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第二章 冒険者登録編
第41話 それぞれに合った武器
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先ずはどの武器から試すべきか――楓が並べた品々を見ながら俺は考えた。単純に考えたら鎌は普通に使えそうだ。鎖鎌なんて有名な武器もあるし鎌使いってちょっと格好いい気もする。
ただ最初に扱う武器として俺的にしっくり来そうな物――
「これかな」
「え? 鍬?」
俺が選んだ武器を見て山守が驚いていた。まぁあえて鍬を選ぶなんてそうはないのかも。
「いや、悪い選択じゃないと思うぞ。鍬は扱い方としては棒術に近い。柄の長さを利用すれば少ない力で強力な一撃を叩き込むことも可能だ。実際鍬術という戦闘術も存在するし、農具を使った戦法は山守流でも伝わっている」
そう言って楓が深く頷いた。良かった、どうやら鍬を使うというのは間違ってもいないようだな。そして俺は楓から鍬の扱い方を教わることになった。
「そう。持ち方はそれでいい。基本的には畑を耕すのとそう変わらないからな」
楓が丁重に鍬の扱い方を教えてくれた。どうやら腰の使い方などは畑仕事に通ずる物があるようだ。
「とりあえず剣道の面のように振り下ろすところからか。後は刃床部を逆にして突いたり――」
基本的な型も含めて楓から教わり反復練習する。それだけでも何となく強くなれた気がしたのは俺が単純だからだろうか。
「ワン!」
「おお! モコも何か扱いたいのか。気に入ったのはあるかい?」
「ワンワン!」
俺が素振りを続けている中、楓はモコの稽古にも向き合ってくれた。楓が問いかけるとモコが壁に掛かっている武器を指さした。
「ほう。三節棍か。ただ、こっちはモコには大きそうだからな」
言って楓がまた奥に引っ込んだ。その後モコでも扱えそうなサイズの三節棍を持ってきてくれた。
「これなら使えるだろう」
「ワン!」
モコが嬉しそうに三節棍を受け取った。早速構えを取ってみせるが中々様になっていた。
「ほう。姿勢もいいな。もしかして何かやっていたのか?」
「モコは格闘技が好きなようで、動画でも良く見ていたんです。カンフー系の映画も好きで三節棍もそこから知ったんだと思いますね」
モコの動きに関心を示した楓に説明した。モコは一度タブレット端末の操作を教えてから、暇を見てそういう動画を見ていたからな。
「なるほどな。だが見るとやるでは大違いだ。とりあえず振ってみてくれ」
「ワン!」
得心が言ったと頷く楓だったけど、確かに見ているのと実際に使ってみるとでは大きな違いがあるんだろうな。
「ワォォオォォオォオオオン!」
モコなりの気合の入れ方を見せた後、モコが三節棍を振っていく。おお、中々いいじゃないか、と思った直後モコが振った三節棍が後頭部に直撃した。
「モコ大丈夫か!」
「モコちゃん大丈夫!?」
「ピキィ!」
俺たちは心配になってモコに駆け寄った。モコは涙目になっていた。
「痛かったかモコ?」
「ワン――」
俺が頭を擦ってあげるとモコがヒシっと俺に抱きついてきた。心配だが同時にこの仕草が愛おしくも感じてしまう。
だけどモコはすぐに俺から離れ楓に向き直った。
「ワン!」
「ふむ。そのやる気は素晴らしいぞ! 何、最初は誰でも上手くいかないさ。いいか三節棍を扱うときは――」
改めて楓がモコに三節棍の扱い方を教えていた。モコも立ち直って真剣に教わっている。
「ピキィ~ピキィ~!」
「ラムちゃんも何か知りたいの?」
「ピキィ~」
ラムには秋月がついて話を聞いているようだ。そこに紅葉の姿もあった。うん、モコもラムも自分に何が出来るかと必死に考えているんだな。俺も頑張らないと。
「鍬を扱う時には土を感じ取るのもいいかもしれませんね」
改めて俺が素振りを再開させると月見から声が掛かった。
「土ですか?」
「はい。これは山守流の特徴でもあるのですか、自然の声を聞き、自然の気を感じ取り、自然の流れに身を任せよ――と父も良く言ってました」
父――落葉の爺さんの事だな。なるほど、なんとなく彼らしい言葉だなと思った。だからこそ土を感じ取るのが大事ということか。
「それに鍬を使った戦いは土を味方につけることも多かったと聞きます。礫にして飛ばしたり目くらましに使ったりですね」
そんな戦い方もあるのか。だけどいいことを聞いたかもな。そして俺は土を感じ取ることも意識して練習に励み、モコとラムもそれぞれ道場での特訓に勤しんだのだった――
ただ最初に扱う武器として俺的にしっくり来そうな物――
「これかな」
「え? 鍬?」
俺が選んだ武器を見て山守が驚いていた。まぁあえて鍬を選ぶなんてそうはないのかも。
「いや、悪い選択じゃないと思うぞ。鍬は扱い方としては棒術に近い。柄の長さを利用すれば少ない力で強力な一撃を叩き込むことも可能だ。実際鍬術という戦闘術も存在するし、農具を使った戦法は山守流でも伝わっている」
そう言って楓が深く頷いた。良かった、どうやら鍬を使うというのは間違ってもいないようだな。そして俺は楓から鍬の扱い方を教わることになった。
「そう。持ち方はそれでいい。基本的には畑を耕すのとそう変わらないからな」
楓が丁重に鍬の扱い方を教えてくれた。どうやら腰の使い方などは畑仕事に通ずる物があるようだ。
「とりあえず剣道の面のように振り下ろすところからか。後は刃床部を逆にして突いたり――」
基本的な型も含めて楓から教わり反復練習する。それだけでも何となく強くなれた気がしたのは俺が単純だからだろうか。
「ワン!」
「おお! モコも何か扱いたいのか。気に入ったのはあるかい?」
「ワンワン!」
俺が素振りを続けている中、楓はモコの稽古にも向き合ってくれた。楓が問いかけるとモコが壁に掛かっている武器を指さした。
「ほう。三節棍か。ただ、こっちはモコには大きそうだからな」
言って楓がまた奥に引っ込んだ。その後モコでも扱えそうなサイズの三節棍を持ってきてくれた。
「これなら使えるだろう」
「ワン!」
モコが嬉しそうに三節棍を受け取った。早速構えを取ってみせるが中々様になっていた。
「ほう。姿勢もいいな。もしかして何かやっていたのか?」
「モコは格闘技が好きなようで、動画でも良く見ていたんです。カンフー系の映画も好きで三節棍もそこから知ったんだと思いますね」
モコの動きに関心を示した楓に説明した。モコは一度タブレット端末の操作を教えてから、暇を見てそういう動画を見ていたからな。
「なるほどな。だが見るとやるでは大違いだ。とりあえず振ってみてくれ」
「ワン!」
得心が言ったと頷く楓だったけど、確かに見ているのと実際に使ってみるとでは大きな違いがあるんだろうな。
「ワォォオォォオォオオオン!」
モコなりの気合の入れ方を見せた後、モコが三節棍を振っていく。おお、中々いいじゃないか、と思った直後モコが振った三節棍が後頭部に直撃した。
「モコ大丈夫か!」
「モコちゃん大丈夫!?」
「ピキィ!」
俺たちは心配になってモコに駆け寄った。モコは涙目になっていた。
「痛かったかモコ?」
「ワン――」
俺が頭を擦ってあげるとモコがヒシっと俺に抱きついてきた。心配だが同時にこの仕草が愛おしくも感じてしまう。
だけどモコはすぐに俺から離れ楓に向き直った。
「ワン!」
「ふむ。そのやる気は素晴らしいぞ! 何、最初は誰でも上手くいかないさ。いいか三節棍を扱うときは――」
改めて楓がモコに三節棍の扱い方を教えていた。モコも立ち直って真剣に教わっている。
「ピキィ~ピキィ~!」
「ラムちゃんも何か知りたいの?」
「ピキィ~」
ラムには秋月がついて話を聞いているようだ。そこに紅葉の姿もあった。うん、モコもラムも自分に何が出来るかと必死に考えているんだな。俺も頑張らないと。
「鍬を扱う時には土を感じ取るのもいいかもしれませんね」
改めて俺が素振りを再開させると月見から声が掛かった。
「土ですか?」
「はい。これは山守流の特徴でもあるのですか、自然の声を聞き、自然の気を感じ取り、自然の流れに身を任せよ――と父も良く言ってました」
父――落葉の爺さんの事だな。なるほど、なんとなく彼らしい言葉だなと思った。だからこそ土を感じ取るのが大事ということか。
「それに鍬を使った戦いは土を味方につけることも多かったと聞きます。礫にして飛ばしたり目くらましに使ったりですね」
そんな戦い方もあるのか。だけどいいことを聞いたかもな。そして俺は土を感じ取ることも意識して練習に励み、モコとラムもそれぞれ道場での特訓に勤しんだのだった――
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