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入学テスト2
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「あの平民の結果は?」
全てのテストが終わり、受験した者たちが帰った後の学園では。午前の二科目の答え合わせと、午後の実技の結果の確認が行われていた。
「ジルヌール教師、こちらが例の平民の午前のテスト結果です」
ジルヌールが解答用紙を受け取る時、渡してきた職員の手が僅かに震えていた。
「何!?」
◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆
試験を受けてから三日後、王立学園で合格者の発表が行われると言う事で、僕とニヤは王立学園を訪れていた。
「さて、結果はどうかな?」
まあ、ある程度の予想は出来ているんだけど。
「おっ、皆んな集まっているな」
合格者の名前が貼り出される板の前には、人だかりが出来ていた。
「アベル……名前ある?」
ニヤが心配して顔を見てくる。大丈夫だよ間違っても落ちてる事はないさ。
「どうかな? おっ!?」
予想通りと言うか、僕の名前は思ったよりは上位に書かれていた。
「悔しいわね」
そう言って現れたのは。
「アンネ、合格おめでとう。で? 悔しいとは?」
試験の時に、同じ教室だったアンネ・マッターホルンだ。アンネは僕の側まで詰め寄ると。
「だってそうでしょう。本当なら貴方の名前はもっと上に書かれている筈なのに、あんな!?」
迂闊な事を喋るんじゃありませんよ、お嬢さん。
慌ててアンネの口を塞いでその場を立ち去る。
「何するのよ!? もう!」
少し離れた所で手を離すと、頬を一発叩かれた後で文句を言われた。手の早いお嬢さんだ。
「何を言っているんだい? アレが僕の実力さ」
アンネは腰に手を当てると、ため息を吐いて一気に話し始めた。
「はぁ、貴方ね。私が聞いた話だと、今年の試験には午前の問題で満点。午後も大半の教師が合格と認めた受験者が居たと言うから、てっきり私は貴方だと思っていたのよ。それが、何で?! 一番上は王家の第三王子、二番目も侯爵家の子女、伯爵家、伯爵家、子爵家と貴族ばかりが続いて、その次も貴族にベッタリの役人や商人の子の名前が続いて、やっと十五番目に貴方だなんて、納得が行かないわ!」
「君の名前も僕より上に書かれていたね」
そう言うと、顔を真っ赤にしたアンネが。
「とにかく! この結果には納得行かない! 学園に文句を言うべきよ」
ちょっと思想が激しいお嬢さんだな。
「さすがに学園に文句を言うのはどうかな? そんな事をしたらせっかくの合格が取り消しされかねない。それより僕は、目的だった王立学園に入れた事で満足しているんだよ。来月からは同じ学園に通う同級生になるんだから、仲良くやろうよ。アンネ」
そう言って握手しようと手を差し出すと。全身を真っ赤にしたアンネが「あ、貴方がそれで良いと言うのなら」と握手してくれた。
「同級生なんだし、アベルと呼んで」
「よ、よろしくね。アベル」
「アベル……また女の子……増える?」
ニヤ? そんな事ないよ。
◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆
「あれで良かったのだろうか……」
学園の建物にある教師の個室の窓から、合格発表がされている広場の様子を見ていたジルヌールが眉間に皺を寄せながら今回の事を考えていた。
午前の算術、歴史の問題で満点。午後の実技も文句なしで合格点を取ったのは、不思議なスキルを持った平民の少年。後見者に貴族の名があったものの子爵家と、それに最近王都でも名を聞くようになった商会。だからと言って合格者の一番上に名を書くには至らない。
何と言っても今年は王家の第三王子が入学されるのだ、そこより上に平民の名など書ける訳がない。
第三王子はゲタにゲタを履かせた第一位。その下の金魚の糞のような連中も同じようなモノだ。さらには王立学園へ多額の募金支援者の縁者の名が入り込むと……。
「学園始まって以来の秀才の入学か、授業が始まるのを楽しみにするか」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あとがき
まあ王立の学園で、王子まで入学してくるのに平民が一番には出来ませんよね。
次回は、いよいよ学園生として学園の寮へ入ります。
全てのテストが終わり、受験した者たちが帰った後の学園では。午前の二科目の答え合わせと、午後の実技の結果の確認が行われていた。
「ジルヌール教師、こちらが例の平民の午前のテスト結果です」
ジルヌールが解答用紙を受け取る時、渡してきた職員の手が僅かに震えていた。
「何!?」
◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆
試験を受けてから三日後、王立学園で合格者の発表が行われると言う事で、僕とニヤは王立学園を訪れていた。
「さて、結果はどうかな?」
まあ、ある程度の予想は出来ているんだけど。
「おっ、皆んな集まっているな」
合格者の名前が貼り出される板の前には、人だかりが出来ていた。
「アベル……名前ある?」
ニヤが心配して顔を見てくる。大丈夫だよ間違っても落ちてる事はないさ。
「どうかな? おっ!?」
予想通りと言うか、僕の名前は思ったよりは上位に書かれていた。
「悔しいわね」
そう言って現れたのは。
「アンネ、合格おめでとう。で? 悔しいとは?」
試験の時に、同じ教室だったアンネ・マッターホルンだ。アンネは僕の側まで詰め寄ると。
「だってそうでしょう。本当なら貴方の名前はもっと上に書かれている筈なのに、あんな!?」
迂闊な事を喋るんじゃありませんよ、お嬢さん。
慌ててアンネの口を塞いでその場を立ち去る。
「何するのよ!? もう!」
少し離れた所で手を離すと、頬を一発叩かれた後で文句を言われた。手の早いお嬢さんだ。
「何を言っているんだい? アレが僕の実力さ」
アンネは腰に手を当てると、ため息を吐いて一気に話し始めた。
「はぁ、貴方ね。私が聞いた話だと、今年の試験には午前の問題で満点。午後も大半の教師が合格と認めた受験者が居たと言うから、てっきり私は貴方だと思っていたのよ。それが、何で?! 一番上は王家の第三王子、二番目も侯爵家の子女、伯爵家、伯爵家、子爵家と貴族ばかりが続いて、その次も貴族にベッタリの役人や商人の子の名前が続いて、やっと十五番目に貴方だなんて、納得が行かないわ!」
「君の名前も僕より上に書かれていたね」
そう言うと、顔を真っ赤にしたアンネが。
「とにかく! この結果には納得行かない! 学園に文句を言うべきよ」
ちょっと思想が激しいお嬢さんだな。
「さすがに学園に文句を言うのはどうかな? そんな事をしたらせっかくの合格が取り消しされかねない。それより僕は、目的だった王立学園に入れた事で満足しているんだよ。来月からは同じ学園に通う同級生になるんだから、仲良くやろうよ。アンネ」
そう言って握手しようと手を差し出すと。全身を真っ赤にしたアンネが「あ、貴方がそれで良いと言うのなら」と握手してくれた。
「同級生なんだし、アベルと呼んで」
「よ、よろしくね。アベル」
「アベル……また女の子……増える?」
ニヤ? そんな事ないよ。
◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆◇◇◇ ◆◆◆
「あれで良かったのだろうか……」
学園の建物にある教師の個室の窓から、合格発表がされている広場の様子を見ていたジルヌールが眉間に皺を寄せながら今回の事を考えていた。
午前の算術、歴史の問題で満点。午後の実技も文句なしで合格点を取ったのは、不思議なスキルを持った平民の少年。後見者に貴族の名があったものの子爵家と、それに最近王都でも名を聞くようになった商会。だからと言って合格者の一番上に名を書くには至らない。
何と言っても今年は王家の第三王子が入学されるのだ、そこより上に平民の名など書ける訳がない。
第三王子はゲタにゲタを履かせた第一位。その下の金魚の糞のような連中も同じようなモノだ。さらには王立学園へ多額の募金支援者の縁者の名が入り込むと……。
「学園始まって以来の秀才の入学か、授業が始まるのを楽しみにするか」
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あとがき
まあ王立の学園で、王子まで入学してくるのに平民が一番には出来ませんよね。
次回は、いよいよ学園生として学園の寮へ入ります。
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