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第三章 放置ダンジョンで冒険者暮らし編
第171話 思わぬ収穫
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冒険者通りに行く予定も立ち、ひと段落したところで、ふと気づいた。
「そういえば、畑の人参。育ってるか確認してみるか」
俺の言葉に、モコとマールがぴょんと跳ねて反応する。
「ワンワンッ!」
「マァ!」
まるで「行こう行こう!」とでも言いたげな様子で、他の皆もつられるように動き出した。
「よし、見に行ってみよう」
畑は、テントから少し離れた区画にある。あのときホームセンターで買った鍬やスコップ、移植ゴテにホースまで、今ではすっかり馴染んでいる。
土は柔らかく、植物の気配が力強く伝わってくる。ダンジョンの土壌は不思議な力を帯びていて、普通よりも成長が早いようだ。
「お、いい感じに葉が茂ってるな」
試しに一本、モコと一緒に引き抜いてみると……
「……太っ!」
驚いたことに現れたのは拳ほどもある立派な人参だった。まさかもう育ってるとは――それにしてもよく育ったな。土の香りと、ほんのり甘い香りが混ざって鼻をくすぐる。
「ピキィ~♪」
「モグゥ~!」
「ゴブゴブ!」
ラムもモグもゴブも大はしゃぎ。収穫祭気分で他の人参も掘り起こしていく。
「ちょっと待てって、お前ら早ぇよ!」
皆でわちゃわちゃと賑やかに収穫している中、俺はふと引き抜いた人参をまじまじと見つめた。
(なんだ、この色……普通の人参と少し違うような?)
試しにステータスを確認してみる。すると――
『魔根人参:ダンジョンの魔力を吸って育った強化作物。使用時、一時的に筋力と反応速度が微上昇する。調理することで効果時間が延びる』
「……おいおい、これマジかよ」
驚いて視線を落とすと、右手のジョブストーンがうっすらと輝いていた。
「……これ、まさか」
急いで腕のジョブストーンを使い、壁に投影する。
ジョブ名:農民
装備者:風間 晴彦
ジョブレベル:3
戦闘力:D
魔法力:D
信仰力:C
生産力:B+
成長力:C
スキル
土壌改良(20㎡)、土鑑定、【作物鑑定】、耕作力向上(中)、栽培力向上(中)、農民用中級鍬術、鍬強化、土穴砕、天耕撃、土竜突、天地返し
「何か色々変わってる……!」
ジョブを確認したら結構な変化があった。ジョブレベルは2→3になっていて、生産力もB→B+に。
土壌改良が10㎡→20㎡に、耕作力向上と栽培力向上も【小】から【中】に上がり、新しいスキルとして【作物鑑定】が増えていた。この新スキルは育てた作物の性質を見極めるスキルらしい。今までは土や育成環境の鑑定しかできなかったのが、ようやく成果物にも対応したってわけか。
「よぉし、今日は祝福と収穫の日だな!」
「ワンッ!」
「ピキィ♪」
「モグ~♪」
「マァ~!」
「ゴブゴブッ♪」
俺たちは思いがけない収穫とスキルの成長を祝いながら、畑作業を始めた。
その様子を秋月がスマフォ片手に撮影していた。皆の様子を笑顔で見ている。
「ふふっ、皆すごく楽しそう。この映像、きっと喜んでもらえると思うな」
「ハハッ、たしかにな。これで視聴数も伸びるといいけどな」
「うん、そうだね。この調子で、もっと畑の様子も撮っておきたいね」
秋月のスマフォが軽快に動く。俺たちの様子を映しながら、彼女は優しい笑みを浮かべていた。
「でもハルさん、こんな立派な人参が採れたんだね! すごいよ!」
「ああ、まさかここまで育ってるとは思わなかったよ」
彼女の笑顔と収穫の喜びで、今日もまた、心があったかくなるのだった。
ダンジョンでの生活には、まだまだ知らない可能性が詰まっていそうだ。
「そういえば、畑の人参。育ってるか確認してみるか」
俺の言葉に、モコとマールがぴょんと跳ねて反応する。
「ワンワンッ!」
「マァ!」
まるで「行こう行こう!」とでも言いたげな様子で、他の皆もつられるように動き出した。
「よし、見に行ってみよう」
畑は、テントから少し離れた区画にある。あのときホームセンターで買った鍬やスコップ、移植ゴテにホースまで、今ではすっかり馴染んでいる。
土は柔らかく、植物の気配が力強く伝わってくる。ダンジョンの土壌は不思議な力を帯びていて、普通よりも成長が早いようだ。
「お、いい感じに葉が茂ってるな」
試しに一本、モコと一緒に引き抜いてみると……
「……太っ!」
驚いたことに現れたのは拳ほどもある立派な人参だった。まさかもう育ってるとは――それにしてもよく育ったな。土の香りと、ほんのり甘い香りが混ざって鼻をくすぐる。
「ピキィ~♪」
「モグゥ~!」
「ゴブゴブ!」
ラムもモグもゴブも大はしゃぎ。収穫祭気分で他の人参も掘り起こしていく。
「ちょっと待てって、お前ら早ぇよ!」
皆でわちゃわちゃと賑やかに収穫している中、俺はふと引き抜いた人参をまじまじと見つめた。
(なんだ、この色……普通の人参と少し違うような?)
試しにステータスを確認してみる。すると――
『魔根人参:ダンジョンの魔力を吸って育った強化作物。使用時、一時的に筋力と反応速度が微上昇する。調理することで効果時間が延びる』
「……おいおい、これマジかよ」
驚いて視線を落とすと、右手のジョブストーンがうっすらと輝いていた。
「……これ、まさか」
急いで腕のジョブストーンを使い、壁に投影する。
ジョブ名:農民
装備者:風間 晴彦
ジョブレベル:3
戦闘力:D
魔法力:D
信仰力:C
生産力:B+
成長力:C
スキル
土壌改良(20㎡)、土鑑定、【作物鑑定】、耕作力向上(中)、栽培力向上(中)、農民用中級鍬術、鍬強化、土穴砕、天耕撃、土竜突、天地返し
「何か色々変わってる……!」
ジョブを確認したら結構な変化があった。ジョブレベルは2→3になっていて、生産力もB→B+に。
土壌改良が10㎡→20㎡に、耕作力向上と栽培力向上も【小】から【中】に上がり、新しいスキルとして【作物鑑定】が増えていた。この新スキルは育てた作物の性質を見極めるスキルらしい。今までは土や育成環境の鑑定しかできなかったのが、ようやく成果物にも対応したってわけか。
「よぉし、今日は祝福と収穫の日だな!」
「ワンッ!」
「ピキィ♪」
「モグ~♪」
「マァ~!」
「ゴブゴブッ♪」
俺たちは思いがけない収穫とスキルの成長を祝いながら、畑作業を始めた。
その様子を秋月がスマフォ片手に撮影していた。皆の様子を笑顔で見ている。
「ふふっ、皆すごく楽しそう。この映像、きっと喜んでもらえると思うな」
「ハハッ、たしかにな。これで視聴数も伸びるといいけどな」
「うん、そうだね。この調子で、もっと畑の様子も撮っておきたいね」
秋月のスマフォが軽快に動く。俺たちの様子を映しながら、彼女は優しい笑みを浮かべていた。
「でもハルさん、こんな立派な人参が採れたんだね! すごいよ!」
「ああ、まさかここまで育ってるとは思わなかったよ」
彼女の笑顔と収穫の喜びで、今日もまた、心があったかくなるのだった。
ダンジョンでの生活には、まだまだ知らない可能性が詰まっていそうだ。
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