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第十一章調査員派遣
第十一章第十四節(リットン調査団3)
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十四
件の「リットン調査団」による報告書とは、いったいどのようなものなのか。目次を眺めると、こんな構成になっている。
「緒論
第一章 シナにおける最新事情の概要
第二章 満州(第一節=序論、第二節=シナの他の地域との関係、第三節=対露関係)
第三章 日支両国間の満州に関する諸問題(一九三一年九月十八日以前)
(第一節=シナにおける日本の利益、第二節=満州における日支両国間の根本的利害関係の衝突、第三節=満州における日支鉄道問題、第四節=一九一五年の日支条約および交換文書に関する問題、第五節=満州における朝鮮人問題、第六節=万宝山事件と朝鮮における反支暴動、第七節=中村大尉事件)
第四章 一九三一年九月十八日とその後満州で発生した事件の概要
第五章 上海事件
第六章 「満州国」(第一節=新国家建設の段階、第二節=「満州国」の現政府、第三節=満州居住民の意見)
第七章 日本の経済的利益とシナのボイコット
第八章 満州における経済上の利益
第九章 解決の原則および条件
第十章 理事会に対する考察と提議」
※以下は渡部昇一氏の解説・編(2006年11月24日、ビジネス社刊)に従った。
前にも引用したが、このうち第四章の「調査団の結論」という項の中で、日本側が主張する「自衛権の発動」を否認している。
「鉄道に対する損傷は、もしあったとしても長春からの南下列車の帝国到着を防げなかったのだから、それだけでは日本の軍事行動を正当とするわけにはいかない。したがって同夜における日本軍の軍事行動は正当な自衛手段と認めることはできない」
ただしこれに続けて、「もっともこれによって調査団は、現地の日本軍将校たちが自衛のための行動だと信じていたという仮説を否定しようというのではない」という玉虫色の話であって、“正当”とは言い難いが、“否定”するものではないとしているのだ。
怨恨は殺人の十分な動機だが、それを認めてしまえば近代国家は成り立たない。それと直接関係するかどうかは分からないが、調査団は線路爆破の一事をもって「自衛権の発動」を否認したと同時に、長年積もり積もった日本人の感情の鬱積を認めはしなった。
ちなみに十一月十九日、東京で聯盟事務局官房長のウォルタースと会談した幣原外相は、席上こんな発言を残している。
「人間というものは隠忍に隠忍を重ねた果てに突然被った新たな挑発に対し、例えそれ自体が些細なことであっても、それと直接は釣り合わないほどの反応を示すものだ」
件の「リットン調査団」による報告書とは、いったいどのようなものなのか。目次を眺めると、こんな構成になっている。
「緒論
第一章 シナにおける最新事情の概要
第二章 満州(第一節=序論、第二節=シナの他の地域との関係、第三節=対露関係)
第三章 日支両国間の満州に関する諸問題(一九三一年九月十八日以前)
(第一節=シナにおける日本の利益、第二節=満州における日支両国間の根本的利害関係の衝突、第三節=満州における日支鉄道問題、第四節=一九一五年の日支条約および交換文書に関する問題、第五節=満州における朝鮮人問題、第六節=万宝山事件と朝鮮における反支暴動、第七節=中村大尉事件)
第四章 一九三一年九月十八日とその後満州で発生した事件の概要
第五章 上海事件
第六章 「満州国」(第一節=新国家建設の段階、第二節=「満州国」の現政府、第三節=満州居住民の意見)
第七章 日本の経済的利益とシナのボイコット
第八章 満州における経済上の利益
第九章 解決の原則および条件
第十章 理事会に対する考察と提議」
※以下は渡部昇一氏の解説・編(2006年11月24日、ビジネス社刊)に従った。
前にも引用したが、このうち第四章の「調査団の結論」という項の中で、日本側が主張する「自衛権の発動」を否認している。
「鉄道に対する損傷は、もしあったとしても長春からの南下列車の帝国到着を防げなかったのだから、それだけでは日本の軍事行動を正当とするわけにはいかない。したがって同夜における日本軍の軍事行動は正当な自衛手段と認めることはできない」
ただしこれに続けて、「もっともこれによって調査団は、現地の日本軍将校たちが自衛のための行動だと信じていたという仮説を否定しようというのではない」という玉虫色の話であって、“正当”とは言い難いが、“否定”するものではないとしているのだ。
怨恨は殺人の十分な動機だが、それを認めてしまえば近代国家は成り立たない。それと直接関係するかどうかは分からないが、調査団は線路爆破の一事をもって「自衛権の発動」を否認したと同時に、長年積もり積もった日本人の感情の鬱積を認めはしなった。
ちなみに十一月十九日、東京で聯盟事務局官房長のウォルタースと会談した幣原外相は、席上こんな発言を残している。
「人間というものは隠忍に隠忍を重ねた果てに突然被った新たな挑発に対し、例えそれ自体が些細なことであっても、それと直接は釣り合わないほどの反応を示すものだ」
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