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時の流れは早くてよ
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ルアンナの事件があったのも既に六年前になりましたわ。時の流れるのは早いものですわね。
私、フィエナは十一歳になりましたのよ。もうすっかり体も大人になってきましたわ。
ただ、五歳の時と比べると何かと行事にも付き添わないといけなくなりましてね。実際、かなり忙しくなりましたわ。
「フィエナお嬢様!今日は早めにお帰りくださいね!夕方にはシュラード帝国のカプリコ公爵が到着しますからね!」
「はいはい、エリナ。努力いたしますわ!」
まったく。カプリコ公なんて私には関係ありませんわ。
カプリコって人は、それはそれは驚く程にトカゲみたいな顔をしておりますのよ!最初見た時は、虫籠に放り込んでやりたいと思いましたわ。
そんな人の相手はアストレアにでもやらせておけば良いのよ!どうせ狙いは息子と私の婚約でしょ。
正式ではないにしろ、婚約者がいると言っている女を堂々とかっさらおうっていうのだから。さすが帝国の人間ですわよね。
私は興味ないし、忙しいのよ。
息子も、まぁトカゲ顔ですし。まさに虫が寄ってくるってやつですわね。去っておしまい!シッシッ!
お父様もお母様も社交辞令が過ぎるから、しつこく付きまとわれるのよ!
来年にはブラントンと正式に婚約するし。それまでの辛抱ですわね。
「老師!パンタ老師!?……ったく。どこ行ったのよ!あのクソジジイ!」
「クソジジイとは何じゃ、フィエナ!言葉使いに気を付けろと何度言えば……」
ぎょぎょっ!相変わらず気配が感じないですわね。急に現れないでほしいですわ。心臓が飛び出るわよ!
このパンタって老人は、もう齢六十五にもなるというのに武術の達人だけあって、気配を消して生活しているそうですわ。
「王家の令嬢だろうが何だろうが、ワシが師であるからには暴言は許されんぞフィエナ」
「わ、わかってますわ。今日は時間が限られてますの!早く稽古を始めてくださいな」
実は私。六歳から十一歳の今まで、かれこれ五年程。このパンタって人に武術を習ってますのよ。
五歳の時にミレーナとルアンナの戦いっぷりを見てから、私も自分を守れるくらいは強くならなければと思いましたの。
まぁ、そりゃ最初は猛反対を受けましたわ。
「女の子が格闘技なんて」とか「強い女は敬遠される」とか「筋肉がついて、レディがヘビィになっちまう」とか……あぁ最後のはバカなアストレアのつまらないジョークでしたわね。
まぁとにかく、酷い反対意見ばかりでしたわね。結局、最後にはミレーナが説得してくれたから今があるのですわ。
◇◇◇◇◇
「今日の所はこんなものじゃろう。王家の令嬢がそんなに鍛えて何がしたいのか知らんが、お主もなかなか根性があるのぉ」
「備えあれば憂い無し!どなたかが言ってましたの」
「ふむ。まぁ良いが。ところであの子は元気か?第一王子の息子の……ほれ。アズミルだったか」
「えぇ。元気過ぎるけど、なぜ?」
そうそう。結局ミレーナはアストレアと結婚しましたのよ。
ミレーナにも色々と思う所があったらしく、流産をキッカケに一旦は彼女から婚約解消の話も出たようですが。
アストレアが泣きついたみたいですわね。一国の王子なのに笑えない話ですわ。
アストレアは二度とミレーナが離れないように既成事実を作りたかったようで、彼に流されるままミレーナは再び妊娠して結婚は強行されましたのよ。
あらまぁって感じですわ。
前世でメリアンナが階段を落ちた後、二人の間に何があったのかも結局詳しい事は分からなかったけれど。
こうなると、やっぱり最初からアストレアがミレーナにゾッコンだったのかしら?
今となっては例え死んでいなくとも、私はあんなバカ王子と結婚しなくて良かったと心から思えますわ。
話が逸れましたわね。
で。二人は結婚して直ぐに男の子を出産したのですわ。
ちゃっかり男の子仕込んでから正式に王太子夫妻となるのですから優秀ですわね。あぁ、これは皮肉ですわよ。
そして産まれた子が、アズミルと名付けられたけど。
現在四歳でこれがまた、とんでもないクソガキで私も引いてしまう程なのですわ。
「いや。あの子を一目見た時、絶対に武術の才能があると思っての」
「そう。では教えてあげたらどうですの?もっともまだ小さいから外には簡単に出れないと思いますが。あぁ、とりあえず私は行きますわ。ではまた、ごきげんよう」
「まったく。お主も生意気になりおったの」
私だっていつまでも子供のフリは疲れるのよ。元々大人なんだから仕方ないわよね。
それはそうと私、アズミルの事は正直苦手なのですわ。
なぜかってアズミルは私に必要以上に執着するのだもの。
かと思えば自分の父親であるアストレアには、産まれた時から全く懐かないのですわよ。笑ってしまいますわね。
彼にしてみれば、父親に全く懐かない子供なんてショックでしかないでしょうね。しかも王太子という立場であれば世間の目もあるし余計ですわ。
私がメリアンナを捨てて復讐をやめても、神様からの罰はまだまだ止まらないのですかね。プププッ。
ってほら。噂をすればアズミルがいるじゃない。不運だわ。
「フィエナ!どこ行ってたの?僕、さみしかったよ」
「稽古ですわアズミル。私、今からちょっと湯浴みに行ってきますわね」
「じゃあ僕も行くよ」
ほらほら!こういう所が苦手なのよ。アズミルは、やたら私に付きまとうのよね。大体、子供だからって男性が女性と一緒に湯浴みするのは控えてほしいわ。
まぁこれも、普通の四歳児相手なら思わない事なのでしょうけどね。普通なら!ですわよ。
「フィエナ。オッパイやわかいね」
「ちょ……もう……揉まないの!アズミル!そういう事は大人になってからやりなさい!」
いえ、大人になってからやっても問題ですけど。
こういう所が普通の四歳児の行動じゃないのですわ!アズミルはそのうち問題を起こしそうで怖いですわね。
四歳の男の子が女性に興味を持つのは早すぎじゃなくて?女好きなのは父親ソックリですのね。
「僕は大きくなったら絶対にフィエナと結婚するよ!」
「だから言ってますでしょ。私は売約済みですのよ」
「あのブラントンって人?僕の方が絶対にいいよ」
敵意剥き出しじゃないの。本当に面倒くさいのよね。去年もクリムゾア王国の宮殿でブラントンに唾吐いちゃって。さすがのアストレアも大恥で赤面してましたわね。
「アズミル。あなたは時期国王の息子。つまりこの国の王子なのよ!婚約者は、もっとゆっくり探しなさいな」
「僕はフィエナが良いんだよ」
そう笑顔で言われましてもね。昔のブラントンを思いだしますわ。まぁ昔のブラントン以上に可愛くない子供ですけれども。
しかし、何故アズミルはアストレアには懐かないのかしら?何か神の啓示でも貰っているのかしらね。くわばら。くわばら。
「さぁ。私はあがりますわよ」
「フィエナは本当に綺麗な体をしてるね」
一瞬、背筋が凍りましたわ!本当にアズミルは突然気持ち悪い事言いますのよ。むり。むり。
ふぅ……すっかり遅くなってしまいましたわね。あら、既にトカゲの親子が来てるじゃないの。
「お久しぶりですわ。カプリコ公。ついでに……ハウルス様も」
「これはフィエナ嬢。相変わらずその歳で薔薇の様に美しいですな」
「フィエナは相変わらずの毒舌だね、アハハ」
フンッ!何がアハハよ。薔薇のトゲは、いつだって無自覚に人を傷つけるものですわ。
相変わらず私がどんなに毒を吐いても、この親子はひょうひょうとしてますのね。気に入らないわ。そして気持ち悪いわ。
公爵の息子、ハウルスは既に二十歳ですのよ。
二十歳で、十一歳の私に求婚してくるなんて完全にロリコンだわね!
「本日は遠路遥々パルムドンまで、お茶でも飲みにいらしたのかしら?」
「フィエナ!お二人に失礼ですよ!」
お母様は相変わらずカプリコには腰が低いのね。帝国の公爵が何だって言うのよ!帝国なんてパルムドンより少し大きいだけじゃない……ほんの数倍だけ。そうね……ちょっとだわ。
「いえいえ。心配には及びません。わたしも息子もフィエナ嬢のこういう裏表のない部分が気に入っているのですからね」
「そうよお母様。私には既にブラントンという一応の婚約者がいるの。望み薄い話で何度も足を運ばせては逆にご迷惑だろうと思い、ハッキリと伝えてますのよ」
「いやいや、フィエナ嬢。今日はアストレア皇太子殿下に会いに来たのだよ」
あら。そう。私ったら、自意識過剰な女だと思われてしまいましたわね。まぁ、それでもよろしくてよ。
「それはそれは結構ですわね。それでは、私はこれにて失礼いたしますわね」
「フィエナ!もちろん僕は君の事は諦めてないからね!」
あー、はいはい。きもい。きもい。
手くらいは振っておいてあげますわ。はい、ヒラヒラ~。はぁ……本当に疲れるわね。
そもそも朝、メイドのエリナが早く帰れって言ったから帰ってきましたのに。全く意味なかったじゃないの。きっとエリナも勘違いしていたのね。
後で、笑って話してあげましょう。
この国は正式な婚約が十二歳からと決まっているからまだ良いけど。他の国だともっと小さな頃からこんな男女問題が付きまとうのかしらね。イヤだわ。
とっとと結婚してやろうかしら。
ところであのトカゲ親子とアストレアが何の話をしに来たのかしらね?
まぁトカゲとバカ王子の会話にさして興味はありませんけど。
私、フィエナは十一歳になりましたのよ。もうすっかり体も大人になってきましたわ。
ただ、五歳の時と比べると何かと行事にも付き添わないといけなくなりましてね。実際、かなり忙しくなりましたわ。
「フィエナお嬢様!今日は早めにお帰りくださいね!夕方にはシュラード帝国のカプリコ公爵が到着しますからね!」
「はいはい、エリナ。努力いたしますわ!」
まったく。カプリコ公なんて私には関係ありませんわ。
カプリコって人は、それはそれは驚く程にトカゲみたいな顔をしておりますのよ!最初見た時は、虫籠に放り込んでやりたいと思いましたわ。
そんな人の相手はアストレアにでもやらせておけば良いのよ!どうせ狙いは息子と私の婚約でしょ。
正式ではないにしろ、婚約者がいると言っている女を堂々とかっさらおうっていうのだから。さすが帝国の人間ですわよね。
私は興味ないし、忙しいのよ。
息子も、まぁトカゲ顔ですし。まさに虫が寄ってくるってやつですわね。去っておしまい!シッシッ!
お父様もお母様も社交辞令が過ぎるから、しつこく付きまとわれるのよ!
来年にはブラントンと正式に婚約するし。それまでの辛抱ですわね。
「老師!パンタ老師!?……ったく。どこ行ったのよ!あのクソジジイ!」
「クソジジイとは何じゃ、フィエナ!言葉使いに気を付けろと何度言えば……」
ぎょぎょっ!相変わらず気配が感じないですわね。急に現れないでほしいですわ。心臓が飛び出るわよ!
このパンタって老人は、もう齢六十五にもなるというのに武術の達人だけあって、気配を消して生活しているそうですわ。
「王家の令嬢だろうが何だろうが、ワシが師であるからには暴言は許されんぞフィエナ」
「わ、わかってますわ。今日は時間が限られてますの!早く稽古を始めてくださいな」
実は私。六歳から十一歳の今まで、かれこれ五年程。このパンタって人に武術を習ってますのよ。
五歳の時にミレーナとルアンナの戦いっぷりを見てから、私も自分を守れるくらいは強くならなければと思いましたの。
まぁ、そりゃ最初は猛反対を受けましたわ。
「女の子が格闘技なんて」とか「強い女は敬遠される」とか「筋肉がついて、レディがヘビィになっちまう」とか……あぁ最後のはバカなアストレアのつまらないジョークでしたわね。
まぁとにかく、酷い反対意見ばかりでしたわね。結局、最後にはミレーナが説得してくれたから今があるのですわ。
◇◇◇◇◇
「今日の所はこんなものじゃろう。王家の令嬢がそんなに鍛えて何がしたいのか知らんが、お主もなかなか根性があるのぉ」
「備えあれば憂い無し!どなたかが言ってましたの」
「ふむ。まぁ良いが。ところであの子は元気か?第一王子の息子の……ほれ。アズミルだったか」
「えぇ。元気過ぎるけど、なぜ?」
そうそう。結局ミレーナはアストレアと結婚しましたのよ。
ミレーナにも色々と思う所があったらしく、流産をキッカケに一旦は彼女から婚約解消の話も出たようですが。
アストレアが泣きついたみたいですわね。一国の王子なのに笑えない話ですわ。
アストレアは二度とミレーナが離れないように既成事実を作りたかったようで、彼に流されるままミレーナは再び妊娠して結婚は強行されましたのよ。
あらまぁって感じですわ。
前世でメリアンナが階段を落ちた後、二人の間に何があったのかも結局詳しい事は分からなかったけれど。
こうなると、やっぱり最初からアストレアがミレーナにゾッコンだったのかしら?
今となっては例え死んでいなくとも、私はあんなバカ王子と結婚しなくて良かったと心から思えますわ。
話が逸れましたわね。
で。二人は結婚して直ぐに男の子を出産したのですわ。
ちゃっかり男の子仕込んでから正式に王太子夫妻となるのですから優秀ですわね。あぁ、これは皮肉ですわよ。
そして産まれた子が、アズミルと名付けられたけど。
現在四歳でこれがまた、とんでもないクソガキで私も引いてしまう程なのですわ。
「いや。あの子を一目見た時、絶対に武術の才能があると思っての」
「そう。では教えてあげたらどうですの?もっともまだ小さいから外には簡単に出れないと思いますが。あぁ、とりあえず私は行きますわ。ではまた、ごきげんよう」
「まったく。お主も生意気になりおったの」
私だっていつまでも子供のフリは疲れるのよ。元々大人なんだから仕方ないわよね。
それはそうと私、アズミルの事は正直苦手なのですわ。
なぜかってアズミルは私に必要以上に執着するのだもの。
かと思えば自分の父親であるアストレアには、産まれた時から全く懐かないのですわよ。笑ってしまいますわね。
彼にしてみれば、父親に全く懐かない子供なんてショックでしかないでしょうね。しかも王太子という立場であれば世間の目もあるし余計ですわ。
私がメリアンナを捨てて復讐をやめても、神様からの罰はまだまだ止まらないのですかね。プププッ。
ってほら。噂をすればアズミルがいるじゃない。不運だわ。
「フィエナ!どこ行ってたの?僕、さみしかったよ」
「稽古ですわアズミル。私、今からちょっと湯浴みに行ってきますわね」
「じゃあ僕も行くよ」
ほらほら!こういう所が苦手なのよ。アズミルは、やたら私に付きまとうのよね。大体、子供だからって男性が女性と一緒に湯浴みするのは控えてほしいわ。
まぁこれも、普通の四歳児相手なら思わない事なのでしょうけどね。普通なら!ですわよ。
「フィエナ。オッパイやわかいね」
「ちょ……もう……揉まないの!アズミル!そういう事は大人になってからやりなさい!」
いえ、大人になってからやっても問題ですけど。
こういう所が普通の四歳児の行動じゃないのですわ!アズミルはそのうち問題を起こしそうで怖いですわね。
四歳の男の子が女性に興味を持つのは早すぎじゃなくて?女好きなのは父親ソックリですのね。
「僕は大きくなったら絶対にフィエナと結婚するよ!」
「だから言ってますでしょ。私は売約済みですのよ」
「あのブラントンって人?僕の方が絶対にいいよ」
敵意剥き出しじゃないの。本当に面倒くさいのよね。去年もクリムゾア王国の宮殿でブラントンに唾吐いちゃって。さすがのアストレアも大恥で赤面してましたわね。
「アズミル。あなたは時期国王の息子。つまりこの国の王子なのよ!婚約者は、もっとゆっくり探しなさいな」
「僕はフィエナが良いんだよ」
そう笑顔で言われましてもね。昔のブラントンを思いだしますわ。まぁ昔のブラントン以上に可愛くない子供ですけれども。
しかし、何故アズミルはアストレアには懐かないのかしら?何か神の啓示でも貰っているのかしらね。くわばら。くわばら。
「さぁ。私はあがりますわよ」
「フィエナは本当に綺麗な体をしてるね」
一瞬、背筋が凍りましたわ!本当にアズミルは突然気持ち悪い事言いますのよ。むり。むり。
ふぅ……すっかり遅くなってしまいましたわね。あら、既にトカゲの親子が来てるじゃないの。
「お久しぶりですわ。カプリコ公。ついでに……ハウルス様も」
「これはフィエナ嬢。相変わらずその歳で薔薇の様に美しいですな」
「フィエナは相変わらずの毒舌だね、アハハ」
フンッ!何がアハハよ。薔薇のトゲは、いつだって無自覚に人を傷つけるものですわ。
相変わらず私がどんなに毒を吐いても、この親子はひょうひょうとしてますのね。気に入らないわ。そして気持ち悪いわ。
公爵の息子、ハウルスは既に二十歳ですのよ。
二十歳で、十一歳の私に求婚してくるなんて完全にロリコンだわね!
「本日は遠路遥々パルムドンまで、お茶でも飲みにいらしたのかしら?」
「フィエナ!お二人に失礼ですよ!」
お母様は相変わらずカプリコには腰が低いのね。帝国の公爵が何だって言うのよ!帝国なんてパルムドンより少し大きいだけじゃない……ほんの数倍だけ。そうね……ちょっとだわ。
「いえいえ。心配には及びません。わたしも息子もフィエナ嬢のこういう裏表のない部分が気に入っているのですからね」
「そうよお母様。私には既にブラントンという一応の婚約者がいるの。望み薄い話で何度も足を運ばせては逆にご迷惑だろうと思い、ハッキリと伝えてますのよ」
「いやいや、フィエナ嬢。今日はアストレア皇太子殿下に会いに来たのだよ」
あら。そう。私ったら、自意識過剰な女だと思われてしまいましたわね。まぁ、それでもよろしくてよ。
「それはそれは結構ですわね。それでは、私はこれにて失礼いたしますわね」
「フィエナ!もちろん僕は君の事は諦めてないからね!」
あー、はいはい。きもい。きもい。
手くらいは振っておいてあげますわ。はい、ヒラヒラ~。はぁ……本当に疲れるわね。
そもそも朝、メイドのエリナが早く帰れって言ったから帰ってきましたのに。全く意味なかったじゃないの。きっとエリナも勘違いしていたのね。
後で、笑って話してあげましょう。
この国は正式な婚約が十二歳からと決まっているからまだ良いけど。他の国だともっと小さな頃からこんな男女問題が付きまとうのかしらね。イヤだわ。
とっとと結婚してやろうかしら。
ところであのトカゲ親子とアストレアが何の話をしに来たのかしらね?
まぁトカゲとバカ王子の会話にさして興味はありませんけど。
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