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errare humanum est
duodecim
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「それだけか?」
「他になにか必要ですか?」
差し出された携帯を受け取り、しまう。
「いや……」
本当に帰る気があるのか疑わしく思う。
「先生、欲しいものがあるのですが」
「なんだ?」
「服」
言われてたしかにと思った。あちこち焼けてしまった服は処分をされた。このままでは外へ出ることが出来ないだろう。
「分かった」
学校への連絡もしなくてはならず、立ち上がると廊下へ向かう。
「先生」
呼ばれて足を止め、振り返る。
「先生の好みでも良いですが、スカートは止めてくださいね」
「たぶん、それは無い」
服のサイズを知らず、この年代の洋服をどこで買えば良いのかも分からないため、姉に頼もうと考えていた。間違いなく可愛いものを買ってくるだろうが、スカートは無いと思いたい。再び足を踏み出し、病室から出ていく姿を天弥は見送った。
斎を待つ間、天弥は病院内を散策する。思っていたよりも広さがあり、暇つぶしができそうだと思う。病院内をあらかた散策した後、庭に入院患者が居ることに気が付く。同じく、庭へ向かう。少し歩くと、ベンチに見慣れた姿を見つけ近寄った。
「無事だったのですね」
声をかけると、ベンチに座る人物が振り返る。動きに合わせてストロベリーブロンドの髪が光を反射した。
「髪、切ったのですか?」
かなり長さのあった髪が短くなっていることに気が付く。
「かなり燃えたからな……」
「そうですか」
天弥は、サイラスの横に腰をかける。
「それにしても、回復早いんやな」
全身に火傷を負い、意識のなかった状態だったため、かなりの重症だと思っていた。
「先生のおかげで、なんとかなってます」
「さよか」
「貴方も回復が早いですね」
顔や腕など、あちこちに湿潤治療被覆材を貼り付けながらも動けることに、重症ではなかったのだと知る。
「見た目はあれやけど、そんなたいした火傷や無かったし、普段から鍛えとるからな」
これだけの傷や痛みで済んだのは、普段の天弥のおかげだと知っている。
「そや、自分にも礼を言わんとな。おかげで助かったわ」
「僕はただ逃げ帰っただけです」
天弥にとって、ついでと言えばそれまでだった。
「そういや、先生、助けてくれとるんやな」
「そうですね」
天弥は空を見上げる。
「キスだけしかしてくれないので、回復が遅くて困っています。何も分からない状態なので……」
直接、体内に与えてくれる方が早いのは確かなのだ。
「それが普通やで。分からんから、考えて悩んで話し合うんやろ? てか、そんなん言ってもええのか?」
天弥はサイラスへ視線を向ける。
「人って面倒くさいですね。それに、貴方は知っていますから、隠してもすぐに分かるでしょ?」
「そやな……」
今度は、サイラスが空を見上げた。
「先生には話さんの?」
再び、天弥も空を見上げ、揃ってゆっくりと流れていく雲を見つめる。
「先生が選んだのは、僕ではありませんから……」
「さよか……。まぁ俺は、ハズミの望みが叶えばそれでええわ」
「そうですか……」
揃って視線を戻す。
「そういや、もう一人はどないしたん? おらんと困るんやろ?」
「えぇ、だから無事ですよ。もう、元には戻らないと思いますが……」
「他になにか必要ですか?」
差し出された携帯を受け取り、しまう。
「いや……」
本当に帰る気があるのか疑わしく思う。
「先生、欲しいものがあるのですが」
「なんだ?」
「服」
言われてたしかにと思った。あちこち焼けてしまった服は処分をされた。このままでは外へ出ることが出来ないだろう。
「分かった」
学校への連絡もしなくてはならず、立ち上がると廊下へ向かう。
「先生」
呼ばれて足を止め、振り返る。
「先生の好みでも良いですが、スカートは止めてくださいね」
「たぶん、それは無い」
服のサイズを知らず、この年代の洋服をどこで買えば良いのかも分からないため、姉に頼もうと考えていた。間違いなく可愛いものを買ってくるだろうが、スカートは無いと思いたい。再び足を踏み出し、病室から出ていく姿を天弥は見送った。
斎を待つ間、天弥は病院内を散策する。思っていたよりも広さがあり、暇つぶしができそうだと思う。病院内をあらかた散策した後、庭に入院患者が居ることに気が付く。同じく、庭へ向かう。少し歩くと、ベンチに見慣れた姿を見つけ近寄った。
「無事だったのですね」
声をかけると、ベンチに座る人物が振り返る。動きに合わせてストロベリーブロンドの髪が光を反射した。
「髪、切ったのですか?」
かなり長さのあった髪が短くなっていることに気が付く。
「かなり燃えたからな……」
「そうですか」
天弥は、サイラスの横に腰をかける。
「それにしても、回復早いんやな」
全身に火傷を負い、意識のなかった状態だったため、かなりの重症だと思っていた。
「先生のおかげで、なんとかなってます」
「さよか」
「貴方も回復が早いですね」
顔や腕など、あちこちに湿潤治療被覆材を貼り付けながらも動けることに、重症ではなかったのだと知る。
「見た目はあれやけど、そんなたいした火傷や無かったし、普段から鍛えとるからな」
これだけの傷や痛みで済んだのは、普段の天弥のおかげだと知っている。
「そや、自分にも礼を言わんとな。おかげで助かったわ」
「僕はただ逃げ帰っただけです」
天弥にとって、ついでと言えばそれまでだった。
「そういや、先生、助けてくれとるんやな」
「そうですね」
天弥は空を見上げる。
「キスだけしかしてくれないので、回復が遅くて困っています。何も分からない状態なので……」
直接、体内に与えてくれる方が早いのは確かなのだ。
「それが普通やで。分からんから、考えて悩んで話し合うんやろ? てか、そんなん言ってもええのか?」
天弥はサイラスへ視線を向ける。
「人って面倒くさいですね。それに、貴方は知っていますから、隠してもすぐに分かるでしょ?」
「そやな……」
今度は、サイラスが空を見上げた。
「先生には話さんの?」
再び、天弥も空を見上げ、揃ってゆっくりと流れていく雲を見つめる。
「先生が選んだのは、僕ではありませんから……」
「さよか……。まぁ俺は、ハズミの望みが叶えばそれでええわ」
「そうですか……」
揃って視線を戻す。
「そういや、もう一人はどないしたん? おらんと困るんやろ?」
「えぇ、だから無事ですよ。もう、元には戻らないと思いますが……」
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