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第三章 放置ダンジョンで冒険者暮らし編
第170話 熊谷からのメッセージ
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朝食を終え、後片付けを済ませた俺はテントの隅に置いてあるスマフォを手に取った。
通知を確認すると、熊谷から冒険者アプリ経由でメッセージが届いているのに気づく。
『よぉ風間、配信見たぞ。相変わらず楽しそうだな』
『ありがと。ただ、最近ちょっと視聴数が伸び悩んでてさ』
『ふむ、そうか。なら――』
そこで一旦メッセージが区切られ、数秒後に続きが届く。
『ギルドの裏通りにある冒険者通り、行ってみたことあるか?』
『冒険者通り?』
そのワード、なんとなく記憶にある気がするが、行ったことはないな。
『名前は聞いたことあるけど、行ったことはないな』
『そうか。だったら一度は行ってみてもいいかもな。あそこは装備や道具だけじゃなくて、モンスター用のアクセサリとか、ネタに使えそうなアイテムもいっぱいある。配信のネタ探しにも良いかもだぞ』
なるほど、冒険者通りか……考えたことなかったけど、確かに良さそうかも。
『情報ありがとう。ちょっと興味湧いたよ』
『おうよ! あと、冒険者通りで売ってる焼きチーズドッグ、あれマジで美味いからな!』
『食い物の話かよ(笑)』
思わず吹き出してしまった。熊谷らしい一言だ。けど、熊谷の情報はありがたい。
「ハルさん、何かあったの?」
スマフォを見ていた俺に、食器を片付け終えた秋月が声をかけてきた。彼女の隣ではモコとゴブが張り切って洗い物の手伝いをしていた。ゴブは泡まみれになりながらも、どこか得意げな表情をしている。
「いや、熊谷からメッセージが来てさ。冒険者通りってとこ、配信のネタに良さそうだって」
「冒険者通り? あ、私も色々調べてて見たことあるかも。ギルドの裏通りにあるっていうお店が集まってる場所でしょ?」
「そうそう。色んな道具やらアクセサリやら売ってるらしい」
「へぇ~面白そう。私も行ってみたいな」
秋月の瞳がキラリと輝く。どうやら興味津々のようだ。秋月も冒険者になったことだし、一緒に行っても不自然ではないよな。
そのとき、マールが何やら得意げにラムの頭に草の冠をのせていた。モグも真似して自分の頭に枝を刺してポーズを取っている。
「ワンワン!」
「ピキィ~♪」
「モグ~!」
「マァ~♪」
「ゴブゥ~!」
俺たちの話そっちのけで、モンスターたちは謎のコスプレ遊びに夢中らしい。
「じゃあ今度、時間ある時に一緒に行ってみるか。ついでに焼きチーズドッグってのも食べてみたいし」
「うん、楽しみ♪ 皆にもお土産買ってこようね」
「ワンワン!」
「ピキィ!」
「ゴブ!」
「マァ!」
「モグゥ!」
俺たちの話が聞こえていたのか、皆も興味津々なようだな。モンスターバトルの事もあるし、役に立つものも揃っているかも知れない。
こうして俺たちの新しい目的地――冒険者通りへの訪問が、次なる小さな楽しみとして心に刻まれた。
通知を確認すると、熊谷から冒険者アプリ経由でメッセージが届いているのに気づく。
『よぉ風間、配信見たぞ。相変わらず楽しそうだな』
『ありがと。ただ、最近ちょっと視聴数が伸び悩んでてさ』
『ふむ、そうか。なら――』
そこで一旦メッセージが区切られ、数秒後に続きが届く。
『ギルドの裏通りにある冒険者通り、行ってみたことあるか?』
『冒険者通り?』
そのワード、なんとなく記憶にある気がするが、行ったことはないな。
『名前は聞いたことあるけど、行ったことはないな』
『そうか。だったら一度は行ってみてもいいかもな。あそこは装備や道具だけじゃなくて、モンスター用のアクセサリとか、ネタに使えそうなアイテムもいっぱいある。配信のネタ探しにも良いかもだぞ』
なるほど、冒険者通りか……考えたことなかったけど、確かに良さそうかも。
『情報ありがとう。ちょっと興味湧いたよ』
『おうよ! あと、冒険者通りで売ってる焼きチーズドッグ、あれマジで美味いからな!』
『食い物の話かよ(笑)』
思わず吹き出してしまった。熊谷らしい一言だ。けど、熊谷の情報はありがたい。
「ハルさん、何かあったの?」
スマフォを見ていた俺に、食器を片付け終えた秋月が声をかけてきた。彼女の隣ではモコとゴブが張り切って洗い物の手伝いをしていた。ゴブは泡まみれになりながらも、どこか得意げな表情をしている。
「いや、熊谷からメッセージが来てさ。冒険者通りってとこ、配信のネタに良さそうだって」
「冒険者通り? あ、私も色々調べてて見たことあるかも。ギルドの裏通りにあるっていうお店が集まってる場所でしょ?」
「そうそう。色んな道具やらアクセサリやら売ってるらしい」
「へぇ~面白そう。私も行ってみたいな」
秋月の瞳がキラリと輝く。どうやら興味津々のようだ。秋月も冒険者になったことだし、一緒に行っても不自然ではないよな。
そのとき、マールが何やら得意げにラムの頭に草の冠をのせていた。モグも真似して自分の頭に枝を刺してポーズを取っている。
「ワンワン!」
「ピキィ~♪」
「モグ~!」
「マァ~♪」
「ゴブゥ~!」
俺たちの話そっちのけで、モンスターたちは謎のコスプレ遊びに夢中らしい。
「じゃあ今度、時間ある時に一緒に行ってみるか。ついでに焼きチーズドッグってのも食べてみたいし」
「うん、楽しみ♪ 皆にもお土産買ってこようね」
「ワンワン!」
「ピキィ!」
「ゴブ!」
「マァ!」
「モグゥ!」
俺たちの話が聞こえていたのか、皆も興味津々なようだな。モンスターバトルの事もあるし、役に立つものも揃っているかも知れない。
こうして俺たちの新しい目的地――冒険者通りへの訪問が、次なる小さな楽しみとして心に刻まれた。
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