15 / 190
第二章 冒険者登録編
第14話 ダンジョンをお掃除
しおりを挟む
「よし。じゃあ始めて行くかな」
「ワンッ!」
「ピキッ!」
俺が道具を手にするとモコもデッキブラシを握りしめた。どうやら一緒に掃除してくれるらしい。ラムもすごくやる気なようだけど流石にラムは掃除道具を持てないか。
さてまずは川に向かう。そこで水を洗浄機に補充した。この高圧洗浄機はタンク式だからタンクに水を補充して扱える。水源が川の水なのもあってこれにした。
「さぁまずはここだ」
ダンジョンの壁には大量の落書きが残されている。これがずっと気になっていたんだ。この機会に全部洗い落とそう。
スイッチを入れジェット噴射で水を掛ける。これでまずは汚れを洗い流す。
「ワン!」
するとモコがデッキブラシを手に持って俺の横に立った。どうやら手伝ってくれるようだ。
「それならこの壁をそれでゴシゴシ磨いてくれるかな?」
「ワオンッ!」
任せてと言わんばかりに元気のいい返事だな。さてタンクの中が空になったし俺はまた川に向かった。水道がないから川まで汲みに行く必要がありこれはわりと手間かもしれない。
「ピキィ」
ラムが俺の肩に乗った。一緒に川までいきたいようだな。ラムをつれて川までいくとラムが川に飛び込んだ。もしかして川で涼みたかったのだろうか。
川でパシャパシャしているラムを微笑ましく思いつつ俺はタンクに水を補充した。
「さて戻ろうか」
「ピッ!」
ラムが俺の肩に戻ってきたのでダンジョン前に戻るとモコがデッキブラシでダンジョンの壁をゴシゴシと磨いてくれていた。落書きもだいぶ薄くなってきている。
「いいぞモコ。その調子だ」
俺も再度ジェット噴射をお見まいした。やはりこういう道具を使うと汚れを落とすのも早いな。
「よし。ダンジョンの外側はこれでもう大丈夫だろう」
「ワン!」
「ピキィ」
モコも満足そうだ。ラムも嬉しそうにしている。さて引き続き中の掃除だ。中の壁にも落書きはある。それに落書きを落とした後は投げ捨てられたゴミもなんとかしないとな。
しかしよく見ると放置ダンジョンだからって好き勝手な真似してるものだな。どこの誰かはわからないが酷いことをするもんだ。
「俺たちで綺麗にしてやるからな」
ダンジョンにそう語りかける。まぁダンジョンが聞いているとは思えないが。
――ガ、トウ……。
「うん? モコ、ラム、今なにか言ったか?」
「ワウ?」
「ピキィ~?」
問いかけてみたがモコモラムも?顔だった。何か聞こえた気がしたけど気の所為だったかもな。
さて再びジェット噴射を使用するもすぐにタンクが空になった。やはり家庭用だから水もそんなに長くもたないな。
「じゃあまた水を汲みに――」
「ピキィ~!」
俺がそう言うとラムがピョンピョン跳ねて何かを訴えかけてきた。何だろう? と思っているとラムが高圧洗浄機の蓋の上に体を乗せてピョンピョン跳ねている。
「ラムそれは乗り物じゃないぞ」
「ピッ! ピキ~」
体を左右に振ってどうやらそういうわけじゃないと言いたげだ。う~ん、もしかして――
「蓋を外せばいいのか?」
「ピキィ」
どうやらそういうことらしい。なのでタンクの蓋をあけるとなんとラムが体から水を放出してタンクの中身を補充してくれた。
「驚いたなラム。そんなことが出来たのか」
「ピキィ~♪」
俺が感心してみせるとラムは満更でもないようだった。しかしこれで川まで汲みに行く頻度はへるな。勿論ラムが貯めた水だって無限というわけじゃないからその分はまた汲みに行く必要があるかもだが。
そんなことを考えているとなんとラムが壁に向かって自ら水を放出して掃除をし始めた。
「おぉ! ありがとうラム」
お礼を伝えるとラムが嬉しそうにピョンピョン跳ねた。ラムも掃除に参加したかったのかもしれない。
その後ラムはなんと洗剤まで体に取り込んだ。最初は驚いて吐き出すよう言ったがラムはそのまま洗剤入りの水を放出して壁を掃除してくれた。
「参ったな。高圧洗浄機顔負けじゃないか」
おかげでより掃除が捗った。俺とラムで壁に水を掛けそれをモコがブラシで磨く。ある程度洗浄機で汚れを落とした後はラムが水掛け担当となり俺もブラシで壁を擦っていった。
こうしてダンジョンの落書きが消えていきすっかり汚れが目立たなくなった。その後は落ちているゴミを拾い選別してゴミ袋に入れていく。モコは勿論ラムも器用に拾ってくれていた。
「よし! ゴミも片付いたな」
「ワン!」
「ピキィ~♪」
すっかり見違えたダンジョンを見回し俺たちは満足げに頷いた。分別したゴミは出せる日にちを確認して一番近くのゴミ収集所まで持っていくことになるだろうが、とにかく今は感慨に浸りたい気分である――
「ワンッ!」
「ピキッ!」
俺が道具を手にするとモコもデッキブラシを握りしめた。どうやら一緒に掃除してくれるらしい。ラムもすごくやる気なようだけど流石にラムは掃除道具を持てないか。
さてまずは川に向かう。そこで水を洗浄機に補充した。この高圧洗浄機はタンク式だからタンクに水を補充して扱える。水源が川の水なのもあってこれにした。
「さぁまずはここだ」
ダンジョンの壁には大量の落書きが残されている。これがずっと気になっていたんだ。この機会に全部洗い落とそう。
スイッチを入れジェット噴射で水を掛ける。これでまずは汚れを洗い流す。
「ワン!」
するとモコがデッキブラシを手に持って俺の横に立った。どうやら手伝ってくれるようだ。
「それならこの壁をそれでゴシゴシ磨いてくれるかな?」
「ワオンッ!」
任せてと言わんばかりに元気のいい返事だな。さてタンクの中が空になったし俺はまた川に向かった。水道がないから川まで汲みに行く必要がありこれはわりと手間かもしれない。
「ピキィ」
ラムが俺の肩に乗った。一緒に川までいきたいようだな。ラムをつれて川までいくとラムが川に飛び込んだ。もしかして川で涼みたかったのだろうか。
川でパシャパシャしているラムを微笑ましく思いつつ俺はタンクに水を補充した。
「さて戻ろうか」
「ピッ!」
ラムが俺の肩に戻ってきたのでダンジョン前に戻るとモコがデッキブラシでダンジョンの壁をゴシゴシと磨いてくれていた。落書きもだいぶ薄くなってきている。
「いいぞモコ。その調子だ」
俺も再度ジェット噴射をお見まいした。やはりこういう道具を使うと汚れを落とすのも早いな。
「よし。ダンジョンの外側はこれでもう大丈夫だろう」
「ワン!」
「ピキィ」
モコも満足そうだ。ラムも嬉しそうにしている。さて引き続き中の掃除だ。中の壁にも落書きはある。それに落書きを落とした後は投げ捨てられたゴミもなんとかしないとな。
しかしよく見ると放置ダンジョンだからって好き勝手な真似してるものだな。どこの誰かはわからないが酷いことをするもんだ。
「俺たちで綺麗にしてやるからな」
ダンジョンにそう語りかける。まぁダンジョンが聞いているとは思えないが。
――ガ、トウ……。
「うん? モコ、ラム、今なにか言ったか?」
「ワウ?」
「ピキィ~?」
問いかけてみたがモコモラムも?顔だった。何か聞こえた気がしたけど気の所為だったかもな。
さて再びジェット噴射を使用するもすぐにタンクが空になった。やはり家庭用だから水もそんなに長くもたないな。
「じゃあまた水を汲みに――」
「ピキィ~!」
俺がそう言うとラムがピョンピョン跳ねて何かを訴えかけてきた。何だろう? と思っているとラムが高圧洗浄機の蓋の上に体を乗せてピョンピョン跳ねている。
「ラムそれは乗り物じゃないぞ」
「ピッ! ピキ~」
体を左右に振ってどうやらそういうわけじゃないと言いたげだ。う~ん、もしかして――
「蓋を外せばいいのか?」
「ピキィ」
どうやらそういうことらしい。なのでタンクの蓋をあけるとなんとラムが体から水を放出してタンクの中身を補充してくれた。
「驚いたなラム。そんなことが出来たのか」
「ピキィ~♪」
俺が感心してみせるとラムは満更でもないようだった。しかしこれで川まで汲みに行く頻度はへるな。勿論ラムが貯めた水だって無限というわけじゃないからその分はまた汲みに行く必要があるかもだが。
そんなことを考えているとなんとラムが壁に向かって自ら水を放出して掃除をし始めた。
「おぉ! ありがとうラム」
お礼を伝えるとラムが嬉しそうにピョンピョン跳ねた。ラムも掃除に参加したかったのかもしれない。
その後ラムはなんと洗剤まで体に取り込んだ。最初は驚いて吐き出すよう言ったがラムはそのまま洗剤入りの水を放出して壁を掃除してくれた。
「参ったな。高圧洗浄機顔負けじゃないか」
おかげでより掃除が捗った。俺とラムで壁に水を掛けそれをモコがブラシで磨く。ある程度洗浄機で汚れを落とした後はラムが水掛け担当となり俺もブラシで壁を擦っていった。
こうしてダンジョンの落書きが消えていきすっかり汚れが目立たなくなった。その後は落ちているゴミを拾い選別してゴミ袋に入れていく。モコは勿論ラムも器用に拾ってくれていた。
「よし! ゴミも片付いたな」
「ワン!」
「ピキィ~♪」
すっかり見違えたダンジョンを見回し俺たちは満足げに頷いた。分別したゴミは出せる日にちを確認して一番近くのゴミ収集所まで持っていくことになるだろうが、とにかく今は感慨に浸りたい気分である――
472
あなたにおすすめの小説
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
私のスキルが、クエストってどういうこと?
地蔵
ファンタジー
スキルが全ての世界。
十歳になると、成人の儀を受けて、神から『スキル』を授かる。
スキルによって、今後の人生が決まる。
当然、素晴らしい『当たりスキル』もあれば『外れスキル』と呼ばれるものもある。
聞いた事の無いスキル『クエスト』を授かったリゼは、親からも見捨てられて一人で生きていく事に……。
少し人間不信気味の女の子が、スキルに振り回されながら生きて行く物語。
一話辺りは約三千文字前後にしております。
更新は、毎週日曜日の十六時予定です。
『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しております。
収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~
エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます!
2000年代初頭。
突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。
しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。
人類とダンジョンが共存して数十年。
元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。
なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。
これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。
転移したらダンジョンの下層だった
Gai
ファンタジー
交通事故で死んでしまった坂崎総助は本来なら自分が生きていた世界とは別世界の一般家庭に転生できるはずだったが神側の都合により異世界にあるダンジョンの下層に飛ばされることになった。
もちろん総助を転生させる転生神は出来る限りの援助をした。
そして総助は援助を受け取るとダンジョンの下層に転移してそこからとりあえずダンジョンを冒険して地上を目指すといった物語です。
僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
「お前の戦い方は地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん、その正体は大陸を震撼させた伝説の暗殺者。
夏見ナイ
ファンタジー
「地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん冒険者アラン(40)。彼はこれを機に、血塗られた過去を捨てて辺境の村で静かに暮らすことを決意する。その正体は、10年前に姿を消した伝説の暗殺者“神の影”。
もう戦いはこりごりなのだが、体に染みついた暗殺術が無意識に発動。気配だけでチンピラを黙らせ、小石で魔物を一撃で仕留める姿が「神業」だと勘違いされ、噂が噂を呼ぶ。
純粋な少女には師匠と慕われ、元騎士には神と崇められ、挙句の果てには王女や諸国の密偵まで押しかけてくる始末。本人は畑仕事に精を出したいだけなのに、彼の周りでは勝手に伝説が更新されていく!
最強の元暗殺者による、勘違いスローライフファンタジー、開幕!
小さなフェンリルと私の冒険時間 〜ぬくもりに包まれた毎日のはじまり〜
ちょこの
ファンタジー
もふもふな相棒「ヴァイス」と一緒に、今日もダンジョン生活♪
高校生の優衣は、ダンジョンに挑むけど、頼れるのはふわふわの相棒だけ。
ゆるふわ魔法あり、ドキドキのバトルあり、モフモフ癒しタイムも満載!
ほんわか&ワクワクな日常と冒険が交差する、新感覚ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる