それなら、俺も本気でいかせてもらうよ」
理知的なのにどこまでもよく深いギルの声が、鼓膜を揺らす。
「ふうん……お兄さんあんまり大人気ないことしたくないけど……みんながその気なら、やらざるを得ないよね?」
余裕を湛えたアレクの声が、空気を揺らす。
「ぼっ、僕も……ご褒美欲しい……!」
控えめに、エドがそう呟く。
「ふふ……明日、楽しみだね」
モチベーションが上がるのはいいことだ。どうせ戦うなら、楽しんでいかないと。
私はこの4人と一緒に、明日も戦う。
勇者になるという、その目標を果たすために。
この幸せを、壊さないために。
ゆらゆらと揺れるランタンと、暖かな暖炉の火。私はソファに腰掛けて、4人の夫と今後の作戦を立てていた。
「次のクエストはS級モンスターの討伐。状態異常が効く筋力タイプだから、エドの出番かな」
エドは私の膝に乗せた頭をぴくりと揺らす。
「えっと……アリシアがそういうなら、僕、頑張るね」
「ん、いい子だね」
私がすっと顎を撫でると、エドは嬉しそうに目を細める。
「頑張ったら……ご褒美に、たくさん撫でて欲しいな」
「……エド、お前甘えすぎじゃねぇ?」
背後から聞こえる不機嫌そうな声。そちらを向くとレオンがむすっとした顔でエドを見ている。
「えー、いいと思うけど。ご褒美あった方がやる気出るでしょ?」
「ふぅん……その理論でいくと、俺も頑張ったらご褒美がもらえるのかな?」
窓際でワイングラスを傾けるアレク。どこか茶化すような言い方をしているが、こちらに向けられた瞳はどこまでも熱っぽい。
「なら、誰がご褒美を貰えるか競争、と言ったところだね」
右側に腰掛けたギルは、面白そうにくすくすと笑う。
「どうやらレオンは褒美が欲しくないみたいだが……俺は面白そうだから参加したいな」
ギルは揶揄うように背後のレオンを見る。レオンはピクピクとこめかみを動かして、キッとギルをにらみつけた。
「べ、別に? 俺はご褒美なんていらねぇけど? そんなもんのために戦ってるわけじゃねえし?」
「じゃあ、レオンはご褒美いらないの?」
私の声に、レオンはぐっと息を呑む。
「お前がくれるっていうなら……まあ、もらってやらないことも、ないけど」
相変わらず、素直じゃないんだから。
でもそれが可愛くて、私は思わずふっと笑う。
「じゃあ明日は誰が一番活躍するか、競争だね」
私の一言で、部屋の空気がピンと張り詰めた。
「へぇ……まあ、一番になるのは俺だけどな?」
レオンの自身ありげな声が響く。
「それなら、俺も本気でいかせてもらうよ」
理知的なのにどこまでもよく深いギルの声が、鼓膜を揺らす。
「ふうん……お兄さんあんまり大人気ないことしたくないけど……みんながその気なら、やらざるを得ないよね?」
余裕を湛えたアレクの声が、空気を揺らす。
「ぼっ、僕も……ご褒美欲しい……!」
控えめに、エドがそう呟く。
「ふふ……明日、楽しみだね」
モチベーションが上がるのはいいことだ。どうせ戦うなら、楽しんでいかないと。
私はこの4人と一緒に、明日も戦う。
勇者になるという、その目標を果たすために。
この幸せを、壊さないために。
10
あなたにおすすめの小説
転生したら4人のヤンデレ彼氏に溺愛される日々が待っていた。
aika
恋愛
主人公まゆは冴えないOL。
ある日ちょっとした事故で命を落とし転生したら・・・
4人のイケメン俳優たちと同棲するという神展開が待っていた。
それぞれタイプの違うイケメンたちに囲まれながら、
生活することになったまゆだが、彼らはまゆを溺愛するあまり
どんどんヤンデレ男になっていき・・・・
ヤンデレ、溺愛、執着、取り合い・・・♡
何でもありのドタバタ恋愛逆ハーレムコメディです。
甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜
具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」
居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。
幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。
そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。
しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。
そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。
盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。
※表紙はAIです
美醜逆転世界でお姫様は超絶美形な従者に目を付ける
朝比奈
恋愛
ある世界に『ティーラン』と言う、まだ、歴史の浅い小さな王国がありました。『ティーラン王国』には、王子様とお姫様がいました。
お姫様の名前はアリス・ラメ・ティーラン
絶世の美女を母に持つ、母親にの美しいお姫様でした。彼女は小国の姫でありながら多くの国の王子様や貴族様から求婚を受けていました。けれども、彼女は20歳になった今、婚約者もいない。浮いた話一つ無い、お姫様でした。
「ねぇ、ルイ。 私と駆け落ちしましょう?」
「えっ!? ええぇぇえええ!!!」
この話はそんなお姫様と従者である─ ルイ・ブリースの恋のお話。
【完結】秀才の男装治療師が女性恐怖症のわんこ弟子に溺愛されるまで
禅
恋愛
「神に祈るだけで曖昧にしか治らない。そんなものは治療とは言わない」
男尊女卑が強い国で、女であることを隠し、独自の魔法を使いトップクラスの治療師となり治療をしていたクリス。
ある日、新人のルドがやってきて教育係を押し付けられる。ルドは魔法騎士団のエースだが治療魔法が一切使えない。しかも、女性恐怖症。
それでも治療魔法が使えるようになりたいと懇願するルドに根負けしたクリスは特別な治療魔法を教える。
クリスを男だと思い込み、純粋に師匠として慕ってくるルド。
そんなルドに振り回されるクリス。
こんな二人が無自覚両片思いになり、両思いになるまでの話。
※最初の頃はガチ医療系、徐々に恋愛成分多めになっていきます
※主人公は現代に近い医学知識を使いますが、転生者ではありません
※一部変更&数話追加してます(11/24現在)
※※小説家になろうで完結まで掲載
改稿して投稿していきます
狼隊長さんは、私のやわはだのトリコになりました。
汐瀬うに
恋愛
目が覚めたら、そこは獣人たちの国だった。
元看護師の百合は、この世界では珍しい“ヒト”として、狐の婆さんが仕切る風呂屋で働くことになる。
与えられた仕事は、獣人のお客を湯に通し、その体を洗ってもてなすこと。
本来ならこの先にあるはずの行為まで求められてもおかしくないのに、百合の素肌で背中を撫でられた獣人たちは、皆ふわふわの毛皮を揺らして眠りに落ちてしまうのだった。
人間の肌は、獣人にとって子犬の毛並みのようなもの――そう気づいた時には、百合は「眠りを売る“やわはだ嬢”」として静かな人気者になっていた。
そんな百合の元へある日、一つの依頼が舞い込む。
「眠れない狼隊長を、あんたの手で眠らせてやってほしい」
戦場の静けさに怯え、目を閉じれば仲間の最期がよみがえる狼隊長ライガ。
誰よりも強くあろうとする男の震えに触れた百合は、自分もまた失った人を忘れられずにいることを思い出す。
やわらかな人肌と、眠れない心。
静けさを怖がるふたりが、湯気の向こうで少しずつ寄り添っていく、獣人×ヒトの異世界恋愛譚。
[こちらは以前あげていた「やわはだの、お風呂やさん」の改稿ver.になります]
転生先は男女比50:1の世界!?
4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。
「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」
デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・
どうなる!?学園生活!!
一夜限りの関係だったはずなのに、責任を取れと迫られてます。
甘寧
恋愛
魔女であるシャルロッテは、偉才と呼ばれる魔導師ルイースとひょんなことから身体の関係を持ってしまう。
だがそれはお互いに同意の上で一夜限りという約束だった。
それなのに、ルイースはシャルロッテの元を訪れ「責任を取ってもらう」と言い出した。
後腐れのない関係を好むシャルロッテは、何とかして逃げようと考える。しかし、逃げれば逃げるだけ愛が重くなっていくルイース…
身体から始まる恋愛模様◎
※タイトル一部変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる