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第二章 冒険者登録編
第43話 夕食もごちそうになりました
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「晴彦は酒もいける口かな?」
夕食の準備が整い皆で鍋を囲んだわけだが、そこで楓から酒を進められた。これでも一応は営業でやってきていたから酒はそれなりに呑める方ではある。
「少しなら」
「そうかそうか。それなら先ずは一杯」
流石に断るのも失礼だと思いいただくことにした。勿論俺からお酌を返すのも忘れない。とは言え今はモコとラムも一緒だからな。ハメを外しすぎないようにしないと。
「最初はどうなるかと思ったけどすっかりお父さんも風間さんを気に入ってくれたみたいだね」
「うむ。根性もありそうだからな。だが娘と結婚なんてことになったら話は別だぞ」
「だからそれは誤解ですって」
少し引きつったような笑いになってしまった。出会ったばかりでそんな勘違いされたらきっと秋月も迷惑だろうな。まぁ、これに関しては楓もわかっていて言ってる気もするけど。
「モコちゃんラムちゃん。鍋美味しい?」
「ワン!」
「ピキィ~♪」
紅葉がモコとラムにあ~んっと食べさせて上げていた。モコもラムも味に満足しているようでとてもご満悦そうだ。夕食は本当に美味しかった。俺も手伝ったけど素材と出汁がいい。
秋月の母の腕がいいのがよくわかる。それにしてもこんな温かい家族団らんの輪に入れてもらえるなんてな。何だか嬉しい。
「何だかこういうの久しぶりな気がして心地良いですね。今日は山守家にお呼ばれして本当に良かった」
「そう言って貰えるならこんな嬉しいことはないな。ところで晴彦の家族は何を?」
ふと俺の両親について楓から聞かれてしまい、一瞬考えてしまった。
「その――今はいなくて」
俺がそう答えると一瞬皆の動きが止まって沈黙が訪れた。あれ? どうかしたのだろうか。
「――そうか。だったらこれからはうちを自分の家だと思って自由に来ていいからな。俺も家族だと思ってバンバン鍛えてやるぞ!」
そう言って楓が俺の背中をバンバンっと叩いた。家族の一員みたいに言ってくれたのは嬉しいけど、何か違和感が。
「そうですね。ご飯もいつでも食べに来てもいいですからね」
「うん。よかったね風間さん。お母さんとお父さんも風間さんのことを気に入ってくれてよかったよ~」
何故か山守が涙目だ。何故!?
「ワン!」
「ピキィ~!」
モコとラムも俺に身を寄せてきた。ずっと一緒だよと言ってくれてるようだけど、何故だろう? 何だか励まされてる気がするぞ。
「うむ。だが秋月の夫として認めるかはまた別問題だからな!」
「わ、わかってますよ」
楓に釘を刺されたけどそこは本当勘違いだからね。
「も、もうお父さんってば」
山守が顔を赤くさせて何か呟いていた。うん? 山守はお酒を呑んでないはずなんだけどな。
「家族が増えたみたいで嬉しい! そうだモコちゃんやラムちゃんも皆で一緒にここに住もうよ!」
紅葉が明暗とばかりに言った。それは流石に難しいと思うけど、きっと純粋な気持ちで言ってるんだろうね。
「ごめんね。ダンジョンのことも気になるから――」
出来るだけ紅葉が傷つかないように説明した。モコとラムは残念そうだけど、ダンジョンが気になるのは本当だし、それはモコとラムも一緒だと思う。
「うぅ残念。一緒に暮らすなら遠足も一緒にいきたかったのに~」
「へぇ~遠足があるんだね」
「うん。今週の金曜日に陽輝山で登山遠足があるんだって」
陽輝山か。陰倉山の反対側にある山だな。あそこは比較的緩やかでもあるし子ども用の登山コースもあるから学校の行事で利用されるのはわかる気がする。
そして楽しい時間はあっという間に終わり、俺たちは御暇することになった。
「今夜ぐらいは泊まっていってもよかったというのに」
「嬉しいお話ですがダンジョンのことがやっぱり気がかりなので」
食後に一泊しないか聞かれたけどお礼を伝えて辞去することになった。何故かわからないけど、今夜はダンジョンには帰っておいた方がいい気がするんだよな。
「また遊びに来てね!」
「勿論。また寄らせてもらうよ」
「ワン!」
「ピキィ!」
「ワウワウ!」
俺が答えるとモコとラムも絶対にくると言わんばかりに元気よく答えた。見送りには菊郎も出てきてくれたよ。
「それじゃあ風間さん行こうか」
「秋月、暗くなってきているから運転には気をつけてね」
帰りは秋月が車で送ってくれることになった。月見から釘を刺されていたけど、秋月の運転は上手いから心配はしていない。
俺と違って一滴も呑んでないしな。かく言う俺も押さえておいたから今もほろ酔い程度だ。
「シートベルトもしたね。それじゃあ行くね」
「ありがとうございました」
そして俺たちは見送ってくれた皆に挨拶し山守家を後にするのだった――
夕食の準備が整い皆で鍋を囲んだわけだが、そこで楓から酒を進められた。これでも一応は営業でやってきていたから酒はそれなりに呑める方ではある。
「少しなら」
「そうかそうか。それなら先ずは一杯」
流石に断るのも失礼だと思いいただくことにした。勿論俺からお酌を返すのも忘れない。とは言え今はモコとラムも一緒だからな。ハメを外しすぎないようにしないと。
「最初はどうなるかと思ったけどすっかりお父さんも風間さんを気に入ってくれたみたいだね」
「うむ。根性もありそうだからな。だが娘と結婚なんてことになったら話は別だぞ」
「だからそれは誤解ですって」
少し引きつったような笑いになってしまった。出会ったばかりでそんな勘違いされたらきっと秋月も迷惑だろうな。まぁ、これに関しては楓もわかっていて言ってる気もするけど。
「モコちゃんラムちゃん。鍋美味しい?」
「ワン!」
「ピキィ~♪」
紅葉がモコとラムにあ~んっと食べさせて上げていた。モコもラムも味に満足しているようでとてもご満悦そうだ。夕食は本当に美味しかった。俺も手伝ったけど素材と出汁がいい。
秋月の母の腕がいいのがよくわかる。それにしてもこんな温かい家族団らんの輪に入れてもらえるなんてな。何だか嬉しい。
「何だかこういうの久しぶりな気がして心地良いですね。今日は山守家にお呼ばれして本当に良かった」
「そう言って貰えるならこんな嬉しいことはないな。ところで晴彦の家族は何を?」
ふと俺の両親について楓から聞かれてしまい、一瞬考えてしまった。
「その――今はいなくて」
俺がそう答えると一瞬皆の動きが止まって沈黙が訪れた。あれ? どうかしたのだろうか。
「――そうか。だったらこれからはうちを自分の家だと思って自由に来ていいからな。俺も家族だと思ってバンバン鍛えてやるぞ!」
そう言って楓が俺の背中をバンバンっと叩いた。家族の一員みたいに言ってくれたのは嬉しいけど、何か違和感が。
「そうですね。ご飯もいつでも食べに来てもいいですからね」
「うん。よかったね風間さん。お母さんとお父さんも風間さんのことを気に入ってくれてよかったよ~」
何故か山守が涙目だ。何故!?
「ワン!」
「ピキィ~!」
モコとラムも俺に身を寄せてきた。ずっと一緒だよと言ってくれてるようだけど、何故だろう? 何だか励まされてる気がするぞ。
「うむ。だが秋月の夫として認めるかはまた別問題だからな!」
「わ、わかってますよ」
楓に釘を刺されたけどそこは本当勘違いだからね。
「も、もうお父さんってば」
山守が顔を赤くさせて何か呟いていた。うん? 山守はお酒を呑んでないはずなんだけどな。
「家族が増えたみたいで嬉しい! そうだモコちゃんやラムちゃんも皆で一緒にここに住もうよ!」
紅葉が明暗とばかりに言った。それは流石に難しいと思うけど、きっと純粋な気持ちで言ってるんだろうね。
「ごめんね。ダンジョンのことも気になるから――」
出来るだけ紅葉が傷つかないように説明した。モコとラムは残念そうだけど、ダンジョンが気になるのは本当だし、それはモコとラムも一緒だと思う。
「うぅ残念。一緒に暮らすなら遠足も一緒にいきたかったのに~」
「へぇ~遠足があるんだね」
「うん。今週の金曜日に陽輝山で登山遠足があるんだって」
陽輝山か。陰倉山の反対側にある山だな。あそこは比較的緩やかでもあるし子ども用の登山コースもあるから学校の行事で利用されるのはわかる気がする。
そして楽しい時間はあっという間に終わり、俺たちは御暇することになった。
「今夜ぐらいは泊まっていってもよかったというのに」
「嬉しいお話ですがダンジョンのことがやっぱり気がかりなので」
食後に一泊しないか聞かれたけどお礼を伝えて辞去することになった。何故かわからないけど、今夜はダンジョンには帰っておいた方がいい気がするんだよな。
「また遊びに来てね!」
「勿論。また寄らせてもらうよ」
「ワン!」
「ピキィ!」
「ワウワウ!」
俺が答えるとモコとラムも絶対にくると言わんばかりに元気よく答えた。見送りには菊郎も出てきてくれたよ。
「それじゃあ風間さん行こうか」
「秋月、暗くなってきているから運転には気をつけてね」
帰りは秋月が車で送ってくれることになった。月見から釘を刺されていたけど、秋月の運転は上手いから心配はしていない。
俺と違って一滴も呑んでないしな。かく言う俺も押さえておいたから今もほろ酔い程度だ。
「シートベルトもしたね。それじゃあ行くね」
「ありがとうございました」
そして俺たちは見送ってくれた皆に挨拶し山守家を後にするのだった――
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