apocalypsis

さくら

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alea jacta est

sedecim

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「まぁ、御神本くんが考えることではないからのぉ」
 確かに、契約の内容も知らず、目的や望みも知らない斎には気にすることではないのかもしれない。だが、天弥が巻き込まれている以上、考えなくてはならなかった。
 緩やかだが進み続けていると、急に橋の上で渋滞にはまる。何事かと注意深く観察をしてみれば、前方の車が橋の欄干に突っ込んだようで、事故が発生していた。急ぐときに限ってと斎はため息を吐く。
「御神本くん。あそこはどこじゃ?」
 胡桃沢が指差す方を見る。遠くの海上に竜巻が上がっているのが確認できた。
「海ほたるです」
 そう答えながらも、あの場所はここからはかなりあるはずだ。なのに目視できるということは、かなり大きな竜巻が起こっているのだろうと考えつく。気がつけば、周囲の車中では、その竜巻に気がついた人々ばかりだった。おそらく、先頭の事故もあれに気を取られたのだろう。
「あそこがそうなのかぁ」
 感慨深げに胡桃沢が小さく呟いた。
「先生! あそこなんか?」
「あぁ……」
 事故渋滞ということは、開通するまでにかなり時間を要する。どうしたものかと考える。
「場所が別れば行けるわ」
 サイラスがゴソゴソと動き出した。
「先生、外に出してや!」
「いや、原則、ここでは社外に出ることは出来ない」
「えぇー! 外に出とるやつおるやん!」
 確かに、海上の異変を見るために社外に出ている者が増えてきた。それ以外にも、事故車ということは爆発の可能性もあり、近くの車に搭乗している者たちも避難のために外へ出ている。
「早く出してや! 俺、あそこに行かんとあかんのや!」
「分かった」
 事故渋滞ということもあり、多くの人たちが外へ出ていることから、緊急避難ということにしておこうと斎は自分に言い聞かせる。すぐにエンジンを止め、ドアのロックを外す。シートベルトを外すとドアを開けて外へ出た。サイラスは急ぎシートを前に倒して外へ出る。天弥もその後に続いた。胡桃沢も外へ出ようとしているが、身体が使えてなかなか出られずにいた。
「先生、あそこがUmihotaruなんやな!」
 欄干に近寄り、異変の場所を指差す。
「あぁ。だが、どうやって行くんだ?」
「まぁ、俺には足があるんで」
 答えると同時にサイラスは欄干に勢いよく飛び乗るとすぐに足で蹴り、宙に飛び出した。付近から悲鳴があがる。斎は慌ててサイラスを掴もうと手を伸ばすが届かない。
「Byakhee!」
 サイラスの叫びと共に黒い物体が高速で飛来する。サイラスを抱きかかえるそれは、バイアキーと呼ばれる風の神の眷属と似たものだった。それは、サイラスが指差す方へ顔を向けると姿が見えなくなった。光速を超える移動速度で飛行するのだから、本当なら、すでに目的の場所に着いているのだろう。周囲の騒ぎの中、なんとか胡桃沢が車の中から抜け出した。
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