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侍女に隅々まで洗われて泣きそうになった僕は、最後の準備は自分ですると言って許してもらった。香油も薔薇の香りのものが用意されている。こちらは、ダマスクローズの精油を使ったものだ。
広い寝台で、生地が薄くて布の少ない、頼りない寝間着を着たままパトリック殿下を待つ。淡い青紫色のそれは、ひもを引っ張れば簡単に脱げてしまう仕組みになっている。
恥ずかしい。心臓の鼓動が激しい。
やがて扉は開かれ、黒い髪に淡い青紫色の瞳をした美しい人が現れた。
パトリック殿下……パットは僕が腰かけている寝台の隣に座ると、片手で僕の腰を抱き、もう片方の手で、僕の手を握った。
「エティ、待たせたね。でも、わたしがここまで待った時間に比べれば、短いものだよね」
パットは蕩けるような微笑みを浮かべると、僕の唇に触れるだけの口付けをした。
「お手柔らかにお願いします……」
「それは、可愛いエティのお願いでも約束できないな」
パットはそう言うと、再び僕の唇を塞いだ。そのまま唇を舐め、僕の背中を撫でながら、舌で唇をこじ開ける。
パットの舌が、僕の口の中で暴れる。歯列を舐め、上顎を擦り、舌を絡めて自分の口の中へ僕の舌を招き入れて、軽く噛み、舌を吸いあげる。くちゅくちという水音しか聞こえない世界で僕は、自分の頭の中がどんどん溶けていくような気持ちになる。
ようやく、唇が解放されたときには、僕はくらくらになっていた。
「ふふ、気持ちよかった?」
「うん、パット……」
「エティ……可愛いね……」
パットはそのまま僕を寝台に横たえると、寝間着のひもを引いて、胸元をあらわにした。
「エティのちっちゃいここ、綺麗な色だ」
そう言ってパットは僕の乳首を摘まみ、こねまわした。
「ひゃ……ああっ」
思わず声を上げる僕の顔を見て妖艶に微笑んだパットは、僕の耳を舐めながら乳首を摘まんだり弾いたりする。むずむずとした気持ちよさに声がとまらない。
「ああん、パット、パットぉ……」
僕の腰が揺れて、下腹に熱が溜まっていく。やがて自己主張をし始めた僕の中心をパットはするりと撫でた。
「ひああっ」
「エティ、気持ちよさそうだね……良かった……」
そのままパットは僕の中心を掴むと扱き始める。
片方の乳首を摘ままれ、もう片方の乳首を舐められ、舌で転がされる。こんな気持ちよさは初めてだ。
ああ、出る、出てしまう。
「パット、だめ、だめええ、……いっちゃうぅ」
「いいよっ……出してっ」
僕は自分の白濁を吐き出した。
精を最後まで搾り取るように、パットが僕を扱き上げる。
「……あああ」
「上手にできたね」
気持ちよくて体に力が入らない。でも、でも……
「僕も、僕もパットのする……」
既に立ち上がっている、パットの剛直に手を伸ばそうとすると、止められた。
「今日はわたしがエティを可愛がりたいのだ。次はここを可愛がりたい」
パットはそう言うと、僕の後孔をとんとんと叩いた。
ダマスクローズの香りが、寝室に満ちている。
パットの香油を纏わせた指が僕の中に入り、解していく。
「あう……」
「もっと力を抜いて」
痛いといけないと言って、前を触りながら解されて僕の中のある場所をパットが押すと、体がピクリと跳ねた。
「エティのいいところはここだね」
パットは嬉しそうにそう言うと、僕の中に入れる指を増やしながら、その場所を何度も擦ったり押したりする。そのたびに僕の体は跳ね、今までにない感覚が背骨を駆けあがってくる。
気持ちいい……
長い時間かけて解され、僕はとろとろに蕩けている。ぼんやりとした意識の中でパットが僕の口の中を弄るように口付けをしてくれた。
「そろそろよさそうだ。やっと、エティとひとつになれる……」
パットはそう言うと、僕の両足を抱え上げ、後孔に剛直を宛がった。
「エティの中に入るね……」
その声とともに、僕の体の中にパットの剛直が入って来る。ゆっくりと、確かめるように中へ侵入してくる。
欲に満ちたパットの顔から、汗がぽたぽたと僕の胸に滴り落ちる。『氷晶の王子殿下』がこんな顔をしているのだと思ったらなんだか楽しくなって、笑ってしまった。
「エティ、余裕があるようだね……」
パットはそう言って微笑むと、僕の体の奥まで、剛直を一気に進めた。
「ああああああああああっ!」
「エティ、気持ちいいよっ……搾り取られるみたいだ」
パットが僕の気持ちいいところを擦りながら、剛直を抜き差しする。
「ああんっ……あんっあんっ……パット、パットぉ……すき、すき」
「エティ、可愛いっ……愛しているっ……エティ、エティっ」
揺すられながら抱きしめられて、パットの温かい肌を感じて満たされた気持ちになる。ひとつになるということはこんなに素晴らしいことなのか。
そこから僕はパットに揺さぶられ、中を擦られ、何度も何度も絶頂へ導かれた。
愛する人と触れ合う気持ちよさの中で、僕は意識を手放した。
◇◇◇
朝、目が覚めると、淡い青紫色の瞳が僕を覗き込んでいた。
パットの幸せそうな顔を見て、僕もこんな顔をしているのだろうと思う。
「愛しているよ。エティ」
「パット、僕も愛している……」
寝室の窓の向こうには『モン・パトリック』と『エティエンヌ』が、仲良く咲き誇っている。
幸せな香りをまき散らしながら。
(終)
広い寝台で、生地が薄くて布の少ない、頼りない寝間着を着たままパトリック殿下を待つ。淡い青紫色のそれは、ひもを引っ張れば簡単に脱げてしまう仕組みになっている。
恥ずかしい。心臓の鼓動が激しい。
やがて扉は開かれ、黒い髪に淡い青紫色の瞳をした美しい人が現れた。
パトリック殿下……パットは僕が腰かけている寝台の隣に座ると、片手で僕の腰を抱き、もう片方の手で、僕の手を握った。
「エティ、待たせたね。でも、わたしがここまで待った時間に比べれば、短いものだよね」
パットは蕩けるような微笑みを浮かべると、僕の唇に触れるだけの口付けをした。
「お手柔らかにお願いします……」
「それは、可愛いエティのお願いでも約束できないな」
パットはそう言うと、再び僕の唇を塞いだ。そのまま唇を舐め、僕の背中を撫でながら、舌で唇をこじ開ける。
パットの舌が、僕の口の中で暴れる。歯列を舐め、上顎を擦り、舌を絡めて自分の口の中へ僕の舌を招き入れて、軽く噛み、舌を吸いあげる。くちゅくちという水音しか聞こえない世界で僕は、自分の頭の中がどんどん溶けていくような気持ちになる。
ようやく、唇が解放されたときには、僕はくらくらになっていた。
「ふふ、気持ちよかった?」
「うん、パット……」
「エティ……可愛いね……」
パットはそのまま僕を寝台に横たえると、寝間着のひもを引いて、胸元をあらわにした。
「エティのちっちゃいここ、綺麗な色だ」
そう言ってパットは僕の乳首を摘まみ、こねまわした。
「ひゃ……ああっ」
思わず声を上げる僕の顔を見て妖艶に微笑んだパットは、僕の耳を舐めながら乳首を摘まんだり弾いたりする。むずむずとした気持ちよさに声がとまらない。
「ああん、パット、パットぉ……」
僕の腰が揺れて、下腹に熱が溜まっていく。やがて自己主張をし始めた僕の中心をパットはするりと撫でた。
「ひああっ」
「エティ、気持ちよさそうだね……良かった……」
そのままパットは僕の中心を掴むと扱き始める。
片方の乳首を摘ままれ、もう片方の乳首を舐められ、舌で転がされる。こんな気持ちよさは初めてだ。
ああ、出る、出てしまう。
「パット、だめ、だめええ、……いっちゃうぅ」
「いいよっ……出してっ」
僕は自分の白濁を吐き出した。
精を最後まで搾り取るように、パットが僕を扱き上げる。
「……あああ」
「上手にできたね」
気持ちよくて体に力が入らない。でも、でも……
「僕も、僕もパットのする……」
既に立ち上がっている、パットの剛直に手を伸ばそうとすると、止められた。
「今日はわたしがエティを可愛がりたいのだ。次はここを可愛がりたい」
パットはそう言うと、僕の後孔をとんとんと叩いた。
ダマスクローズの香りが、寝室に満ちている。
パットの香油を纏わせた指が僕の中に入り、解していく。
「あう……」
「もっと力を抜いて」
痛いといけないと言って、前を触りながら解されて僕の中のある場所をパットが押すと、体がピクリと跳ねた。
「エティのいいところはここだね」
パットは嬉しそうにそう言うと、僕の中に入れる指を増やしながら、その場所を何度も擦ったり押したりする。そのたびに僕の体は跳ね、今までにない感覚が背骨を駆けあがってくる。
気持ちいい……
長い時間かけて解され、僕はとろとろに蕩けている。ぼんやりとした意識の中でパットが僕の口の中を弄るように口付けをしてくれた。
「そろそろよさそうだ。やっと、エティとひとつになれる……」
パットはそう言うと、僕の両足を抱え上げ、後孔に剛直を宛がった。
「エティの中に入るね……」
その声とともに、僕の体の中にパットの剛直が入って来る。ゆっくりと、確かめるように中へ侵入してくる。
欲に満ちたパットの顔から、汗がぽたぽたと僕の胸に滴り落ちる。『氷晶の王子殿下』がこんな顔をしているのだと思ったらなんだか楽しくなって、笑ってしまった。
「エティ、余裕があるようだね……」
パットはそう言って微笑むと、僕の体の奥まで、剛直を一気に進めた。
「ああああああああああっ!」
「エティ、気持ちいいよっ……搾り取られるみたいだ」
パットが僕の気持ちいいところを擦りながら、剛直を抜き差しする。
「ああんっ……あんっあんっ……パット、パットぉ……すき、すき」
「エティ、可愛いっ……愛しているっ……エティ、エティっ」
揺すられながら抱きしめられて、パットの温かい肌を感じて満たされた気持ちになる。ひとつになるということはこんなに素晴らしいことなのか。
そこから僕はパットに揺さぶられ、中を擦られ、何度も何度も絶頂へ導かれた。
愛する人と触れ合う気持ちよさの中で、僕は意識を手放した。
◇◇◇
朝、目が覚めると、淡い青紫色の瞳が僕を覗き込んでいた。
パットの幸せそうな顔を見て、僕もこんな顔をしているのだろうと思う。
「愛しているよ。エティ」
「パット、僕も愛している……」
寝室の窓の向こうには『モン・パトリック』と『エティエンヌ』が、仲良く咲き誇っている。
幸せな香りをまき散らしながら。
(終)
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