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地球滅亡予定日まで 残り30日 その2
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隕石衝突の一報はあまりのインパクトがあったために一時意識が遠のくほどだったが、
”記者の方々からの質問をどうぞ”という声でようやく現実に引き戻される。
「ど、どうしてこれまでこれほどの隕石について観測できなかったのでしょうか? こんな直前になってしか発表をしなかった理由はどうしてでしょうか?」
一番前の席の記者が質問すると、
研究者らしき白衣の男が出てくる。「国立天文台所長 的場勇樹」と字幕ではあった。
「ここからは総理に変わりまして私がお話します。専門性の高いことに関しては今後私がお答えいたします。
実を言うと3年前からこの惑星NW459と言うのは観測されていました」
記者の反応を見たくないのか所長は手元の資料から目を離さない。所定の任務だけをこなそうとしているのだ。
「しかしながら、これまでの予測進路は地球に対しては無害であり、取るに足らない地球の周りをまわっている惑星の一つに過ぎなかったのです。
ですが昨年の7月に状況は一変しました。太陽など他の惑星による引力の影響もあり、進路が突如として変更され、地球直撃のコースを通ることが判明したのです」
フラッシュが焚かれる。あまりにも歴史的な発表の瞬間でもある……。
次の質問どうぞ、と言う司会者の声が震えていた……。
「そ、そうなると予測進路は変更されることは無いのでしょうか?」
「的場です。現状においては惑星NW459の進路が30日以内に変更される可能性は低いと思われます。
以前の研究では惑星の進路を0.1度でも変更することが出来れば地球へのリスクが大きく減るといったものもありました。
しかしNW459の大きさは常軌を逸しています。
大気圏に突入をしても直径約90キロメートルに迫ることが予測され、多少の進路変更程度ではとても回避できることは出来ないという研究結果が出ているのです」
次の記者の質問に移った。
「日本政府や世界各国はこの隕石衝突に関してどのように対処するつもりでしょうか?
再び総理大臣にカメラがアップになる。
「我々も手をこまねているわけではありません。
我が国の同盟国であるアメリカ合衆国や友好国であるイギリスやオーストラリア、そして我が日本政府などの宇宙軍がある部隊の全ての力を尽くします。
惑星NW459を破壊し、地球への損害を最小限に食い止めるための方策を全力を挙げて行うつもりです」
再び的場所長にカメラが移る。
「えー。総理のお話に補足させてもらうとするのであれば、惑星NW459は直径100キロというあまりの大きさの前に仮に破壊することが迎撃することが成功したとしてもかなりの量の破片が地球に降り注ぐことが予測されています。
そうなると、破片ですら想像することが出来ない甚大な被害が地球に及ぼすことが分かっています」
暗に”楽観的には考えないで欲しい”というより絶望的なことが伝わった……。
記者会見場は重苦しい空気になった。
その後の質問は決められた時間を消化するために続けられたが、記者の声は皆生気が無いものだった……。
恐らくは視聴している日本国民全員が信じられないという気持ちだろう……。
「会見の最後になりますが、国民の皆さんには難しいとは思いますがこれから精神的備えを行ってもらい、その上で我々政府を信じていただきたいと思います。
この地球の不可逆的な危機に対し、本日より日本国全土において緊急事態として宣言し、今後国民の皆さんの行動をどうしていただくかは追って説明いたします。
NW459関連情報の特設サイトを開設し、随時更新いたしますので、そこからの情報をご確認いただければと思います」
国民の皆様に安心して30日間を暮らしていただき、12月31日以降も平和に迎えられるように人類の英知を結集して対処することを宣言いたします」
会場のざわつきが最高潮に達した。
僕が見ようとしていたアニメなんかよりもよっぽどスリリングな展開になってしまったな……。
しかし、記者会見の時間が終わってしまったのかそこで打ち切られる形になり番組では会見についての分析のコーナーになった。
「現在支持率が低下していることから、内閣総辞職や解散総選挙ではないか? という憶測も飛び交っていました。
しかし、実際は隕石衝突の緊急発表とそれに伴う緊急事態宣言だったわけです」
「ここからは緊急で専門家の方を隕石についてオンラインではありますが、解説させていただきます。城峯教授。今回の隕石は本当に地球の存亡にかかわるようなものなのでしょうか?」
60代ぐらいの白髭のおじさんがアップになる。
「白亜紀後期に地球に衝突した隕石の大きさは直径20キロほどであると言われています。
そのときにすら、恐竜をはじめとし地球上の生命の75%が環境変化などで絶滅したといわれています。
今回はその5倍の大きさであることから甚大な被害が起きると言われています。
直径が倍になると、重さがその3乗の約8倍かかるとされています。これまでの学説では直径10キロメートル以上で人類滅亡の危機になると言われていたために今回の発表は衝撃を持って受け止められています」
確かにそれだけの大きさの隕石なら仮に何らかの兵器で破壊に成功できてもその破片だけで被害は甚大だろう……。もしかしたら地球は原形をとどめていないのかもしれない……。
「このような隕石についてこれまで話題になってこなかったのはどうしてでしょうか?」
「これまでは太陽系を回る小さな衛星の一つとして考えられてきました。
ですが、数か月前より突如として進路を変更していました。
学者や有名な天文ファンに対しては緘口令(かんこうれい)が敷かれており、むやみやたらに不安を煽る行為は取り締まることや、”デマ情報”として取り扱っていました。
国民の皆さんの混乱が起きないようにするためです。
しかし、今回はあまりにも期日が切迫しており、迎撃などの打開策に関しても大々的に行わなければいけないことから公表に踏み切ったものと思われます」
その後も、会見の内容についての詳細な分析などが行われるようだった。
気が付かないうちにドラマかSF映画に迷い込んだのではないかと思って他のチャンネルに切り替えたが、
多少カメラの角度、採光が違うだけで同じ記者会見についての特集ばかりが組まれているようだった。
隕石が衝突するのは本当なんだ……。でも、「精神的備え」ってどうしたらいいんだよ?
ただ、僕としては先ほど由利に言われた言葉の方が衝撃的だった。
地球の危機だってのに何考えてんだろ……ただ、あまりにもいきなり過ぎて実感が微塵も湧かないというのもあるのかもしれない。
喉元に銃を突きつけられているけど、その銃が見えなければ恐怖を感じないのと同じように――。
僕は何だか夢の中にいるような気さえした。
しかし、人生で最も濃厚な30日間が始まったのだ。
”記者の方々からの質問をどうぞ”という声でようやく現実に引き戻される。
「ど、どうしてこれまでこれほどの隕石について観測できなかったのでしょうか? こんな直前になってしか発表をしなかった理由はどうしてでしょうか?」
一番前の席の記者が質問すると、
研究者らしき白衣の男が出てくる。「国立天文台所長 的場勇樹」と字幕ではあった。
「ここからは総理に変わりまして私がお話します。専門性の高いことに関しては今後私がお答えいたします。
実を言うと3年前からこの惑星NW459と言うのは観測されていました」
記者の反応を見たくないのか所長は手元の資料から目を離さない。所定の任務だけをこなそうとしているのだ。
「しかしながら、これまでの予測進路は地球に対しては無害であり、取るに足らない地球の周りをまわっている惑星の一つに過ぎなかったのです。
ですが昨年の7月に状況は一変しました。太陽など他の惑星による引力の影響もあり、進路が突如として変更され、地球直撃のコースを通ることが判明したのです」
フラッシュが焚かれる。あまりにも歴史的な発表の瞬間でもある……。
次の質問どうぞ、と言う司会者の声が震えていた……。
「そ、そうなると予測進路は変更されることは無いのでしょうか?」
「的場です。現状においては惑星NW459の進路が30日以内に変更される可能性は低いと思われます。
以前の研究では惑星の進路を0.1度でも変更することが出来れば地球へのリスクが大きく減るといったものもありました。
しかしNW459の大きさは常軌を逸しています。
大気圏に突入をしても直径約90キロメートルに迫ることが予測され、多少の進路変更程度ではとても回避できることは出来ないという研究結果が出ているのです」
次の記者の質問に移った。
「日本政府や世界各国はこの隕石衝突に関してどのように対処するつもりでしょうか?
再び総理大臣にカメラがアップになる。
「我々も手をこまねているわけではありません。
我が国の同盟国であるアメリカ合衆国や友好国であるイギリスやオーストラリア、そして我が日本政府などの宇宙軍がある部隊の全ての力を尽くします。
惑星NW459を破壊し、地球への損害を最小限に食い止めるための方策を全力を挙げて行うつもりです」
再び的場所長にカメラが移る。
「えー。総理のお話に補足させてもらうとするのであれば、惑星NW459は直径100キロというあまりの大きさの前に仮に破壊することが迎撃することが成功したとしてもかなりの量の破片が地球に降り注ぐことが予測されています。
そうなると、破片ですら想像することが出来ない甚大な被害が地球に及ぼすことが分かっています」
暗に”楽観的には考えないで欲しい”というより絶望的なことが伝わった……。
記者会見場は重苦しい空気になった。
その後の質問は決められた時間を消化するために続けられたが、記者の声は皆生気が無いものだった……。
恐らくは視聴している日本国民全員が信じられないという気持ちだろう……。
「会見の最後になりますが、国民の皆さんには難しいとは思いますがこれから精神的備えを行ってもらい、その上で我々政府を信じていただきたいと思います。
この地球の不可逆的な危機に対し、本日より日本国全土において緊急事態として宣言し、今後国民の皆さんの行動をどうしていただくかは追って説明いたします。
NW459関連情報の特設サイトを開設し、随時更新いたしますので、そこからの情報をご確認いただければと思います」
国民の皆様に安心して30日間を暮らしていただき、12月31日以降も平和に迎えられるように人類の英知を結集して対処することを宣言いたします」
会場のざわつきが最高潮に達した。
僕が見ようとしていたアニメなんかよりもよっぽどスリリングな展開になってしまったな……。
しかし、記者会見の時間が終わってしまったのかそこで打ち切られる形になり番組では会見についての分析のコーナーになった。
「現在支持率が低下していることから、内閣総辞職や解散総選挙ではないか? という憶測も飛び交っていました。
しかし、実際は隕石衝突の緊急発表とそれに伴う緊急事態宣言だったわけです」
「ここからは緊急で専門家の方を隕石についてオンラインではありますが、解説させていただきます。城峯教授。今回の隕石は本当に地球の存亡にかかわるようなものなのでしょうか?」
60代ぐらいの白髭のおじさんがアップになる。
「白亜紀後期に地球に衝突した隕石の大きさは直径20キロほどであると言われています。
そのときにすら、恐竜をはじめとし地球上の生命の75%が環境変化などで絶滅したといわれています。
今回はその5倍の大きさであることから甚大な被害が起きると言われています。
直径が倍になると、重さがその3乗の約8倍かかるとされています。これまでの学説では直径10キロメートル以上で人類滅亡の危機になると言われていたために今回の発表は衝撃を持って受け止められています」
確かにそれだけの大きさの隕石なら仮に何らかの兵器で破壊に成功できてもその破片だけで被害は甚大だろう……。もしかしたら地球は原形をとどめていないのかもしれない……。
「このような隕石についてこれまで話題になってこなかったのはどうしてでしょうか?」
「これまでは太陽系を回る小さな衛星の一つとして考えられてきました。
ですが、数か月前より突如として進路を変更していました。
学者や有名な天文ファンに対しては緘口令(かんこうれい)が敷かれており、むやみやたらに不安を煽る行為は取り締まることや、”デマ情報”として取り扱っていました。
国民の皆さんの混乱が起きないようにするためです。
しかし、今回はあまりにも期日が切迫しており、迎撃などの打開策に関しても大々的に行わなければいけないことから公表に踏み切ったものと思われます」
その後も、会見の内容についての詳細な分析などが行われるようだった。
気が付かないうちにドラマかSF映画に迷い込んだのではないかと思って他のチャンネルに切り替えたが、
多少カメラの角度、採光が違うだけで同じ記者会見についての特集ばかりが組まれているようだった。
隕石が衝突するのは本当なんだ……。でも、「精神的備え」ってどうしたらいいんだよ?
ただ、僕としては先ほど由利に言われた言葉の方が衝撃的だった。
地球の危機だってのに何考えてんだろ……ただ、あまりにもいきなり過ぎて実感が微塵も湧かないというのもあるのかもしれない。
喉元に銃を突きつけられているけど、その銃が見えなければ恐怖を感じないのと同じように――。
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しかし、人生で最も濃厚な30日間が始まったのだ。
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