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スキルの検証
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「よし! 今日は新しくなったスキルの検証だ! イヅミもよろしく頼むよ」
「にゃー」
猫の姿になったイヅミの事は町で拾ってきたと説明したら。お父さんもお母さんも妹も、皆動物好きで猫はいつか飼いたいと思っていたと打ち明けられ、全員一致で無事に飼えることになった。
僕とイヅミは家を出てスキルの検証をする為に町を歩く、まずはスキル『わらしべ長者』の発動からだ。
道端に落ちている石を拾う時に、スキルの発動を意識しながら拾う。
そして、石を握った手をソッと開くと。
「落ちない……」
以前試した時には、普通に拾った石や小枝はポトンと落ちていたのに。
今は麦わらの時のように手のひらにくっ付いて落ちないでいる。どんなに手を振っても石は落ちない。
「次は」
今度はスキルの解除を意識する。
ポトン
「落ちた!」
面白くて、目に付くものを色々拾っては落とすを繰り返していると。
ピコン!
(スキルポイントが上がったにゃ、スキルは何度も使うとポイントが上がってレベルアップするにゃ)
と、頭の中にイヅミの声が聞こえてきた。因みに猫の姿でいる時はイヅミの声は僕の頭の中だけにしか聞こえない。
猫として喋る時は「にゃー」とだけ、猫が人の言葉を話すとか知られたら大変な事になりそうだからね。
何ポイント上がるとレベルアップするの?
(んー、『わらしべ長者Infinity』が次のレベルにアップする為には……五十六億八千四百七十七万六千二百五十九ポイント必要にゃ)
何それ!? さっきのポイントって何ポイント上がったの?
(一ポイントにゃ)
ぐっ……そんなの、次のレベルアップなんて無理じゃないか。
(それだけ今の『わらしべ長者Infinity』が特別って事だにゃ)
そう言うものかと気を取り直した僕は、レベルアップは忘れる事にして次の検証に進むことにした。
「次は、強制イベントを止める……だけど、コレって強制イベントが始まらないと止められないよね?」
(そうだにゃ)
「これは、次まで保留だね……じゃあ、次!」
次はスキルの多重発動だけど。
これまでは、スキルで手にくっ付くのは一つだったけど、何個もくっ付くと言う事?
取り敢えず試してみようと、落ちている石コロに対して次々にスキル発動してみた結果。
「すごい」
僕の両手の間には、拾った石コロが十個ほど繋がっている。それぞれが握りこぶし分くらいの間隔を空けて、紐で結んでいる訳でも無いのに、宙に浮いてズラッと並んでいるんだ。
手を振ると右へ左へ、ずらずらーっと動く。面白いのはゆっくり動かすと石同士の間隔は変わらないのに、早く動かすと間隔が開いて長く伸びる。
「それっ!」
両手で紐を持って振り回すように石を振り回すと、最長で三倍位に伸びる事が分かった。
「両手に繋がっているのが不便だな」
さっきは最初の石を右手と左手で一つずつ持ってから数を増やしていったけど、今度は右手だけで数を増やしていく。
「それーっ!」
ヒュン、ヒュン、ヒュン
右手に繋がった石は、まるで鞭のように振り回す事が出来た。
「えい!」
バシッ!
そして、鞭のように振り回したそれは。意外な攻撃手段になる事も分かった。
「これは、他のものでも色々確かめる事が必要だな」
そして、いよいよ最後のスキル『収納』
もし、これが収納魔法と同じ物だったら『わらしべ長者』は物凄いスキルだと言う事になる。
僕は、ドキドキしながら『収納』を意識して右手の石を収納しようと考えた。
フッと手の上から消えた石。
「どこに消えた?」
(『わらしべ長者』のスキル、で「石」が収納されたにゃ)
イヅミの声でもハッキリと分かった、そして意識すると頭の中でも「石」が収納されているのが何となく分かる。
今度はその「石」を取り出す。
ポトリ。
目の前に、収納していた石が現れて地面に落ちる。僕は思わずゾクリとした。
「次は、種類と量だけど……」
それから暫く時間を掛けて、僕は収納のスキルをいろいろ確かめ続けた。その間にもスキルポイントアップのメッセージが何度か頭に届いたので、そのメッセージは止める事にした。
「だいたいこんな所か?」
僕は、確かめた収納スキルの能力に驚いていた。
収納出来るのは、生き物以外。
草原で捕まえたバッタは、収納には入らなかった。
同じ物は同じ枠に纏められる。拾った「石」は「石」x十と言う感じになっている。
手で持てない大きさの石でも、地面に埋まっていなければ収納出来た。乾燥のために積んであった大きな丸太も、手に触れれば収納出来た。長さや重さは関係ないようだ。
そして何より、どれだけ収納しても僕は重さを感じなかった。
「凄い、凄いぞこれは!」
(他にも『収納』では、時間遅延、取り出し場所の指定、射出が出来るにゃ)
「え?」
(他にも、アベルが検証した以外の機能がたくさんあるにゃ。もっともっとスキルを使って覚えるにゃ)
「え、まってイヅミ! 君は最初からスキルの機能は全部知ってたの?」
(もちろんにゃ。私は『わらしべ長者Infinity』のスキル『検索』と『知識の泉』を全てインストールしたのだから当然にゃ)
「え! じゃあ、何で最初に教えてくれなかったの?」
(アベルが楽しそうにしていたから、自分で調べたいのかと思ったにゃ)
最後のイヅミの話しで一気に疲れてしまったけれど、僕は『わらしべ長者』のスキルをすごく好きになっていた。
こんなに凄いスキルを授かるなんて、僕はやっぱり勇者にだってなれるかも知れない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あとがき
単なる物々交換スキルと思われた「わらしべ長者」に思わぬ機能が付いていました。
次回は日常回ですが、町では一騒ぎありそうです。第七話はこの世界の魔法について語ります。
「にゃー」
猫の姿になったイヅミの事は町で拾ってきたと説明したら。お父さんもお母さんも妹も、皆動物好きで猫はいつか飼いたいと思っていたと打ち明けられ、全員一致で無事に飼えることになった。
僕とイヅミは家を出てスキルの検証をする為に町を歩く、まずはスキル『わらしべ長者』の発動からだ。
道端に落ちている石を拾う時に、スキルの発動を意識しながら拾う。
そして、石を握った手をソッと開くと。
「落ちない……」
以前試した時には、普通に拾った石や小枝はポトンと落ちていたのに。
今は麦わらの時のように手のひらにくっ付いて落ちないでいる。どんなに手を振っても石は落ちない。
「次は」
今度はスキルの解除を意識する。
ポトン
「落ちた!」
面白くて、目に付くものを色々拾っては落とすを繰り返していると。
ピコン!
(スキルポイントが上がったにゃ、スキルは何度も使うとポイントが上がってレベルアップするにゃ)
と、頭の中にイヅミの声が聞こえてきた。因みに猫の姿でいる時はイヅミの声は僕の頭の中だけにしか聞こえない。
猫として喋る時は「にゃー」とだけ、猫が人の言葉を話すとか知られたら大変な事になりそうだからね。
何ポイント上がるとレベルアップするの?
(んー、『わらしべ長者Infinity』が次のレベルにアップする為には……五十六億八千四百七十七万六千二百五十九ポイント必要にゃ)
何それ!? さっきのポイントって何ポイント上がったの?
(一ポイントにゃ)
ぐっ……そんなの、次のレベルアップなんて無理じゃないか。
(それだけ今の『わらしべ長者Infinity』が特別って事だにゃ)
そう言うものかと気を取り直した僕は、レベルアップは忘れる事にして次の検証に進むことにした。
「次は、強制イベントを止める……だけど、コレって強制イベントが始まらないと止められないよね?」
(そうだにゃ)
「これは、次まで保留だね……じゃあ、次!」
次はスキルの多重発動だけど。
これまでは、スキルで手にくっ付くのは一つだったけど、何個もくっ付くと言う事?
取り敢えず試してみようと、落ちている石コロに対して次々にスキル発動してみた結果。
「すごい」
僕の両手の間には、拾った石コロが十個ほど繋がっている。それぞれが握りこぶし分くらいの間隔を空けて、紐で結んでいる訳でも無いのに、宙に浮いてズラッと並んでいるんだ。
手を振ると右へ左へ、ずらずらーっと動く。面白いのはゆっくり動かすと石同士の間隔は変わらないのに、早く動かすと間隔が開いて長く伸びる。
「それっ!」
両手で紐を持って振り回すように石を振り回すと、最長で三倍位に伸びる事が分かった。
「両手に繋がっているのが不便だな」
さっきは最初の石を右手と左手で一つずつ持ってから数を増やしていったけど、今度は右手だけで数を増やしていく。
「それーっ!」
ヒュン、ヒュン、ヒュン
右手に繋がった石は、まるで鞭のように振り回す事が出来た。
「えい!」
バシッ!
そして、鞭のように振り回したそれは。意外な攻撃手段になる事も分かった。
「これは、他のものでも色々確かめる事が必要だな」
そして、いよいよ最後のスキル『収納』
もし、これが収納魔法と同じ物だったら『わらしべ長者』は物凄いスキルだと言う事になる。
僕は、ドキドキしながら『収納』を意識して右手の石を収納しようと考えた。
フッと手の上から消えた石。
「どこに消えた?」
(『わらしべ長者』のスキル、で「石」が収納されたにゃ)
イヅミの声でもハッキリと分かった、そして意識すると頭の中でも「石」が収納されているのが何となく分かる。
今度はその「石」を取り出す。
ポトリ。
目の前に、収納していた石が現れて地面に落ちる。僕は思わずゾクリとした。
「次は、種類と量だけど……」
それから暫く時間を掛けて、僕は収納のスキルをいろいろ確かめ続けた。その間にもスキルポイントアップのメッセージが何度か頭に届いたので、そのメッセージは止める事にした。
「だいたいこんな所か?」
僕は、確かめた収納スキルの能力に驚いていた。
収納出来るのは、生き物以外。
草原で捕まえたバッタは、収納には入らなかった。
同じ物は同じ枠に纏められる。拾った「石」は「石」x十と言う感じになっている。
手で持てない大きさの石でも、地面に埋まっていなければ収納出来た。乾燥のために積んであった大きな丸太も、手に触れれば収納出来た。長さや重さは関係ないようだ。
そして何より、どれだけ収納しても僕は重さを感じなかった。
「凄い、凄いぞこれは!」
(他にも『収納』では、時間遅延、取り出し場所の指定、射出が出来るにゃ)
「え?」
(他にも、アベルが検証した以外の機能がたくさんあるにゃ。もっともっとスキルを使って覚えるにゃ)
「え、まってイヅミ! 君は最初からスキルの機能は全部知ってたの?」
(もちろんにゃ。私は『わらしべ長者Infinity』のスキル『検索』と『知識の泉』を全てインストールしたのだから当然にゃ)
「え! じゃあ、何で最初に教えてくれなかったの?」
(アベルが楽しそうにしていたから、自分で調べたいのかと思ったにゃ)
最後のイヅミの話しで一気に疲れてしまったけれど、僕は『わらしべ長者』のスキルをすごく好きになっていた。
こんなに凄いスキルを授かるなんて、僕はやっぱり勇者にだってなれるかも知れない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あとがき
単なる物々交換スキルと思われた「わらしべ長者」に思わぬ機能が付いていました。
次回は日常回ですが、町では一騒ぎありそうです。第七話はこの世界の魔法について語ります。
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